プログラミング思考を身につけた子どもたちが見せる未来への片鱗〜codience プログラミングプレゼン大会(第二部)〜

取材・記事 白井紀行

 

小学校では2020年から「プログラミング教育」が必須になります。

これに先立って、今、各地でプログラミング教室が始まりました。

川越にある「キッズ プログラミング & サイエンス教室 codience」もその一つ。

先日、第3回プログラミング プレゼン大会が開催されたので取材に伺いました。

 

codienceでは、子供向けのプログラミング言語「Scrach」を学ぶ「BASICクラス」。

C#やPythonやiOSアプリなど本格的プログラミング を学ぶ「Professinalクラス」。

女子力を生かしたアプリを開発する「codie Girlクラス」。

ロボットを使って身近なものの仕組みを解明する「ものの仕組み研究室」。

これら4つのクラス※があり半年間(毎月2回)基礎を学ぶ。

次の半年で自分の課題に挑戦し、その成果を親御さんや友だちの前で発表します。

※codienceでは色んな科学実験をするサイエンス教室も開催しています。

 

10月2日号では第一部の小学校2〜3年生が発表する様子をレポート。

自分で作りたいものを考え、それをプログラムで表現する様子をお伝えしました。

https://koedo.info/181002codience/

第2部では小学校4年生〜中学校1年生の子ども達の発表の模様をお届けします。

 

第二部 小学校2〜3年生の部

codienceの大石さんより開会の挨拶。

第2部は小学校4〜中学校1年生11人による成果発表となります。

 

「挨拶をしっかり」「聞いている人に分かり易く」「画面だけなく反応も見ながら」

と、緊張気味の子ども達へプレゼンの心構えを。

発表内容は、作品の説明、工夫した処、大変だった処、感想、次回への意気込み。

これらを紙に書いたものがタブレットに取り込んであるので、それを読み上げます。

ミニトナカイ/だいごくん

紆余曲折あって主人公を「A」という文字にしたというミニトナカイゲーム。

これを操作して弾を打って、大きなトナカイを攻撃します。

 

ゲームがスタートすると上から二匹のトナカイが降ってきて飛び回る。

小さなトナカイに当たるとゲームオーバ。リンゴは跳ね回って視界を邪魔します。

茶色の地面に当たると止まる重力という概念を使っている工夫もされています。

 

あめみや先生からプログラムの解説。

一連の動きをひとまとめにした定義(関数)や座標を理解している。

だいごくんは、とてもポテンシャルが高いので期待しています。と褒めました。

自分がゲームした感想は「人間は二つのことをやることは難しいよ」。

会場の笑いを誘って発表を終えました。

イライラゲーム・改/そうたくん

友達が作ったのを更に工夫してゲームを作った そうたくん。

 

ネコを矢印キーで動かし、黄色いひし形を取りドアを開け星に辿りつきます。

障害物に当たるとスタートに戻されます。

スプライトと呼ばれる画像をたくさん描いたのが大変だったとか。

 

黒い棒の当たり判定に透明のスプライトを使用しているのが工夫。

次はもっと面白いゲームを作りたいと意気込みを見せました。

 

自動カット機/ゆずるくん

ものの仕組み教室でオリジナルの自動カット機を作ったゆずるくん。

最初は人を攻撃するロボットだったのを工場にありそうなものに仕立てました。

 

ボタンを押すとLEDとブザーが鳴り危険を知らせた後、腕が振り下ろされます。

これは、電車で扉が閉まる時にチャイムが鳴るように日常でも目にする仕組み。

使ってくれる人のことを考えた良い作品ですと、たくみ先生の感想。

 

プログラムはシンプルですが、動くものなので、調整に時間がかかったそうです。

次は、銃みたいなものに挑戦するそうです。

 

玉ねぎくん/ゆめちゃん

障害物を避けながら、玉ねぎくんを動かし制限時間内にゴールさせるゲーム。

大変だったけど満足のいく作品ができたと発表しました。

 

ボールの動きに重力を使ってスムーズに階段を降りるように工夫。

玉ねぎ君がジャンプするとボールも一緒にジャンプするのを直すのに苦労したそう。

 

変数をたくさん使ったり、内部処理も複雑になっています。

絵を何枚か使い口が動くように見せる細かな演出も取り入れていました。

 

スーパーマリオ/ともきくん

本家のマリオのように横スクロールを工夫したゲーム。

説明は短めでしたが、作品がすごい!

 

マリオは上下移動だけ。背景が動くことで左右が動いているように見せます。

 

背景は自分で描いたもので、先生からはそのデザイン性も褒められていました。

また、体験版を示すbeta0.1という表記を入れたのも考えられています。

 

ここまで来ると相当に複雑なプログラムになっているのが分かります。

ゲームをクリアすると「(遊んでくれて)ありがとう」とお礼のメッセージも。

 

ここまで、前半5組までの発表。

小学校の高学年になるとプログラミングも本格的で親御さんも関心しています。

 

オリジナル格闘ゲーム/かずしくん

2つのステージから構成される自分だけの格闘ゲームを作った かずしくん。

 

ジャーンとドラが鳴ってゲームスタート!

