グランドオープン「結家」~ママの”すみません”が0の場所
9月末からカフェのみ先行営業していた「結家」が11月11日にグランドオープン。
古民家宿だった恵比壽屋の建物を引き継いだ結家は、一棟貸宿、カフェ、サロン、そして託児施設の4つのパートでできています。
コンセプトは、子育てに対する「ママの”すみません”が0の場所」。そして、「親が私に戻る場所。みんなが住むようにすごす家」
つい先日、高齢男性、電車で泣く赤ちゃんにブチギレ!といったニュースがあったように、今の世の中、小さなお子さん連れのパパママは何かと窮屈な思いをしているのではないでしょうか?
子育て世代と、そうでない世代が全く交わることのない世界に住んでいて、たまに出会うことがあるととそこにハレーションが起こっているといった感じです。
さらに、子育て中のママは、意外と孤立してしまいがち。結婚あるいは出産で、今までの環境とは全く違った場所で、ゼロからスタートという方も多いと思います。
そんなママの一人であった女性が作り上げたのが、この結家です。
オーナーは川越歴3年の新米ママ
結家のオーナー大室 愛さんは、横浜生まれ。仕事が趣味、息抜きはお酒と言い切るくらいの典型的「おじさん女子」だったそうですが、今から3年前、結婚を機に川越に嫁いできました。
母になって幸せな日々を過ごしていましたが、社会からどんどん孤立していく感覚に陥り、不安は大きくなる一方。
そんなとき、ママ友との出会いがご縁となり、川越の中につながりが広がるきっかけに。
この建物に巡り合えたのも、奇跡のようなご縁の連続。ここで何かできるのではないかな?という気持ちがフツフツと湧き上がってきました。
しかし当時娘さんはまだ6か月。なかなか前に踏み切ることはできず、揺れる気持ちのまま半年ほどがすぎました。
そのなかで、大室さんが最大の幸運だと言う、”すずのや”や”ゲストハウスちゃぶだい”を手掛けた80%のメンバーとの出会いがありました。
打ち合わせには、当たり前のように娘さんとセットで暖かく迎え入れてくれたことが、とても心強くありがたかったと言います。
「でも、やっぱりそんなに簡単なことではなかったんです。80%の方たちとは何度何度もメールをやりとりしました。でも、最終的にはエイヤー!の気持ちで踏み切りました。グランドオープンを迎えるにあたり、多くの人達の手と、気持ちが寄せられました」と大室さん。
グランドオープン当日は、それを象徴するかのような行列ができていました。
建物の中は、この日をお祝いしようと、多くの大人たちと子どもたちが集まりワイワイ。
外は風が吹いていてちょっと寒かったのですが、大人たちの笑顔と子どもたちのあふれる歓声で、ホッと心が緩むような気がしました。
先ほどの大室さんの事業説明の後、内装・設計を担当した80%の田中明裕さんによるルームツアーに参加。
気兼ねなく過ごせる一棟貸宿
”生後間も無い赤ちゃん連れでも、元気一杯な小学生のお子様連れでも、誰にも気兼ねすることなく過ごしていただけるよう、『一棟丸ごと』にこだわりました”という一棟貸宿の一階は和室。
ここは、リビング兼寝室。
子どもを連れてようやくたどり着いた宿。机をよけて、子どもたちと思わずゴロンと寝ころびたくなるような、リラックススペース。
畳の部屋って、子供たちがいる家族をまるごと受け止めてくれる包容力がある気がします。
小さな和風庭園があるのですが、季節の移ろいも楽しめそうです。
2階はベッドのある洋室。昭和風でどこか懐かしい雰囲気です。板張りの壁、壁の照明、柄付きの窓ガラスもそのまま利用しているとのこと。古いものをうまく生かして、洗練された部屋になっています。
部屋が広くて写真にうまく収めることができなかったのですが、手前には大きなソファがあります。
ちなみに貸宿スペースは、建物の奥にあり、外の喧騒がまったく入ってこないのでとても静か。
広いお風呂と脱衣スペース
1階には大きなお風呂があり、それはこの宿のチャームポイントだといいます。
子育てをしていると、宿の大浴場には行けず、室内の狭いユニットバスに入るしかない・・という残念な気持ちを払拭してくれるもの!
