大人も子どもも泥まみれになって田んぼで遊ぼう〜どろんこDAY〜

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取材・記事 白井紀行   川越市吉田の高台にある「特別養護老人ホーム みなみかぜ」 地域に開かれたみなみかぜ 社会福祉法人「健友会」が運営する施設。 老人ホームやグループホーム、ショートスティ、ケアハウス、ディサービなどを提供。 そして、特徴的なのは「地域交流センター」としての機能も持つこと。 施設で暮らす利用者、地域住民の方々、職員との交流の場としての活動も行われています。 2016/12/07では、地域交流活動のひとつ「昼市」の様子を記事にしました。 http://koedo.info/161207minamikze/ 活動の一つ「みなみかぜいきいき田んぼの会」 この会では、生物多様性農法で無農薬稲作に地域住民と共に取り組んでいます。 田んぼに設けられたビオトープ。見た目でも多くの生きものが棲んでいるのがわかります。 このあたり一面は田んぼが広がり、今の季節はカエルさんが大合唱。 マガモたちがのんびりと餌をついばんでいました。 無農薬栽培の田んぼなので、泥の中に多くの生きものが育まれているのでしょう。 ウォーミングアップ イベントが行われた5月27日は、前日の雨のせいか朝から肌寒い。 出足が心配されましたが、あっと言う間に子ども達が集まり賑やかになりました。 開会式でその日の流れや注意事項などの説明を受けたあと田んぼへ移動。 水路の始点にある小さな池の横には「倶利加羅不動」が祀られています。 剣に倶利加羅竜王が巻き付いていて飲み込もうとしている様子が描かれています。 最初は田んぼに足を踏み入れるのも恐る恐る。 田んぼの中は思ったよりも冷たくなく、その感触を楽します。 すぐに慣れて田んぼを駆け回る子供たち。 こちらはボートに乗って船遊びを楽しんでいます。 これから幾つかの田遊びをするので、「梅干し体操」で体をほぐしましょう。 草取り 田遊びといっても、やるからには意味がある。 田んぼを大勢で所狭しと駆け回ることで「人間代掻き」になってもらうのが目的です。 この日は、もうひとつのミッションも加わっていました。 田んぼに生えた草取り。 雑草を引き抜いて、 ボートに積んで畦に積み上げていきます。 たくさんのテントウムシを捉えてご満悦♪ 畦に上がって一休み。よく冷えたお茶で喉を潤しました。 宝探しゲーム 子どもたちが100個のカラーボールを次々と田んぼに投げ込み始めました。 続いては宝探しゲームです。 ホイッスルの合図とともに一斉に田んぼへ駆け込む。 あちこちに散らばったカラーボールをどんどんと集めていきます。 おや?ボールに数字が書いてありますねぇ。 そう、この宝探しゲームは数を競うのでなく数字を書いたボールがお宝。 宝を手に入れた子どもは、景品として虫かごをゲット! どろんこ綱引き どろんこDAYのメインイベント。どろんこ綱引きに使う太いロープが登場しました。 子どもたちも手伝って、ロープを田んぼにセット。 紅チームと白チームに分かれてまずは練習試合。 力いっぱい縄を引き合います。 第一試合は紅組、場所を入れ替えての二試合目は白組。 相手の勢いに負けて引きずられるぅ。 さぁ、第三試合。これに勝ったほうが優勝です。 綱を持つ手にも力が入ります。 結果は紅組の勝利!バンザーイと雄たけびがあがります。 最後はエキシビションマッチ。大人と子どもに分かれての対決です。 さあ、どちらが勝つか?運命のホイッスルが吹かれました。 元気な子ども達のパワーに大人はタジタジ。とても敵(かな)わず 子供チームの大勝利!! 参加者全員で記念写真。どの子が一番どろんこかな? ということで、これからどろんこ大賞をかけての勝負。 ジャンケンポーン、勝った子にはシャボン玉セットが贈られました。 田んぼの傍らですくすくと育つ稲。 6月10日(土)は、代掻きの終わった田んぼで田植えが行われます。ぜひ、ご参加を! 取材・記事 白井紀行 INFORMATION どろんこDAY 【開催】平成29年5月27日(土)10:00〜12:00 【住所】川越市吉田…

