
田んぼが育てる生き物を調べよう〜かわごえ里山イニシアチブ〜
情報, 街5月21日にみんなで田植を行ってから、はや1ヶ月。6月25日の田んぼ。
こちらの田んぼは入間川から水を引いてます。
その前の週には、総出で用水路の藻の除去や田んぼの草取りを行いました。
水不足も心配されますが、稲はすくすくと育っています。
そして、もっと目を近づけるとそこには多種多様な生き物が棲息しています。
そんな、生物の多様性を調べる恒例の「生き物調査」が開催されました。
主催は、有機稲作農法を実践する「かわごえ里山イニシアチブ」です。
調査は未だですが、子ども達は待ちきれずに網を手に用水路を探します。
かわごえ里山イニシアチブ代表の増田さんの挨拶。
有機稲作農法に協力して頂いている「高梨農園」の高梨さん。
無農薬は良いと云っても、それには草取りなどの手間ひまが掛かる。
薬剤を使うのも、止むを得ないところも理解していただければとのこと。
本日の講師、食楽風土(クラフード)の林鷹央先生。
子ども達に「生き物調査では、走り回らないように」と注意点を伝えます。
走り回ると畦が崩れたり、生き物を踏みつぶしたりすることがあるから。
また、NGワードは「虫などを見て気持ち悪い」ということ。
無類の生物好きの先生ならではの思いが込められてています。
調査に使うシートは林先生らが製作したもの。
Aグループはタガメ、アオガエル、サンショウウオなどで見つけると5点。
Bグループはメダカ、ホウネンエビ、トノサマガエルなどで見つけると3点。
Cグループはアメンボ、カゲロウ、シジミなどで見つけると1点
ザリガニやウシガエルなどの外来種は−2点。
匹数でなく種類で加算(減算)で行って点数を付けるゲーム形式になっています。
こちらは昨年、行った調査の結果で、川越は30点くらい。
他では20点未満なので、川越は生物多様性に富んでいるといえるそうです。
さっき用水路を探っていた子ども達がカエルを手にやってきました。
捕まえたのはトウキョウダルマガエル。東京近郊では珍しくなって来ています。
いよいよ生き物調査開始です。
まずは、畦に立って15分ほど十分に観察をします。
畦から手の届く範囲でも驚くほどの種類の生物たちが暮らしています。
さて、何か見つかったでしょうか?
恐る恐る田んぼに足を踏み入れる子どもたち。
泥に足がずぶりと入り、ヌルリとまとわりつく感覚はここでしか味わえません。
全員で一列になって、じっくりと観察をしながら歩みを進めます。
何か気になるものが見つかったのかな?
転ばないようにお父さんにしっかりと手を握って生き物探し。
何か収穫があったようです。
15分ほどの調査時間はあっと云う間に終わりました。
直前に尻餅をついてしまって、お尻に泥がべったりと付いてしまいました。¥
さあ、調査の結果を調べましょう。
手に手に獲物を持って集積テーブルへ。
ずいぶんと沢山のダルマガエルを捕まえたね!
獲物は跳んだりして逃げてしまうものはバケツの中に。
それ以外は、虫かごからパットに移して生き物を確認します。
水が苦手な生き物もいるので休めるような葉っぱを入れておきます。
林先生が解説を加えながら、生き物の種類と名前を特定していきます。
それを、スコアシートで集計して点数を計算。
自由時間に用水路なんかで穫って来た生きもの達も加えています。
スコアシートの結果をもとに模造紙に分かり易く転記。
さて、こちらの田んぼの結果発表は!?
