パンを介して人と人がつながる市民のイベント〜川越パンマルシェ〜
5月21日(日)スタッフの熱気溢れる小江戸蔵里のギャラリー。
1週間後に迫った「川越パンマルシェ」に向けての最後の集まりだ。
案内板、インフォメーション、最後尾の札の制作、誘導員の配置を決める。
過去の経験と打ち合わせ、Facebookのディスカッションで交わされたアイデアが形に。
自分で好きな具を挟んで食べる「ご当地コッペ」のディスプレイ。
「両面テープを付けて自立させてますよ」と楽しそうに制作するスタッフ。
ワイワイガヤガヤと取り組んでいる様は、まるで文化祭の前日のよう。
‖ 川越パンマルシェ前日
「川越パンマルシェ」前日。日が落ち始めた蔵里に集まったスタッフが設営にとり掛かる。
事前にレイアウトは決めていても、その通りにはいかない。
「じゃあ、せーので移動させるよ」と声を出し、微調整をしながら現物合わせ。
ギャラリー前の通路、ここには新たな課題があった。
東側駐車場には4つのブースを作る。だが、多くのお客さんを並べられない。
列を分断させて外から中へと誘導する。そう決めたものの初めての試み。
頭の中で、いくら考えても当日のお客さんの動きは読めない。
多くのお客さんが訪れる会場に自転車やベビーカーは入れられない。
武蔵野銀行の臨時駐車場へとスムーズに誘導するために作った立て札。
お客さんをどう並べる?購入はスムーズか?買い終わったらどう列から出てもらうか?
列が長くなればどこへ逃がす?テープを貼るにも考えることは多い。
「テープを貼ってたら、どっちに誘導するのか分からなくなっちゃった(^^;)」
そんな言葉が飛び出して笑い声が夜の蔵里に響く。
昨年は取り付けるのに試行錯誤した横断幕。今年は、難なくこなせた。
協力し合いながら、明日のために会場を作り上げていく。
「ここにつけた方がお客さんに目につけ易いかな?」
‖ 川越パンマルシェ当日
川越パンマルシェ当日の朝、天気は快晴。今日も暑くなりそうだ。
この日、集まったのは50名を越えるボランティアスタッフ。
川越近隣だけでなく、山形からもこの日のために参加したメンバーもいた。
パンを介して人と人が繋がっていく。
川越ベーカリー楽楽の上野さん、スタッフをまとめてきた番場さん。
「今日1日、楽しみましょう」とみんなに呼びかけミーティングを終えた。
「楽楽は毎朝全員のハイタッチで始まります!」と上野さん。
川越パンマルシェでも恒例のセレモニーとなったハイタッチ。全員のテンションが一気に上がる。
‖ さぁ、開場の準備にかかりましょう
会場内をくまなく回って動きを確認する誘導班。
インフォメーションブース。手作りの案内を取り付け、チラシをテーブルに並べていく。
人気の棒パンBBQブース。コンロに火が入り煙が上がる。
手にとったちいさなパンのあたたかさに、ふくよかな香りに、そして素朴な味わいに心癒される。
それは、パンひとつひとつに、たくさんの想いがこめられているから。
夜が明けないうちから、パン職人達はせっせとパンを焼く。
どうかこのパンたちが、たくさんの人を笑顔にしますように。
川越でがんばる小さなパン屋とその仲間たちの小さなマルシェへようこそ。
小さなお店どうしつながって、お客様ともつながって、美味しく幸せな時間となれば幸いです。
川越パンマルシェのブログの冒頭の一節を頭に浮かべながら準備は着々と進む。
ポリ袋とフライパンでつくるのは、今話題の「ポリパンワークショップ」。
パン教室を紹介するディスプレィも完成。
日本パンコーディネータ協会が会議室で行うワークショップ。
- 日本のパンの歴史を知ろう!~川越の歴史と共に学ぶパンの発展~
- パンとコーヒーのおいしいペアリングを体験しよう!
