現代アートが歴史ある街の空間を演出し魅力を引き出す〜プレ蔵と現代美術展2018(出品&実行委員募集中)〜

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川越まつりが終わりいよいよ秋深まる平成29年11月。

札の辻ポケットパークに突如出現した巨大な靴に何事かと驚く街の人々。

瀬島匠氏の「RUNNER 安全靴」

11月3日〜23日に開催された「第5回蔵と現代美術展2017」の作品の一つ。

 

川越市内に点在する「蔵」という空間に「現代美術」と一体として展示して活用する。

これにより「蔵」と「現代美術」の魅力を広め、地域コミュニティとの連携を深める。

地域の活性化の一助とするために始まったのが、この「蔵と現代美術展」です。

 

次回は、平成31年ではなくて(元号何になるのかな?)元年に開催予定。

そのPRとして今年の11月17日〜25日開催されるのが「プレ蔵と現代美術展2018」

5月31日まで展示作品を公募しており、展示会場の下見会が5月12日に行われました。

「普段は入れない場所にも入れる」と聞きつけ記者も同行してきました。

 

「蔵と現代美術展」実行委員会事務局の代表であり現代美術作家の田村優幸氏。

資料が配布され本日の行程を説明。

「プレ展2018」で予定されている展示会場は、次の通り。

【屋内展示】仲町観光案内所、小川長倉庫(A、B)、中正屋美術館、神田畳工、中市本店、木元設計事務所、亀屋本店袖蔵、旧山崎家別邸。

【屋外展示】本丸御殿中庭、札の辻ポケットパーク、大蓮寺本堂、時の鐘奥のスペース、観音寺境内、風凛、旧山崎家別邸跡地。

本日は川越城本丸御殿以外の展示場を回っていきます。

 

こちらが、昨年「もっこ館2F」に展示された田村さんの作品「風韻(創世)」。

扉を開けると外光に照らされて作品が浮かび上がって来たのが印象的でした。

 

小川町倉庫(A・B)<屋内展示>

初めに向かうのは札の辻ポケットパーク近くの「小川町倉庫(元町2-5)」

 

大正時代に建てられた2つの蔵を倉庫として利用。

この奥は「らくだプラザ川越元町第1駐車場」となっています。

 

左手にある倉庫Aを内覧。中に入るとひんやりと涼しい。

 

目測で30畳位の広さで2階建の高さ。このスペースを1人(組)で占有できます。

 

昨年は天井まで届く大きな絵画(小林裕児氏作「谾」)が展示されました。

 

こちらは右手にある倉庫B

 

天井は倉庫Aと比べて低く、20畳ほどの広さがあります。

 

木元設計事務所 2F <屋内展示>

札の辻交差点から北に少し。

かつて、弁天横丁と呼ばれた通りにあるのが「木元設計事務所(元町1-16-7)」

 

表からみると古い長屋ですが、

 

中はリノベーションされていて床はフローリング。日光が差し込み明るい雰囲気。

 

一部は床を外して吹き抜けに。1Fは木元設計事務所として利用されています。

 

吹き抜けの側から見たところ。作品の展示ではテーブルを外すこともできます。

 

3畳の和室も展示スペースとして利用できます。

 

haze(ヘイズ) <屋内展示>

札の辻交差点から東方向。市役所方面に向かった先にある「haze(元町1-12-6)」

 

店内で和ろうそくを作る工程を見ることができます。

 

「ロウ引き掛け軸」という作品が展示されていました。

製作中のロウを写真に撮って和紙に印刷し、ロウ引きしたものなのだそうです。

 

続いてやってきたのは大勢の観光客で賑わう「鐘つき通り」。

 

 

時の鐘奥スペース <屋外展示>

「時の鐘(幸町15-7)」をくぐり抜けた奥のスペースが屋外展示場となります。

 

昨年は加藤治男氏が「天体環測所」という作品を展示していました。

 

旧山崎家別邸敷地  <屋外>

一番街と並行する静かな通りにあるのが「旧山崎家別邸(

こちらでは屋内(共同展示)と屋外が展示スペースとして利用できます。

 

まずは屋外展示スペースから見物していきます。

 

玄関前の展示スペース。

 

建物をぐるりと回って庭園の方へ、

 

昨年は森下聖大氏の「building」が展示。前からあったかのように馴染んでました。

 

その奥に展示されていたのは野口栄一氏の「空間測量」という作品。

 

旧山崎家別邸の建物の中も共同展示スペースです。

旧山崎家別邸  <屋内>

写真がありませんが、昨年は湯船にカラフルなボールが詰め込まれていました。

このほか、女中部屋も利用できます。

 

この玄関ホールをどう利用するか?