結果は24点。ちょっと低めなのは外来種が2種混じったのが原因のようです。
特にザリガニは、用水路に幾らでもいて、網で大量に掬えます。
生物多様性の観点や稲作の面(畦に穴を開ける)では、駆除していきたい生き物。
調査が終わったら、全ての生き物を田んぼや用水路に帰してあげます。
※生物調査では、ザリガニなどの外来種を除き、持って変えることはできません。
また、来年もこのカエル達に会えるよう、豊かな自然を育んでいきたいですね。
【注意】田んぼは農家さんの仕事場であり生活の糧です。
断りなく田んぼに足を踏み入れることは絶対に止めましょう。
また、絶滅危惧種や生態系の維持のため持ち帰らないようにして下さい。
ザリガニは駆除の対象なので持ち帰りできます。
ただし、育てきれなくなって再び田んぼや川に放すのも絶対に止めましょう!
取材・記事 白井紀行
!INFORMATION
田んぼ生き物調査(動物編)
【開催】平成28年6月25日(日)10:00〜12:00
【場所】耕福米高梨農園(川越市福田439)
【HP】https://www.facebook.com/events/138390299910773/
昨年の様子
http://koedo.info/150731ikimono/

川越の古代蓮を求めて〜善長寺と小畦水鳥の郷公園〜
街まもなく夏本番となるとそろそろ話題になるのが古代蓮。
伊佐沼が特に有名ですが、今日は善長寺と小畦水鳥の郷公園を回って来ました。
※こちらは昨年の7月11日に撮影した伊佐沼の写真です。
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月に1度の顔合せ、狐達が川越に集う〜 祝!狐宵の市1周年記念 〜
活, 街毎月第一土曜日にUSTREAMで放送している「ラジオぽてと一番街局」。
昨年の3月に終了した「赤い狐の時間ですよ」が6月4日(土)に復活。
ラジオぽてと → http://radipote.com
その翌日の毎月第一日曜日に開催される「狐宵(こよい)の市」
去年の6月7日(日)に始まって、1周年を迎えるとのことで取材してきました。
注)12月は狐宵祭(大晦日に王子稲荷で開催される「狐の行列」の準備祭)
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いつもと違う時間に川越の街を歩く〜ホタルまつり〜
街, 遊, 食取材・記事 白井紀行
ポスターで「ほたる祭り」が喜多院で開催されると知り出かけました。
ちなみに平成30年度は6月16日(土)です。
http://events.koedo.info/event/180616hotaru/
細君と15時に本川越駅で待ち合わせ、時間もあるので中心街をぶらぶら。
梅雨だというのに奇麗な青空です(^^;)
「時の鐘」はすっかりシートで覆われ、その姿が見れません。
菓子屋横丁では、昨年の火事から復興が進んでいました。
この日は、菓匠右門が新規にオープン。芋けんぴと芋ソフトの専門店です。
小腹も空いたので「元町珈琲店ちもと」で一休みすることに。
豆寒天と芋ソフトのセット♪
細君は、ワッフルと芋ソフトのセットを注文。
この日、Facebookで松村屋旅館の内覧会がアナウンスされていましたね。
https://www.facebook.com/matsumuraya/
こちらから見ても、すっかりとシートに覆われた時の鐘。
逆に貴重な光景ですので、写真に収めておくのも今のうち!?
細君が未だ行ったこと無いとのことで山崎家別邸に立ち寄りました。
以前、記事にしてからも、何度か出かけた川越のお気に入りスポットです。
http://koedo.info/160415yamazakike/
今年の紫陽花はどんな感じかなと「川越八幡宮」
あれっ?こんな感じだったけ?って思うくらい、ちょっと寂しい紫陽花。
天候のせいなのでしょうかねぇ。
新たなパワースポット魔除けの「桃神様」とご神木のしだれ桃。
厄よけ(魔除け)や交通安全のご利益があるそうです。
http://www.koedo.or.jp/member-info/2016/04/12/9927/
蛍を見るのにはまだ早いので
空は未だ、明るくて蛍を見るには少し早いので晩ご飯を済ませることに。
八幡宮近くのお店ということで「ピケニケ(現在は閉店)」に来ました。
「ピケニケサラダ」は、新鮮な野菜がたっぷり。
美味しいゆで卵「ウフマヨ」。ピケニケに来たら食べてほしい一品。
ハーブソーセージとマッシュルームは、ハーブの香りが良く利いてます。
もうすぐ7時だというのに空は明るい。日が延びましたね。
白ワインを追加で頼んで、最後の〆にサンドイッチ。
細君は「フワフワたまごとトマトのサンドイッチ(サラダ、ピクルス付き)」
サバとキャベツのマリネのサンドイッチ。
お腹も一杯になった頃、日も暮れてきました。
さぁ蛍を見に行こう!
