「おもてなし」の心を言葉に込めて〜第3回 英語で日本を語ろう!コンテスト in 川越(前編)〜

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取材・記事 白井紀行

 

平成28年から年一回開催されている「英語でニッポンを語ろう! in 川越」

第3回のテーマは「世界に伝えたい!日本の素晴らしさ・日本の魅力」

日本の文化、歴史、伝統、自然、環境&技術・テクノロジー、アニメ。

あるいは、日本人の心、絆、ホスピタリティなど。

出演者が伝えたい日本の素晴らしさ・日本の魅力を英語で語ります。

 

司会を務めるのは阿里耶さんとSpeak UP RadioからMJ&Adamのお二人。

「自信がなくても、英語で言いたいことYeah!(いえ!)」と元気な掛け声で開始。

 

ご来賓の挨拶

川合川越市長が登壇。Hello every body と自己紹介。

川越が英語でおもてなしができて国際観光都市となることを期待したいと挨拶。

 

エスプリライン代表取締役 大谷登社長。

世界の方に何度も来てもらいたい住んでもらえるように一緒に頑張りましょう。

 

審査員の紹介

審査委員長は英会話講師 金子廣行氏。
城西大学現代制作学部准教授 ザインリッチー氏。
東京国際大学 GTI語学専任教師 アネリース・マーシャル。
エスプリライン専務取締役 大谷治子氏。

コンテストは企画力、構成力、メッセージ性、独創性、ユーモアなどを総合的に審査。

英語力だけでなく伝えようとする気持ちと表現力が重視されます。

 

学生部門(中学・高校生)

No1.「素晴らしい日本の伝統工芸/Amazing Japanese Traditional Craft 」

トップバッターは東京都渋谷区の中学1年生。

ウェスタ川越のステージと大勢の観客の前に物怖じせず日本の伝統工芸を紹介。

 

組紐を中心に取り上げ、毎日の生活に取り入れて世界に広めましょうと伝えました。

 

No2. 落語を語ろうよ/Let’s RAKUGO

古典落語の名作「時そば」を演じるのは、西大宮ゼミナール(さいたま市)の4人。

二八蕎麦の由来を紹介した後、お蕎麦を食べ終わった場面。

 

小銭を「1つ、2つ、3つ・・・8つ」と数えながら渡す。

ここで、「今何時(なんどき)?(What time is it?)」と尋ねる。

「9つ」と答えた店主。、続けて「10、11、12・・16」と一文ごまかします。

 

No.3 インスタ映えする日本/Instagrammable Japan

オシャレな写真を撮って楽しんでいるさいたま市の高校2年性。

 

横浜、富士山、大宮の大湯祭り、喜多院の桜など。美しさに感動した様子を表現。

川越ではおばあちゃんがお好み焼きを焼くのを待つ間に話したこと。

ぜひ、フォトジェニックな日本と人との触れ合いを楽しんでは、とまとめました。

 

No.4   日本の国蝶「オオムラサキ」/Japanese  National Butterfly “Omurasaki”

触覚と大きな翅を背負って登場したのは埼玉県比企郡から来た高校3年性。

中学生の時に出会った「オオムラサキ」がテーマ。

 

幼虫の触ったやわらかい感触、蛹が枝豆に似ていて触ると動く驚き。

成虫が時には敵と戦うという生きるための強さと素晴らしさについて語りました。

 

くるりと振り返って、美しい青紫色の翅を観客に見せる演出も見事でした。

 

一般部門(18歳以上)

No.1  Money is Here 〜日本のあるべき姿/What Japanese People Should be

日本に来た外人が食、街並みとともに「おもてなし」で親切な国と思って欲しい。

それを具体化する言葉としての「Money is Here」の真意を例え話で説明します。

 

Money is Hereは直訳すると「お金はここにある」

ホームレスにお金を上げるのではなく、このお金で一緒に食事をしようと誘う。

Moneyとは自分の能力。困っている人を自分ができることで手助けする。

そうすれば、社会はもっと素晴らしくなると呼びかけました。

 

No.2 日本における伝統的な生死観/A Traditional View of Life & Death in Japan

代々受け継げがれているお寺で生まれ育った川越市の大学生の彼女。

住職である父から聞いた伝統的な生死観について話します。

 

