出演者が着物を楽しんで、それが観る人を楽しませた「プリンス着物パーティ」
取材・記事 白井紀行
西武新宿線「本川越」駅に直結する川越プリンスホテル。
そのロビーで、6月22日(土)に「プリンス着物パーティ」が開催されました。
「夜の川越を盛り上げ、人と街を繋ぎ、川越をもっと素晴らしい街にしていこう」
そんな思いを込めて開催された着物ファッションショーです。
主催&司会は、Koedo Friendly Guideで小江戸川越観光親善大使の阿里耶さん。
プリンスホテルのロビーや階段を立体的に使ったステージ。
ランウェイを飾るのは季節のアジサイなどの寄せ植え。
これは、川越市今福にある「ウラニワフラワー」が手がけたもの。
このほか、着物レンタル、着付け、ヘアスタイルなど川越の多くのお店が協賛。
コンセプトへの関心の高さが反映されています。
今か今かと待ち兼ねるのは大勢のお客さん、間も無く始まります。
開会の挨拶
4月に川越プリンスホテル支配人に着任した小田麻夕美さん。
川越には初めて参りましたが、川越は歴史、伝統のある街。
そして、身近で着物を着て歩ける街。
プリンスホテルとしても川越を盛り上げて行きたいと思います。と挨拶。
第一部の始まりです
今回、参加するのは全22組。第一部、二部の二部構成で行われました。
エントリナンバー#1番 Tさん
名前が呼ばれると、踊り場で皆さんに顔を見せ、
階段を降りていき、
ランウェイを歩いて、観客の皆さんに着物姿を披露。
小中は川越の学校に通った川越育ち。野球観戦が趣味で夢は12ホーム制覇です。
ランウェイでは、自己紹介や着物のエピソードなどを阿里耶さんが読み上げます。
エントリ#2 Yさん
高校時代の思い出が詰まった川越で着物パーティに出れたことを嬉しく思います。
ファッションのワンポイントとして蔵造りのお菓子を取り入れてみました。
あとで写真を確かめたら帯の所に「べにあかくん」が顔を出していました。
エントリ#3 Cさん
日本に来て2年、大学で薬学部を勉強し、将来は医療の専門家になりたい。
エントリー#4 Mさん
亡き叔母が着付け師で子どもの頃は着物をよく着物を着せてもらっていました。
最近、母から着物を譲り受け、水玉堂で着付けを習い始めての着物デビューです。
エントリ#5 水玉堂
自宅サロンでカラーコンサル、着付け、着付け教室などの仕事をしている水玉堂。
兵児帯のリボン結びのコツを伝授してくれました。
帯と着物についている紐を一緒にくぐらせれば結び目が下がりません。
詳しくは、こちらの動画をどうぞ ▼
https://www.facebook.com/mizutamado/videos/2460004744222974/
今日のコーディネートは親子で色味を合わせています。
水玉堂の着物コーデは洋服の暮らしにも浮かない。
でも、せっかく和装を着るならちょうど楽しい色合いのコーデを得意としています。
水玉堂▶︎ https://www.mizutamado.com/
エントリ#6 荒井由佳さん
川越育ちで趣味は海外旅行。都内インバウンド系ホテルのフロント兼調理師。
45カ国を訪問して川越の街の素晴らしさに気づき地元に貢献したいと活動中。
丹徳庭園の宿泊業コンサルや38℃というチームで角栄商店街にカフェをオープン。
今秋、川越プリンスホテルで女性限定異業種交流「川越女子百人会議」を計画中。
今日の着物は大分県の祖母が反物から縫い上げて普段着として着ていた着物です。
合同会社オンド ▶︎https://38degcel.com/
エントリ#8 タケママ
現在は地元神楽坂に戻りましたが、昨年まで8年ばかり川越に住んでいました。
めっきり着る機会の少なくなった着物を来て川越散歩にやって来ました。
エントリー#9 山野下絵美さん
出産を機に川越に引っ越し5年目。
川越を中心にママや社会人向けにコーチングやコミュニケーション講座を開催。
今日のポイントは娘さんが美々庵で選んだキティちゃんコーデ。
みんなに見られてテンションが上がったのかランウェイを駆け抜けて行きました。
山野下絵美オフィシャル ▶︎ https://yama-emi.com/
エントリー#10 Wさん(左)とOさん(右)
ずっと来て見たかった川越の街を母の着物を着て友達と歩けて嬉しいです(Wさん)
着物を好きになったきっかけはひいおばあちゃんから授かった着物(Oさん)。
エントリー#11 岡田 祐子さん
本川越駅近くで岸田ダンスアカデミーを開く、日本トップクラスのダンサー。
得意ジャンルはパワフルでセクシーなラテンダンス。
ランウェイでは華麗なターンも披露されました。
岸田ダンスアカデミー ▶︎ https://blog.goo.ne.jp/yupopo36
#12 きものや沙羅
一部のトリを務めるのは、連雀町の着物レンタル店「きものや沙羅」。
伝統的な着物から現代の着物まで季節ごとに300点を取り揃えています。
和装婚礼や成人式などのフォーマル向け、芸者、侍などの変身プランも用意。
昨年12月には美容室と写真スタジオの2号店をオープンしました。
Kさんが着ているのは鹿鳴館時代をイメージしたドレス。
アンティークな付け下げを使い、傘は帯で作られています。
Yさんの着ている黒の衣装はアンティークの留袖をドレスに仕上げたもの。
Sさんの衣装は絽の着物を2枚重ねて紫陽花をイメージしたもの。
着物をアレンジしたファッションは、観客も大きな関心を寄せていました。
きものや沙羅 ▶︎http://kimonoya-sara.jp/
みなさまいかがでしたでしょうか?