 

増田宏人氏の「蘭少女図」。

 

旧山崎家別邸の1Fには和室の大広間が2室あります。

 

半山修平氏の「赫赫林林図屏風」。

旧山崎家別邸では釘などを使った固定はできませんので注意!

 

このほか、旧山崎家別邸にはサンルームなどもあります。

中の様子は2年ほど前に記事にしていますので、合わせてご覧ください。

 

仲町観光案内所 <屋内>

仲町交差点を東西に横切る志義町通りにある「仲町観光案内所(仲町2-3)」

 

展示場は奥座敷。この日は、大相撲展が行われていました。

 

仲町観光案内所から鍛冶町広場を通って、一番街へ。

 

風凛  <屋外>

カフェエレバードと和柄キティー葉朗彩々の間にある一枚の扉

和惣菜とお寿司の「風凛(ふうりん)(仲町6-4)」

 

すれ違うのがやっとの細い道を通り抜けると、

 

一番街の喧騒を忘れさせる静かな庭園が広がります。

 

亀屋本店袖蔵 <屋内>

お店が混んでいたので外観だけですが、「亀屋本店(仲町4-3)」

左にある袖蔵に作品を展示できます。

 

 

中市本店 <屋内>

ねこまんま焼きおにぎりでお馴染み「中市本店(幸町5-2)」

焼きあがるのを待つお客さんの行列に中に入るのは断念。

 

昨年は共同出展の会場として複数の作家の作品が展示されていました。

店主さんは「お店のディスプレイと思われているようです」と笑ってました。

それくらい、しっくりと自然な感じで馴染んでいました。

 

菓子屋横丁の前から高澤橋を渡って向かうのは石原町の「観音寺」

 

観音寺境内 <屋外>

石原のささら獅子舞を取材してから1ヶ月振りの「観音寺(石原町1-18-1)」

 

境内に作品を展示することができます。

一瞬、人が座っているようでギョッとさせられた成田浩彰氏の「一縷の場景」

 

中正屋美術館(日本料理・蕎麦)  <屋内>

高澤橋を渡ってすぐのところにあるのが日本蕎麦の「中正屋(石原町1-2-1)」

 

その裏手に回ると大きな蔵(写真右側の壁)があります。

 

中は綺麗に整備された美術館。

 

森島花氏が展示した時の様子。

 

天井が高いので、上から吊るすものが良いのではと田村さん。

明かりも3段階に変えられるのでイマジネーションが広がります。

 

神田畳工 <屋内>

高澤橋を渡って元町2丁目山王の山車蔵の真向かい「神田畳工(元町2-8-10)」

 

店内では畳の縁を使った小物も販売しています。

 

昨年はドローイングや小作品の共同展示場となっていました。

 

大蓮寺本堂前  <屋外>

本日の行程も最後となりました。神田畳工近くの「大蓮寺(元町2-8-25)」

 

こちらの境内を利用して展示されていたのは、

 

大槻孝之氏の「風息-Ⅱ」。鉄でできた大きな花が空間を大きく変えていました。

 

川越城本丸御殿(中庭)  <屋外>

この後、参加者全員でカフェで喉を潤して散会となりました。

立ち寄らなかった「本丸御殿(郭町2-13-1)」もご紹介しておきます。

 

昨年は、中庭に山本麻世氏の「釜なめ蛇」が展示されてました。

日常的な空間に現代アートを展示すると景色が一変。

見るものをハッとさせ、作品を通してその空間が持っていた魅力に気づかされる。

空間と作品をどう共鳴させ演出するのか?

そこに「蔵と現代美術展」の面白さがあると感じました。

 

プレ蔵と現代美術展2018では、5月31日まで展示者と実行委員会を募集中。

出品には実行委員会の入会が必須(屋外展示の場合は入会は不要)。

実行委員になると「第6回蔵と現代美術展」の共同展示への参加も補償されます。

平面・立体・映像・インスタレーションなど作品の形態やジャンルは問いません。

自分の作品が川越の街にどんな影響を与え人の心に働きかけるのか。

是非、参加して、挑戦してみてはいかがでしょうか?

 

詳細については、Facebookの実行委員会募集中をご覧ください。

https://www.facebook.com/kuratogendaibijututen/?hc_ref=ARQ5tHiwZ__6-cNTVsQ0HAFg-RgO3Oodn16riz54ADiSlXvLB6JAxZ9nC5Q55Di2x88&fref=nf


INFORMATION

プレ蔵と現代美術展2018 下見会

【開催】平成30年5月12日13:00〜16:00

 

プレ蔵と現代美術展2018について

【会期】平成30年11月17日(土)〜25日(日)

【会場】川越中心街各所

【HP】http://kuratogendaibijutu.web.fc2.com/

【FB】https://www.facebook.com/kuratogendaibijututen/

【問合】kuratogendaibijututen2015@gmail.com