新年に向けて気を引き締めたい秋の風物詩「小江戸川越菊まつり」と「川越成田山別院の火渡り祭」

取材・記事 白井紀行

 

紅葉も色鮮やかさを増し秋深まる11月23日(勤労感謝の日)。

13時より成田山川越別院で「火渡り祭」があるので出かけて来ました。

まだ、ちょっと早いので川越喜多院へ。

 

小江戸川越菊まつり

11月1日〜23日は、小江戸川越菊まつりが開催されています。

 

入り口正面では、各賞を取った菊がお出迎え。

いつもはお城などを象った造形が飾ってありますが、今年は無しかな?

 

入り口右手は古木を思わせる小菊盆栽。

 

1本の「福助づくり」、3本の「ダルマづくり」が奥に向かって並びます。

 

通路の真ん中は例年は大きなドーム型の千輪作りが並びますが見当たらず。

今日が最終日だからでしょうか(^^;)

 

ミッキーマウスを象った造形菊。

 

こちらは富士山を象ったもの。

 

五重塔や杉造りは会場を華やかにします。

 

手前は枝ぶりの良い木に小菊を這わせた着付け。奥に懸垂が並びます。

 

菊の衣装をまとった写真が撮れる顔出し懸垂。

真ん中は耳もあるので、うさぎでしょうか?

 

大菊のもっとも基本である「3本仕立て」

秋の陽光を浴びて最終日も人々の目を楽しませていました。

 

川越成田山別院へ

喜多院から火渡り祭が行われる川越成田山別院へとやって来ました。

 

大導師および山伏ら一行はご本尊である不動明王へ祈願。

 

祈願を終えると一行は境内を出て町内を廻ります。

 

境内には結界が張られ中央には護摩壇が設(しつら)えられています。

 

結界の入り口で行われる山伏問答。

小江戸川越の山伏であること所願成就の祈願に来たことを告げます。

 

道場に入場することが許され、山伏らは法螺貝を吹き鳴らし結界の中へ。

 

山伏らが所定の位置につき、儀式が行われます。

 

「床堅の儀」は、山に見立てた道場の大地を結界する作法。

 

大導師が導師席に着座し、護摩の主法が始まります。

 

「斧の儀」、護摩修行に用いる壇木及び木々を求める作法。

エイ!エイ!という掛け声とともに斧を振り下ろします。

 

法剱の儀」、お不動様の持つ剣を借り「臨兵闘者皆陣列在前」と九字を切る。

道場を清め行者や参列者の煩悩を取り払います。

 

「祭文の儀」、不動明王に行事の趣旨を伝え参列者への所願成就を願う儀式。

 

「法弓の儀」は、五大明王をお呼びして道場の守護を願う作法。

 

東の降三世、西の大威徳、南の軍荼利、北の金剛夜叉、天地中央の不動明王。

それぞれの明王を矢を射ることで呼び出します。

 

閼伽(あか)の儀は、ご本尊を清める閼伽水を壇に垂らす作法。

ご本尊を洗い清め、行者の三業を洗い流し、薪を清めます。

 

「点火の儀」、ご本尊の智慧の光明を頂き煩悩の見立てた薪に火を放つ作法。

 

赤々と燃える松明を掲げ、

 

護摩壇へと点火。

 

蝉時雨のような音を立ててヒノキの青葉が燃え始めます。

 

ものすごい煙が立ち込め風下の参列者は堪らず移動。

 

火はやがて薪へと燃え移り大きな炎が上がり、顔に熱が伝わります。

 

山伏らが般若心境を唱えるなか、大導師による祈祷が続けられます。。

 

それに呼応するかのように、まずます燃え盛る炎。

 

山伏らは所願成就を唱えながら、護摩木を次々と投げ入れていきます。

 

護摩木はたちまち火に包まれて灰へと姿を変えていく。

 

あれだけの勢いのあった炎も落ち着いて来ました。

灰を寄せて真ん中に通り道が作られています。

 

大先達が塩を撒いて通り道を清め、

 

そのまま火の中を渡っていきます。

 

続いて、大導師。

 

その後を山伏らが続きます。

 

信者らも渡って所願成就を祈ります。

渡りきった信者には大導師が背中に手を当ててお加持を授けます。

 

晩秋の川越の風物詩「小江戸菊まつり」と「火渡り祭」。

これを見ると、2018年もあと1ヶ月余りか、、と近づく年の瀬を感じます。

新年に向けて気を引き締める意味でも、毎年、訪れたいと思います。


INFORMATION

成田山別院 火渡り祭り

【開催】平成30年11月23日 13時〜

【住所】川越市久保町9-2

【電話】049-222-0173

【HP】成田山川越別院(火渡り祭り)

川越市久保町9-2