タイの文化を肌で感じ楽しもう〜ソンクラン(タイの旧正月水かけ祭り)〜

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取材・記事 白井紀行

 

「สวัสดีครับ (サワディカップ)」「สวัสดีค่ะ(サワディカー)」

「おはよう/こんにちわ」の挨拶と笑い声が飛び交う名細市民センター。

6月9日(日)のこの日は、朝から大勢のタイ人で賑わっていました。

 

それもそのはず、今日はタイ王国の旧正月を祝う「ソンクラン」。

埼玉県在住タイ人クラブの主催で、平成22年に開始して今回で7回目。

いつもは4月中旬頃ですが、今年は6月の開催となりました。

 

名細公民館の多目的室。来賓やこの行事を楽しみに来たお客さんで満席。

 

開会式

10時30分になり開会式が始まりました。

日本語とタイ語で交互に話しながら式は進んでいきます。

 

埼玉県在住タイ人クラブ代表のスパッタラさん。

 

埼玉県在住タイ人クラブ顧問スジンダ先生。

埼玉県に住む私たちタイ人たちは交流したいし、何かあれば助け合いたいです。

このような行事も国際交流を目的としており機会があれば参加してもらえれば。

と埼玉県在住タイ人クラブの活動を紹介。

 

タイ王国大使館労働担当公使参事官サイションアカニッタウォン氏。

ソンクランは旧正月を祝う伝統的な行事でタイ人に取って重要なお祭り。

本日も無事に終わることをお祈りしますと、祭りの始まりを告げました。

 

川越市 川合善明市長の挨拶。

ソンクランはタイの伝統文化を肌で感じる貴重な機会と参加した方から伺いました。

来年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。

川越市は今年2月にタイ空手連盟と東京2020に向け事前キャンプに関する協定を締結。

4月にはタイ王国のホストタウンとして登録されました。

これによりスポーツと文化による交流は一層深まるものと期待しています。

川越市は全ての市民に取って暮らしやすい多文化共生の地域づくりを目指しています。

このような国際交流イベントを通じてお互いの文化に触れ絆が深まることを願います。

 

壇上および観客席にいる来賓の方々の紹介が行われ、

 

川越市長からタイ王国公使へ友好のプレゼントが手渡されました。

 

全員で「サワディーカップ」と声を揃えての記念撮影。

 

タイ国王ラーマ10世を祝うタイ舞踊

パームラバム・タイ舞踊団、地元保育園、埼玉県在住タイ人クラブによるタイ舞踊。

ステージ中央に飾られている写真、タイ国王ラーマ10世を祝福する踊りです。

 

伸びやかで悠久の時を感じさせるタイの伝統音楽が流れる。

それに合わせて煌びやかな衣装に身を包み微笑みを浮かべた女性たちが登場。

手をしなやかにくねらせながら踊るタイ舞踊が始まりました。

 

背に大きな羽飾りを付けての踊り。

 

北部タイのシャン族の踊り「フォン・ノック・ギンガラー(半人半鳥)」

 

会場のお客さんもうっとりとタイ舞踊に酔いしれます。

 

ジャンジャンジャンと銅鑼の音とともに白いもふもふの動物が現れました。

日本ではさしずめ獅子舞にあたる伝説の生き物「フォントー」です。

会場はお正月らしい賑やかな雰囲気に包まれました。

 

ソンクランの儀式(同時にタイ楽器の演奏)

会場がセットされスパッタラさんの挨拶で、ソンクランの儀式が始まりました。

ソンクランとは、タイの旧暦(チャントラカティ)での新年に当たります。

この日は、仏像や仏塔に水をかけてお清め。

あるいは、家族の年長者の手に水をかけて敬意を評する儀式が行われます。

 

今日はタイ人クラブにご尽力している皆様に手に水を掛けて敬意を示します。

 

傍らでは、ハンマーダルシマーという打楽器の演奏とともにタイの歌。

琴のような形をしており木バチで叩くとチェンバロを思わせる音が流れます。

沼田浩正氏によるタイの歌

昨年は日タイ修好130年で沼田浩正さんはタイで記念チャリティライブを開催。

それが評価され、昨年タイ新聞社から社会貢献アワードを受賞しています。

 

タイ王国9世が作曲した「HM Blues」、上を向いて歩こう(ソンクランVer)。

自分たちの島を大切に思う心「島人ぬ宝」 を歌い盛り上げました。

 

子供の民族衣装ショー

続いては、子ども達が主役の民族衣装ショー。堂々と入場する子もいれば。

 

緊張してしまい泣き出す女の子も(><)

 

