川越百景ウォーキング〜入間川ウォークと中世河越めぐり(後編)〜
‖ 豊田本の集落〜薬師堂と善長寺〜
後編のスタートは、「川越百景No.82」の豊田本の集落〜薬師堂と善長寺〜です。
「善長寺(川越市豊田本939)」は、室町後期(1527年)の創建とされています。
その創建には在地武士豊田隼人が関わっているといわれ、豊田氏の館跡という説もあります。

初夏には、古代蓮の名所としても知られています。
(注:写真は7月13日に撮影したものです)

今の季節は、来年に向けて眠りについた蓮の姿が紅葉とともに見られます。

境内には、石仏(?)が目につくのがこのお寺。写真のどこかに某キャラクターがいます。

入り口には六地蔵様。
死後に天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道で迷う人を救済する地蔵菩薩です。

少し歩くと、やがて沿道に旗がはためいているのが目につきました。

‖ 川越水上公園と池辺公園
夏にはプールもオープンする他、テニスコートやフットサル、ボートが楽しめる修景池。
「川越百景No.78」の川越水上公園(川越市大字池辺880)は一年を通じて市民の憩いの場です。
この日(11月28日)は、小江戸川越ハーフマラソンの前日のため準備中でした。

ちなみに、小江戸川越マラソン(選考当時)も、「川越百景No.81」の1つです。

こちらで、お昼休憩です。

修景池の周辺のメタセコイヤが黄色く色づき始めていました。

お昼休憩を終えて再び集合。

堤防を越えて川越水上公園の反対側に向かいます。

目の前に広がる木々は、かつて見られた武蔵野の雑木林の面影を残します。

堤防の上からは良く眺めていたのですが、その中を歩くのは実は初めて。

木漏れ日が差し込み、ちょっとした森林浴気分が味わえます。

一行はそのまま、初雁橋の下を歩きます。

‖ 小ヶ谷のさくら堤と田面澤
やがて右手の土手の上に桜の木が見えてきました。

この小ヶ谷のさくら堤を始め、この周辺が「川越百景No.50」となっています。

初雁橋を渡る。

自分もとても好きな初雁橋からの眺望。
川越百景はこれと反対側になる上流の景色で、空気の澄むこれからは、富士山がよく見えます。

初狩橋を渡り下流に向かいますが、影を見てちょっと面白い事に気付きませんか?
太平洋側に注ぐ川は地図上では普通、北が上流で南が下流。
けれども、この写真では下流に向かっているのに北側に影が伸びています。
川越のこの辺りでは入間川は南から北へ流れます。
川越百景のツアーでは触れられてませんが、記事を書いて際に教えてもらいました。

入間川を渡る東武東上線の鉄橋(入間川橋梁)。こちらは2代目になります。

旧橋の名残はこのような両岸のレンガ積みの橋脚にあります。
現在の橋は旧橋を除けるような形で敷設しているので、線路は少し湾曲しています。
白いのは御影石で真ん中はレールを支え(当時は単線)、両端はトラス橋の支えです。
レンガの刻印を見ると日本煉瓦製造社の物で、明治に作られたそうです。

‖ スピードウォーキング
このモニターツアーのもう1つのイベント、スピードウォーキング。
今回は、入間川橋梁から川越橋手前までの約600メートルを使って行いました。

写真の右側を進むと「川越橋」です。
川越橋は、昨年の6月に記事にしました(https://koedo.info/140611-kawageo-bridge/)。
川越の冠を付けるだけあって、川越の歴史をモチーフとしたデザインとなっています。

‖ 河越館跡と常楽寺
堤防を下りると直ぐに見えて来るのが常楽寺は、嘉元3(1305)年に創建。
境内には河越重頼、重頼の娘で源義経の正妻となった郷御前、義経の供養塔があります。

国指定史跡河越館跡(川越市大字上戸)。
平安時代終わり頃から約200年、武蔵野国で勢力を誇った在地領主河越氏の居館跡です。
名前からは当時を再現した館等がありそうですが、現在は広場があるだけ。
現在整備中ですが、国指定史跡となると事実に基づかないものは建てられないそうです。

このツアーはもともと14日に行われる予定でしたが、雨天のために28日に順延。
予定通りの開催だと、河越流鏑馬(11/14に撮影)が見学出来る予定でした。

河越氏は鎌倉府と対立するようになり、やがて、歴史の舞台から姿を消します。

写真の真ん中に見えるのは上戸小学校で、ここも河越館の一部。
これを含めると約4万8000平米と東京ドームの1個分の広さ。
河越氏時代の堀や井戸を再現し、山内上杉氏時代の堀を平面表示しています。
これにより4期に渡って使われて来たこの地を立体的に表現しています。

遺構として柱の跡等が見つかっていますが、それだけでは建物を再現出来ません。
その代わりに公園内には歴史や当時の図を表した案内板が設けられています。

上戸小学校には発掘調査で発見された出土品が展示されている資料室があります。

資料室は日曜日の10:00~15:00のみ開室しており解説員がいますので、詳しく話しが聞けます。

上戸小学校からの入り口には、川越がかつてお茶の産地だったことを記す茶畑があります。
河越茶に近いといわれている在来種のお茶が栽培されています。

‖ 鈴木園
いよいよこのツアーも最後の「川越百景(No.93)」である鈴木園(川越市上戸145)です。
河越茶は狭山茶の起源と云われていますが、その河越茶の流れを汲むお茶を栽培。

こちらでまず目につくのが入り口の立派な長屋門。
2階建てになっていて上では蚕を飼い、下ではお茶の生産をしていたそうです。

明治20年の長屋門は構造的には土蔵と同じ。
東日本大震災でもびくともせず、未だになんの歪みも見られないそうです。

こちらでお茶(やぶきた茶)をごちそうになりました。

長屋門をくぐり抜けて、正面から見て左側の門の中へ。

こちらには、蚕の糸を紡いだ道具などが昔使われていたものが多数保管されていました。

こちらはかつて、お茶を蒸していた道具です。

2階の様子。十分に立って歩ける高さがあるそうです。

見れば見るほど立派な門です。

丁寧に色々と説明をして頂いた鈴木さんにお礼をいい帰路につきました。

駅に向かう途中に誰とも無く「わぁー」と歓声があがりました。
そう、目の前に広がるのは立派な茶畑。

これほどの美しい光景がこんな身近にあるなんて…。
まだまだ、川越には知られていない美しい景観が沢山有ることを実感しました。

東武東上線霞ヶ関で挨拶をして、ツアーは無事終了しました。

今回のツアーは、それぞれの景観がいつもなら記事の1つ分を使って紹介する内容でした。
だから、道中でも紹介しきれなかったものが多々あります。
機会があれば、1つ1つの景観を時間を見つけてゆっくりと訪れたいと思います。
また、今後、このツアーがどんな形で活用されていくかも大いに期待できそうです。
取材・記事 白井紀行
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