川越まつりを楽しむ会~シルバーガイドで川越まつりをもっと楽しく!

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2024年は、10月19日・20日の2日間で開催された川越まつりでしたが、川越や近郊に住む人たちはもちろん、他の地域からも観光に訪れるゲストで大変賑わい、2日間で延べ73万8千人もの方が来場したとのことです。

多くの見物客でにぎわう夜のりそなコエドテラス(旧りそな銀行川越支店)前

 

なんとシルバーガイドツアーは5年ぶりの開催!

埼玉県の公益社団法人である川越市シルバー人材センターは、多彩な山車が街中で競演する国指定重要無形民俗文化財「川越まつり」をより魅力的に楽しむための「シルバーガイドツアー」を実施しました。
同センターに登録する60~80代のシルバーガイドたちと一緒に川越まつりを楽しめるのは、コロナ禍前の2019年以来、5年ぶりとなりました。
 

午前9時過ぎ、集合場所にて受付をする参加者の方々

 

ツアーは観光客がまだ少ない午前中に実施!

シルバーガイドツアーは、観光客の人出がまだピークにならず、ツアーの安全を確保できる19日午前9時半~正午限定で行われました。約100名ほどの参加者は、10班に分かれて、9時半には川越駅脇田ビル広場(川越駅東口)を出発しました。
私たちの班の担当は、川越市シルバーガイドの会会長の鈴木康生さんです!
 

いよいよガイドさんについて私たちの班も出発!赤い服を着ている方がガイドの鈴木さん

 
コースは、脇田町→八幡通り→川越八幡宮→本川越駅前交差点→中央通り→連雀町→仲町→蔵の街→札ノ辻→元町休憩所までの約2.8キロメートルです。
 
参加者たちはそれぞれのガイドについて、熱心に説明を聞いていました。
 
まず、私たちは5分ほど歩いたところで、南通町の川越八幡宮に到着します。
 

川越八幡宮の境内。川越に住んでいてもなかなか行く機会がない人も多いのでは?

そして丸広百貨店の駐車場前を通ると、キッチンカーや屋台の準備がすでに朝から始まっていました。ここでテンションが上がってきた筆者。今日はお祭りなんだなぁと実感がわいてきます。

朝から何台ものキッチンカーが駐車場を埋め尽くし、道行く人たちもうれしい気分に

 

いよいよ、出発準備の山車が!!そして見どころも?

私たちは、丸広百貨店のところから八幡通りへ入っていきます。
ほどなくして「島崎藤村ゆかりの地」の石碑がマンションの前にあるのを紹介されました。中院の境内にある、島崎藤村が義理のお母様に贈った茶室、不染亭の旧跡を記念した碑です。
 

中院の境内には川越市の文化財に指定された島崎藤村ゆかりの茶室・不染亭がある

 
ここからもう少しだけ歩くと、いよいよ出発準備をする山車にお目にかかることが出来ます。コンビニエンスストアの隣の敷地では、通町の山車の出発準備が行われていました。
 

通町「鍾馗(しょうき)の山車」の組み立てを行っている地域の住民の方々

そして通町の交差点を左に曲がると、本川越駅に向かってこれだけの露店が所狭しと並んでいます。お祭り好きならこの風景を見ただけで、ウキウキしちゃいますね。

本川越交差点では、ここで夜行われる「曳っかわせ」について、山車同士が出会ったときにお囃子と踊りを競演するもので、まつりの最大の見どころであるとの説明がありました。

通町交差点近くの郵便局あたりからの写真。本川越交差点に向かってこれだけの露店が立ち並ぶ

 
ここから中央通りに入っていくと、新富町1丁目と中原町の会所が数十メートルしか離れていないところにあるとの話があり、ちょうど山車の出発式を見ることが出来ました。
夜の祭り見物だけだと見ることのできない貴重な場面に出くわした筆者たちは、ちょっとうれしい気分になりました。
 

ちょうど筆者たちの班が通りかかった時、中原町の会所前で木遣り(出発前の儀式)が行われていた

 
連雀町交差点の数十メートル手前には、元禄七年川越図が。連雀町交差点から北の通りは中央通りと呼ばれており、一番街へとつづいています。

蓮馨寺・熊野神社を含む中央通りと立門前通りエリアを「昭和の街」としており、路地には昔ながらの住まいや商店があり、令和の現代でも昭和の面影が残っています。

連雀町交差点近くにある元禄七年川越図

ここで川越の街の説明がありました。旧市街地に鉄道を開通させるのは困難だったことから、南側に鉄道が引き込まれて人の流れが変わり、旧市街地に人が来なくなったため、いっそのこと観光地化してしまったとのこと。