人は死ぬと2週間は受け入れられずこの世を彷徨ったあと、閻魔大王のところへ。

裁きを受け六道(地獄,餓鬼,畜生,阿修羅,人間,天)のいずれかに向かう。

苦しんでいる人を救う仏様が六地蔵。こんなことも英語で話せればと結びました。

 

No.3 子供の成長を祝う行事/Family Events

3人の子供がいる川口市のサムライパパは、誕生日会、運動会、試合で忙しい。

日本には七五三、お食い初めというイベントもある。

それは、心から子を思う気持ち、それを日々感じていますと話しました。

 

No.4 日本人の親切心/Japanese Kindness

埼玉女子短大生の彼女は、外国人がどこで日本人の親切心を感じるかをプレゼン。

エスカレータでは多言語で注意を促す。

ウォシュレットの多機能性は、気持ち良く使ってもらいたい心が関わっている。

 

「英語が話せない代わりに目的地まで一緒に向かってくれた」という動画もあった。

多くの外国人に日本が世界で一番親切なおもてなしの国として認知して頂く。

日本人が自分たちの国に誇りを持ってもらうことが私の目標ですと結びました。

 

No.5 合唱を通じて世界の人と友達になりたい
I want to make friends with people in the world through song. 

川越で男声合唱や第九の会などで合唱を楽しみ、心の合唱を学んだという山田さん。

(先日の川越Farmer’s Marketでも出演いただきました)。

 

3月に行われた「江戸の日」では、人力車に乗っていた外国人に歌を披露。

合唱を通して心温まる時間を共有し、おもてなしをする機会を得たそうです。

 

アイヌ語、クロアチア語、ドイツ語、英語で歌い世界一周の気分に。

最後は「通りゃんせ、通りゃんせ」と美声を響かせました。

 

「それぞれの目線で日本を紹介をしていていたのが素晴らしい」と阿理耶さん。

 

次の小学生部門に行く前に、「英語で言いたいことYeah!」と気分をほぐします。

 

その出来が素晴らしいと小中高のジュニア部門から小学生部門が独立しました。

小学生部門

No.1 川越のサツマイモだいすき!/We love Kawagoe’s Sweet Potato

ウサギ、ネコ、ハムスターに扮した Sweet Potato Girlsの女の子3人。

 

童話「大きなカブ」をサツマイモに見立てて演じる、その可愛さに拍手。

力を合わせて抜いたサツマイモはみんなで美味しく食べました。

 

No.2 羅漢様の内緒話」川越のおすすめスポットの紹介
   Rakan’s Secret Talk – My Recommend Spot in Kawagoe –

狭山市の小学6年生。川越の数ある名所の中から喜多院の五百羅漢を取り上げます。

 

羅漢らがどんな話をしているかを彼らと同じポーズをしながら想像します。

 

No.3 日本の文化はすばらしい!/We have a Beautiful and Brilliant Culture!

さいたま市の開智学園総合部6年生はクラス全員で出演。

着物姿も美しい華道を始めとする日本文化を伝えます。

 

空手の説明では「つき」「けり」「うけ」の型を演じながら。

 

百人一首。息のあったスピィーディーな展開も見どころでした。

 

「アルプス一万尺」と「桃太郎」の歌に乗せて「日本大好き」とフィナーレ。

欽ちゃんの仮装大賞なら満点のファンファーレ間違いなしの見事な構成でした。

 

No.4 合気道/Akido

道着に身を包んだ川越市の小学6年生、3年間練習している合気道について。

 

危険な目にあったときでもリラックスする精神を保つには日々の練習が大切。

たくさんの人に合気道を知ってもらえればと語りました。

 

商業サービス部門(販売・サービスに従事する方)

No.1  JR川越駅の仕事/The Work of JR Kawagoe Station

JR東日本・川越駅に勤務する天野さんと池田さん。

駅員が行う仕事はたくさんありますが、その中で最も大切なのは「安全」。

そのために1日10万回以上も指差し確認を行なっています。

 

「右よし」「左よし」と実演。このお陰で日本の鉄道事故の発生率は世界一低い。

川越にも海外からたくさんお客さんがきます。

オリンピックに向けて一緒に盛り上げて行きましょうと呼びかけました。

 

No.2  川越にオリンピックがやって来る。英語で応援しよう
   The Olympic will come to Kawagoe.Let’s give support in Englesh

ゴルファーに扮した英和不動産の高橋さん。

2020年東京五輪で川越がゴルフ競技の会場になることに因み、ゴルフの話。

競技をする世界のプレイヤーを英語で応援するには?

