初体験!米づくりは知らないことだらけ!〜かわごえ里山イニシアチブ〜

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川越は蔵造りの街並が広がる観光地として知られています。

また、ベッドタウンとしての印象も強いのではないでしょうか?

しかし、郊外に出るとすぐに田園風景が広がるように農業も盛んです。

これは、福田・山田付近の航空写真。おそらく想像以上に田んぼがあると思います。

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水田に青々と広がると稲や秋の黄色い穂は目にすることはあるでしょう。

けれども、お米ができるまでに、どんな工程を経るかは知る機会がありません。

 

そのきっかけとなりそうな研修会が4月18日に開催されたので参加してきました。

主催は「かわごえ里山イニシアチブ」

無農薬、無化学肥料による米作りの支援と生物の賑わいを取り戻す活動を行っています。

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この日は民間稲作研究所代表の稲葉光國氏による有機稲作ポイント研修会です。

これは、長年の研究により農薬を全く使わず、田植え後は草取りも不要な稲作というもの。

 

 

集合場所は、福田の高梨農園。

高梨農園は化学肥料の代わりにレンゲを使った有機栽培の耕福米を作られています。

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参加者が全員揃ったのでまずは挨拶。

かわごえ里山イニシアチブ代表の増田氏。

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講師で民間稲作研究所代表の稲葉氏

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高梨農園代表の高梨氏

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‖ 種籾を育苗ポットにセット

稲葉氏の実践する稲作で最も強調されていたのが苗作り。

今日は、その工程を学びます。

このような14×32のポット穴が空いた育苗ポットを使います。

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これに有機培土を全体にまぶす。

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そして帚で穴の深さの7〜8割りの深さになるまで土を払い落とします。

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出来上がりはこんな感じになります。

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育苗ポットの裏面は、Y字の切れ込みがあり余分な水を排出する等の役割があります。

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ポット穴の深さはちょうど、小指の第一関節くらいでした。

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培養土も肥料が適切に配合されたものを使います。

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指導に従って実践していきます。

実際にやってみると、帚で土を搔き出すのが思ったように行きません。

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予め塩水を使って比重で選別、病気を防ぐために60度のお湯で消毒された種籾。

これを先ほどの育苗ポットのポット穴に一粒一粒入れて行きます。

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種籾を一粒一粒手で入れて行くとなると気の遠くなる作業です(^^;)

しかし、ご安心をちゃんとそこは機械が用意されています。

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種籾を手前にセットしたらバーを上げてトレーの手前を高くします。

トレーが振動し種籾は奥の方に流れて行きます。

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種籾が全て奥に行ったら今度はバーを下にしてトレーの手前を低くします。

トレーは再び振動するので、種籾は手前に戻ってきます。

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トレーには穴が空いていて、そこに一粒一粒、種籾が納まります。

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先ほどの育苗ポットをセットしてスイッチを押すと、ポット穴に種籾が落ちます。

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こんな感じで種籾がポット穴に納まります。

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種籾が浮かないように空の育苗ポットを上に被せて踏みつけます。

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その上に培養土を被せたら、板ですり切りをします。

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これで、ようやく育苗ポットの作業は終わりです。

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次に育苗箱を用意します。

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培養土を入れてすり切りにします。

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それぞれ、30セット作成します。

 

‖ いよいよ田んぼへ

いよいよ田んぼに出ます。

ひび割れが目立ちますが、これは水を張れば自然に埋まるそうです。

育苗箱を置くために少し平らにします。

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育苗箱を3×10の30枚並べます。

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この田んぼが一反(約990平米)なので、30枚はそれに必要な枚数です。

1俵(=60kg)は大人が1年で食べる米の量の目安で、一反だと8俵が取れます。

反や俵は、普段使わない単位ですが、このように表現すると実感できると思います。

 

並べ終わったらたっぷり3往復分の水を掛けます。

後述するようにカバーを掛けてしまうので発芽するまでの水はこれで持たせます。

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先ほどの育苗ポットを並べて行きます。

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並べ終わったら板を敷きその上に乗って体重をかけて育苗箱と密着させます。

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再び水をたっぷりと3往復分掛けます。

ノズルの向きに注目!

つい、下に向けてしまいますが、そうすると種が掘り起こされるので上向きです。

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その上から、パオパオと呼ばれる不織布を被せます。

これで空気の層を作って通気性と保温性を保ちます。

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さらにハイマットを被せます。

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これだけだと風で飛んでしまうので網を被せて針金で固定します。

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これで完成です。

ひとつひとつの工程がここまで来るとようやくその意味が分かります。

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‖ 午後は座学です

 

午後からは、場所を北部ふれあいセンターに移しての座学。

米作りは未経験ながら、今に至るまでに相当の試行錯誤がされていることが分かりました。

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そして、特に注目したいのが②にある生きものを育むという一文。

「かわごえ里山イニシアチブ」の有機稲作の取り組みのゴールには生物多様性の維持があります。

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わごえ里山イニシアチブによる一般募集の次回の活動5月17日(日)。

この日は田んぼの生きもの調査(里山ハーブを観る・味わう)です。

興味のある方は参加してみては如何でしょうか?


INFORMATION

有機稲作ポイント研修会(米作り田んぼ活動)

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