かわじま和船体験会〜一艘の舟から始まる川物語 第3章の1〜
人, 街川越市と川島町の境にある落合橋。
その橋の下を流れる越辺川で、6月11日(日)「かわじま和船体験会」が行なわれました。
臨時の船着き場には、和舟が2艘寄り添うように浮かんでいました。
手前は那珂川の船大工、峯岸さんと一緒に製作したもの。
奥はその際に学んだ技術を使って、川島キャスティングネットで製作したものです。
まだ、スタートまで時間があるので試運転。
こちらでは受付の準備が始まっていました。
ライフジャケットを並べるスタッフの皆さん。
川島町と和船
「川島町と和船」について説明されたチラシがありましたので引用します。
川島町は四方を川に囲まれた地形のため、古くから洪水などの水害に悩まされてきました。堤防の決壊や浸水の記録がたくさん残っており、そのたびに、人はもちろん、牛などの家畜や土地、家屋に大きな被害をもたらしました。
明治40(1970)年の大洪水をきっかけとして、避難用の舟を持つ家が増えたと伝えられており、川島町の中でも、特に、出丸地区は他の地区に比べて土地が低いため、避難用の舟を持つ家が多くありました。洪水の際は、この舟を使って人を助けたり、食べ物を配るのに使ったと言われています。町内の和船の数を確認したところ、町内には47艘あることがわかりました。大きさは5m前後が多く、大きなものだと6mを超えるものもあり、普段は物置に吊るした状態で保管している家が多いこともわかりました。
本日の遊舟コースを一足先に巡らさせてもらいました。
水面を滑るように進む舟。静けさの中、聞こえるのは水の音と鳥の鳴き声。
ゆったりとした時間が流れます。
越辺川も雨が降らないため水面が随分下がっていました。
竿を差して調べると水深は50cmくらいでした。浅い川でも浮かべられるのが和舟の利点です。
流木に草が生えてまるで前衛芸術のよう。舟からしか見れない光景です。
堰で折り返して落合橋へと戻ります。
落合橋をくぐると木の杭が顔を出していました。かつての橋の跡でしょうか?
大谷川が越辺川へと合流する付近で折り返す。
ゆったりとした遊舟を楽しませていただきました。
スタッフの手にとまった「コシアキトンボ」。
メスは黄色で、オスは白いビニルテープを巻いたような腹部。
空を飛ぶと白い部分が透けているように見えるのが名前の由来。
次のお客さんがやってきましたので、今度は河岸で待ち構えてパチリ。
舟に乗ると普段とは違う目線で景色が流れ、時間感覚も変わってきます。
海はなくとも川には恵まれている埼玉県。
和舟を使ってもっとこの資源を活かす方法がないか考えていきたいですね。
カワゴエ・マス・メディアでは、昨年、舟作りや舟体験を取材しました。
今年も「一艘の舟から始まる川物語」と題して追いかけていきます。
取材・記事 白井紀行
INFORMATION
かわじま和船体験会
【開催】平成29年6月11日(日)10:00〜14:00
【場所】越辺川…
おやさいとくだものとお酒と・・鈴木 豪さん(すずのや店主)
人, 情報, 食川越の旬の野菜たちをたっぷりつかったお料理と、店主セレクトの日本酒が楽しめるお店、「すずのや」さんのオープンがいよいよ6/20(火)とせまってまいりました。
14時からゆるゆる~と昼飲みも楽しめるお店です。
このすずのやさんがテナントとして入る長屋のリノベーションは、川越市が開催したエリアリノベーション「まちづくりプロジェクト」がきっかけとなりました。ここで出会い、同じ志をもつ仲間が自らの手で解体、設備や内装工事に携わってきました。
店主となる鈴木豪さん(以下豪さん)も、この長屋の家守会社株式会社80%の一員として、解体・改修工事にも参加していました。
http://koedo.info/17050180percent/
