本格北イタリア料理と楽しい時間を~間借りイタリアン『otto e Co.』さん

 

川越駅東口から徒歩3分ほど。

トライシクルカフェさんのほど近く、『蕎麦と酒場 マメツゲ』さんの店舗を間借りしてはじめた、北イタリア料理の店『otto e Co.(オットエコウ)』さん。

手書きの温かい雰囲気の看板でお客様をお迎えする

 

兵庫県加古川市出身のシェフ、福井雄一さんは神戸、吉祥寺、神楽坂のリストランテなど飲食店に勤め経験を積み、川越に来て5年。街や人が好きで、川越でお店を開きたいと思っています。

何か面白いことがしたいと、独立を考えて2年が経ちました。

福井さんは、2022年ごろに川越駅東口あたりで、自分のお店を持ちたいという夢を持っています。

ところが3か月前に交通事故に遭い、一時的に身体の自由が利かなくなってしまったという福井さん。しばらくはお店で働くこともできなかったのですが、回復してきて仕事を探していた矢先、マメツゲさんの『間借り』の話があり、最初は2週間だけやってみないかという話だったのが、どんどん長くなり、現時点では10月いっぱいは間借りできることが決まっています。

その先も、もしかしたらまだ数か月先までやるかもしれないようなのですが、確定ではないので、いつまでなのかはこの先TwitterやInstagramで発信される情報を待ちましょう。

『蕎麦と酒場 マメツゲ』さんの店舗を借りているので、店内は蕎麦屋さんっぽい雰囲気

 

北イタリア料理と私たちがいつも食べているイタリア料理の違い

福井さんは都内のミシュランガイドに掲載された某リストランテ、ヴェネト州出身のシェフの元で修業を積んできました。

福井さんが作るイタリア料理は北部のもので、日本で一般的に親しまれている中南部のものとは違い、トマトやにんにくなどは使う文化がないとのこと。北イタリアでは、パスタよりもお米を多く食べる習慣があるのだとか。文化も日本と近いものがあるのだそうです。

イタリアのお米は日本のものと比べて不揃いで、粒が長く大きく厚みがある

 

写真だとちょっとわかりにくいかもしれませんが、イタリアのお米は日本のものよりも粒が長く、大きく厚みがあり、リゾットにしても食べ応えを感じます。

グラタンを作っても、中南部ではパスタを入れるのに対し、北部ではお米を入れて食べているのだそうです。

 

メニューへのこだわり

福井さんのお品書きへのこだわりは、温かみを出すため、大変でも手書きにしていること。

“どうしていつもこの時代に手書きなの?”という質問をお客様数名の方にされたそうですが、こう答えているそうです。

「『1通の手紙の感動は10回の電話。100通のメールに匹敵する。』という言葉があるように、お客様のお気持ちに応えられるよう、毎度手書きに拘っています。」

機械の方が正確で綺麗ですが、手書きの方が不統一で個性が出ますし、どこか温かい。そんなおもてなしを大切にし、これからも手書きのメニューを続けていきたいのだそうです。

本格派の北イタリア料理をおうちでも楽しめる!

なんと、メニューにあるものはテイクアウトがすべて可能。

パスタは冷凍保存で、テイクアウトできるようにしている

 

手打ちパスタはこのように1人分を小分けにして凍結しておいて、持って帰って家で温めるだけ。外食はなるべく控えてほしいといわれるご時世ですが、レストランで食べなくても本格的な北イタリア料理を家庭で味わえるなんて本当に贅沢な時間。

外食が難しいという方にはテイクアウトでもいいから召し上がっていただきたいくらい美味しいのですが、「時間がある人はなるべくならお店に食べに来てほしい」と福井さんは仰います。お店で時間をかけてお料理をいただきながら、福井さんと楽しい時間が過ごせるかもしれません。

写真のタリオリーニは手打ちパスタを機械に入れて切るのですが、”手打ちパッパルデッレ リッチェ”は麺一本一本ローラーでカットする100%ハンドメイドのパスタ。ラザーニャより少し細めです。
メインの国産牛スジ肉のレッソリファットの付け合わせにもなっています。

