大銀杏と菊まつりと現代美術と〜秋深まる川越をたっぷり満喫散歩〜
11月7日(火)は二十四節気のひとつ「立冬」。
暦の上では冬を迎えるわけですが、気分や気候としては秋真っ盛り。
というわけで、川越の秋を探して街を歩いてみました(取材日は11月5日)。
以外に多いぞイチョウのみどころ
秋といえば紅葉の季節。寺社の多い川越では境内の樹木が赤や黄色に染まります。
出世稲荷神社
【住所】川越市松江町1-7
【参考】https://tesshow.jp/saitama/kawagoe/shrine_maze_shusse.html
小江戸蔵里から少し進んだ路地を曲がると大きなイチョウの木が目に飛び込みます。
天保2年(1832)年に京都伏見稲荷神社本宮から分祀した出世稲荷神社。
いちょう窪の出世稲荷の公孫樹として名声がある。向かって右は幹周り(目通り)5.67メートル、根回り7.6メートル、左は幹周り7.25メートル、根回り9.7メートル、二本とも樹高は約26.5メートル、樹齢は650年余年と推定され、みごとな美しさと枝張りを示し、樹勢もきわめて旺盛である。公孫樹は、日本と中国の一部に産するイチョウ科を代表する落葉樹で秋に鮮やかに黄葉する。雌雄異株で、種子はいわゆるギンナンで食用となる。(案内板より)
同社は名前の通り「出世」や「商売繁盛」「五穀豊穣」にご利益があります。
本川越から徒歩で一番街へ行くまでにちょっと寄り道してみては?
川越熊野神社
【住所】川越市連雀町17-1
小江戸蔵里からまっすぐ北へ、大正浪漫夢通りの手前にあるのが川越熊野神社。
開運・縁結びのご利益を始め、銭洗い弁財天など境内社ごとにご利益があります。
赤、緑、黄色のグラデーションが美しいケヤキに囲まれた境内です。
連雀町の山車蔵の傍には大きなイチョウの木があります。
蓮馨寺
【住所】川越市連雀町7-1
毎月8日の呑龍デーや川越昭和の街を始め数々のイベントの舞台となる蓮馨寺。
イチョウこそありませんが、境内の木々は色づき始めていました。
この日は、川越華道連盟70周年記念ということで講堂で「いけ花展」を開催。
秋らしい作品も展示されていました。
養寿院
【住所】川越市元町2-11-1
蔵造りの街並みが連なる一番街。川越まつり会館手前の路地に入ると目に映るイチョウの木。
寛元2(1244)年に河越経重が開基となり、大阿闍梨円慶法師が開いた「養寿院」
普段は静かなお寺ですが、青空をバックに門前のイチョウが黄金色に染まる姿は圧巻です。
六塚稲荷神社
【住所】川越市元町2-8-12
【参考】https://tesshow.jp/saitama/kawagoe/shrine_moto_mzka.html
菓子屋横丁を過ぎて高沢橋の袂(たもと)にある六塚稲荷神社。
気にかけながら歩くとこちらにも立派なイチョウの木を見つけました。
観音寺
【住所】川越市石原町1-18-1
【参考】https://tesshow.jp/saitama/kawagoe/temple_isihara_kannon.html
【記事】3頭の獅子に悪魔除け・安産・子育ての願いを込めて〜「石原のささら獅子舞」〜
毎年4月第3土日に県指定文化財「石原のささら獅子舞」が開催される「観音寺」
境内にイチョウの木が植えられていました。
東明寺
【住所】川越市志多町13-1
【参考】https://tesshow.jp/saitama/kawagoe/temple_sida_tomyo.html
【記事】日本三大奇襲のひとつ川越夜戦の地で猫と戯る〜東明寺〜
一番街の喧騒を離れてさらに北へ、ひっそりと佇むのは「東明寺」
イチョウの足元には日本三大夜戦のひとつ川越夜戦の石碑が建てられています。
川越氷川神社
【住所】川越市宮下町2-11-3
【HP】http://www.kawagoehikawa.jp/
縁結びの神様、地元では「おひかわさま」として親しまれる「川越氷川神社」
この時期は七五三ということもあって境内はものすごい人で賑わってました。
川越八幡宮
【住所】川越市南通町19-3
【HP】http://kawagoe-hachimangu.net/
クレアモールと平行して走る八幡通り沿いにある「川越八幡宮」。
こども相撲大会や鎮守の森コンサートで賑わう神社。年末に奉納される大絵馬も有名です。
川越八幡宮は縁結びのご利益。境内には恋が叶う「縁結びのイチョウ」が鎮座。
御神木に柏手を二度打つと夫婦円満・良縁に巡り会うといわれています。
平成・明仁天皇がお生まれになった御年(昭和8年12月23日生)川越八幡宮の崇敬者によって男イチョウと女イチョウ二本を植樹したが、いつしかその二本の木は寄り添い、一本に結ばれてしまったことに由来する。固く結ばれた二本の御神木に触れ御守りを身につけ、二度柏手を打つと夫婦円満・良縁に巡り会うと伝えられている(案内板より)
中院
【住所】川越市小仙波町5-15-1
【HP】http://www.nakain.com/jp.html
川越の季節を語る上で欠かせないのが中院。春には枝垂れ桜が美しいお寺です。
秋になれば境内は紅葉に染まります。
この日は、まだぼちぼちと色づき始めたばかりという感じでした。