そして、さかのぼること1年半前、豪さんは昨年2016年2月に行われたまち歩き物件検索ワークショップにも参加。
今回の長屋を見たときに「日本酒とおでんのお店をやりたい」と静かに、そして具体的に夢を語っていたのが印象的でした。
http://koedo.info/160226machiaruki/
その夢がいよいよ現実になります。
お忙しい作業の中、豪さんの簡単な経歴、すずのやさんのお店のメニューやコンセプトをお伺いしてきました。
鈴木さんは調理師専門学校製菓コースで学んだ後、銀座にあった超一流店に就職。それから約10年間「パティシエ」として活躍してきました。
秋田出身で、もともと飲みに行くことが好きだったと語る鈴木さんは、この10年を節目に一転「居酒屋」に転職。
以来「料理人」として様々な飲み屋さんを渡り歩くことになりました。
都内で人気店の居酒屋では、毎日大量に入荷する魚をさばき、魚のあつかい方と仕込みを一通り身につけ、おでん屋と立ち飲み屋では、店長として、店舗の会計・料理の提供・接客を一人ですべてをこなすことを覚えたと話します。
立ち飲み屋のお客さんは、さっと飲んでいかれる方が多く「料理を作っているときも、カウンターにいるお客さん全員の視線を感じながら」お店に立っていたとのこと。
この時の経験が、いつかは一人でお店をやりたいと思っていた豪さんの大きな自信につながりました。
そして、おでん屋で実感したのは「出汁」の美味しさと万能さ。
「野菜や練り物などの具材からうまみが出たおでんの出汁。それが常にそこにあるのは料理をする上では大きいです。出汁さえあれば、色んな料理に使えます。たとえばアサリの酒蒸しにいれる。アクアパッツアを作るなら、そこに出汁を加える。素材がもつ美味しさがより一層引き立ちます。」
素材自体にはあれこれ余計な手を加えないかわりに、醤油やみりんといったベースとなる調味料は妥協せず丁寧に選びたい、また「柚子胡椒」「ポン酢」「生七味」などもなるべく素材から手をかけて作っていきたいとのこと。
豪さんからお聞きした、すずのやさんのメニューやインテリア、食器などをご紹介します。(一部記者の妄想解説あり)
【お料理】
「本日のちょい刺し盛り」/「本日のちょいあて盛り」
ひとり飲みでも、お刺身や「あて(肴)」がちょっとずつたくさん楽しめる一品。
「川越産の朝どれ枝豆」
毎朝、指定農園から仕入れてくるとれたての枝豆は絶品。
「夏野菜の揚げびたし」
たとえば、旬のトウモロコシをかき揚げにして出汁をちょっとひと回し。
出汁のかすかな塩気がトウモロコシの甘さをさらに引き立てそうです。
「出汁でいただく葉物野菜のおひたし」
川越は、コマツナやホウレンソウといった葉物野菜もおいしい。おひたしにさっと出汁をかければ、野菜好きにはもちろん、箸休めにもなる嬉しい一品に。
おでんは一年中をとおして提供される予定で、まず10種類程、一皿200円から。
その他お料理は20品ほど用意、価格帯は280円から1000円以内程度になるそうです。
【酒・のみもの】
川越の「鏡山」を始めとして、日本酒は30種類ほどを常備予定。定番はほとんどおかずに、季節ごとや飲みきった後に入れ替えます。
秋田に里帰りしたさいには必ず何軒か酒蔵巡りをするという豪さん。そのたびに驚くような変化を感じているとのこと。
「酒造会社さんは以前分業制が多かったのが、跡継ぎが杜氏さんと経営を兼ねるといった会社が増えてきました。今までより意見・提案がとおりやすくなり、新しいこともどんどんできるようになったと聞きます。技術の向上はもちろんですが、この動きでお酒の味がぐんっと良くなってきたように思います。」
味わいも外見も個性豊かな日本酒がずらっとならぶ様子が目に浮かびます。
日本酒以外では、生絞りのレモンサワーも。こちらは甘めと苦めの2種類を用意。旬のくだもの使ったサワー類もそろえていくそうです。