3頭の獅子に悪魔除け・安産・子育ての願いを込めて〜埼玉県無形民族文化財「石原のささら獅子舞」〜

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取材・記事 白井紀行   気温が一気に上昇し汗ばむ位となった4月16日(日)。 石原町にある観音寺で、埼玉県無形民族文化財「石原のささら獅子舞」が行われました。   観音寺は天台宗で比叡山の末寺。弘法大師(空海)が草創し慈覚大師が再興。   人々は丈夫な子供が生まれますように、健やかに育ちますようにと仏様にお願いしました。 受胎・安産に霊験顕著だったことから「世継観世音」と呼ばれます。   石原のささら獅子舞は、三頭に悪魔除け・安産・子育ての3つの願いを託す観音寺の祭礼。 以下は、案内板からの転記 「石原のささら獅子舞」と呼ばれる川越を代表する獅子舞で以前は、4月17日・18日に演じられていたが、現在は4月の第3土、日曜日に行われる(隔年で陰祭の年は日曜のみ) 慶長12(1607)年から始まると伝えられ、寛永11(1634)年川越城主であった酒井忠勝が若狭国小浜(現、福井県小浜市)に国替えになった際に、雌雄2頭のを連れ去り中断してしまったが、宝永6(1709)年に太田ヶ谷(現、鶴ヶ島太田ヶ谷)に習い再興された。   この獅子舞は一人立獅子舞の系統で成人男性が演じる・曲目は12切りという12の部分からなり、先獅子(雄)・中獅子(雌)・後獅子(雄)の3頭が軍配を持った山の神(少年)に誘導され、笛太鼓に合わせたササラッコ(花笠を付けた少女4人)のささら伴奏で舞う。中でも、2頭の雄がかみあいを繰り返しながら雌を争う場面は、最も特色ある場面である。 土曜日は「揃い」といって練習の総仕上げをする。日曜日は観音寺で一庭奉納し、次に町内廻りに出て町境の高沢橋で一庭舞う。夕方になって高沢町(現、元町2丁目)の井上家の庭で一庭、その後観音寺に戻り一庭半舞、最後に長老の歌う「千秋楽」で終わる。   土日の2日に渡って行われる本祭りと日曜日のみの陰祭りが交互に行われます。 今年は陰祭りの年で日曜日のみ。観音寺境内で4庭が奉納されます。   12の場面(12切りという)からなる一回の舞を庭(にわ)といいます。   復興が進む菓子屋横丁へ 20分ほどの一庭目の演舞が終わったところで一行は菓子屋横丁へと向かいます。   高澤橋を渡って、   ブォーッ、ブォーッと法螺貝を鳴らしながら菓子屋横丁を練り歩く。   時ならぬ行列に観光客は驚き、お店の人は「ありがとう」とお礼の声をかけます。 一昨年の6月に火事に遭った菓子屋横丁は、かつての賑わいを取り戻し復興。   3頭の獅子が舞を踊り菓子屋横丁の復興を祝いました。   まだ、ちょっと時間があるということでイベントスペースで記念写真。   再び観音寺に 2庭目は11時となっていましたが、11時30分頃から始めるとのこと。 待つ間に12の場面の解説が行われました。 ※ここからの写真は2庭目と3庭目の2回分から選んで配置したものです。   ブォーッ、ブォーッと山伏が法螺貝を吹き、天狗を道連れに庭に繰り込む。   そのあとに、錫杖を持った天童(4人の男の子)が道を清め、謡方、笛方と続く。   簓(ささら)を持つ天女には、桜花が咲く錦笠を介添人が捧げる。   山の神に導かれた3頭の獅子は楽しそうに遊びながら賑々しく庭へと繰り込む。   笛方は右、謡方は左、天女を四隅に行き結界を張り、天狗、山伏、天童は正面に座す。 3頭は大足で闊歩して入り乱れて飛行。   山の神は軍配を上げ采配を振り、獅子の先に立ち、また背後に廻る。 それに従って舞う獅子。   笛楽が変化、   3頭の獅子が一線となり蹲踞(そんきょ)の姿勢を取る揃いの舞。   ♪…

川越を青く染めろ〜2017年世界自閉症啓発デー Light it up blue川越〜

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毎年、4月2日〜8日は「発達障害啓発週間」。 そして、4月2日は平成19(2007)年に国連で決議された「世界自閉症啓発デー」 この日、自閉症を理解してもらうため全世界でシンポジウムやライトアップが行われます。   川越では「Light…

生きものを育み雁の舞う田んぼを目指して〜かわごえ里山イニシアチブ〜

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寒さもひと段落して日中は暖かさを感じる季節。 3月18日(土)「かわごえ里山イニシアチブ」による米作りが始まりました。 同会代表の増田氏による開会の挨拶。 この「生きもの育む田んぼプロジェクト」は、UNDB-Jの連繋事業として認定を受けた活動です。 http://undb.jp/authorization/3515/ 場所は国道254号線の福田交差点近くの「プロジェクト田んぼ」。 同会ではここを「初雁の里」と名付け、有機稲作に取り組んでいます。 ‖…