1ステージ目は、ヘラクレスオオカブト対熱帯魚。

キャラクターはアニメーションで動き背景も全て自分で描いています。

カブトムシを操作して、熱帯魚と闘います。

 

2ステージ目は亀対ワニで、亀を操作します。

目からビームが出たり必殺技もあったりとデモ操作を見ているだけでも楽しい。

 

レフェリーなどそのキャラクターの多さで自分の世界観が随所に。

 

こちらが拘りのアニメーションをするプログラム。

亀の動きをちょっと遅くするなどゲームバランスも盛り込んでいます。

 

キノヒオ・エスケープ/こうたくん

「この世界はゾンビに侵されてバイオハザードしてしまいました。」

と、まず、ゲームの世界観を見ている人に伝えてから操作方法の説明。

 

紫色のゾンビが襲って来るので、水色のキャラクターを逃す。

それと同時に照準を合わせてやっつけるというゲームです。

 

キャラクターも自分で作り、BGMもインターネットから入手。

ゾンビの出現場所が変わらないといった問題も一人で解決して作ったそうです。

どこまで成長するのか楽しみですと、先生の言葉をいただきました。

 

新・よけゲー飛行機/はるやくん

ゆめちゃんが作ったゲームを土台に新しくゲームを作った はるやくん。

codienceでは最古参だそうです。

 

障害物を避けながら飛行機を左から右へと進めます。

全部で9面、さらに裏面も作ったりとゲーム性を高めています。

 

体験で一斉に集まる子ども達。

もっと完成度を高めればスマホゲームにできそうと思える出来栄えでした。

 

先生も驚いていたのがこのシンプルなプログラム。

これだけで完結していて、ステージを追加すれば何面でも遊べます。

音やスコアも表示できるようにすると良いねとアドバイス。

 

料理ゲーム/りくと

ネコが憧れのレストランでクマの料理長のもと頑張って働く物語。

 

スライドを使って発表するプレゼンにも挑戦。

 

主人公がどんな思いでレストランで働くことを決めたかを伝える映像。

ゲームを始める前に操作方法を学べるデモ画面も作ってきました。

 

ボウルを消す処理でのバグを直すのが大変だったそう。

スコアによって、最後に出すメッセージも変えるといった工夫もされています。

次回は、ステージを増やしてもっと遊べるようにするのを目標に掲げました。

バグを取り除く姿勢に、先生にエンジニアに向いていると言われていました。

 

野球ゲーム/ともひさくん

発表の直前まで野球をやっていたという ともひさくん。

 

作ってきたのは野球盤のような野球ゲーム。

二人で守備と打撃を1回ずつ行い、得点の多い方が勝ちとなります。

青はアウトで、一、二、三と色分けされたところにボールが入ればヒット。

 

ストライクやアウトの数、ファールの処理、打者が塁に出て点数が入る。

そういったところまでプログラミングで作り込まれています。

次の目標は、1回、2回と進める本格的な野球ゲームに挑戦したいそうです。

 

Pythonはじめよう/ ゆいだいくん

いよいよ、これで最後の発表。

InstagramやDropboxの開発にも使われているPythonという言語について。

 

4〜5ヶ月Pythonを勉強してきたそうです。

こちらはプログラムの例。誰が見ても分かりやすい言語だと紹介していました。

 

みんなの前でライブプログラミング。

数字を入力して奇数か偶数かを判定するプログラムをその場で作っています。

 

先生から、数字を入力して「第X回プレゼン大会を終了します」

と表示するプログラムを作ってみてとリクエスト。

サクサク作って「第3回プレゼン大会を終了します」と無事表示されました。

 

全員のプレゼンを終わって、大石先生から感想と今後の方針が話されました。

10月からは講師と打ち合わせ企画書を書いたり、並行して1級〜4級の検定を予定。

また、絵が得意、仕掛けが考えることが好き、コードを考えられる。

そんな、子供の特性を生かした共同作業もやって見たいそうです。

 

AI(人口知能)が人間を超えるのではと言われているのが2045年。

GUに行くと無人レジが導入されているように実際に仕事が無くなり始めている。

(子ども達が大人になる)この2045年問題をどう打ち勝つか。

それには、想像力、一から生み出す力が必要。

Codienceの教室でも発揮して作品を作って行くと嬉しいなと結びました。

 

1991〜2018年の27年で、Windows、インターネット、スマホが登場。

VR(仮想現実)、AIも本格化して世の中は大きく変わりました。

2045年までの27年で、小4の子どもは37歳とバリバリ仕事をしている年齢です。

プログラミング思考を身につけて育った彼らが作る未来。

それは、いったいどんな世の中になるのでしょうか?

 

お知らせ

11月10日(土)〜11日(日)はウェスタ川越でかわごえ産業フェスタが開催されます。

codienceでは11月11日10時〜12時に体験イベントを実施します。

詳しくは、10月25日の川越広報で申し込み方法が案内されます。

是非、応募して見てください!

 


INFORMATION

codience プログラミングプレゼン大会

【開催】平成30年9月23日 第1部14:00〜15:15/第2部16:00〜18:00

【場所】ウェスタ川越3F 研修室2・3(川越市新宿町1-17-17)

【HP】https://www.codience.net/

【FB】https://www.facebook.com/codience.net/

【TW】https://twitter.com/codience3

川越市新宿町1-17-17