他にも、ウーロンハイにつかうウーロン茶は茶葉自体も徹底的に調べて選んでいきたいとのこと。狭山茶を使ったものも考案中。
ソフトドリンク類は自家製シロップを使ったレモンスカッシュ等のソフトドリンクや自家製ジンジャーエールなど。
日本酒が苦手、お酒はちょっとという方にも、お料理と楽しめる嬉しいドリンクメニューです。
日本酒はグラス500円から。徳利は900円から。
サワー類は500円から。その他ビールもあり。
ソフトドリンクは450円から。
【甘いもの・デザート】
「和」を感じるものや、プリン、キャラメル系のものなどを考案中とのこと。
ここでは、パティシエとしての経験と腕が生きます。
日本酒とスイーツで〆るなんていいですね。
【うつわたち】
先日益子に出向き、買付したうつわも含め、お店でつかうものはあえて色形は統一せずバラバラ。成田山の蚤の市で見つけた掘り出し物の徳利もあるそうです。
おちょこは、お客さんに好きなものを選んでもらい、選ぶ楽しみ出会う楽しみも感じてもらえればとのこと。
【レイアウトとインテリア】
「1階」カウンター6席/立ち飲み4席/テーブル席2つ(4人掛け)
カウンターはポートランド(米オレゴン州)から取り寄せた古材を使用。
豪さん曰く「見たらめちゃくちゃかっこよくて、テンションあがりました。いろんな大変なことあったけど全部忘れてしまった」
そのカウンターに置かれるハイチェアーは、大阪の家具やさんに発注して約3か月かかったもの。
テーブル席の机はベークライトでちょっとノスタルジーを感じるたたずまい。
昔懐かしいダイヤル式の黒電話も設置。ただのインテリアではなく、実際に店舗で使用します。
あの懐かしい呼び鈴が鳴り響き、この長屋が生きてきた時代が蘇る一つのアイコンになりそうです。
「2階」テーブル席2つ(4人掛け)
最初は、実験的に主に知り合い向けに開放したいとのこと。冷蔵庫と酒燗器があるので、飲み物はそこから取ってもらう。料理はコースのみで、1階に取りに来てもらうスタイルを考えているそう。
1階も2階も壁はざらっとした白壁で、古材のしっかりとした木目をほどよく引き立てています。ガラス戸はすべて透明なので、外の風景が手に取るように分ります。
入口部分は吹き抜けになっており、思わず見上げてしまいたくなります。心地よい開放感にひたれそうです。
音楽好きな豪さんは、その場の雰囲気にあわせてお店の音楽もチョイス。DJブースも設置。
ただのお店というより、音楽イベントを始め、日本酒の酒蔵さんを呼んだり、農家さんも加えたイベントも開催して、人が出会い交流する場にもしていきたいとのことです。
人が通り過ぎるだけだった古い長屋。ここが人が集う場所になるのはもうすぐです。
ぜひすずのやさんを訪れてみてください。
※まだ内装工事中のお忙しい時間に対応していただきました。ありがとうございました。
一部をのぞきほぼ完成前の様子です。実際は照明やグリーンが入りもっと素敵になっています。
メニューについては、変更もありますのでご容赦ください。
また、この長屋にはglin…
パンを介して人と人がつながる市民のイベント〜川越パンマルシェ〜
人, 遊, 食5月21日(日)スタッフの熱気溢れる小江戸蔵里のギャラリー。
1週間後に迫った「川越パンマルシェ」に向けての最後の集まりだ。
案内板、インフォメーション、最後尾の札の制作、誘導員の配置を決める。
過去の経験と打ち合わせ、Facebookのディスカッションで交わされたアイデアが形に。
自分で好きな具を挟んで食べる「ご当地コッペ」のディスプレイ。
「両面テープを付けて自立させてますよ」と楽しそうに制作するスタッフ。
ワイワイガヤガヤと取り組んでいる様は、まるで文化祭の前日のよう。
‖…
大人も子どもも泥まみれになって田んぼで遊ぼう〜どろんこDAY〜
