ごはん、食べにおいで!~昭和の街の”子ども食堂”~
取材・記事 武井香梨
皆さんは「子ども食堂」をご存知ですか?
昨年放送の「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?」というテレビドラマの中でも登場し、それ以来情報番組でも取り上げられることが多くなってきました。
子ども食堂とは
「家でおなかをすかせていたり、一人でごはんを食べたりしている地域の子どもたちに、無料または低額で食事を提供する取り組み。」
もう少し詳しく説明すると
「地域の大人が子どもに無料または低額で栄養のある食事や温かな団らんを提供するための日本の社会活動。 孤食の解決や貧困家庭の子どもへの支援に限らず、地域の交流の場としての役割を担っていることも多い。」
ということです。
一人ぽっちでご飯を食べたり、満足にご飯を食べられなかったりと、そういう子ども達がいることも事実なのです。両親が共働きの家庭は多いと思いますが、祖父母といったサポートしてくれるような人が近くにはいなかったり、両親の帰りも遅くなってしまうとごはんは一人で食べる。お菓子を食べて、帰りを待つ間にそのまま寝てしまう子もいるそうです。
そんな子ども達に来てほしい場所なのです。
「子ども食堂」は川越にもいくつか存在しています。
昭和の街として活気づいている川越中央通り商店街の大黒屋食堂さんでも、月に1回開催されているということを聞いて、お話を伺ってきました。
-「子ども食堂」をはじめたきっかけをおしえてください。
ニュースの特集で「子ども食堂」を取り上げていました。大田区のある八百屋さんが、近くの小学校の校長先生から給食しか食べられないような子がいると聞き始めた、ということでした。
昔は一人で子どもがいたら近所の方々が「うちにごはんを食べにおいで」など声をかけてくれていたけど、今はそういうこともない。それを復活させたということに共感しました。
そして以前、環境をテーマ開催されたアースデーというイベントがあったのですが、そこで食品ロスや食べ物を大切にする「フードバンク*1」「フードドライブ*2」を知りました。
*1フードバンク
包装の傷みなどで、品質に問題がないにもかかわらず市場で流通出来なくなった食品を、企業から寄附を受け生活困窮者などに配給する活動およびその活動を行う団体。
*2フードドライブ
家庭で余っている食べ物を学校や職場などに持ち寄りそれらをまとめて地域の福祉団体や施設、フードバンクなどに寄付する活動。
そこから食材を寄付してもらい、困っている子どもを助けるという仕組みがありました。 昨年、イベントで「子ども食堂」をやってみようと決めました。その時は保護者の方と一緒でしたが、10名ほど来ました。
―いつ開催していますか?
毎月第一火曜日で、時間は17:00〜19:00です。
―メニューはどんなものがありますか?
その日に入ってくる食材によってメニューは異なります。前は野菜など寄付していただいたものを使っていましたが、来る子どもも少ない(1人だったり、来ないことはいいこと。)為、大黒屋食堂で用意したもので調理しています。
―お手伝いしてくださるスタッフはいらっしゃいますか?
常時4名います。皆さんボランティアで来てくれています。お店の外に置いてあるチラシを見てとか、話をきいて興味を持った方、やってみたいと思っている方が来てくれています。
そこでボランティアに来ていたみなさんにもお話を伺ってみました。
撮影した日に来ていた方々は第1回目の12月から来ているそうです。
きっかけは仕事つながり、声をかけてもらった、お店の前を通った時に見つけて興味がありやってみたいと思った、ガールスカウトのつながりでとさまざまでした。実際たずさわってみてどうだったか感想もきいてみました。
子ども食堂をお知らせするのが難しいと思ったそうです。子どもサポート委員会というものがあり、各学校の校長先生は知っているので、知らせてもらえたらいいなと。来てくれた子どもや大人にもリラックスをして食べてもらえたらいいなと思っています。と話してくださいました。
―これからこうしていきたい、こうなっていったらいいなどありますか?
現在は来ている子も少なくて、親御さんと来てくれているけど・・・。知ってもらってここに来たことで、子供たちの間で何か言われてしまうと、と、思うと難しいなと思う。コミュニティーカフェにしたいわけではなく、本当に困っている子ども達に居場所やご飯を届けていきたいと思っています。
取材を終えて…
正直・・・子ども食堂について取材をするのを悩みました。
理由は子ども食堂を知って、来てくれる子ももちろんいるかもしれませんが、来ている子に対して何かを言ってくる子どもたちがいるかもしれません。そうなると子ども食堂には来たくても行きにくくなってしまうからです。取材をして記事にして紹介してしまっていいのか・・・。
しかし、話を聞いていると、まだまだ周知されていない。子どもが来ないことはいいこと。いいことだけど、周知されていない為本当に必要としている子はいるかもしれない。と思ったのです。
現在、共働きの家庭がとても多く、土日も仕事なんていう方も少なくないでしょう。そんな子たちはもしかしたら家で一人でご飯を食べているかもしれない。そんな子ども達にもこの「子ども食堂」を利用してほしいなと思いました。
また仕事帰りに子どもをお迎えにきた家族で利用するのもいいかもしれません。親御さんにも「休憩」必要ですから。
しかし、店主の話にもあったように難しいことも事実です。子どもたちにも子ども食堂の役割を知ってもらう。
言葉は悪いですが、「貧困」だから来ているのではないことを子どもたちにも、大人(親御さん)にも知ってもらえたらなと、思いました。
また、祖父母が遠くにいて助けてもらえない環境の家庭も多いはず!!そんな家族にも利用してもらうのもいいのかなと、ボランティアの方々のお話を聞いていて思いました。
ニュースなどでも取り上げられている「子ども食堂」、川越にもあるのだということをいろいろな方々に知ってもらいたいと思います。
埼玉県にある他の子ども食堂について載っています。同じ子ども食堂でもその場所によっては違います。川越にも、川越以外にもあるので、参考までに。
INFORMATION
大黒屋食堂(子ども食堂)
【電話】049-227-3290
【住所】川越市仲町5-2
【営業】毎月第一火曜日 17:00~19:00
【FB】Https://Www.Facebook.Com/Kawagoe.Daikokuyashokudou