自らの手で「農」と「食」を繋げる!~霞ヶ関『そのままキッチン』
川越、霞ヶ関駅から徒歩10分ほどの角栄商店街の一角に、8月21日にオープンして3か月目を迎えた『そのままキッチン』さん。
場所は、以前にこにこ食堂があったところになります。
「農」と「食」を繋げた、女性ひとりでも気軽に立ち寄れそうな雰囲気のお店です。
夫の誠さんは20代の頃6年間勤めた品川のイタリアンカフェレストランで副料理長を務め、池袋ではスペイン料理店に働いていたこともあり、洋食経験が長いシェフ。妻のさくらさんは、そのままファームのWEB担当&ライターでもあり、ショップ運営、広報、制作物を担うクリエイターをしています。多肉植物やサボテンが大好きで、現在はハンドメイドのセメント雑貨を中心に制作活動をしています。
シェアキッチンはそのままに
そのままキッチンは、6月28日に閉店した「にこにこ食堂」のシェアキッチンスタイルを残しながら、雰囲気を変え、店主の中川誠さんが新しいお店としてオープンしました。
7月上旬からは内装工事を自分たちの手で行ってきました。今のカタチになるには、1か月半かかったとのこと。
木のナチュラルな雰囲気を大切にしながらも、「外国のおうちみたいな内装にしたかった」というさくらさん。珪藻土の塗り壁も取り入れながら、お洒落な内装に仕上がっています。お手洗いもペーパーホルダーや飾り棚にアイアン素材の物を使うなど、随所にこだわりがみられます。
オープン当初はシェアキッチンは行っていませんでしたが、今はにこにこ食堂時代にシェアキッチンを利用していた日替わりコックさん2組に新規の1組が加わり計3組が定休日の木曜日をメインに『そのままキッチン』店内を利用しながらランチタイムに料理の腕を振るっています。
自分の店でありながらも、シェアキッチンとして同じスタイルを引き継げば、日替わりシェフの皆さんにも常連の皆さんにも喜んでもらえると思ったという中川さん。にこにこ食堂時代からの年配の常連さんだけでなく、近所に住む若い人たちもお店に興味を持ち、立ち寄ってくれるようになりました。
10月には好きなおかずを選んで買える季節の家庭料理の店や、季節の素材を使った「体に優しい」手作りカレーの店、それと天丼の店が営業を開始しています。
これからも、ランチタイムを中心にシェアキッチンとして貸し出しをしていくそうです。
中川さんご夫妻は、元々は『そのままファーム』の名前で、ランチやお惣菜、バーニャカウダソースなどを今年の春から6月までにこにこ食堂で販売していました。
『そのままキッチン』になっても、店内では自家製バーニャカウダソース(¥700)やジェノバソース(¥800)、自家製ドレッシング(¥500)を販売しています。
サラダに使用している手作りのハニードレッシングは、保存料や化学調味料などを一切使っておらず、店内限定販売とのこと。
ランチタイム営業&メニューについて
基本的にはランチタイムの12時から今は通しで22時まで営業しています。緊急事態宣言のときは18時閉店、段階措置で21時までとなり、この度22時までの営業がやっとできるようになったのだとか。
ランチのメニューは、本日のパスタ、本日のピザがそれぞれ¥1000、ご飯ものは¥1000~¥1500で提供しています。入口そばのボードに、お食事のメニューが書かれています。店内のお品書きはすべて妻さくらさんの手作りです。
14時までのランチタイムは、メインのお料理に前菜とスープ、ドリンクがいずれもセットになっていて、+¥200でジェラートをつけることもできます。(ジェラートは14時以降¥350になります)
筆者が訪れた日は、前菜はトマトのマリネでした。
気軽に飲める店として!!