どの方の装いも個性豊かで素晴らしかったですね。
と、阿里耶さんが感想を述べて、第一部は終了です。
大きな拍手に迎えられ退場する出演者の皆さん。
きもや沙羅の出演者の皆さん。ロビーはしばしの撮影タイムとなりました。
中央は、阿里耶さんとともにKoedo Friendly Guideを営む石川誠さん。
クラシックコンサート
ピアノの佐久間由紀さん、チェロの関根あやかさん、声楽の高瀬結花子さん。
二部に入る前にトリオによるクラシックコンサートが行われました。
「はっか草」「夏の思い出」「この道」「トルコ桔梗」。
お馴染みの日本の曲をオリジナルアレンジでの演奏でした。
小芝居仕立ても楽しかった第二部
さらに盛大な掛け声や声援もお願いしますと第二部が始まりました。
エントリ#13 OさんとKさん
高校時代からの友人で共通点が多い似た者同士のOさんとKさん。
本日はあえて着物を赤と青の真逆の色でクールに美しくをテーマに仕上げました。
エントリ#14 Uさん
川越出身で現在は4歳と1歳の男の子のママ。
日々バタバタで着物を楽しむ時間が作れないのでショーに出るのがとても嬉しいです。
今日は川越名物さつま芋をイメージした赤紫を多用したコーデです。
物作りが得意でアクセサリーも手作りなのだそうです。
エントリー#15 Sさん
礼儀作法をきっかけに着付けに興味を持ちました。
本日は川越で着物を着る機会ができて嬉しいです。
本日の夏着物は「すずのき川越本店」さんに仕立てて頂いたお気に入りです。
エントリー#16 渡邊明日香さん
群馬県桐生市出身。現在は新座で子育てをしながらコーチングの仕事をしています。
今日の着物は大好きなおばあちゃんが生前私の二十歳の誕生日プレゼントされたもの。
子供たちと一緒に夢だったファッションショーに出ることができて胸が一杯です。
オフィシャルHP▶︎ https://asukawcoaching.com
エントリー#17 Hさん
小中と川越で育ち一度は千葉市内へ。結婚とともに川越に戻り32年。
趣味は絵本を読むこと、盆栽、山野草を育てること。
時々、旧山崎家別邸の床の間に盆栽を飾らせてもらっています。
エントリー#18 須賀栄治さん
大正浪漫夢通りにあるスガ人形店の須賀栄治さん。
小江戸川越ハーフマラソンの創設や川越style倶楽部で川越の食や文化を世界に発信。
海外で川越をPRする時に着ている川越唐桟を着ての登場です。
スガ人形店 ▶︎https://suga-ningyouten.com/
川越Style倶楽部 ▶︎http://www.kawagoe-style.jp/
エントリー#7 川越着物レンタル*柚屋*
大正浪漫夢通りにお店を構えて3年目。毎日、観光客と沢山の出会いがあります。
その日一日がお客様に取って最高の一日になるようスタッフ一同おもてなし。
今日のスタイルは着物、ドレス、手袋、パンプスがセットになったモダンスタイル。
川越へ着たら柚子屋オリジナルの大正浪漫スタイルをお試しください。
川越着物レンタル 柚屋(ゆずや)本店 ▶︎ http://yuzuya1.web.fc2.com/
エントリー#19 Cさん
中国出身で川越在住。来日16年目で10年は大手企業で車の設計。
3年前から個人の成長とやりたい仕事をと外資系の生命保険会社に転職。
川越で多くの皆さんに出会って異なる文化や交流をしたいです。
エントリー#20 ヴェソラスキーチャールズジェームスさん&レンちゃん
お父さんに抱えられて親子での登場。阿里耶さんの旦那さんと娘さんです♪
空手がやりたくて来日し、今年で10年目。
川越まつりで出会い、着物ファッションショーに出演したのをきっかけに結婚。
愛娘のレンちゃんはユニクロやミキハウスのモデルをしています。
縁結びの街川越で、人と人が繋がりみんながハッピーになれたらいいなと思います。
エントリー#21 日本髪愛好家のみなさん
小芝居仕立てで、江戸、明治、大正、昭和の良き時代を再現しました。
小江戸情緒溢れる蔵造りの街並み。夕暮れ迫る路地。
ガラリと戸を出て来たのはつぶし島田に鼈甲を飾り三味線を抱えたお姐さん。
「ちょいと忘れ物ですよ」「あらすいません女将さん」