川越大師 喜多院
【住所】川越市小仙波町1-20-1
【HP】http://www.kawagoe.com/kitain/
初詣を皮切りに一年を通して何かと訪れる機会の多い「川越大師喜多院」
天長7(830)年慈覚大師円仁により創建され、1,200年近くの歴史を持ちます。
徳川家康公は第27
境内にある客殿に「徳川家光公誕生の間」、書院には「春日局化粧の間」があります。
こちらは外からですが、中に入ると庭の美しい紅葉を愛でることができます。
境内には木々が多く鮮やかに染められた景色はもうすぐです。
川越城本丸御殿
【住所】川越市郭町2-13-1
【HP】http://museum.city.kawagoe.saitama.jp/hommaru/
川越が城下町だった面影を残す「川越城本丸御殿」。
始めてホームページを見ましたが、結構、ノリノリな楽しい雰囲気です。
家老詰所の縁側から美しい庭園が望めます。
三芳野神社
【住所】川越市郭町2-25-11
【HP】http://www.city.kawagoe.saitama.jp/welcome/kankospot/hommarugotenzone/miyoshinojinja.html
川越城本丸御殿まできたら三芳野神社へも足を伸ばしましょう。
約1,200年前に創建された神社。菅原道真を祀り必勝合格祈願のご利益があります。
紅葉に彩られた参道を「とうりゃんせ」の歌を口ずさみながら、、
川越水上公園
【住所】川越市大字池辺880
【HP】http://www.parks.or.jp/kawagoesuijo/
郊外に足を伸ばしてやってきたのは川越水上公園(撮影日は11月3日)。
広大な園内の紅葉や修景池にメタセコイヤの紅葉が映る姿は息を飲む美しさ。
川越西郵便局付近(県道160号沿い)
川越西郵便局を通る県道160号沿いにはイチョウ並木。小江戸川越マラソンの頃が見頃?
小江戸川越菊まつり
11月1日から23日まで喜多院で開催されている「小江戸川越菊まつり」。
今年で32回を数え、川越の秋を告げる風物詩です。
【HP】http://www.kawagoe.com/kitain/information/annual-events/1101.html
入り口を入ってすぐの右手にあるのは「小菊盆栽」
その先には菊が一本の福助作り、三本のダルマ作りが連なります。
レイアウトはほぼ毎年同じですが、毎年変わる正面花壇は楽しみの一つ。
今年は、小江戸の秋とタイトルのついた五重塔がモチーフ。
インバウンドを意識して、英語、中国語、韓国語でも案内されています。
見るたびに凄いなと思うのがこの千輪作り。一本の菊なのですから驚かされます。
花火のような見た目で記者の好きな管物。
枝振りの良い木に小菊を植え込んだ「木づくり」
小菊を杉のの形仕立てた「杉作り」
大菊の仕立ての基本「三本仕立て」。かなり大ぶりの菊もあって見ごたえがありました。
今年は500鉢が並ぶそうで、これからがまさに見頃となります。
蔵と現代美術展‐響き合う空間
蔵の持つ独特の密閉された空間を現代美術の展示場として活用する「蔵と現代美術展」。
11月3日から11月23日まで、中心街とその周辺の21会場で開催。
そのうちの幾つかの作品をご紹介します。
【HP】http://kuratogendaibijutu.web.fc2.com/index.html
中市本店(高澤日診子)
ネコマンマおにぎりでお馴染み中市本店。天井から白いオブジェが吊り下げられています。
大蓮寺(大槻孝之)
鉄板を加熱バーナーで赤らめ水で急冷する暁鉄という造船の技術で作られた「風息-II」
神田畳工(共同展示)
道路を挟んで菓子屋横丁の向かいにある「神田畳工」。
畳縁を使った財布や名刺入れなどの小物も並んでいました。
見立寺土手(日大芸術学部「過去改心党」)
見立寺の土手(赤間川沿い)には「桃鬼闘奇絵巻」と名付けられた作品が展示。
ちょっと昔くらしの道具小屋(森佳三)
石原町のもっこ館カフェテラス1F。大正・昭和の道具が展示された石原宿ギャラリー。
展示物はそのままに明かりが落とされてオブジェが飾られていました。
観音寺(成田浩彰)
one’s hope〜一縷の情景〜と名付けられた作品。
恵比寿屋(森島花)
作家の森島さんが在籍してたので作品の見方を教えていただきました。
白いのは自分で梳いた和紙。光の加減や風で揺れて表情が変わるのを見て欲しいとのこと。
札の辻交差点広場(瀬島匠)
広場に置かれた大きな作品「Runner 安全靴 2017」
裏ではジーブが支えていました。
旧山崎家別邸(共同展示)
こちらには複数の作家さんによる共同展示が楽しめます。
あまりにも自然的に庭に溶け込んでいた作品。
室内にも数多くの作品が展示されていました。
時の鐘(加藤 治男)
時の鐘の下を通り抜け、薬師神社の横の広場に展示されていたのは「天空観測所」
川越のシンボル時の鐘と対比させた面白い写真が撮れます。
大銀杏の黄葉、喜多院の菊まつり、そして、蔵と現代美術展。
街を散策しながら深まる川越の秋を満喫してみてはいかがですか?
取材・記事 白井紀行