それでは、蛍を見に喜多院へと向かいましょう。
道中には、丸広百貨店のビアガーデンの明かりが遠くに見えました。
さて、歩みは喜多院の方へと進みます。
夜の喜多院、なかなか訪れる機会がありません。
参道には屋台も出て賑わっていました。
到着した午後8時頃の様子、蛍見学を待つ長〜い列。
ゆっくりとながら着実に列は進みます。
本堂が見えて来て折り返し地点。
時折吹く心地よい風が酔い覚ましになります。
夜にお出かけに興奮する子ども達。楽しい思い出として記憶されていく…、
ここまでで約30分、あと少し。
蛍を放してあるドームが見えてきました。
入り口に着きました。夜目に明るい蛍の光。
この何倍もの蛍の光が瞬いているのですが、デジカメはこれが限界(^^;)
喜多院の紫陽花もちょっと寂しい感じで、今年は残念ながら今ひとつ?
新河岸の「ホタルまつり」の情報を知りましたので、来年はこちらも訪ねたいですね。
INFORMATION
ホタルまつり
【開催】平成28年6月11日
【場所】川越大師喜多院(川越市小仙波町1-20-1)

川越古代歴史ロマン探訪〜山王塚古墳 発掘調査第2次見学会〜
活, 街春未だ浅き3月12日(土)に「山王塚古墳 発掘調査第2次見学会」が開催されました。
見学会は、10時からと14時からの2回行われました。
記者が取材した10時からの回には朝からたくさんの参加者。
老若男女、歴史ロマンは人を惹き付けます。
‖…

ゴールデンウィークの最終日に川越散策を楽しんできました
活, 街, 遊, 食ゴールデンウィークも最終日の5月8日、細君と川越散策を楽しみました。
降り立った川越市駅では、本川越駅への新しいルートが案内されてました。
ほどなくして本川越駅が見えてきて体感的に近く感じます。
本川越駅構内にできた観光案内所。
中に着物を来たPepper君がいるので、ぜひ、覗いてみて下さい♪
リニューアルオープンした1Fのフロアーを通り抜ける。
「カントリーマームFACTORY」を始め気になるお店もたくさん。
お馴染み「小江戸蔵里」のお土産どころにもちょっと立寄ってみる。
この日(8日)は、川越昭和の街の「ごえんの日」。
呑マルシェをリニューアルして、川越熊野神社を会場に手づくり市を開催です。
さて、お昼がまだなので、気になっていた「小江戸っ子うどん」へ。
細君はざるうどんの並盛り。
こちらは看板メニューの「出汁香る肉汁うどん」の中盛り。
かなり量は多めで、腰があって美味しいです。
最初はそのまま、次に薬味を入れ、黒七味でピリリと、最後は何とレモン汁!
一杯でいろいろな風味が味わえるのは楽しいですね。
大正浪漫夢通り名物の「手づくり鯉のぼり」は、まだ、泳いでました。
立門前通りにある「きものや沙羅」の店先には大名篭が!
