音楽で繋がる音の輪・人の輪・地域の輪〜チャリティAfternoon Concert Vol.2〜

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取材・記事 白井紀行

 

地域のために誰でも気軽に本格的なコンサートを楽しんでもらいたい。

震災を忘れず、人のつながりを大切に、音楽で繋がっていけたら。

その思いで川越ますみさん、平岡聖さんの二人で立ち上げた「おとのわ」。

市内各地の音楽家に声を掛け、今年の3月11日に第1回をあけぼのホールで開催。

第2回が10月7日に同じくあけぼのホールで行われるとのことで伺いました。

 

第1回にも来たお客さんも多く、ホールは満席。

 

「おとのわ」を主催する一人ソプラノ歌手川越ますみさんによる挨拶。

カワゴエ・マス・メディアによる取材が入っていることも伝えて頂きました♪

 

このコンサートは入場無料で音楽家も無償で唄い演奏するチャリティ形式。

今年相次いだ災害に対して寄付を募ります。

 

飯田理乃&篠田美穂

飯田理乃さん(ヴァイオリン)と篠田美穂さん(ピアノ)による演奏。

耳慣れたクラシックということで、ベートベン「メヌエット」でスタート。

 

飯田さんの伸びやかで広がりのあるヴァイオリン。

 

篠田さんの弾むような軽やかなピアノに、スーッと引き込まれる音の世界。

 

ゴセック「ガボット」、ドヴォルザーク「ユーモレスク」。

CMやBGMでも良く流れる曲なので気分もすっかりリラックスさせられます。

 

草薙友紀子&平岡聖

草薙友紀子さん(フルート)と平岡聖(ピアノ)さんによる演奏。

一曲目はビゼー「スペインのセレナーデ」

プログラムにスパニッシュギターとフラメンコがあることに感化され選んだ曲。

 

フルートの音色は鳥のさえずり。

スペインの青い海と青い空を飛ぶ鳥をイメージしながらフルートを吹く草薙さん。

頰を優しく撫でる風を感じるような演奏。

 

平岡さんの勇ましさを感じるピアノのリズムに乗せて。

 

2曲めは秋めいたということもあって「赤とんぼ」を林光の編曲で。

夕暮れの中、無数に飛ぶとんぼ。懐かしい風景が思い起こされます。

 

山田陽一郎

スパニッシュギターの山田さんは、F・タレガ「アルハンブラの思い出」から。

まるで音符が目に見えるかのようにギターの音色が紡ぎ出されていきます。

 

私たちが子どもの頃によく歌っていた童謡「ちょうちょ」。

スペイン民謡とありますが、スペイン人は知らないとか(笑)

ルンバフラメンコ風に弾いて、JMペローニ「コーヒールンバ」へ繋げます

 

平岡聖

平岡さんのピアノ・ソロ演奏。シューマン=リスト「献呈(君に捧ぐ)」

シューマンとクララが反対の嵐の末、結婚を認められ式の前夜にプレゼントした歌曲。

これをリストがピアノ用に編曲したものを弾きます。

 

超絶技巧で知られるリストの曲。華やかで時に幾重にも音が連なります。

曲の最後にアベマリアの一節。

神様に祈りを捧げるような終わり方で平岡さんが最も好きなところだそうです。

 

休憩タイム

ここで、川越さんが登場して、小休止。

フルーツやフレーバを加え、様々な効能のある3種類のハーブティの紹介

 

終演後に試飲会。こちらの売り上げも被災地へ寄付されます。

 

小林範子&飯田理乃

小林範子さん(ピアノ)と飯田理乃さん(ヴァイオリン)による演奏。

小林さんの流れるようなピアノに合わせて「紅葉」の曲から始まりました。

 

三芳野神社が発祥と言われる「とうりゃんせ」。

ヴァイオリンが曲に乗せて歌っているかのように思えます。

 

小林さんは、あけぼのホールも運営されています。

昨年、足の怪我で入院する中でできた人生を見つめ直す時間。

今まで作った曲をちゃんとやりたいと思った時に「おとのわ」出会ったそうです。

 

ソプラノの歌い手でもある小林さん。「万葉集より〜秋の夜〜」は歌を交えて。

ラストは、小林さんの作詞・作曲「誕生のアリア」。心が癒され和みます。

 

フラメンコ舞踊

菊原まりさん、吉田亜矢さん、徳重かよさん、黒米豊子さんによるフラメンコ舞踊。

 

スペインのセビリアで春祭りなどに踊られる「セビジャーナス」

 

明るい曲調に乗せて床を足で打ちながら二人1組で踊る。

見ているこちらも明るく楽しい気分になります。

 

飯田理乃・川越ますみ・平岡聖

平岡さんのピアノに乗せて川越さん登場。

ソプラノでカプア「オーソーレミオ」を歌い上げます。

 

曲の二番目「この花束を上げたいの」の所では、観客に「取って」と笑いを誘う。

 

オーソーレ、オ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜と声を響かせ会場を沸かす。

 

2曲目のB.グラハム/Rラブヴランド「You Raise Me Up」。

「どんなに落ち込んでも、あなたがいてくれるから大丈夫」

そんな気持ちを、飯田さんのヴァイオリンとともに歌い上げます。

 

出演者全員で「花は咲く」

いよいよ、終盤の曲「花は咲く/詩;岩井俊二、曲:菅野よう子」。

 

ピアノの伴奏に合わせて、フルート、ヴァイオリン、ギターのハーモニー。

 

女性3人によるソプラノ。

観客も歌詞を手に取ってともに歌い、会場は一体感に包まれます。

 

全員で唄うは「ふるさと」

さらに、フラメンコを踊った4人も合流して、全員で唄うのは「ふるさと」。

 

兎(うさぎ)追いし かの山

 

小鮒(こぶな)釣りし かの川

 

夢は今も めぐりて、

忘れがたき 故郷(ふるさと)

 

誰もが知っているふるさとの歌。

温かい空気に包まれて終演。会場に大きな拍手が巻き起こりました。

 

出演者全員で手を繋いで作った「おとのわ」。

「音の輪」「人の輪」「地域の輪」と音楽が繋げる皆んなの思い。

川越から日本全国、そして世界へより大きな輪へと広がるよう願います。

 


INFORMATION

チャリティafternoon concert

【開催】平成30年10月7日(日)14:00〜16:00

【場所】あけぼのホール(川越市新宿町5-21-7)

【主催】おとのわ

【連絡】070-1525-7826(平岡) sei@mx1.ttcn.ne.jp