「サワディカップ!」と元気な声で挨拶。

 

全員が並んで衣装を観客に披露。いずれも似合っていて可愛いですね♪

 

子ども達には副市長からお土産が手渡されました。

 

壇上に並び「コップンカップ(ありがとう)」の掛け声で記念写真。

 

ソムタムコンテスト

ここからは、メイン会場が屋外のテラスへと移ります。

そこで開催されたのがソムタム(青パパイヤのサラダ)コンテスト。

 

材料は、細く切った青パパイヤ、ピーナッツ、トマト、ニンジン、干しエビなど。

これに唐辛子、ニンニク、ライム、ナンプラ、砂糖といった調味料を加えます。

タイを代表する家庭料理で、作り手によっても味に違いが出ます。

 

試食してお気に入りの一つを投票するシステム。

今年はオレンジの服を来た2番の優勝です。

 

ランチタイム

さて時間はランチタイム。1,000円で色んなタイ料理が堪能できます。

 

こちらはタイラーメン。米粉で作った麺が使われています。

辛さと酸味の効いたスープにナンプラー、砂糖、レモンを加えて味付け。

 

タイ料理といえばガパオライスやグリーンカレーも人気です。

大勢が詰め掛けてご飯をいくら炊いても間に合わないほどでした。

 

テラスでタイ料理に舌鼓。

食べ物は手軽にその国の文化に触れることができますね。

 

会場に展示されていた可愛らしい外観のオート三輪タクシー「トゥクトゥク」。

運転席に座ったり揺らしてみたりと、子どもたちが楽しそうに遊んでいました。

 

タイのくじ引き。ぶら下がった三角のくじを引くと色々な景品が当たります。

 

タイダンス

タイと日本をモチーフにしたデザインによる「タリキバス(傘の踊り)」

 

タイ東北の「スーンガポ(ココナッツダンス)」

 

手持ったココナッツの殻を叩きながらの軽快な踊り。

 

リズムに乗せて互いにコツコツとぶつけ合うダンスは見ていても楽しい踊り。

 

ゆったりとした音楽に合わせての優雅な踊りとタイ舞踊の奥深さを感じます。

 

ベリーダンス

妖艶な音楽ともに観客の前に現れたのはアミターユベリーダンスの皆さん。

 

女性の身体の美しさを追求した踊りは観客の目を魅了します。

 

ジュディオングを思わせる羽のような衣装を身につけてのダンス。

 

ひらひらと羽を広げて舞う姿はまるで蝶々のよう。

 

ベリーダンスの魅力をたっぷりと味わせていただきました♪

 

大人の民族衣装ショー

続いては、大人による民族衣装ショー。

 

タイシルクで作られた艶やかでありながら気品も感じられる民族衣装。

 

いずれの女性もランウェイを堂々と歩く姿、観客へのアピールもバッチリ。

 

審査員によって右の女性が優勝です。

 

最後はみんなで記念写真。

 

タイダンス「グローン・ヤーウ」+メドレー

いよいよソンクランもフィナーレ。最後は生演奏によるタイダンス。

 

タイ人を中心にベリーダンス、来賓、観客を巻き込んで輪になって踊ります。

生演奏ということもあって曲もエンドレス。

皆さんたっぷりと踊りを楽しんだようです。

 

閉会式

スパッタラさんから閉会の挨拶。

参加してくれた感謝の言葉を述べ、今年のソンクランも無事に幕を下ろしました。

 

最後はขอบคุณครับ(コップンカップ/ありがとう)で全員の記念写真。

一日お疲れ様でした。

昨年は各国のゲストを招き国際色豊かなソンクランでしたが今年はほぼタイ一色。

それによってタイ文化をより深く知ることができたように思えます。

川越市の調査によると平成30年度の外国人入込観光客数は28万人。

https://www.city.kawagoe.saitama.jp/welcome/kankobenrijoho/kankotokeishiryo/h30.files/h30.pdf

国別では1位が台湾で2位がタイでした。

来年は東京オリンピック・パラリンピックの年。

川越市もゴルフ会場であり、タイ王国のホストタウンとしても登録されています。

このような行事に参加したり、市内にあるタイ料理のお店を尋ねるのも国際交流の一つ。

ぜひ、機会を見つけてタイ文化に触れて見てはいかがでしょうか?


INFORMATION

ソンクラン(タイ王国旧正月水かけ祭り)

【開催】令和元(2019)年6月9日(日)10:30〜15:30

【場所】川越市名細市民センター(川越市小堤662-1

【主催】埼玉県在住タイ人クラブ

川越市小堤662-1