ブログを見ると、川越春まつりのためにノリで作ってもらったとか(^0^)
蓮馨寺では、毎月8日の呑龍デーが開催されていました。
境内や参道にはフリーマーケットや屋台。
この日は、お釈迦様の誕生を祝う「花まつり」の日でもありました。
記者は初めて見る白象も置いてありました。
お釈迦様の母が白象が胎内に入る夢を見てお釈迦様を身ごもったことに由来するそう。
花御堂(はなみどう)に設置されたお釈迦様の像に甘茶を掛けて祝います。
境内のフリーマーケットを見て回る。
入り口付近でディパックが870円と格安で売っていたので思わず購入。
以前は、川越唐棧の名刺入れを見つけたりして掘り出し物が多いんです。
辻講釈も行われており、時代をタイムスリップしたよう。
昭和初期の建物が並ぶ中央通り商店街を北へ。
一番街へやってきました。さすがに人出も落ち着いた感じです。
川越のシンボル「時の鐘」は、ただいま耐震工事中。
http://www.city.kawagoe.saitama.jp/kosodatekyoiku/kyoikuinkai/rekishi/oshirase/tokinokane.html
こちらからだと透けて見えるので、全容が分かります。
薬師神社へも参拝できるのですが、そちらからみるとこんな感じ。
来年の1月13日までの予定ということで、リニューアルした姿が楽しみです。
細君が母の日のプレゼントを買いたいとのことで、創作ちりめんの布遊舎へ。
(手に取ったのでなく、棚の茶色の立て模様を選んでました)
札の辻を右折して、市役所前の初雁(川越城)通りへ(写真は川越城中ノ門跡)。
今日の散策の目的地「川越市立博物館」に到着。
「モノクロームの追憶」の会期がこの日までだったのです。
先ほど見たばかりの景色と重ね合わせるのが面白い。
一角には大きく引き延ばした写真が展示されており、その前で記念写真が撮れます。
デジカメやスマホが全盛ですが、かつて使われてきたフィルムカメラも展示。
懐かしいカメラも置いてありました。
こちらは、記念写真などで使われた大型のカメラ。
常設展の方へ回ると丁度、学芸員による解説の時間だったので参加。
入り口にある江戸時代の川越城のジオラマを用いての説明。
しゃがむと「時の鐘」の鐘の音が町中に聞こえていたことが分かります。
そして、蔵造りの街並が出来た理由や蔵の造りなど、改めて勉強になりました。
少し日の傾き始めた一番街に戻ってきました。
川越散策の締めくくりは立門前通りに3月30日にオープンした「彩乃菓(あやのか)」
カウンターに並べた和菓子を選ぶというスタイル。
左下の甘芋大福、薄茶大福は我が家へ、細君の実家へもお土産も購入。
2Fはイートインスペースになっています。
河越抹茶パフェと冷たい狭山茶でほっと一息。
和菓子屋さんなので餡子が美味しい。
散策の後、疲れた体に甘味のご褒美は良いですね♪
ちょっとブラリとするだけでもあっという間に半日、じっくりと回れば丸一日コース。
時には観光客気分で川越を巡って見てはいかがでしょうか?
取材・記事 白井紀行

古くから親しまれている国道254沿い山田交差点のお寺〜浄国寺〜
街車が頻繁に往来する国道254号線にある山田交差点。
北に向かって左手に時宗の古刹(こさつ)で知られる浄國寺があります。
短い参道を進んでまず目につくのは山門横の地蔵堂。
六地蔵は通常は6体が同じ大きさですが、このお寺のお地蔵様は不揃い。
これは、願主がそれぞれに願い各々のご縁で尊像を建立されたもの。
江戸時代中期に篤信者から供養のために寄進されたものだそうです。
お堂の左端にあるのが交通や旅の無事をお守り下さる馬頭観世音菩薩。
頭上に馬の顔をいただており、市内の辻々で見かけます。
馬は黙々と草を食べ尽くすように、身勝手な思い、逸(そ)れる気持ちや苛々を食べ尽くす。