今年の米作りが始まりました&新プロジェクト始動〜かわごえ里山イニシアチブ〜

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生きものを育む田んぼプロジェクトに取り組む「かわごえ里山イニシアチブ」 ポカポカと日差しも暖かい1月28日(土)に、今年最初の田んぼ作業が始まりました。 代表の増田さんから本日の作業説明。 今年は新たな試みとしてビオトープ(生物生息空間)が田んぼに設けられます。 その準備として畦を作るのが本日の予定です。 ビオトープは生物の多様性を生み出し、その結果、稲の生育環境を向上させます。 さらに今年から始まる大プロジェクトにも関わってくるのですが、それは後ほど。   ‖…
ボランティアスタッフ

「川越パンマルシェ」にボランティアスタッフとして参加してきました

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平成27年5月31日(日)9時前。 雨の予報もあって誰もがやきもきしていましたが見事に快晴! この日、川越でがんばる8軒のパン屋とその仲間達の小さなマルシェ。 今回で第4回目を数える「川越パンマルシェ」が開催されました。 来場者数は年々増え、今年は7,000人を数える人気の祭典です。 ここでボランティアスタッフとしてお手伝いしたので、その模様をレポートします。 ‖…
ささら獅子舞

八重桜の咲き誇る境内で奉納された上戸の祭礼〜ささら獅子舞〜

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ソメイヨシノの花が散り、八重桜に主役が移った上戸日枝神社。   ここで4月19日(日)に上戸芸能保存会による「ささら獅子舞」が奉納されました。 (ちなみに同じ日に石原の観音寺でも「ささら獅子舞」が行われていました。)   鎮守御祭禮と祭礼を意味する奉納のぼりも掲げられています。   神主による祝詞の奏上。   上戸日枝神社の獅子は、女獅子、中獅子、大獅子の3頭。 享保3(1718)年の作で川越市内では最古の獅子頭だそうです。   奏上が終わったら獅子頭を身につけます。   参道をしずしずと進む一行。   そして、境内に描かれた円陣を回ったら定位置にスタンバイ。   上戸のささら獅子舞は、悪霊を追い払い境内を清める踊りから始まります。   次に黄泉の国との境を表す竿の下をくぐり抜けて行く。   篠笛の演奏に合わせて唄人が祭りを盛り上げます。   それに応えるように獅子頭の舞いにも熱が入ります。   天下泰平、国家安穏、五穀豊穣などを願う口上の読み上げ。   それを神妙に聞く仲立ち(蠅追い)と三頭の獅子   それに対するお褒めと御礼の口上のやりとりがされます。   写真右の被り物が「ささら子」と呼ばれ、手に持った楽器を演奏します。   獅子は腹に括り付けた太鼓を打ち鳴らす。   仲立ちが軍配と語弊を降ると、獅子頭はそれに合わせて飛んだり撥ねたり。   こうして、30分程で今年のささら獅子舞の奉納が終わりました。   その後は、獅子と一緒に撮影タイムが始まりました。 ささら獅子舞は関東地方を中心とした東日本に広く分布しています。 http://ir.minpaku.ac.jp/dspace/bitstream/10502/3231/1/KH_026_2_001.pdf   二頭の獅子が一頭の雌獅子を巡るストーリー展開があるなど、地域毎に特色があります。 かつては一行が各家々を回り、村長にご馳走になって獅子舞で終わるものでした。 今は、上戸芸能保存会の方が伝承していますが、後継者不足に悩んでいるそう。 奉納の際に踊りの意味を解説していましたが、HPにあればより興味を引くかもしれません。   5月3日の川越春まつりでは、11時にまつり会館、12時に蓮馨寺でも披露されます。 石原のささら獅子舞も見られるそうですので、ぜひ、おいで下さい。 INFORMATION 奉納ささら獅子舞 【住所】川越市上戸316-1(上戸日枝神社) 【踊り】上戸芸能保存会