この広いスペースなら、子供たちとわいわい言いながらお泊りの特別なお風呂を楽しめそうですね。
身体にやさしい食材を使ったカフェ
一階にはお結び&発酵カフェ。
もともと恵比壽屋さんはお米屋さんでした。そんなことから、キッチンの周りはまるで「ご飯」のようなつぶつぶの白い壁となっています。
ここでは片手でたべられるおむすびプレートが提供されます。
またカフェメニューは発酵を取り入れ、「まごわやさしい※」食材にもこだわっているそう。
※「ま」=豆、「ご」=ごま、「わ」=わかめ、「や」=野菜、「さ」=魚、「し」=しいたけ、「い」=いもの略 バランスの良い食事をするために、取り入れたい食の7品目の頭文字を並べたもの。
健康にいいから食べるというのではなく、美味しいから食べる、そんなメニューづくりを目指しているそうです。
オーナーの思いがつまった託児スペース
こちらは託児スペースで、一時預かり託児専門です。カフェでお茶しているときも目が届きやすい場所にあります。
どんな状況でもほんの数時間だけでも、なるべく柔軟に子ども達を受け入れていきたいという強い思いがあります。
こちらはまだまだ完全ではなく、色々手を入れないといけないそうですが、こちらもやはり大室さんが徹底的にこだわりたい場所だそう。
ママが自分に帰る、サロンスペース
2階にはレンタルサロンスペース。この日は、手前ではネイルが、奥ではマッサージが行われていました。
ご自身のサロンをもっているセラピストや先生たちも、この結家の思いに共感してこのスペースに来てくださるそう。
今後は、エステ、鍼灸、まつ毛エクステ、フラダンスレッスンなどを予定しています。
ママが託児スペースで子どもを預け、自分だけの時間を楽しんで、リフレッシュして日々を過ごしてもらいたいという思いがあります。
他にはこんな工夫も
部屋の案内をしてくれた設計・内装を手掛けた80%の田中 明裕 さん曰く、前とは雰囲気は違うが、それほど大きくは変えていないそう。ただ、親子が過ごしやすいようにとのことで、授乳室を設けて、トイレおむつ替えをしやすいように、そしてベビーカーで入りやすいよう手をいれたとのこと。
しかし、古民家というと、階段が急だったり、段差があったりと、小さなお子さんには危ないのではないでしょうか?
「そもそも(構造上)変えることができないところもあるので、大人がしっかり見てないといけないところもあります。でも、あえて過保護にせず、段差があるから気をつけようねって伝えていくがいいのかなと思います」
田中さんの話を聞いて、そういえば私たちが子供の頃は、どこで遊んでいても、近所の人たちの温かい見守りがあったな、なんてことを思い出しました。
大室さんの思い
大室さん曰く「社会全体が子育てと共存して、子育てが社会にもっと溶け込んで、普通に子育てができる未来があったら嬉しなと思います。社会全体が、ママだけじゃなく、親の”すみません”がゼロの環境になってくれたら、子ども達ももっと自由にのびのびと生きていくことができるんじゃないかな?と思ってます。
結家には、地域のお年寄りや近所の人たちなど、世代を超えたお客様にきていただいて、ママ同士もつながって、みんなで支えあって子育てができたらいいです」
お子様連れのママはもちろん、おいしそうなおにぎりプレートを食べたい人も、是非結家に立ち寄ってみてください。
Information
結家 -MUSUBIYA-
【住所】川越市石原町1-6-7
【TEL】 0492-10-3408
【営業時間 】 11:00-16:00(日曜定休)
【HP】https://www.musubiya.site/
【Instagram】https://www.instagram.com/musubiya.kawagoe/