川越中福の里山から埼玉初「クラフトジン」が生まれた理由〜マツザキ 中福店〜

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武蔵野Distillerly

取材・記事 みつきゆきこ

 

お酒好きの間では、ブームの兆しを見せている「クラフトジン」。川越中福で100年以上の歴史を持つ酒屋「マツザキ」から、埼玉初のジン蒸留所が誕生します。

マツザキ中福店外観

創業1887年から代々中福の地で商売をしている老舗マツザキさんが、なぜ今、クラフトジン蒸留所を開かれたのか、気になることを取材してきました。

 

マツザキ暖簾

川越駅から車で10分ほどで、マツザキ中福店へ到着。昔の街道の名残で風情のある道しるべも。お店の暖簾をくぐってちょっと一杯と、行きたくなるような店構えです。

 

マツザキ中福店

ご案内いただいたのは、コミュニケーションマネージャーの今野渉さん。店の入り口にも古い甕や瓶が並んでいます。瓶が登場する前には、原酒を大きな木樽で蔵元から牛や馬で運んで仕入れていたそうです。

 

マツザキ中福店店内

昭和のたたずまいある住居を改装した店内には、有名銘柄のお酒がずらり。緑に囲まれた農村地帯ですが、お客様が次々に来店されています。

 

マツザキ中福店地下水

この辺りには「秩父古生層」の水脈に沿って井戸水も豊富な地域で川越には酒蔵も多くありました。その原酒を、井戸水で加水してアルコール度数を14度位に整えて小さな容器に移して販売していました。ワインも山梨から運ばれたものを量り売りしていた時代もあったんですね。

里山保全活動から「クラフトジン」が生まれるまで

里山「マツザキの森」を案内してくれたのは、マツザキの4代目社長、松崎敦雄さん。子供のころは裏の雑木林はうっそうとしていたそうです。ある想いから、10年前に「里山緑化プロジェクト」をスタートし、会社敷地内の木を伐り、ごみを掃除する整備活動を従業員で始めました。

マツザキの森

以前から有名ブランドのお酒を取り揃えているサプライヤーとしての立ち位置に危機感を感じていた松崎社長。『有名銘柄のブランドにぶら下がるのではなく、お客様がマツザキが好きになってもらいたい。』10年後も、マツザキへお酒を買いに来たいと思っていただけるには、どうしたら良いかと考えていました。

 

マツザキの森

 

そして、Matsuzaki Greeningというテーマで「不易流行」「おもてなしの精神」「共存の精神」を指針に4つの柱①緑化事業 ②農業事業 ③酒づくり事業 ④食事業 の循環を目指す壮大なプロジェクトをスタートさせました。

マツザキの森

 

『様々なお酒を検討した中で、ジンの製造を勉強したときに、マツザキ緑化の考え方にボタニカルが合うと気づきました。ジュニパーベリーの苗木を植樹したところ、2年前に実を付けて、山椒やオレンジなどの柑橘系もこの土地で育てることができたのです。そこで、自社産100%の「クラフトジン」が可能になると考えて、国税庁へライセンス申請を出しました。私どもが2006年5月の酒税法改正後、埼玉県で初の新規取得後となり、川越税務署から免許が下りました』

今回クラフトジン蒸留所「武蔵野Distillery」を特別に見学させていただきました。大正2年に建てらた倉庫をリノベーションした建物で、現在は発売前のテスト蒸留を繰り返していました。山吹の花や河越茶などの川越生まれのボタニカルや、山椒など日本固有の原料を考えているとのことです。

10年後には、ジュニパーペリーをはじめとするすべての原料を、「マツザキの森」から生み出されたものを使うことを目指しているとのこと。川越中福で、里山の循環から生まれた埼玉初のクラフトジン「Japanese Craft Gin 棘玉」が飲める日が楽しみです。

ボタニカル

今後は、里山「マツザキの森」で音楽と料理、お酒のイベントも企画しているとのこと。暖かい日に、ご家族でお酒を買いに、里山へ遊びに行かれてはいかがでしょうか。

 

 


Information

株式会社マツザキ 中福店

【住所】川越市中福547番地

【電話】049-243-4022

【営業】10:00〜19:00

【定休】なし(年始のみ休み)

【HP】https://www.1887.co.jp/

    クラフトジンはなんぞや?」漫画でクラフトジンがよくわかる!

【FB】https://www.facebook.com/株式会社マツザキ

【IN】https://www.instagram.com/matsu1887/

【TW】https://twitter.com/matsu1887

日本、〒350-1156 埼玉県川越市大字中福547