 

贅沢な北イタリア料理ランチをいただきました♡

さっそく前菜の『グラスフェッドビーフのタルタル イチボ自家製黒トリュフバターマリネ』をいただきました。

グラスフェッドビーフのタルタル イチボ自家製黒トリュフバターマリネ(¥1000)

 

『イチボ』とは、お尻と後ろ脚の間の希少な部位。柔らかくて美味しいところです。白いものが乗っているのは、パッと見て玉ねぎのように見えますが、フェンネルというハーブで、西洋では実の部分を食べるのだそうです。

グラスフェッドビーフとは、日本で多く流通している牛肉とは違い、放牧で牧草を食べてストレスなく育った牛肉のことをいいます。赤身の多い肉質や、牛の育てられる良質な環境から、「美味しくてヘルシーな牛肉」として注目されています。

一口食べてみると、口に入れたときはプリプリ食感なのに、噛むと柔らかくてとろけるような、お肉とは思えないような不思議な感触が口の中で広がります。

からすみのリゾット(¥1500)

 

次にいただいたのは、からすみのリゾット。『オーガニックレモンのリゾット』のほうが値ごろ感があり、リゾットの中では一番オーダーが多いのだとか。

からすみってどんな食材?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。からすみは、ボラやサワラ、サバなどの卵巣を塩漬けしたものを乾燥させたものです。漢字で書くと「唐墨」となりますが、これは、からすみの形状が、中国(唐)伝来の墨に似ていたことから付けられたようです。

からすみは日本では江戸時代から、ウニやコノワタとともに「三大珍味」と呼ばれています。味も大雑把に言えばたらこに似ています。パスタにしてもおいしいですが、イタリアのお米とも大変よく合っています。

手打ちタリオリーニ ワタリガニのトマトクリームソース(¥1300)

 

ワタリガニは可食部が少ないものの、絶品のダシがとれるため、イタリアンでもよく使われる食材です。

トマトの酸味にカニの旨みをたっぷり含んだ「ワタリガニのトマトクリームパスタ」。手打ちタリオリーニの細い麺とよく絡み、口の中にまろやかな絶妙な味わいが広がります。

ワタリガニは、イタリアンに使うと上品な感じがして、食べるときになぜか贅沢な気分になれる不思議な食材です。

 

間借りは自分のお料理を知ってもらういいチャンス☆

カウンターから見える棚には、食器が並んでいる。昼間は陽射しが明るい厨房

 

今まで、ご自宅などに何度かゲストを招いて、試飲試食会を行ってきた福井さん。

今回の間借りは自分の料理を知ってもらういいチャンスだと仰います。

大切な人と大切な時間を過ごすお手伝いがしたい。せっかく足を運んで来てくれた人たちに、いい時間を過ごしてほしい。そしてそういう時間を共有したいという思いは、きっと福井さんのお料理を召しあがっている人たちに伝わっていると思います。

緊急事態宣言が発令されなければ、10月23日(土)10:30~15:00に川越駅西口からほど近いU-Placeで行われる、『川越ファーマーズマーケット』に出店します。今回はあえてドルチェに絞っているとのこと。
「甘くておいしいものを用意して、皆様のお越しをお待ちしております!!」

otto e Co.(オットエコウ)さん公式Instagramでは伝えたいことを写真とともに載せ、Twitterでは当日の営業時間や新メニューなどをメインに掲載しています。

これからお店に行こうと考えている方は、ぜひチェックしてみてくださいね☆

Information

otto e Co.(オットエコウ)

【住所】埼玉県川越市菅原町19-4 オワリヤテラス2F(蕎麦と酒場 マメツゲさん店舗)

【電話】090-9987-2941(福井雄一さん)

【営業】(ランチ)12:00~14:00、(ディナー)16:30~20:00(変動あり)

【定休日】不定休

【Instagram】https://www.instagram.com/otto_e_co.kawagoe/

【Twitter】https://twitter.com/otto_e_co