生姜と抹茶と薬膳ごはん「食堂キッチナ」店主 青木愛さん

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4月1日に新富町にオープンした生姜と抹茶と薬膳ごはんのお店「食堂 キッチナ」さん。

昨年秋ごろからTwitterでよくお見かけするようになりました。 つぶやきとともに店内施工図や試作品の画像がアップされ、お店をつくり上げていく様子や、時には自身を鼓舞するようなツイート、あるときにはぼやきのようなツイートにとても親しみを感じ、お店がオープンしたらぜひお話を伺いたいとTwitter上で声をかけました。

場所は本川越駅を背に線路沿いに南側に歩くと右手に見えてくる新しいビルの2階。1階は美容室です。

こちらからの風景だと、どこにあるかがわかりやすいですね。

 

店主は青木愛さん。川越生まれ、川越育ちで、20代の前半は普通の会社員として働いていました。

幼い時からみんなが集うお店を開きたいという夢があり、それをかなえる一歩として、気になっていたお店の中から、地元川越でも人気のカフェ「トライシクルカフェ」で働き始めます。

「お店で出されている料理も好きでしたし、スタッフさんの雰囲気も良かったんです。オーナーには聞いたらなんでもおしえてくれる、隠し事はしないといった、風通しのよさそうなところにもひかれてお世話になることにしました。」

トライシクルカフェでは、バイトさんでもアテンドから調理までできるようにオペレーションが確立されており、一分一秒がどれだけ価値があるかということを考えて動くことを学んだと言います。

当時今ほど流行していなかったSNSも担当し、スタッフ紹介や新作料理を写真とともに紹介したり、広告作成にも携わりました。誰に伝えたいのか?どういうふうに見せたいのか?どうしたら目にとめてくれるのか?ということを徹底的に考える日々でもありました。

「知識はなかったのですが、もともと興味があったので、試行錯誤しながら作り上げていった感じです。」
ちなみに、お店をオープンした今でも、トライシクルカフェのオーナーさんにはよく相談にのってもらっているとのこと。

 

 

写真は苦手なんです~という青木さん。おひつの後ろに隠れてしまいました。

 

カフェに勤めていた青木さんですが、このお店をカフェではなく食堂としたのには、わけがあります。

「私自身カフェって苦手なんです。来ている人がおしゃれで、どことなく落ち着かないんです。だからいろんな人がいられるスペースを作りたいと思いました。実は、オープンしてから豚汁を出す試みもしています。男性が求めるのは早くて、安くておいしいメニュー。女性はおしゃれで値段が高くても落ち着ける場所を求める。そんな混合したニーズにこたえてみようと思っています。」

そして、薬膳をコンセプトとしたお店にしたのは、まだ川越にはないかもしれないということからでした。

もちろん薬膳の資格は取得済ですが、さらにグレードが上の国際薬膳食育師にむけて勉強中とのこと。

薬膳といってもキッチナさんで出されるお料理は、生薬をつかったものや独特な香りがあるといったものではなく誰でも美味しく食べられるように薬膳の理念(季節の食材をつかい、素材本来のうまみを引き出した料理法)のもとに作られています。調味料などもすべてにおいて厳選して、というより、比較的普段手に入りやすいものを使用しています。
全部手作りなので、調味料も味付けも聞けば教えてくれます。

「飲食業界で言われる秘伝のレシピには興味があまりないんです。隠したところでお客さんがくるわけではないので、ならばオープンにしても問題ないと思っています。レシピの公開もそのうちにしていこうと思っています。」

(隠すことは何もないですと語る青木さん。余談ですが・・ 実は食堂キッチナさんのサイトから「事業計画書」も見ることができます。お店に興味を持っていただけたらということで公開しています。サイトでは、他にも店が出来上がる様子がスライドで紹介されています。こちらもぜひ見てみてください。)

 

この日いただいたタケノコ。大きすぎて寸胴にはいらない・・悩む・・

お料理に美しい彩りをそえてくれるのは、川越をはじめとした地元の野菜たちです。なかでも「むさし野自然農場」の 武田さんには、野菜はその時とれたもの(旬のもの)を持って来ていただいたりと、大変お世話になっているとのこと。
作り手の顔が見えるからこそ、食材は大事にしたい、無駄にすることなく使い切りたいと、少ししなびた大根を自家製切り干し大根にしてメニューに加えたりと、手間暇かけた工夫もしています。

当分の間はお昼中心の営業で、その日のメニューはTwitterで知ることができます。

オープンから実験的に豚汁も出していましたが、基本のお昼の時間のメニューは3つ。
◎「季節替わり定食(1,200円)」
今の時期はサムゲタン風の餅米粥です。コラーゲンたっぷりで軽めのおかゆには鶏団子と鶏モモいり。高麗人参やクコの実も入っている滋養スープ。