そして、迷う心を剣や斧で断ち切る。そんな謂(いわ)れがあります。
往来の激しい川越街道を見渡し、安全を見守って下さっています。
浄國寺は寺伝によると正応2(1289)年に他阿真教上人が開創されたとされています。
ただし、これは時宗に改宗した年で、創建はさらに古いという説もあります。
国道254号線の喧噪が嘘のように静寂に包まれた境内。
真正面にどっしりとした伽藍が目に映ります。
二体の精霊菩薩は、東日本大震災の犠牲者の慰霊のために平成24年に像立。
鐘を叩くとカーンとすんだ音。
時宗の本尊は阿弥陀仏で、浄国寺の本尊は三尊形式。
中尊は阿弥陀仏、左脇侍が観世音菩薩、右脇侍が大勢至菩薩です。
境内には歴史を忍ばせる数々の建物があります。
境内に入って右手すぐにあるのが「薬師堂」
浄國寺では「たち薬師」と呼ばれ足腰が丈夫でいられるよう信仰されています。
掲示板には木魚を枕に昼寝(?)する可愛い小僧さんの石像。
右手には天王堂(毘沙門堂)があります。
こちらには、牛頭天王、毘沙門天王、吉祥天女が安置されています。
共に江戸時代末期に建立されたもの。
こんな感じの位置関係となっています。
天王堂を正面に右手は布袋様の石像。
その横には異類供養塔(大勢至菩薩)があります。
異類とは人間以外の動植物、自然物や人工物にやどる精霊をも含みます。すべての命は六道を輪廻し人間も動物も同じように生まれ代わりをしてきた命です。共に過ごしたペットも同様に人が生きるために犠牲にした異類の尊い命にも敬意追慕の念でご供養ください(後略) 案内板より
石像なのにどこか生き生きとした動物たち。
木々に止まる虫たち。
じっと見ていると命を慈しむ気持ちが沸き上がってきます。
無縁仏満霊供養塔。
こちらには像の石像。
地蔵堂(延命まめ地蔵尊)
子を守り、その寿命を延ばし天寿をまっとうさせることから延命利益衆生の地蔵尊と称されます。本来「延命」とは寿命が尽きるその時まで、自分のことは自分で為せるというその意味。その意味から当堂の地蔵さんは「まめ地蔵」と呼ばれております。「まめ」は達者、健全という意味で人々はいつも「まめ」であることをお地蔵さんにお祈り致しました。数珠を「まめ」に見立て奉納していたそうです。 案内板より
猿田彦大神霊とあり、左手の石碑には三猿が掘られています。
各地でみられる庚申信仰のものですね。
川越に数多くに残されている伝説のひとつ「夜泣き子育て地蔵」
昔、赤ちゃんのカンが強く夜泣きに困った若いお母さんがお年寄りに相談すると「浄國寺のお地蔵さんに願かけをすればよい。最初は3つの泥だんごを供え、願いが叶えれば白い米の団子を6つお供えしなさい」と云われたそうです。その通りにすると願いがかない、それからは子供が病気になったときも怪我をしたときも訪れるようになったそうです。
川越の伝説(川越市教育委員会発行)より
こちらがそのお地蔵様。ある家の女の子が病気になったので浄國寺の本尊に祈願するも、娘は苦しむこと無く息を引き取りました。その49日に娘に似せたお地蔵様を建立し供養したのが由来だそうです。
はいたさん(如意輪観音)
人々を意の如くお救い下さる観世音菩薩様。浄國寺では歯痛を治して下さる菩薩様として古くより「はいたさん」と呼ばれ信仰されております。 案内板より
墓地の入り口には時宗の宗祖一遍上人の像。
境内には多くのお堂があり、近年でも新たな菩薩が像立されている浄國寺。
案内板には必ず「南無阿弥陀仏」の文字が添えられていました。
これからも静かにずっと川越の街を見守ってくれることでしょう。
※記事を書くにあたり百瀬千又氏編集の「平成…

五穀豊穣を願う地域のおまつり〜老袋の万作〜
街, 遊取材・記事 白井紀行
桜も早や散り始め散り始めた4月10日(日)。
老袋氷川神社で県指定文化財「老袋の万作」が行われました。
