2024麦ノ秋音楽祭Seeds~COEDOビール学校(後編)
カワゴエ・マス・メディアの一行3名は、10月26日~27日にCOEDOクラフトビール醸造所敷地内で開催されたキャンプ型音楽フェス『麦ノ秋(むぎのとき)音楽祭2024#Seeds』を取材してきました!
第二弾は両日各1回開催されたコエドビール学校の様子を楽しくお伝えしていきます!
COEDOビールは自然豊かな場所で作られている!
現在のCOEDOビールの工場は、1980年代前半に建てられ企業の研修所だったところをリノベーションしたところで、2016(平成28)年9月1日にCOEDOクラフトビール醸造所として生まれ変わりました。研修センターの建物で元々教室だったところを工場とし、北側を醸造棟、南側を充填棟として使用しています。
COEDOクラフトビール醸造所は、工業団地ではなく田園地帯の丘の上にあります。ビールの味を決める水にこだわり、この自然に囲まれた場所で、ミネラルを豊富に含む水でビールをつくりたいという強い思いでこの地を選んだそうです。井戸水は、水道水と違い塩素を除去する手間が無いのがメリットです。
COEDOビール学校では特別な体験ができる!
講師は、協同商事 代表取締役社長の朝霧重治さん、会場限定エール “音ト鳴” 醸造担当ブルワーの目黒匠さんが担当してくださいました。受講した皆様は、普段は聞けないビールに関する幅広いお話を楽しんでいらっしゃいました。
受講者の皆様へお話の内容が十分に伝わるよう、定員は各日30名様までとしておりました。今回は、前編・後編の2部制とし、前編はCOEDOクラフトビール醸造所内でビールづくりについての説明、後編は焚火ひろばでの小テストとテイスティングが主な内容です。
記事中では前編を「1時間目」、後編を「2時間目」として紹介していきます!
【場所】
COEDOクラフトビール醸造所
埼玉県東松山市大谷1352
【参加費】
¥2,000(定番6種の試飲、おつまみ付き)
※試飲は各種ビール1本をグループ内でシェアします。
【内容】
・醸造所ツアービールの基本概要
・ビールやCOEDOについてのお話
・小テスト
・定番6種と会場限定エール “音ト鳴” のテイスティング(※芋けんぴのおつまみ付き)
など
1時間目~醸造所ツアー
ビールができるまでの技術のお話が1時間目です。
①麦芽粉砕室
ビールには通常黄金色~茶褐色~黒まで様々な色合いがありますが、その色合いの違いは、麦芽の焙煎度合いの差によって生まれます。
COEDOビールは、カナダ産やドイツ産のモルトなど数十種類のモルトをブレンドしています。
②仕込み室(釜・ろ過槽)仕込み室(ワールプール)
ここでは糖化作業、麦汁ろ過、麦汁煮沸が行われています。
糖化とは、アルコール発酵を行う上で重要な工程であり、これがないとビールになりません。
醸造所のタンクは容量が6000リットルもあり大きいため、耐震性を損なわない範囲で慎重に壁を崩して搬入したのだそうです。
麦芽と水を温度を変えながら分けて仕込み、糖化された「麦汁」ができます。最後に風味や泡だちに必要なホップを追加し、上澄みを濾過して発酵室へ送られます。
麦汁を試飲してみよう!
麦芽を水で煮込んだ「麦汁」を試飲。廊下中は甘い香りでいっぱいでした。粉砕した麦芽をお湯に入れ、麦のお粥のような状態を65℃に保ちつつ煮込んでいくと甘い麦汁になります。
温度が高すぎても糖化力がなくなり、50℃以下になると雑菌が入ると増殖しやすくなるため、糖化力が落ちます。
③発酵熟成タンク室
ビールの元「麦汁」が完成したら発酵タンクへ移して酵母を加えます。酵母は麦汁に含まれる糖分を食べて、アルコールと二酸化炭素(ビールの泡)を生み出してくれます。そして美味しいビールへと変化していきます。
ビアスタイルは発酵方法の違いで大きく下記に区分される。
・ラガー酵母を使い下面発酵させるラガー系 = 瑠璃(Ruri)、伽羅(Kyara)、漆黒(Shikkoku)→ラガー系のビールは発酵が進むと酵母が沈んでいきます(下面発酵)。また10℃という低温で、冷水がタンクの周囲を循環し温度管理をしています。当然ながら温度が低いので発酵にも1週間程度、熟成には4~6週間もの時間がかかります。のどごしを楽しむのにピッタリ。
・エール酵母を使い上面発酵させるエール系 = 白(Shiro)、紅赤(Beniaka)、毬花(Marihana)→エール系のビールは発酵が進むと酵母が浮いてきます(上面発酵)。また20℃で発酵、熟成させるため、発酵が3~4日、熟成は2~3週間と、ラガーの半分程度の時間ですみます。フルーティで深い味わいと豊かな香りが楽しめるビールです。
④瓶詰・樽詰・缶詰
天井には詰める前のビールが通るパイプが走っています。出来立てのビールに思いを馳せながら見学コースの廊下を進んでいきます。
素人目で見ると瓶ビールのほうが美味しそうに見えるかもしれませんが、瓶は光を通すので、なるべく瓶ビールは暗い場所に置くのが美味しさを保つ秘訣なんだそうです。
缶ビールは遮光性100パーセント、完全に光を遮断することができます。ただし、缶詰する巻締機はスイス製で大変高価だそうです。樽のビールは、注ぎ手によって味わいが変わってしまいます。
その他にも、フィルターはスウェーデン製、ラベラーはドイツ製、充填機はイタリア製など、コエドビールは世界各国の技術を集結してCOEDOビールは作られています。
1時間目では、2時間目のテストに出るところも教えていただきました。2時間目が楽しみになってきました!!