人, 子, 食取材・記事 白井紀行
川越市吉田の高台にある「特別養護老人ホーム みなみかぜ」
地域に開かれたみなみかぜ
社会福祉法人「健友会」が運営する施設。
老人ホームやグループホーム、ショートスティ、ケアハウス、ディサービなどを提供。
そして、特徴的なのは「地域交流センター」としての機能も持つこと。
施設で暮らす利用者、地域住民の方々、職員との交流の場としての活動も行われています。
2016/12/07では、地域交流活動のひとつ「昼市」の様子を記事にしました。
http://koedo.info/161207minamikze/
活動の一つ「みなみかぜいきいき田んぼの会」
この会では、生物多様性農法で無農薬稲作に地域住民と共に取り組んでいます。
田んぼに設けられたビオトープ。見た目でも多くの生きものが棲んでいるのがわかります。
このあたり一面は田んぼが広がり、今の季節はカエルさんが大合唱。
マガモたちがのんびりと餌をついばんでいました。
無農薬栽培の田んぼなので、泥の中に多くの生きものが育まれているのでしょう。
ウォーミングアップ
イベントが行われた5月27日は、前日の雨のせいか朝から肌寒い。
出足が心配されましたが、あっと言う間に子ども達が集まり賑やかになりました。
開会式でその日の流れや注意事項などの説明を受けたあと田んぼへ移動。
水路の始点にある小さな池の横には「倶利加羅不動」が祀られています。
剣に倶利加羅竜王が巻き付いていて飲み込もうとしている様子が描かれています。
最初は田んぼに足を踏み入れるのも恐る恐る。
田んぼの中は思ったよりも冷たくなく、その感触を楽します。
すぐに慣れて田んぼを駆け回る子供たち。
こちらはボートに乗って船遊びを楽しんでいます。
これから幾つかの田遊びをするので、「梅干し体操」で体をほぐしましょう。
草取り
田遊びといっても、やるからには意味がある。
田んぼを大勢で所狭しと駆け回ることで「人間代掻き」になってもらうのが目的です。
この日は、もうひとつのミッションも加わっていました。
田んぼに生えた草取り。
雑草を引き抜いて、
ボートに積んで畦に積み上げていきます。
たくさんのテントウムシを捉えてご満悦♪
畦に上がって一休み。よく冷えたお茶で喉を潤しました。
宝探しゲーム
子どもたちが100個のカラーボールを次々と田んぼに投げ込み始めました。
続いては宝探しゲームです。
ホイッスルの合図とともに一斉に田んぼへ駆け込む。
あちこちに散らばったカラーボールをどんどんと集めていきます。
おや?ボールに数字が書いてありますねぇ。
そう、この宝探しゲームは数を競うのでなく数字を書いたボールがお宝。
宝を手に入れた子どもは、景品として虫かごをゲット!
どろんこ綱引き
どろんこDAYのメインイベント。どろんこ綱引きに使う太いロープが登場しました。
子どもたちも手伝って、ロープを田んぼにセット。
紅チームと白チームに分かれてまずは練習試合。
力いっぱい縄を引き合います。
第一試合は紅組、場所を入れ替えての二試合目は白組。
相手の勢いに負けて引きずられるぅ。
さぁ、第三試合。これに勝ったほうが優勝です。
綱を持つ手にも力が入ります。
結果は紅組の勝利!バンザーイと雄たけびがあがります。
最後はエキシビションマッチ。大人と子どもに分かれての対決です。
さあ、どちらが勝つか?運命のホイッスルが吹かれました。
元気な子ども達のパワーに大人はタジタジ。とても敵(かな)わず
子供チームの大勝利!!
参加者全員で記念写真。どの子が一番どろんこかな?
ということで、これからどろんこ大賞をかけての勝負。
ジャンケンポーン、勝った子にはシャボン玉セットが贈られました。
田んぼの傍らですくすくと育つ稲。
6月10日(土)は、代掻きの終わった田んぼで田植えが行われます。ぜひ、ご参加を!