現在は、4月11日※の春祈祷に、神社内に桟敷を建て奉納される。昔は特別な舞台は作らず、農家や薬師様の座敷を借りて行ったという。もともと明治25年頃比企郡から伝えられた下妻踊りを中心とする踊りであったが、その他段物も盛んに演じられるようになった。段物には笠松峠、お半長右衛門、小栗判官などがある。また、茶番にはお玉ヶ池などがある。豊年万作を願う五穀豊穣の芸能である。 (案内板より)
※現在は、4月の第二日曜日となっています。
境内には立派な舞台が設営されていました。幕まであって本格的です。
ずらりと並んだ主賓の方々、氏子総代の挨拶に続いて議員さんの挨拶。
本日の祭典のプログラム。午前中には神儀が執り行われました。
幕が開き、最初の演目の始まり〜
神楽奉納…

保岡勝也が手腕を余すところ無く発揮した邸宅〜旧山崎家別邸〜
情報, 街取材・記事 白井紀行
川越のシンボル「時の鐘」
このまま、鐘つき通りを進めば蔵造りの街並が広がる一番街。
でも、今日はその手前で曲がってみましょう。
一番街の喧噪はここまで聞こえて来ない、静かな通り。
保岡勝也氏が設計した大正建築、埼玉りそな銀行川越支店が見える。
こちらは大正2年に建てられた洋風建築の中成堂歯科医院。
こうした裏通りを歩くのも川越散策の楽しみの一つです。
旧山崎家別邸
この通りの新たな観光名所として4月1日に公開されたのが旧山崎家別邸です。
建物が市指定有形文化財、庭園が国登録記念物(名勝地)に登録されています。
入り口から見える白い建物は管理塔。
敷地内に入って右手にあるのが旧山崎家別邸です。
旧山崎家別邸は、川越の老舗和菓子店「亀屋」の5代目嘉七氏の隠居所として建てられました。上棟は大正13(1924)年、完成は大正14(1925)年。設計は保岡勝也が担当しました。敷地内には、木造モルタル仕上げの洋瓦葺の洋館と数寄屋造りの和室を備えた和館で構成された和洋折衷の母屋、広々とした庭園、我前庵の写しの茶室があります。
かつては、陸軍大演習などで川越付近を訪れた皇族方がご宿泊されたこともあり、川越の迎賓館的な役割を果たしました。建物は平成12(2000)年4月に川越市指定文化財に、庭園は平成23(2011)年2月に国の登録記念名勝地に指定されています。
入り口の案内板より
管理棟
別邸を見学するには、先ほど入り口から見えた管理棟を通ります。
受付で入場料(一般100円、大学生・高校生50円)を購入。
荷物で建物や調度品を傷つけないようにコインロッカーに預けます。
別邸に関する説明パネルや当時使われていた日用品等が陳列されています。
また、無料休憩所にもなっていますので、川越散策の後、一休みにも最適。
奥にはトイレも完備されています。
ここから邸内へ、入り口でスタッフの方が見学エリアの説明をしてくれます。
以前は庭園が公開されていましたが、現在は母屋の1Fと庭園の一部のみになっています。
玄関前
母屋を正面に見て右が客人を迎える玄関となっています。
1階は吹付モルタル塗り、2階は細い横目地の磨き壁とすっきりした作り。
玄関の正面がプラットホームのようになっているのは人力車をつけるため。
すくっと真っすぐに伸びた松の木(お手植えの松)。
旧朝鮮王族だった王垠(りおうぎん)殿下が昭和4年に植えたものだそうです。
玄関の手前には「車待ち」があります。
母屋へ
それでは母屋の方を見学してみましょう。
内玄関で靴を脱いで上がります。
受付でストラップとともに渡され青、緑、黄色の3色の札。
黄色は靴につけ、青は傘、緑はロッカーが一杯の時に受付に預けます。
邸内を巡る順路がありますので、それに沿って見学します。
畳敷きの廊下、天井には明かり取りの窓が設けられています。
壁に埋め込まれているのはガングスイッチともいう連動式の照明スイッチ。
