川越を青く染めろ〜2017年世界自閉症啓発デー Light it up blue川越〜

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毎年、4月2日〜8日は「発達障害啓発週間」。

そして、4月2日は平成19(2007)年に国連で決議された「世界自閉症啓発デー」

この日、自閉症を理解してもらうため全世界でシンポジウムやライトアップが行われます。

川越では「Light it up blue 川越 〜川越を青く染めろ〜」と題した初のイベントが開催。

場所はウニクス川越(にぎわい広場)。ウニクス川越では基調講演が行われました。

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‖ EARTH BLUE  ART

美大生を中心にライブペインターが青・世界・地球をテーマにしたライブペイント。

8人の作家さんが作品作りに参加しました。

「Autistics(自閉症)はArtistics(芸術性)」という副題は、その綴りが似ているから

‖ 小江戸・川越・うまいもん

ウニクス川越のにぎわいマルシェも同時開催。

地元を中心に各地からグルメやワークショップが集結してにぎわいました。

日高「渡来センター」からは韓国料理

始終いい匂いを漂わせていた焼き芋屋さん

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このほか、たくさんのお店が出店していました。

※本文の編集に思いの外、時間が掛かりました。

 取材させていただいたお店の紹介は、出来次第、こちらにリンクを貼ります。

 

‖ ステージパフォーマンス

実行委員長の溝井啓子さんの挨拶でステージパフォーマンスが始まりました。

自らも発達障害の息子さんを持ち、発達障害への理解を深める活動を行っています。

NPO法人 チューリップ元気の会代表理事

和太鼓 響

知的障害を抱えるメンバーによる和太鼓の演奏。

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この日のために一生懸命練習した成果を発揮!

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最後は鉢巻を振ってお客さんの拍手に応えます。

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高階中学校「よさこい」

高階中学校の有志による「よさこい鳴子踊り」が始まりました。

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何十人もの生徒たちによる一糸乱れぬ「よさこい踊り」は圧巻!

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若さはじけ飛ぶ踊りに見ているまでパワーが伝わってきます。

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昨日とは打って変わったポカポカ陽気に会場にも多くのお客さんの姿がみられます。

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織り工房「英(ひで)」

恵比寿屋(石原町)に工房を構える溝井英貴さんによる「さをり織り」の実演。

https://www.facebook.com/織り工房英-ひで-

英さんは、実行委員の溝井さんの次男

にぎわい広場の一角でも、英さんの素敵な色使いの作品が販売されていました。

英さんの作品は、カナディアンレストランMaple Leaf(石原町)で購入できます。

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キャラクターによるじゃんけん大会

会場で子供たちと一緒に遊んでいたキャラクターたちがステージに集合!

透明な水が振るとお茶になる不思議な瓶が景品のじゃんけん大会で盛り上がります。

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フォトグラムワークショップ

写真作家、浅見俊哉氏による日光写真のワークショップ。

 このイベントのイメージカラーである青い作品が並びます。

http://asa19821206.wixsite.com/shunya-asami

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手前の女性の横顔。白黒写真とはまた違った柔らかい写真ですね。

この印画紙は昔懐かしい青焼きの紙なのだそう

お昼を過ぎて、広場では暖かな陽気にとともにのんびりとした雰囲気が漂います。

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ライブペインターさんたちの作品もだいぶ出来上がってきたようです。

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ステージからはアーティストさんの歌声が流れてきます。

歌っているのは有梨さん

 

‖ 基調講演

ウニクス川越では「発達障害を理解する」というテーマで基調講演。

当初、70名の定員に対して倍近くの聴講者が訪れ、関心の高さが伺えます。

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当日配布された資料。ADHDがどういったものか?どのようにサポートすれば良いか?

薬を使った治療の目的や方法などが4冊の冊子に詳しくまとめられています。

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第一部 古山優美子氏 講演

自閉症の子が自立して幸せになるための子育てのヒント〜始点は視点を変えること〜

※講演から記者が感じたことを抜き出しており、全ての内容を記述している訳ではありません。

古山さんの現在18歳の息子さんは、2歳の時に知的障害を伴う自閉症と診断されました。

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2歳頃のビデオを見ると多動症が見られるが、そのときは何だかわからなかった。

1歳半検診で「触れ合ってたくさん話しかけて」と言われたのでその通りした。

しかし、実は息子さんは耳は聞こえても話し言葉を理解できない。

だから、むしろ母が近づくと嫌なことが起こると避ける状態、混乱する状態に合った。

2歳の時に「広汎性発達障害(後に知的障害を伴う自閉症)」と診断された。

それを聞いて「自分の育て方のせいではなかった」とむしろホッとしたそうです。

とはいえ、診断されただけでは問題は解決しない。どうしたらいいかと途方にくれた。

そんな時に知人から紹介された戸部けいこさんの漫画「光とともに…自閉症児を抱えて

そこに書かれたことが息子さんを理解するのに役立ち、都内での勉強会にも参加しました。

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TEEACHプログラム(氷山モデル)