取材・記事 白井紀行
INFORMATION
どろんこDAY
【開催】平成29年5月27日(土)10:00〜12:00
【住所】川越市吉田…
空き家に新たな価値を~荒木 牧人さん(家守会社 株式会社80%代表取締役)
人連雀町の一角、昭和のたたずまいのままシャッターが閉められていた長屋。どこか懐かしい趣のある建物は、今、人が集う店舗として、生まれ変わろうとしています。今回はそのリノベーションプロジェクトの仕掛け人である、株式会社80%代表取締役の荒木…
大人も子どもも夢中になってみんなで作る地域のお店〜すずのや(塗装ワークショップ)〜
人連雀町交差点から西、月吉陸橋へと向かう県道15号(川越日高)線。
蓮馨寺の裏通りと交わるところ。
現在、2軒のお店が6月中旬のオープンに向けて工事中です。
5月1日号で工事の様子や株式会社80%についての記事をお届けしました。
http://koedo.info/17050180percent/
記事でも告知した「塗装ワークショップ」が5月13日に行われたので伺ってきました。
‖…
地域の未来を子供たちで創る~ふれあいフェス開催〜
人, 遊ゴールデンウィークの最終日である5月7日(日)、川越市霞ヶ関北にある霞ヶ関幼稚園で、子どもたちが主体となり企画をした『ふれあいフェス』が開催されました。
『ふれあいフェス』を開催するため、子どもたちは3月から『川越霞ヶ関子ども会議』で準備を進めてきました。
その様子はこちらの記事に掲載されています。
http://koedo.info/170428kasumikodomokaigi/
今回は、子供たちがずっと準備を進めてきた『ふれあいフェス』本番の模様をお届けします。
‖…
今年は日タイ修交130周年イベント参加で交流を深めよう〜ソンクラーン〜
人, 活4月も中旬を過ぎると日本人はゴールデンウィークをどう過ごそうかとワクワクする時期。
タイ人はソンクラーン(タイ王国旧正月水かけ祭り)を迎えてワクワクする時期です…
家守会社 株式会社80%-まちの人達による、まちの人達のためのリノベーションプロジェクト
人
長い間借り手がつかず空き家だった古い建物に、今まさにスポットライトがあたろうとしています。
場所は連雀町。ひかり飯店さんのならび、といえばピンとくる方も多いはずです。
この建物は、昨年2月に行われた川越市が主催したまち歩きワークショップ(参考:レポート:まち歩き物件探索ワークショップ~川越路地裏ツアー)で立ち入らせてもらった物件の中の一つでした。建物があるエリアは観光地である蔵の街や、駅からそこに向かう導線からも少し外れており、地元の人達が行き交う場所です。
6月中旬には2つの飲食店舗がオープン予定です。一つはテイクアウト専門のコーヒーショップ、一つは野菜を中心としたお料理と日本酒を楽しめるお店「すずのや」さんです。
仕掛け人は、建築士の荒木牧人さん。仲間と共に家守会社※の「株式会社80%」(エイティパーセント)を立ち上げ、現場で日々工事作業に携わっています。
※家守会社: 江戸時代、地主・家主に代わってその土地・家屋を管理し、地代・店賃(たなちん)を取り立て、また、自身番所に詰めて公用・町用を勤めた者。差配人。(コトバンクより) 現在でいうなら、エリアマネジメントの担い手。その現代版が、リノベーションまちづくりに取り組む家守会社として各地に誕生している。(未来コトハジメ「まちづくりインフラ「家守」とは?より一部抜粋)
11月に開催された3日間の「まちづくりキャンプ」では、本気でエリアリノベーションをにたずさわりたい、事業を立ち上げたい、という志をもった方が集まりました。これがきっかけとなり、動き出したリノベーションプロジェクトなのです。
実は記者もそのキャンプに参加しており、荒木さんグループは隣でした。
参加者同士白熱する議論、ダメだし、叱咤激励する講師の鋭い声・・・・震えるほどの緊張感の中、その場が熱くヒリヒリとしていたのを今でもよく覚えています。(市役所の方には、夜中までお付き合いいただきありがとうございました。)
その時の様子が川越エリアリノベーションのFacebookページに投稿されていましたので、担当の方の了承を得て掲載しています。
