川越百景モニターツアー「喜多院界隈と四門前めぐり」(後編)
「川越百景」モニターツアー「喜多院界隈と四門前めぐり」後編のルートです。
‖ 立門前(堅門前町)
「川越百景No.8」の蓮馨寺とその界隈。
川越街道から中央通りまでが現在、立門前通りと呼ばれています。
ルート中にある旧織物市場(松江町2-11)は、「川越百景No.9」。
木造2F建ての長屋形式の建物が2棟、中庭を挟んで建てられています。
明治43(1910)年に川越と周辺で生産された棉織物の取引場として建設されました。
全国的にも唯一の残存例といわれる貴重な木造織物市場建築です。
立門前通りと大正路漫夢通りとの交差点。
現在、蓮馨寺の境内は中央通りまでですが、以前は、大正路漫夢通りまでありました。
蓮馨寺
蓮馨寺(連雀町7-1)は、天文18(1549)年に創建されました。
江戸時代には浄土宗の関東十八檀林の一つとして栄えました。
蓮馨寺境内にある松山商店(団子屋)の横を抜けて北へ進みます。
丁字路を右へ。右手のグレーの覆いは「NTT東日本仲町ビル」。
‖ 寺町通りとその界隈
その脇を通って、石畳が敷かれた寺町通りに入ります。
この界隈は「川越百景No.32」となっています。
松本醤油の店蔵は、川越では珍しい白漆喰仕上げとなっています。
その少し先にある路地もかつては行傳寺の門前通り。
行傳寺
行傳寺(末広町2ー4ー2)の山門。
古地図で現在位置と比較してみます。
菓子屋横丁へと向かう道はなく、長喜院の境内でした。
行傳寺の山門から一番街通り(昔の南町)を見る。この先は、埼玉りそな銀行。
※こちらは翌日、一番街から行傳寺を見た門前通りです。
寺町通りを北上。右手の青緑の屋根は長喜院。
さらに北上。右手の木造の建物が「うなっこ」
養寿院
そして、左手が養寿院(元町2-11-1)。
養寿院の門前も真っすぐに一番街通り(南町)へと伸びています。
一番街通り(南町)とぶつかった丁字路には木戸と番所がありました。
菓子屋横町
昔懐かしい駄菓子屋が立ち並ぶ通りは「川越百景No31」の菓子屋横丁。
ここはかつては、妙養寺の境内でした。
‖ 東明寺、河越夜戦跡と門前へ
札の辻界隈
札の辻(元町1-15-8付近)「川越百景No.27」は川越城下町唯一の4つ角だった場所。
明治初期まで藩や役所が決めた法度や掟書きを掲げた高札場がありました。
資料より明治4(1871)年の札の辻付近。
屋根瓦は武家以外は幕府から認めておらず板葺きになっています。
江戸時代中期以降は防火の意味から使われるようになりました。
広済寺と喜多町
この界隈は明治の大火の影響を受けなかったので江戸時代の建物が現存。
広済寺(喜多町5-1)と喜多町は、「川越百景No.30」となっています。
川越城の城主に敬意を示すため、2階建てであっても軒が低いのが特徴です。
広済寺
広済寺については、伝説を中心に取材しているのでご覧下さい。
室町時代へタイムスリップして川越の伝説に触れてみる〜広済寺〜
東明寺門前へと向かいます。
東明寺、河越夜戦跡と門前
「川越百景No.37」の東明寺門前には志多町の伝統的な街並が残ります。
東明寺(志多町13-1)の山門に到着
東明寺は、天文16(1547)年の河越夜戦跡として石碑が建てられています。
ただし、ここが主戦場であったから定かではないとか。
市役所に戻り参加者にアンケートを記入してもらいモニターツアーは終了。
これまでのアンケートを元に、川越百景を巡る10コースを作成予定。
出来上がったら、また、そのコースを巡ってみたいと思います。
‖ おまけ
四門前はあと一つ妙養寺門前があります。
今回のモニターツアーでは資料にはありましたが実際に回りませんでした。
そこで、翌日、巡ってみました。
寺町通りに入らずにそのまま真っすぐに西へと進む。
やがて、左右(左は工事中)に町家造りの古民家が見えてきます。
さらにその先、この辺りは古地図では妙養寺の境内でした。
妙養寺
妙養寺(末広町1-4)の武家門は三重の屋根や繊細な格子など独自の様式。
このような門は全国的にも珍しいそうです。
平成3年に再建された立派な本堂。
古地図を片手に街歩きというのは初めてでした。
現在の道と見比べながら歩くと、その違いや新たな発見がある。
そんな楽しみを知ることができました。
PS. 川越市立博物館には、江戸時代の500分1の模型があります。
取材を終えた後、それを改めて眺めると位置関係がより立体的に掴めました。
川越の街のタイムスリップに活用してみては如何でしょうか?
取材・記事 白井紀行
INFORMATION
川越百景ツアー
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川越百景詳細関連(市役所HP)
過去に行われた川越百景ツアー
このモニターツアーは、
11月21日(土)「新河岸舟運でたどる川越の歴史」
11月28日(土)「入間川ウォークと中世河越めぐり(前編)」 同(後編)
と2回行われ、カワゴエ・マス・メディアでも紹介させて頂きました。