1933(昭和8)年に開通した中央通りには今も看板建築の商店が残り、また蓮馨寺山門から東にのびる立門前通りにはかつて芝居小屋の鶴川座(現Hatago COEDOYA)、織物市場(現コエトコ)などの貴重な建築物がありました。
 

熊野神社横にある連雀町会所近くで。山車上では囃子連の雀会による演奏が行われている

今年は19台の山車が出ていましたが、仲町「羅陵王(らりょうおう)」の山車は出ませんでした。しかしながら会所横ではお囃子の演奏が行われ、道行く人たちを楽しませていました。

仲町の会所前にはお囃子を聴くため多くの人が集まってきていた

そして今年5月に「りそなコエドテラス」として生まれ変わった、1918(大正7)年建築の国の登録有形文化財「埼玉りそな銀行旧川越支店(旧国立八十五銀行本店)」の説明がありました。ここも川越のランドマークとして、長く親しまれています。

約100年にわたり銀行としての役割を担ってきた建物が川越を照らす拠点へ生まれ変わった

 
その後ツアーは陶舗やまわの建物の説明へ。陶舗やまわの店蔵は、川越大火後の1893(明治26)年に建てられ、現存する入母屋形式の土蔵造りとしては日本で最大級の規模です。川越でロケを行った朝ドラの舞台にもなりました。
屋根瓦の上にいる疫病退散の神様「鍾馗(しょうき)」様は6寸ほどで小さくて見つけにくいですが、皆さんも探してみてくださいね!
 

陶舗やまわは蔵造りの建物で、旧原家住宅を陶器店にしており、建物は有形文化財に指定されている

 
また向かい側にある「服部民俗資料館」は同じく明治26年に建てられ、江戸時代以降の川越の商いと暮らしにかかわる史料を展示している資料館であり、建物は市指定有形文化財に登録されています。
こちらは無料で見学できますので、川越観光の際に立ち寄ってもよいでしょう。

服部民俗資料館の見学を終えて外に出ると、ちょうど小狐丸の山車、幸町(旧鍛冶町)の山車が目の前に。

札ノ辻交差点に向かって山車の周りは見物客でいっぱい

そういえば、さきほど仲町を過ぎたあたりで旧町名碑を見かけました。旧町名のことまで普段から気にして街歩きしているわけではないので、なるほど山車とリンクしました!

旧町名碑を意識して街歩きすると、普段とは違う発見があるかも!?

 
そして元町休憩所での解散時には、午後1時からの神幸祭をぜひ観てくださいとおすすめされました。なぜなら、川越まつりは川越氷川神社の神幸祭がルーツだからです。
神幸祭の神輿行列に各町内が屋台や山車が供奉するようになり、それが今の川越まつりに発展したということです。いろいろなことを知れば知るほど奥が深い川越まつりです。
 

川越氷川神社を出発する神幸祭の様子(写真は過去の年度のものです)

 
 

★初めて取材に参加した1年目のスタッフの感想★

今回、川越まつりを楽しむ会に参加して川越の歴史や、まつりの歴史について説明していただきました。 川越の道路のつくり、町の名前の由来なども歴史と紐づけて学ぶことができました。
また、注意してみていなければ見逃してしまうような石碑や昔の川越の地図などを紹介していただきました。 そしてはじめて山車を準備する様子も見ることができ、貴重な体験でした。
何度も遊びに行っている身近な街ですが、普段見ていないものについて触れることができ、今まで気がつかなかった、新しい川越の魅力について知ることができました。
 

夜のまつりもガイドツアーとあわせて楽しむのがおすすめだ

川越まつりのことだけではなく、川越の街のことも知ることができて、何倍も川越まつりが楽しくなるシルバーガイドのツアーはぜひおすすめです!

シルバーガイドに説明を受けて観光すれば、きっと川越の街歩きが何倍も楽しくなる

今後もシルバーガイドがイベントを行うため、ご興味を持たれた方は、参加してみてはいかがでしょうか?今のところの予定としては、12月1日(日)川越市民の日を記念して、無料で本丸御殿
や蔵造りの街並みをご案内いたします。2025年1月11日(予定)には小江戸川越七福神めぐり、3月下旬には桜を楽しむ会も開催予定となっています。

【お問い合わせ先】
公益社団法人 川越市シルバー人材センター 観光案内係
電話 049-222-2075  受付時間(平日 9 時~16 時 30 分)

Information

「川越まつりを楽しむ会」
※こちらのイベントは終了しました

【主催】公益社団法人 川越市シルバー人材センター
【募集期間】2024年9月9日~10月4日(先着順)
【募集定員】150名
【参加費】大人600円、小中学生300円
【HP】https://webc.sjc.ne.jp/kawagoe/index
【Eメール】guide-event@sjc.ne.jp