矢印に従って右に曲がります。
奥へと連なる廊下
左手は女中部屋、台所。右手は銅板張りの流し、浴室、トイレと並びます。
廊下を今度は奥から見たところで、この先が食堂となっています
ここから料理を食堂に運び入れる仕組み、3畳の準部室となっています。
客人と女中が直接顔を合わせないよう機能的に設計されています。
廊下をさらに進むと赤ラワンが材料とされる階段。
手摺の端部に設けられた親柱は簡素な縦線をモチーフとしたデザイン。
2Fには皇室が泊まった寝室や書斎、暗室もあるのですが非公開です。
階段の右手は蔵になっています(こちらも非公開)
2階へと上がる階段が見えますが、その後ろには地下室への階段もあるそう。
そして何よりも美しいのがこのステンドグラス。
階段と蔵との間で暗がりになっているので外の明かりで際立ちます。
踊り場にあるステンドグラスは、旧山崎家別邸で最も象徴的な装飾。
「泰山木(たいさんぼく)とブルージェ」という作品
高さ2.1m、幅約7cmの欄間付きの上下窓に入っています。
最初に見学した玄関。中からはこんな感じです。
玄関から客人は右にある客間(応接室)へと招き入れられます。
カーテンや天井の壁紙は当時のものそのまま。
かつて、この部屋で交わされた会話が今にも聞こえてきそうな錯覚を覚えます。
西側の上下窓を設けた部分は天井を下げ変化のある空間を創りだしています。
ステンドグラスは、別府ステンド硝子製作所の作品。
天井は二重格子を粗く組んだ格天井(ごうてんじょう)のデザイン。
山崎家別邸を見学する時には、ぜひ、天井も見てほしいポイントです。
客間を抜けると6人がけのテーブルのある食堂。
天井にはあえて照明を設けず南北の壁にブランケットが付いています。
コンデジでもこんな雰囲気のある写真が撮れます。
きっと光を計算して設計されているんでしょうね。
山崎家別邸の特徴は和洋折衷であること。
食堂の先は、がらりと雰囲気が代わり数寄屋作りの最上級の和室となっています。
天井の桟は、よく見ると四角い竹。
下手な解説はいりませんね。
そろばんの玉のような竹の節がリズムをつくり美しい。
ここにいると風がさっ〜っと吹き抜け、とても居心地が良い。
この風を感じるだけでもここに来る価値があります。
畳廊下の天井は縁側が米杉の市松張り、室内側が米杉の目透かし張り。
その先も和室の居間となっています。
竹の装飾を好んだのでしょうか、邸内の各所に使われています。
東南の角にあるのがベランダ(サンルーム)
設計図ではベランダと称されていました。
解説によると、おそらく半屋外的な使い方をされていたのではとのこと。
こちらが外からサンルームを眺めたところ。
京都仁和寺の我前庵を写したとされる2畳半台目の茶室(中には入れません)。
保岡勝也氏は、昭和2年に「茶室と茶庭」を出版するほど和風庭園に造詣が深い方。
別邸の庭園設計でもその知識を発揮しています。
別邸を訪れた孫のための部屋(児童室)でここからも直接出入りが可能。
この前には芝生(児童遊戯場)と北東には花壇や温室があったそうです。
これは、家族本意の実用性と観賞を考慮した当時の新しい考え方の庭の設計です。
母屋を一回りして内玄関へと続く小部屋。
障子を良く見ると柱のカーブに沿って竪框(たてがまち)もカーブしています。
このように細部に拘ったところが、実は紹介しきれないくらいあります。
川越では他に、りそな銀行川越支店、旧山吉デパートを手がけた保岡勝也氏。
住宅作家のパイオニアと呼ばれた彼の手腕が余すところなく発揮された旧山崎家別邸。
ぜひ、四季折々訪れて、彼の思いを感じてみてはいかがでしょうか?
INFORMATION
旧山崎家別邸(国指定重要文化財)
【住所】川越市松江町2-7-8
【開館】4〜9月 9:30〜18:30/10月〜3月…