 

私たちがよく使う「ナイスショット」は、実は和製英語。

私がゴルフのショットをするので、皆さんは「Good Shot」と言いましょう。

カップにホールが入るように「In the Hole」、優勝者には「Congrats!」

プレイヤーを応援する3つの言葉を覚えることができました♪

 

No.3 落語ザ・マジック/RAKUGO  the Magic

子供の頃から魔法使いになりたかったという喜餅さん。

そばを食べる時は箸になり、構えればスターウォーズのライトセーバに。

扇子一本でなんでも出せる落語に出会い夢を叶えました。

 

今は英語落語を演じて日本の伝統芸能を世界中に紹介しています。

ミシガンで演じた小話。

「飛行機で東京からどれくらいかかりますか」

「少々お待ちください(Just a minute)」

「たった1分(Just a minitue)早いねぇ。」

扇子は魔法使いの杖、落語はマジックです。と結びました。

 

No.4 銀行と地域社会/Bank and Local Community

武蔵野銀行が川越市と連携して地域的かつ国際的に寄与しているかがテーマ。

「空き家・空き店舗」の問題ではリノベーションを目的とした新事業の支援。

 

企業のグローバル化ではタイと香港にある拠点が進出をサポート。

「武蔵野銀行は金融面で川越の街の活性化をお手伝いします。

一緒に仕事ができることを楽しみにしています」と挨拶して終えました。

 

さまざまパフォーマンスに観客の反応も上々です。

次は、海外留学・生活経験や英語に自信のある方が出場するEnglish Master部門。

これまで、コンテストの参加資格は留学なら1年以内でした。

English Masterは英語で活躍する人の発表の場を作るために新たに誕生しました。

 

English Master部門

No.1 東武電車に乗ろうよ/Let’s Take the Tobu Railway!

昨年10月に池袋に開設した東武ツーリストインフォメーションセンターのお二人。

先輩が後輩に東武東上線の名所を教える研修 の体(てい)で演じます。

 

東武線は東京、埼玉、千葉、栃木、群馬を通る全長463Kmの路線。

川越は池袋からたった30分で古き町並みを散策したり名物を楽しめます。

とても便利なディスカバリーパスもあるとしっかり宣伝。

 

日光では世界遺産のお寺や神社、鬼怒川温泉が疲れた体を癒します。

さらに2017年からはSLの運転を開始。沿線には東京スカイツリーもある。

短い時間の中に東武沿線の魅力を余すことなく教えていただきました。

 

No.2 魔法の言葉/Magic World

金髪のウィッグを半分だけ着けて登場したのは中塚さん。

一回目からチャレンジしているそうです。

 

立つ向きを変えることで日本人と外人との一人二役を演じる仕掛け。

外人に川越駅に行くにはどうすれば良いかと尋ねられるシチュエーション。

パターン1は、「まっすぐ行けば駅が見えてきますよ」と答える。

パターン2は、頭にPleaseを付け、別れ際に「Have a good day」と言葉を添える。

 

「Please」で丁寧なさを「Have a good day」で相手に心温まる印象を与えらえる。

学校で習った言葉に2つのマジックワードを付けてどんどん話しかけましょう。

笑顔(Smile)も忘れずに!と提案しました。

 

さあ、これで全部門の発表が終わりました。この後は審査に入ります。

どれも構成や演出が素晴らしく、ワールドワイドな目線で日本の魅力を表現。

「日本は美しく親切な国」と感じて帰国してもらうにはどうすれば良いか?

2020年東京五輪に向けた「おもてなし」の心がそれぞれの言葉に込められていました。

さて、だれが最優秀賞の栄冠を手にしたのか?

いささか記事も長くなりましたので、次週へ To Be Continued

 


INFORMATION

第3回 英語でニッポンを語ろう!コンテスト  in 川越

【開催】平成30年7月8日(日)13:00〜16:00

【場所】ウェスタ川越・大ホール(川越市新宿町1-17-17

【主催】「英語の通じる街」 実行委員会

【HP】http://eigonomachi.jp/

【FB】https://www.facebook.com/eigomachi/

川越市新宿町1-17-17