今回は荒木さんに工事の様子や80%の活動などを伺ってきました。
工事は今年2月にはじまり、現在は後半にさしかかっているとのこと。
前半はかわら屋根の葺き替えと建物の補強を主に行ってきました。
昭和20年代にできたこの建物は、改修に改修をかさねた後がそここに残っており、また老朽化により危険な個所もあったそう。
なんとか昔の状態を最大限残しつつ、安全はしっかり確保するという難しい工事を乗り越えてきました。
この看板の丁度上にある部屋はこじんまりしてしているけれど、日差しがたっぷり入り、通りを眺めながらのんびりできそうな特別空間に変貌しそうです。
後半は、県道側の大きなガラスをすべて引き戸に交換するという大きな工事も入ります。
そして外装と内装が丁寧に整えられていきます。店のオープンに向けてワクワク気分がさらに盛り上がります。
内装デザインは同じく「まちキャン仲間」の田中明裕さん。この日は現場でずっと打ち合わせをしていました。
この建物がたつエリアは、通勤の方、子供たちやお母さんたちが頻繁に行き来する、いわば地元の軸線です。
一階の角にできるコーヒーショップは、テイクアウト専門にするとのこと。ここで買い物帰りに、あるいは、ばったり出会った人達がちょっとしたおしゃべりするスペースになったらいいと考えているそうです。
ときどきお年寄りの方が、一休みするのに擁壁(ようへき)に腰かけているときがあるので、お店の周りにぐるっとベンチも置くとのこと。
前述したとおり道路側は引き戸するとのことなので、開放感があって人を招きいれやすい雰囲気になりそうです。
天気の良い日や暖かい日などは引き戸が開けられるのだろうな・・と想像するだけで頬がゆるみます。
グループでも、女性一人でもふらっと入れる雰囲気のよい飲み屋さんが近所にあったら、いえちょっと離れた場所にあっても通ってしまいそうです。
この取り組みでユニークな点は、できる限り「見せている」ことと、ワークショップで「参加できる」こと。
店舗ということもあり、仮囲いしてベールに包むのではなく、作っている様子を見てもらい、自分たちの活動をどんどん知ってもらいたいという思いがあります。
「ここを通る小学生は、アリの観察するがごとく中を見ていきますよ(笑)」とニヤリ。
今まで数回行ってきたワークショップでは、作る楽しさはもちろんのこと、普段なかなか見られない現場の職人さんの動きがわかって貴重な体験も得られたのでは?とのこと。
オープンしてお店に来ていただいたときに、自分がちょっとでもここに携わっていたという良い思い出になってくれればと荒木さんは語ります。
次回は塗装ワークショップ。もしかしたら今回が最後のワークショップになりそうです。
「今までいくつかの建物に携わってきましたが、特にここの地域の人たちはこの建物に強い思いれがあると感じます。交差点の角で、ずっと空き家だったからでしょうか?道行く人からは『何ができるの?』と話しかけられたり、昔の思い出を語って下さる方が多いんです」
このオープンな活動によって、現在荒木さんのところには「古い建物の活用ついて」の相談がいくつか舞い込んでいるとのことです。
今回再生するであろう建物一つに灯りがともることにより、人が集い、語らう場所になるのは想像に難くありません。
更にエリア周辺に新しい人の流れと交流ができ、次の新しい動きにもつながりそうな予感がします。
次回はワークショップの模様とあわせて株式会社80%の社長である荒木牧人さんのインタビューをお届けする予定です♪
取材・記事・写真 本間寿子
INFORMATION
塗装ワークショップ
木柱・ベンチを塗るワークショップです。(予定)
使う工具類は現場で用意しています。一緒にDIYしましょう!
【日 時】平成29年5月13日(土)9:00-12:00
【対 象】小学生以上
【定 員】10名
【持ち物】軍手・汚れても良い服装・運動靴
【参加費】無料
【問合先】株式会社80%
【メール】80p.2016@gmail.com
【TEL】080-5543-2491(荒木さんの携帯)
【F B】株式会社80%(エイティパーセント)
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