夜は、お酒によく合うおつまみを用意しています。
ランチに引き続き、パスタやピザなどのメニューは、スープや前菜などはつきませんが同じ値段で注文できます。
もちろん、ひとりでご飯やお酒などを求めてやってくるお客様は多くいらっしゃるそうですが、誠さんは「ぜひ気軽に立ち寄ってもらいたい」と笑顔で仰います。
自身が運営する農園「そのままファーム」で栽培した無農薬野菜を料理に使っており、「農」と「食」を密接にしたお店作りのため、畑作りにも日々励んでいます。お店が休みの日しか畑仕事に集中できないので、今後はお酒に合うメニューを提供しながら、にこにこ食堂時代にはなかった夜の営業を中心にし、昼間は畑仕事などをしたいのだそうです。
サラダ(¥480)は特製ハニードレッシングで味わいます。獲れたての野菜の味がとっても濃厚で美味しいです。この日のサラダにはそのままファームで獲れた春菊が入っていました。サラダ以外のお料理にも、自身で作る野菜を積極的に使用していきたいそうです。
看板メニューはスペイン人シェフから教わったレシピで作るパエリア(¥1,500)。生米から調理し、魚介だしをふんだんに使ったパエリアは、30分ほど提供までに時間がかかるので、早めにオーダーしましょう。一度食べたらやみつきになるほど美味しく、リピート決定です。
今後は、「ビールに合うおつまみを増やしていきたい」という中川さんは、ビールが大好き。店内にはビールサーバーがあり、とても美味しいサッポロ黒ラベルを味わうことが出来ます。
ビールによく合うメニューとしては、にんにくの風味がきいた「ピリ辛えだ豆」(¥380)が店主のおすすめなんだとか。
農業だけでもレストランだけでもないふたり
昔から、料理人になる前から「ゆくゆくはスローライフしたい。自然に囲まれたところで暮らしたい」という思いが誠さんにはありました。
中川さん夫妻は、農業だけでもレストランだけでもなく、様々な展開をしているのが特徴です。
2020年、コロナ禍のなか、あまり県外から出られない中で、埼玉県内で土地を探しに出かけたふたりは、なかなかこれだ!という土地に巡り会うことが出来ず、帰り道に偶然通りかかった笠幡で、ここで暮らしてみたいと直感で思ったそうです。
二人は畑もできる場所として家を探していて、色々な土地を見に行き、その中で巡り会えた笠幡の地。東京からアクセスしやすい川越で、ほどよい田舎暮らしが出来ると、移住を決めました。その前は誠さんは横浜、さくらさんは所沢に住んでいたそうです。
住み心地がよく、二人はすぐに笠幡の暮らしが気に入ったそうです。
住む家が決まってから1週間後には地元の人の紹介で家の近くの畑を借りることができ、2020年9月から、畑で野菜を作り始めました。
畑では、二人は季節ごとの色々な種類のお野菜を作っています。そのお野菜を店頭で売ることもあります。先日は里いもの直売を行っていました。
また、農業者として川越のイベント『ファーマーズマーケット』への出店も毎回のように行い、自分たちの作った農産物やバーニャカウダソースなども販売しています。
特製のバーニャカウダソースは、ニンニクの臭みを抜きアンチョビをふんだんに使っています。バーニャカウダのソースとしてはもちろん野菜と一緒に味わうのもよいですが、パスタなどにも超簡単アレンジができる優れもの!素材を大切にし、無添加でひとつひとつ手作りしています。
なぜお店の名前が『そのままキッチン』になったのかというと、野菜は農薬や化学肥料は極力使わず、野菜と土と太陽の力を信じて『そのまま』を大切に育てているのと、複雑なことが溢れる日々の中でそのままでいようとすることを大切にしたいとの思いもこめて名付けたのだそうです。
ふたりは今日も美味しいものを求めてやってくるお客様をお店でお待ちしています。
ぜひ、気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか。行く前に、営業時間や休みはInstagramやFacebookでチェックしてくださいね。
Information
そのままキッチン
【住所】川越市霞ヶ関北4ー22ー22(角栄商店街内)
※駐車場はTAIRAYAそばの角栄商店街駐車場をご利用ください。
【電話】070-8981-5297
【営業】12:00~22:00(水曜日は19:00まで)
【定休】木曜日、隔週水曜日他不定休
※休みの日には日替わりコックさんがシェアキッチンを行っています
【Facebook】https://www.facebook.com/112290864424958/
【Instagram】https://www.instagram.com/sonomama.farm/
【HP】https://sonomama-kitchen.studio.site/