休憩時間~なんとラジオの生中継!
前回の麦ノ秋音楽祭の記事にも掲載しましたが、ビール学校の1時間目と2時間目の間に、ナナコライブリーFMで毎週土曜日に12時~生放送されている「ナナコフレンズカフェ」で、我々カワゴエ・マス・メディアチームの目黒岳大がスタジオと現地を電話でつなぎ生中継を行いました。
なんとこの中継が終わるまで3人ともビールを我慢したのでした(笑)。
今年の3月まで、カワゴエ・マス・メディアがナナコライブリーFMで制作していた、ラジぽて縁結び 「BREW-UP」で朝霧社長がパーソナリティを務めていたことをご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
2時間目~テイスティングとビールにまつわる小テスト
そして話を元に戻しますが、焚火ステージ前に移動した私たちは、ビール学校の2時間目が始まるのを少し待ちました。テーブルの上には7種のビールに、テストと鉛筆・消しゴムがセットで置かれ、さらにCOEDOビールの定番を紹介するパンフレット。4人1組で席につきます。
まずは席についたら、机の上のテストをやってみてほしいとのこと。今まで得た知識を思い出しながら回答しました。テストは全部で10問、100点満点です。もしかしたら、レジュメに答えが書いてあるかも!?
そうこうしているうちに、音ト鳴を開けて乾杯する時間がやってきました。今回の音ト鳴の味はどんなのだろうと想像すると、ワクワクしてきました。
まずはイベント用の「音ト鳴」で乾杯!講師陣には、1時間目から講義を務めている朝霧校長先生に、ここで会場限定エール “音ト鳴” 醸造担当ブルワーの目黒匠さんが加わりました。
音ト鳴2024 Wild Stock Edition(イベントのビール)と定番6種類をそれぞれ同じテーブルの4人で分けて飲み比べをします。ようやくビールが飲めました(笑)
目黒さんによれば、今回の音ト鳴は、WildStockさんのアイデアを入れて足し算をして作っていったそうで、オレンジ、マカ、ホップなどいろんな香りがほんのり幸せな気分にさせてくれます。また目の前の畑で収穫した大麦を発芽させずにそのまま使用、にごりがあるのは濾過をしていないからというのも理由のようです。
そして、目黒さんが説明されている間、朝霧校長先生は、テストの採点を…
みんな100点取れたかな~ドキドキしますね!!
そして説明は、音ト鳴から定番へ移ります。
1時間目に校長先生が話していた「ラガー」「エール」の違いも含めた、種類ごとの原料やアルコール度数などの違いを目黒さんから丁寧に説明していただき、聴きながら順番に試飲していきます。
試飲で用意されたのは「毬花」、「瑠璃」、「白」、「伽羅」、「紅赤」、「漆黒」の6種類です。一度に6種類(+1種類)を飲み比べられるチャンスはなかなかありません。
カワゴエ・マス・メディアチームの3名は、残っているビールをすべて飲み干し、採点されたテストを受け取って焚火ひろばをあとにします。結果は全員、100点でした!!テストで100点満点なんていつ以来でしょう??(笑)
番外編~あの赤い建物の中をご案内!ブルワリーツアー
COEDOビールを実際に作っているクラフトビール醸造所の建物の中を、作り手のスタッフがご案内。10月26日(土)、27日(日)両日とも各4回の計8回開催されました。ブルワリーツアーは無料で参加可能。お酒が弱く試飲はあまりできないけど、ビール工場の中を見たいという方にはおすすめです。皆様も、次回の麦ノ秋音楽祭ではビール学校かブルワリーツアーのどちらかにぜひ参加してみてくださいね!
Information
COEDOクラフトビール醸造所
【住所】埼玉県東松山市大谷1352
【電話】0493-39-2828
【HP】https://www.coedobrewery.com/jp/
【Facebook】https://www.facebook.com/coedobrewery
【X】https://twitter.com/COEDOBREWERY
【麦ノ秋音楽祭X】https://twitter.com/mugino_toki
【麦ノ秋音楽祭HP】https://muginotokiongakusai.jp/