商店街をずっと浸かっていたい心地良いオンドに!〜38℃の初披露はヘルシーごはん対決〜

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取材・記事 白井紀行

 

東武東上線霞ヶ関駅南口から徒歩10分ほどにある角栄商店街。

今から半世紀前の高度経済成長期に開発された商店街。

足を踏み入れると昔懐かしい昭和レトロな景色が広がります。

 

いまや日本全体の課題となっている少子高齢化の波。

角栄商店街も例外でなくシャッターを閉じた店舗が目立ちます。

けれど、未だ街としての機能を失ったわけではありません。

 

霞ヶ関北の商店街を心地よい温度に

「空き店舗」を活用し、街を魅力のある場所へと変えていくエリアリノベーション。

川越では平成28年から「まちづくりキャンプ」として取り組んできました。

その成果として第1回から「80%」、第2回から「ちゃぶだい」が事業化。

そして、平成30年に第3回が開催されその舞台として選ばれたのが霞ヶ関北地区。

10月28日に霞ヶ関北公民館で3日間で作り上げた成果を発表。

 

そのうち1チームが「38℃」というコンセプトで事業の具体化を進めてきました。

「38℃」とはお風呂の温度。立ち上げた合同会社にもオンドとつけました。

熱すぎず冷めすぎず長く浸かっていられる温度(オンド)。

商店街を「ぬるま湯」のような心地良い環境にしたいという思いを込めています。

2月に開催された「川越デザイン会議」での発表の様子

 

2019年1月にウェスタ川越で開催された「川越ビジネスプラン」で事業形態を発表。

次の3つの居場所を運営しながら、地域と連携していくことを目指します。

  1. コワーキングスペース
    若い世代のクリエイターの制作の場であり発信の場
  2. カフェスペース
    地域住民の飲食できる憩いの場
  3. シェアスペース
    地域住民の活発な活動を支える場

2月の「川越デザイン会議」では、ギャラリーが加わったことが紹介されました。

 

38℃のオープンは今年の夏を予定。

そのプレイベントが2月23日に「にこにこ食堂」で開催されました。

にこにこ食堂とは?

「にこにこ食堂」は2018年5月にオープンした日替わりコックさんのお店。

霞ヶ関北自治会が運営し、13人のコックさんが日替わりでキッチンに立ちます。

旬の素材を使った家庭料理を低価格で提供し、地元の人に親しまれています。

【HP】https://niconicosyokudou.jimdo.com/

カワゴエ・マス・メディアでもプレオープンの様子を取材しました。

https://koedo.info/150814nikoniko/

 

ヘルシーごはん対決 in にこにこ食堂

イベントの内容はパンとコメという主食対決。

各20食を用意して、霞ヶ関ではどちらに軍配が上がるかの市場調査。

この結果がオープンするカフェメニューの参考にするのだそうです。

 

こちらがパン派メニューの「豆腐のてりやきバーガー」

 

コメ派メニューは「豆腐とひき肉と枝豆の餡かけもち麦」の丼(写真は大盛り)

柚子胡椒が味を引き立てます。

 

はたして、霞ヶ関の住人はどちらに票を入れるのでしょうか?

開店準備に大わらわ

この日、イベントを担当したのはオンド合同会社の3人。

吉田尚平さんは、オンドで4つの居場所の管理と地域の課題解決と連携を図る役。

 

街をちょうど良い38℃に保つ人ということで「湯守」と呼ばれます。

 

本日のシェフは荒井由佳さん。

オンドでは、カフェを運営するフードコーディネータ役です。

 

そして、現在、大学生の宮下南海さん。

この日は、ウェイトレスや洗い物を担当しました。

 

A看板に描くのは「今夏オープン38℃」の文字。

 

お客様に提供するお茶の準備。思ったよりもお湯が必要になりそう。

 

今度は一緒に提供するドリンクの準備。何かと忙しい吉田さん。

 

ドリンクメニューは工夫を凝らした手作りのオリジナル。

川越で話題のCOFFEE POSTのドリップコーヒーも並びます。

 

荒井さん、パンに挟む豆腐ハンバーグに取り掛かっています。

形を整えたらフライパンに。店内にいい匂いが広がります。

 

ポットや茶碗を置いて、テーブルを拭く宮下さん。

 

和気藹々(わきあいあい)と語らいつつ準備を進めます。

 

いよいよオープン

時刻は11時半、暖簾をかけていよいよお店がオープンしました。

 

地元の方々に「38℃」としての初のお披露目です。

 

最初のお客さんは、日頃から「にこにこ食堂」を利用している常連さん。

 

「汁物は付かないの?」と聞かれてしまいました。

にこにこ食堂では、小鉢や味噌汁が付く定食スタイルが普通。

ここはリサーチ不足だったようです。

 

続いて、近くの塾に通う中学生の4人組。

 

コメとパンの2種類があると聞き、どっちにすると会話しながら注文。

3人がコメ、1人がパンを選び、コメ人気が高いか?

 

塾長であり「街町のこえプロジェクト」代表である榎並和良さんが来店。

5月6日に開催される「第2回100円商店街」の実行委員のメンバーでもあります。

本業の傍ら、霞ヶ関地区の活性化に邁進しています。

 

先ほどの生徒たちが周りを囲んで食べる様子を興味津々に観察。

「見られると食べにくいよ!」と苦笑い。

教室で慕われている雰囲気が感じられますね。

 

その後も、にこにこ食堂のシェフや話しを聞きつけた人が来店。

ハンバーグにぱくつき、丼を口に運ぶ。

家族連れはお互いに感想を言い合い、店内は和やかな空気に包まれます。

 

対照的にキッチンは大忙し。次々と来る注文をこなしていきます。

 

吉田さんもお茶を入れたりして二人をサポート。

お客さんの中には記者の顔なじみや自治会長さんもきておられました。

 

完売しました!

2時となり暖簾を下ろして閉店の時間。

今日は37人の来店があり、40食分はほぼ完売となりました。

 

ざっと片付けを終えてホッと一息ついたところでお腹の虫が催促。

お腹がペコペコだったことを思い出しました。

残ったご飯をよそって皆んなでランチ。お疲れ様でした!

 

気になる結果は?

さて気になる結果ですが、僅差でパンの勝ちだったそうです。

これを踏まえて3月23日(土)はパンとお米が仲良く同居のランチ。

「あなたの食べたいランチ」も募集して、4月のメニューを決めるそうです。

昨年の10月に産声をあげた38℃。

彼らの活動は霞ヶ関に新たな風を吹き込み街を変えていくことでしょう。

記者も同じ地区に住む住民として楽しみにしています。

今後も38℃の動きをお伝えしていきたいと思いますのでご期待ください!


INFORMATION

ヘルシーごはん対決 in にこにこ食堂

【開催】平成31年2月23日(土)11:30〜14:00

【場所】にこにこ食堂(川越市霞ヶ関北4-22-22)

【主催】オンド合同会社

【HP】https://38degcel.com/