勉強会で学んだのが自閉症の人が自立した行動を支援するTEEACHプログラム。

http://jihei.health-ask.net/curative-medicine/curative3/

その中の「氷山モデル」が古山さんの考え方を大きく変えました。

「公園から帰ろうとしない」という困った行動の下には、様々な理由が隠されている。

実は困った行動をするというのは実は本人が困っている状態。

自閉症と分かっていれば打つ手はいろいろある

構造化による視覚支援

自閉症の人は周りの環境を把握する力がとても弱いがために混乱してしまう。

その混乱を少なくすることが重要。それには、見える形で環境を整えることにあります。

「言って聞かせる」ではなく「見せて伝える」子育てが必要

この見せて伝えるというのを「構造化(見えるサポート)」と言います。

構造化は私たちの身の回りでも当たり前に行われており、特別なことではありません。

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構造化には次の5つがあります。

  • 物理的構造化:場所と活動を1対1にし、音や光など気が散る刺激を遮断。
  • スケジュール:写真、絵、絵カードなど具体的なものでスケジュールを示す。
  • 活動の構造化:何をどれだけ、どこまでやれば終わりかを示す
  • 視覚的構造化:言葉でなく見ただけでわかるようにする。
  • ルーティン :良い習慣や決まった手順に従って行動する。

ただし、障害の度合いで理解の仕方が異なるのでその人にあった構造化を行います。

これらの支援があれば自閉症の人は安心して行動ができるようになるのです。

構造化=図を使って分かりやすく示し安心させることで生活を組み立てる

実際に行った構造化

古山さんが息子さんのために実際に行った構造化。

出来ないに注目するのではなく、こうしたらできるというポジティブな発想が必要です。

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このように見せて伝えることで、自閉症の子も安心して生活ができるようになります。

本人の力を周囲の理解と支援するツールで補完すれば社会の中で過ごせるようになるのです。

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子供の成長に合わせた支援

子育てにはもうひとつ大切なこと。それは年齢の尊重(子供の成長)

ずっと、自分(親)が支援していくのではなく、独り立ちしたいという気持ちを汲み取る。

いつまでも同じ手厚い支援でなく、自分の意思で生活するように陰で支える形に。

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現在、古山さんの息子さんは年齢に合った構造化支援ツールを利用しているそう。

趣味を持ち一人でも行動、働きたいという意思も見せています。

自信をもって行動できるようになると子供持てる力を発揮するようになる。

ひな人形が綺麗だったよとメールで教えてくれた

社会の環境を整えること、見える形で組み立てること、できることから始めていく。

将来の姿を見据えつつその時に焦らずに少しづつ必要なことを加えていく。

支援グッズを利用して子供のストレスを軽くしていく。

ひとつでもできそうなことがあれば試してほしいと結びました。

十分な理解と支援があれば、個性にしか過ぎなくなる

 

第ニ部 柳下記子氏 講演

教室の気になる子への対応~児童に応じた支援の工夫~

続いては、特別支援教育士 視覚発達センター「グッドイナフ」室長、柳下記子氏の講演。

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視覚発達支援とは?

目は良くても、見る力(認知、記憶、処理)に問題がある。

医療では解決できない問題で分野をカバーするのが視覚発達支援センターの役割です。

柳下氏は週2回武蔵野にある小学校でも支援されています

席にじっと座っていない、口を挟む、宿題を忘れる、気が散りやすいなど。

視覚発達支援センターへの相談にきっかけとなる症状は共通しています。

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発達障害とは?

発達障害とは何かということについての説明。

以前はアスペルガーと言われていたのが、今は、「自閉症スペクトラム」と言うそう。

言葉についても以前とは少し変わってきているのだそうです。

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一般的に言われている自閉症スペクトラムの症状。

彼らの姿は映画「レインマン」やドラマ「ATARU」などでも描かれています。

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相手の気持ちを汲み取るのが苦手

自閉症の子供たちが一番困っているのは「相手の気持ちを考える」ということ。

その例として、アンとサリーのテスト(こちらをクリック)を実演。

その後、とある児童の話に移ります。

彼女は自分の気持ちを言葉にうまく表せないので絵カードで示しました。

そうすると、彼女は1日怒られていることがわかりました。

でも、よく見ると我慢したり自分で解決しようとするなど褒められる点もいっぱいある。

こういった形で気づかせることで落ち着くようになったそうです。

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彼女は言葉で表現できない代わりに絵が得意。

やがて、パソコンで絵を描くことようになって横浜市長をもらうまでになった。

自ら希望して特別支援級に移り、安心できて居心地の場所に落ち着くことで力を発揮。

手が不器用なところをパソコンで補う。就職についても見据えるようになりました。

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視覚発達支援とは?