初体験!米づくりは知らないことだらけ!〜かわごえ里山イニシアチブ〜

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川越は蔵造りの街並が広がる観光地として知られています。 また、ベッドタウンとしての印象も強いのではないでしょうか? しかし、郊外に出るとすぐに田園風景が広がるように農業も盛んです。 これは、福田・山田付近の航空写真。おそらく想像以上に田んぼがあると思います。   水田に青々と広がると稲や秋の黄色い穂は目にすることはあるでしょう。 けれども、お米ができるまでに、どんな工程を経るかは知る機会がありません。   そのきっかけとなりそうな研修会が4月18日に開催されたので参加してきました。 主催は「かわごえ里山イニシアチブ」 無農薬、無化学肥料による米作りの支援と生物の賑わいを取り戻す活動を行っています。 この日は民間稲作研究所代表の稲葉光國氏による有機稲作ポイント研修会です。 これは、長年の研究により農薬を全く使わず、田植え後は草取りも不要な稲作というもの。     集合場所は、福田の高梨農園。 高梨農園は化学肥料の代わりにレンゲを使った有機栽培の耕福米を作られています。   参加者が全員揃ったのでまずは挨拶。 かわごえ里山イニシアチブ代表の増田氏。   講師で民間稲作研究所代表の稲葉氏   高梨農園代表の高梨氏   ‖…
きらきらと光る時の鐘と仲間たち

子供達の視点で見た街の風景〜川越百景絵画展 児童・生徒の部 第1回展〜

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市役所通りを国道254号の方に向かって行くと右に野球場、左に市立美術館と博物館が並びます。 市立美術館のアートホールで、「川越百景絵画展 児童・生徒の部 第1回展」が開催されています。 これは、平成24年に選定された川越百景をテーマとした小・中学生による絵画展です。 http://www.city.kawagoe.saitama.jp/www/contents/1364888598536/   入り口から壁に沿って小学1年生〜中学3年生までの作品が展示されています。   小学校1年生 なぜか、ザリガニの絵が多い。楽しくて印象に残ったことが描かれているんでしょうね。   「みんなしゅうごういっしょにあそぼう」は、ザリガニが空を飛んでいるように見える光景。   「山王塚」は、ブログ「川越古代史ロマン探訪」でも訪れた所、雰囲気を良く掴んでいます。   小学校2年生 川越のシンボルである時の鐘や川越まつりが題材で選ばれています。   「きれいなゴルフコース(霞ヶ関カンツリー倶楽部)ジュニア選手権大会にて」 2020年のオリンピック会場予定を題材としています。   「きらきらと光る時の鐘と仲間たち」 全ての作品の中で、この時の鐘がもっとも印象的でした。   小学校3年生 小学校3年生。喜多院をモチーフにした作品が出てきました。   「みんなのきたいん楽しいな」家が近所なのでしょうか? 喜多院が遊び場として親しまれている感じが伝わります。   「山王塚」は小学校2年生の作品にも1点有りましたが、小学生に人気のスポット?   小学校4年生 川越まつり、花火大会、氷川神社の縁結び風鈴など催し物の作品が多いですね。 時空を越えたような不思議な作品も見かけます。 「鳥がでてくる時の鐘」森の中に時の鐘や蔵造り、そして、大きな時計。   「かねをならせば動き出す川越の夜」は、不思議な世界に吸い込まれそう。   小学校5年生 川越まつりが中心ですが、心象スケッチっぽい作品になっています。   「楽しい山車祭り」は紙の大きさにとらわれない発想に驚かされます。   「夜の川越祭」は、印象に残ったシーンが走馬灯のように散りばめられています。   小学校6年生 抽象画を思わせる作品も見られます。   「秋の川越」は、時の鐘を見上げる人と紅葉。そして、バラの花でしょうか?   「ラケットに乗って川越をひとめぐり」 真ん中の新河岸川(?)を挟んで、川越の現代と未来を表しているのでしょうか?   中学校1年生 小学生とはガラリと雰囲気が変わります。 小学校と中学校といえども1年の差はこんなにも大きいのでしょうか?   「夏の時の鐘」上からの俯瞰と通常の目線を合わせたような独特の遠近法が目を引きます。   「大正路漫夢通り」は、誰もが心に描く大正時代への通りへの思いが重なったような作品。   中学校2年生 写実的な作品が並びます。   「時の鐘通り」切り絵の丁寧な作品。 川越の雰囲気は線画の方が伝わる気がします。   「赤いポストと川越と」赤いポストが画面を引き締めます。   「夏の氷川神社」サァーと木々を揺らす風が聞こえてきそうな境内の雰囲気がが伝わってきます。   中学校3年生 そろそろ受験で忙しいのかな?4作品が並びます。   「夕暮れ時の時の鐘」 観光客も帰途につき、静けさを取り戻した通りの様子が描かれています。   静けさと凛とした空気感まで伝わってきそうな「喜多院五百羅漢」 今回は第1回ということですが、川越の街を子供の視点で見ることができて新鮮でした。 こういう企画は今後も続いていって欲しいですね。 なお、コメントは個人の感想で、解釈が間違っているかも知れません(^^;) WRITER…