初の試み!ウェスタ川越『クイズに答えてバックステージツアーに参加しよう!!』

一般の人はなかなか入ることのできない、楽屋への通路
どうやって募集していたの?

ウェスタ川越Facebookより建物の画像。2014年竣工、2015年3月23日開館。(提供:ウェスタ川越)
初の試み、驚きの内容!
イベントの目的は、ウェスタ川越の舞台裏を知ることで、より身近に感じていいただくと共に、川越市民や周辺地域住民の文化芸術への関心拡大と事業への参加を促します。
参加者は、楽屋や備品庫など日頃見ることができない場所に入り、舞台、照明、音響などの舞台技術の操作なども間近で見学。後半にはツアーの集大成として、実際にミニピアノコンサートを行い、どのように舞台スタッフが動いているか、参加者の方々に好きな場所で見ていただきました。

ミニピアノコンサート中、舞台スタッフが袖幕の後方で動いている様子を伺い知ることができる
以下、午前の部のタイムスケジュールです。
10:00 挨拶
10:05 楽屋、ピアノ庫、備品庫見学
10:30 舞台装置説明
11:10 ピアノコンサート
※舞台袖や客席など、参加者が好きな場所からご覧いただきます。
11:20 緞帳の説明
11:30 質疑応答
11:45 終了

自由にピアノ演奏を楽しむ参加者の皆様
1.挨拶
今回のバックステージツアーで主に館内の案内や広報を担当した3名(柏瀬明彦館長、広報営業責任者の石橋恵子さん、舞台技術責任者の岡部吉倫さん)がご挨拶。今回の企画の内容や、注意事項の説明などが行われました。参加者一同、真剣に聞き入ります。

いよいよバックステージツアーのスタート。左からウェスタ川越の石橋さん、柏瀬館長、岡部さん
2.楽屋、ピアノ庫、備品庫見学
ウェスタ川越は、2015年3月から稼働して9年目と歴史はそれほど長くないですが、下町ロケットや金曜ロードショーなどのロケに使われています。
楽屋は公演で使ってもらう人に使いやすく快適な環境を提供したいと、様々な工夫がされていることが柏瀬館長から説明がありました。たとえば、コンセントや照明スイッチの位置を工夫したり、化粧品等が転がって落ちないように台の端っこをわずかにせり上げたり、物置用の棚は忘れ物が見えるような高さに配置する等、細かい配慮がされています。

棚の位置や台の作り、コンセントの場所など様々な工夫が凝らされている楽屋
また、小楽屋にはユニットバスがついており、ドアノブは衣装に引っかからないものを選ぶなど工夫されています。
小楽屋1-4は楽屋にピアノを設置しており、本番前にピアノの練習も可能になっています。通路は、一般的には210cmですが、ウェスタ川越は240cmと、30cmも広くなっています。それと連日公演を行う場合に備えて、シャワー室や洗濯室も別に備えています。このように、ウェスタ川越の舞台裏は出演者が快適に過ごせる工夫が随所になされています。

まるでホテルさながらの小楽屋。出演者に快適に過ごしてもらう工夫がいっぱい
大道具倉庫には、花道を仮設で作れる道具や、オーケストラ用の小道具、コントラバス用いす、譜面台、それに照明器具や紗幕(しゃまく)などがぎっしりと収納されています。

大道具倉庫は、普段何気なく舞台上で見ているさまざまなものが置かれている
またピアノ庫には、スタインウェイD-274とヤマハCFXの2台のフルコンサート用グランドピアノが常時保管されています。
こちらのピアノ庫は、ピアノにとって常に快適な温度と湿度をキープしています。湿気が多すぎたり、逆に乾燥しすぎはピアノの大敵で、調律が狂ってしまうこともあるのだとか。

ピアノを良い音で長く使うためには置き場所の温湿度管理がいちばん重要となる
3.舞台装置説明
ウェスタ川越の舞台の天井高さ(幕が上がり見えなくなるところ)は29.5m。参加者たちは、幕やバトンなどが電動昇降するところを実際に見学しました。その中でも代表的なものを紹介します。
バトン…舞台演出上必要な種々の吊物を下げるのに使われ、常備されない幕・照明器具、大道具などを吊るすもので、ウェスタ川越のバトンは合計重量1トンまで吊るすことが出来ます。ワイヤーを巻き上げて昇降します。
松羽目…ウェスタ川越のものは布地に松の絵を描いており、歌舞伎や能などの日本伝統芸能において、演出のための大道具として使われています。
音響、照明、舞台…各2名で管理。操作は難しいため、プロが行っており、最先端の機材をそろえています。
音の調整はiPadと連携し、遠隔操作もできます。ステージ上で音を実際に聴きながら調整することもできます。音響は小さいスピーカーをつなげており、高音、中音、低音のバランスをみながら、会場の基礎となる音を作っていきます。

ウェスタ川越大ホールの舞台袖。手前側が照明、奥側が音響の調整を行う機器
照明は専用のサスペンションライトがあります。毎回公演ごとに照明機器を仕込み、ばらし、チェックを行っています。白い幕にさまざまな色を付けられるようになっており、照明卓で調整を行っています。ライトはほぼLED化されています。

ホリゾントライト(アッパー、ロワーとも)が点けられ、舞台後ろ側は青色になっている様子
4.緞帳の説明
今回は特別に緞帳の裏側を見せていただきました。緞帳は上げ下げのスピードも変更できます。

緞帳の裏面に「火の用心」と書いてある理由を説明する岡部さん
緞帳の裏面には必ずといっていいほど、「火の用心」と書いてあります。これはどのような理由からなのでしょうか。
舞台上には、袖幕やホリゾント幕など、多くの幕類が吊られており、その昔は劇場火災が実際に起きていたそうです。理由は、照明機材のワット数が高く、接触することで燃えてしまったりしていたのだとか。
舞台上には危険なものがたくさんあり、注意を促す意味で「火の用心」と書かれているんだそうです。
ちなみに現在はLED照明が多くなり、電球と比べて発生する熱がかなり少ないので、火災の危険性は少なくなってきているそうです。

ウェスタ川越大ホールの照明器具。普通のアパートだと3個使えばブレーカーが落ちるほどだ
5.ミニピアノコンサート

ミニピアノコンサートで演奏する平林さん

客席から見たピアノ演奏。ホリゾントライトの上下の色が違っているのがわかる
参加者の方々の声を一部抜粋!
●初めて舞台裏やそれにかかわる方々のことを知ることが出来てうれしい。
●たくさんの人たちが支え合ってステージやコンサートが作り上げているのだなと感心した。
●舞台裏を見ることが出来て、今後舞台を鑑賞するときにはまた違った見方ができそうです。
●日ごろ見られない場所を丁寧にご案内いただき、得した気分でした。
●最高に楽しかったです!ありがとうございました!

バックステージツアー中、スタッフの説明を真剣に聞きいる参加者の皆様の様子
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