どんなパンを選び、どんなルールにすれば良いかと悩んだ「パンの食べ比べ」
最後に辿り着いた答えは「食パン」。
参加10店舗を2つのグループに分け、5店舗分の食パンを食べ比べることになった。
‖ 川越パンマルシェ始まりました
11時きっかりに「川越パンマルシェ」が始まった。
この瞬間を待ち兼ねて並んでいたお客さん、お目当てのパンを買い求めていく。
‖ 気づくとお昼をまわっていました
道行くお客さんに声をかけ、チラシを渡し、列を誘導する。
そんなことを何度も繰り返す。人波も落ち着き、気づけばもう12時半過ぎ。
ここでちょっと一休み。水分補給をしながら会場を見学してみる。
「これを楽しみに川越パンマルシェに来ている」と棒パンBBQ。
一片一片をじっくりと真剣に味わう姿が見られた「食パン食べ比べ」。
優劣でなく、あるのは個性という違いだけ。こうなると自分の好みで選ぶしかない。
パティの焼ける香ばしい匂いを漂わせていた「BurgerCafe honohono」
おかげで列を誘導しながらもお腹も鳴りっぱなしだった。
‖ ゆっくりとパンが選べる穴場タイム
午後2時を回るとそろそろ売り切れ店も出始める頃。
「川越パンマルシェ」は、ここからが穴場タイム。ゆっくりとパンが選べるのだ。
パン屋さんもスタッフもほっと一息。のんびりとした時間が流れ始める。
列を分断するのでどうなるかと心配された東側駐車場。
スタッフのチームワークでラッシュタイムを乗り切った。
手の空いたスタッフは休憩に入る。冷房の効いた室内でようやく人心地。
参加店から提供されたパンの数々「ボパン(募パン)」でのランチタイム。
「川越パンマルシェ」のスタッフが楽しみにしている時間だ。
‖ さあ、もう一踏ん張り
ギャラリーのブースを売り切れたお店のテントへと移動させる。
ここからのラストスパートに「川越パンマルシェ」のドラマが始まる。
埼玉産の小麦ハナマンテンを使ったパン。
試食したスタッフがその美味しさをPR。途端にどんどんと売れ始めた。
棒パンBBQもまもなく受付終了、今回もたくさんの子ども達がパン作りを楽しんだ。
自転車とベビーカー置き場となった駐車場。
戦利品を抱えて「川越パンマルシェ」を満喫したお客さんが会場を後にしていく。
棒パンBBQが売り切れと聞き、半べそをかいていた女の子。
「自分で好きなコッペパンを作れるよ」と案内すると「食べたーい♡」と満面の笑みに。
「ご当地コッペ」であったエピソード。
川越パンマルシェのブログには、そんなこぼれ話が溢れている。→ クリック
残り10分。まもなく今年の「川越パンマルシェ」も終わろうとしている。
事故やトラブルもなくほっとする反面、どこか名残惜しいこの瞬間。
「川越パンマルシェ」が終わりを告げ、スタッフの緊張もようやく緩んだ。
‖ 川越パンマルシェ終了しました!
「みんな集まって〜、写真撮るよ」。
呼びかけに「川越パンマルシェ」に参加していた全員がカメラの前に集まる。
レンズの中に映るのはたくさんの笑顔。
「川越パンマルシェ」を一緒に作り上げ、無事にやり遂げた仲間たちの姿だ。
「みんなが選ぶ川越食パン」の大賞に選ばれたのは「パン工房クローバー」
川越パンマルシェ初のパン屋さん応援企画「みんなが選ぶ川越食パン」
お客さんのコメントを見ると十店十色で甲乙つけがたい評価。
ブログでは参加した全ての店に特別賞が与えられた。 → クリック
気になったらお店に足を運んで「マイ大賞」を決めることができる。
それが、地元で開催される「川越パンマルシェ」の強みなのだ。
川越パンマルシェの成功を祝ってハイタッチ。
「やったねぇ」「お疲れ様」「ありがとう」。
手と手を通して感謝の気持ちが行き交い、蔵里いっぱいに広がっていく。
パンが好き、川越が好き、食べるのが好き!
様々な動機で「川越パンマルシェ」を楽しむために集まったボランティアスタッフ。
また、来年もここ蔵里で会いましょう。
取材・記事 白井紀行
INFORMATION
川越パンマルシェ
【開催】平成29年5月28日(日)11:00〜16:00
【場所】小江戸蔵里(川越市新富町1-17-17)
ここに書ききれなかった情報やこぼれ話、当日の様子がいっぱい!是非、御覧ください。
【HP】https://ameblo.jp/kawagoebread/
【TW】https://twitter.com/kawagoe_bread