続いて暖簾を分けて顔を覗かせたのは、笄もキリリと艶やかな高島田の舞い手方。
「まあ解(ほつ)れ毛が、さあ出来た」「行ってまいります」
「さて、私もそろそろ行って来(き)ようか」
結った揚げ巻きを撫で付けて女将も撫で付けて女将もお出かけです。
3人とも全て地毛でセットされているそう。
「川越」といえば「日本髪」と皆さんに思っていただけるよう精進したいと思います。
和の手仕事屋 ▶︎ https://www.facebook.com/pg/wa.no.teshigoto8/
お芝居の全容は▶︎ https://www.facebook.com/wa.no.teshigoto8/posts/691813337946144
エントリー#22 川越着物レンタル 美々庵さん
いよいよラストです。江戸、昭和、令和と川越唐桟の時空の旅へとご案内。
時は今から160年前、川越育ちのおゆきちゃんとおりんちゃん。
今日は鐘つき堂の隣に新しく開店した田中屋さんのお団子を楽しんでいるようです。
帯締めも使わず角出し結びのかなりゆったりした着付けとなっています。
昭和の終わりには、日常の生活から着物は消え特別な時の高級呉服となりました。
しかし、昭和50年代はまだまだ着物は身近にありました。
おゆきちゃんのひ孫にあたるみきちゃんが着ているのはママの唐桟の余り。
ママの手作りのワンピースで家族でお出かけするそんな時代でした。
着付けは洋服を着ているようなモダンでスタイリッシュ。
そして、令和の時代が始まりました。みきちゃんの娘にあたるセイラさん。
今では着物は遊びのツール、ファッションの一つ。
それぞれの個性を生かしていろんな着こなしができる楽しみがたくさんあります。
美々庵ではお客様の体型を生かして苦しくない着付けをしています。
川越唐桟と皆んな大好き田中屋の団子で、川越の街を一層お楽しみください。
美々庵HP ▶︎ http://www.coedovivian.com/
以上、第二部に登場された皆さんです。
全員がランウェイに並んで感動のグランドフィナーレ!
第一部に出演の皆さんも再び登場。総勢22組の皆さんによるフィナーレです。
阿里耶さんの〆の挨拶が始まりました。
自分で着こなした方、レンタルショップを利用した方、着付けをしてもらった方。
プロのスタイリストにヘアセットをしてもらった方。
友達と参加した方、家族で参加してくださった方、様々な方が参加。
どの方も川越で活躍している方です。
この素晴らしい方々がこの魅力ある川越を作っています。
川越で楽しめることはまだまだたくさんあります。
どうぞ、昼も夜も川越をお楽しみいただきたいと思います。
協賛企業、出演者、スタッフ、会場の皆さんへの感謝の言葉とともにお開きです。
阿里耶さんのご家族です。
「今回は川越で活躍している素敵な人に出て欲しいとスカウトして出演者を決めました。
いろんな人を巻きこんで大変だったけど、そのおかげで面白いものができました。」
インタビューで阿里耶さんがそんな風に答えられました。
着物の街「川越」が定着し、蔵造りの街並みでの着物姿は当たり前になりました。
着物は、着るとほぼ全身が布で覆い隠されてしまいます。
けれども、それが着る人の持つ魅力を引き出す不思議な衣装です。
22組には出演に向けたそれぞれの思いがあり、着物にはストーリがありました。
出演者が着物を楽しんで、それが、見る人を楽しませた「着物パーティ」。
「夜の川越を盛り上げ、人と街を繋ぎ、川越をもっと素晴らしい街にしていこう」
その思いを出演者、観客、スタッフの全員で共有できた素晴らしいイベントでした。
INFORMATION
プリンス着物パーティー
【開催】令和元(2019)年6月22日(土)18:30〜19:30
【場所】川越プリンスホテル ロビーラウンジ前(川越市新富町1-22)
https://www.princehotels.co.jp/kawagoe/
【主催】Koedo Friendly Guide
【HP】https://peraichi.com/landing_pages/view/koedofriendlyguide