視覚には、目で見たものを脳に入力する機能、それを記憶して処理する機能。

処理した結果をもとに言葉や動作として出力する機能があります。

これのどこで困っているかを見極め適切なアプローチをするのが視覚発達支援です。

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眼球が運動が苦手な子というのは、こんなことで困っています。

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両眼でうまく見えないというのはこんな風に見えたり、文字がぐにゃりと見えたりしています。

あるいは、漢字はひらがなは読めないが数字は読めるなど症状は様々。

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文字と音がマッチングできていないと、どれが正しいかが区別できません。

耳で聞いた外国語をカタカナで示す難しさに似ていると記者は感じました

私達がすべき支援と目指すべきゴールは?

発達障害の子は、自分の居場所(安心)があって、初めて自分のことを理解する。

そうすれば、自分なりの方法で発信(表現)ができ、自分で解決の方法を見出せるようになる。

私たちが最初にすべきことは安心できるように支援すること。

やがて(自分がこういうことに困っていると理解した上で)支援を求めるようになる。

そこに辿り着ければ良いのではとゴールを示して柳下氏の講演を締めくくりました。

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講演中に紹介されていたブログのURLはこちら http://ameblo.jp/gakushushien/。

また、ブログは本にもまとめられています。https://www.amazon.co.jp/本-柳下記子/

 

構造化・支援ツールの例

会場の背後には発達障害の子どもを支援するためのツールが並べられていました。

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エプロンの紐がうまく結べないのなら紐の色を変えることで解決する。

これは紐の結び方を説明する際にも普通に目にしますね。

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携帯用のスケジュール。このように見える化をする工夫がされています。

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誤認知や間違った手順で作業を進めないよう対策をする。

いわゆる、ヒューマンエラーを防ぐ手段というのは社会でも一般的に取り入れられています。

あるいは、地図を読むのが苦手な人でもカーナビがあれば目的に着くことができる。

「苦手なことを何かでカバーするのは、極く当たり前のこと」、記者はそう考えます。

 

対談及び質疑応答

最後は、溝井啓子氏の司会により、先ほど登壇した古山優美子氏柳下記子氏との対談です。

休憩時間の間に聴講者がアンケートに記載した質問などに答えていきます。

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最後に、溝井さんがこうまとめました。

私たち三人の共通点、心と心とを繋げているのは、子供たちが幸せになってもらいたいという思い。

それが私たちの人生。生まれてきた子供が喜びを持って毎日を送ってほしい。

子供を治したい、普通にしたい、問題行動を無くしたいのでは無い。

問題行動があっても幸せであって欲しい、そういう思いで集まった三人です、と。

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※講演の概要や講師の詳細については、こちらのチラシをごらんください。

https://media.wix.com/ugd/7e48be_38005ff65aea4466a6d1263408a9c59e.pdf 

 

青色ウォーキング

ウェスタ川越の周辺を何か青いものを身につけて歩いて、啓発する青色ウォーキング。

入り口で青い風船と青く光るサイリウムライトが渡されました。

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川合市長、小宮山衆議院議員、キャラクター群らを先頭に大勢の人が広場に集合。

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青い風船を手に青いものを身に付けて、川越駅に向けて歩き始めました。

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ペデストリアンデッキの上で集合写真。空も青く染められています。

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青い風船を持って歩く集団に道行く人も注目していました。

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ウェスタ川越に到着するとライブペイントを終えたアーティストがお出迎え♪

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和楽器パフォーマンス

日が落ちるまでもう少し時間があるので、和楽器パフォーマンスが始まりました。

松井和(尺八)、KNOB(ディジュリュドゥ)、石坂亥士(和太鼓)によるユニット。

会場内が神秘的な雰囲気に包まれます。

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ディジュリュドゥという楽器。

初めてその演奏を聴きましたが、うなり声にも似た不思議な音色の楽器でした。

言葉では表現できないので、興味ある方はこちらを → https://youtu.be/9g592I-p-dc

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Light it up blue 川越 点灯式

川合市長、小宮山衆議院議員による挨拶が行われ、

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ボタンが押されました!

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ウニクス川越の広場は青く染まり「わぁーっ」と上がる歓声。

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この日、日本を皮切りに全世界が青く染まりました。

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自閉症を正しく理解し、困っているところは支援することで、彼らが安心して暮らせる街。

それが実現できた街は、きっと誰に取っても暮らしやすい街のはず。

青い優しい光がそう私たちに教えてくれる気がしました。

取材・記事 白井紀行


INFORMATION

2017年世界自閉症啓発デー Light it up blue川越

【日時】平成29年4月2日10:00〜19:00

【場所】ウェスタ川越、ウニクス川越(にぎわい広場)

【HP】https://www.liub-kawagoe.com/

【FB】https://www.facebook.com/light.it.up.blue.kawagoe2017/

    https://www.facebook.com/events/1291074557654099/

川越市新宿町1-17-17

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