◎「日替わり定食(1,300円)」
ごはんはおひつ入り。彩り鮮やかな盛り付けにときめき、じっくり味わいたくなるお膳。

◎「薬膳キーマカレー(1,200円)」
八丁味噌が入ったカレー。スパイスの他、蜂蜜、トマトを入れ、仕上げにはクコの実、ゴマ、山椒をひとふり。お味噌汁付き。

飲み物と一緒のお得なセットメニューもあります。

キッチナさんのサイトにメニューが載っています。(PDFです)

この日は日替わり定食をいただきました。

おひつでいただくご飯はちょっと特別な感じです。こちらは愛知にある木桶の栗田さんのもので特注だそう。

人気の車麩のフライはさっくり、もちっとした食感。フライにかかっているタルタルソースは、豆乳を使ったものでクリーミーでありがなら軽い感じです。

酢の物はリンゴ酢をつかっており、口直しにちょうどよい爽やかさ。
定食はお野菜中心でしたが、梅酢をつかった唐揚げといったお肉料理も提供する予定だそうです。

おひつには軽く二膳分のごはん。この日は玄米

この日はいただきませんでしたが、生姜や抹茶を使った「甘いもの」もあります。
飲み物はコーヒー、紅茶はもちろんのこと、蜂蜜生姜の黒酢ドリンク、自家製ジンジャーエールの他COEDOビールの毬花、等のご用意あります。

食べ終わったお膳はカウンター横の置き場に戻すのが、こちらのお店のお願いごとです。

小さな割引カードの裏にはナンバリングがしてあります。

一人で切り盛りしているための、いわば苦肉の策なのですが、下げたお膳と引き換えにこんな素敵なおまけ(本日の恩返し)がいただけます。この日は黒糖をまとったナッツでした。(右側)

そして、左側の小さなカードは、初回のお客様に渡される割引カードです。

「いつでも、何度でも、お連様も」次回精算から100円引きになります。

この大きさは500円玉と同じ大きさです。小銭と一緒にお財布にいれていただければ、カードのようになくしたり、忘れたりしないのではと考えられたものです。

「お店で出すメニューの値段はけして安くはないので、普段行くお店には向かないと思っています。たまに来てくださる方が覚えてくれればいいなということで作りました。少なくとも、川越でまだやられていないことをどんどんチャレンジしていけば少しは見つけてもらえるのかな?と思います」

今のところ7割が女性、3割が男性で、Twitterを見て来店する方が多いようです。
「最初、お客様は来てもらえないものだと覚悟していました、でも、ありがたいことに予想以上のお客様に来ていただいています」

入口から見た店内。大きな窓から外の風景がよく見える。この季節は緑がまぶしい。

ユニークな取り組みをされている青木さんですが、店内も、お店のロケーションもとても楽しいのです。

建物ができてまだ地盤が落ち着いておらず、2階にあるキッチナさんはバスが通るたび揺れるのです。しかも、初めて来る人はちょっとびっくりするぐらいの揺れ。

一人で来ている人たちが思わず目をあわせて「今の結構揺れたよね!?」なんて声があがり、それがきっかけで会話が広がったらおもしろいだろうな、なんて想像ができます。

間口は狭く店内も決して広いとはいえませんが、シンプルなトーンでまとめられた店内は窓が大きく、開放的。外の風景が飛び込んでくるようです。
西側は西武新宿線の線路がすぐ眼下にあり、ちょうどゆっくりと走っている電車の中の人と目があってしまいそうな距離です。

 

ふと見ると窓にかわいいネズミちゃんが・・・特急小江戸号と一緒にパチリ。

南側には鉄橋を行きかう東武東上線と川越線が見え、東側はバス通りで車の往来がかなりあります。
まるで激しい流れの中にぽつんとできた静かな島、中洲のようです。

カウンターから見た店内。細長い店内に、4人掛けテーブル席が3つ。2人掛けテーブルが4つほど。

日中、時間によっては日が差し込んでくる側のブラインドが下がっていますが、ついつい窓の外の流れをぼーっと見てしまいます。
おひとり様の女性のみならず、電車が好きな方にも支持されそうなお店です。

夜になると、店内はゆったりとした雰囲気につつまれ、外に流れる明かりが美しくみえます。仕事が終わり、家路につく前に一人で静かグラスを傾けるのにぴったり!といった感じです。

 

お店の入り口にある植物アレンジと店内のドライフラワーは川越でも人気の川越花屋”KONOHA “さんによるもの

夜になると、店内はゆったりとした雰囲気につつまれ、外に流れる明かりが美しくみえます。

夜の時間の営業(18:00~21:00)を定期的に行うのはもうちょっと先になるとのことですが、待望の声が多いのはうなずけます。

夜の「ふらっとセット」は瓶ビール+本日の小鉢3点で1000円のちょうどよい金額。

飲み屋ではなく、あくまでも「定食屋」として営業していきたいとのこと。

仕事が終わり、家路につく前に一人で静かグラスを傾けるのにぴったり!といった感じです。

待ち遠しいですね。

小江戸号おかえりなさい。

今はお昼の営業でお客様の様子をみつつ、色々な取り組みを試しているといった、いわば「実験」の期間とのこと。

そんな青木さんが、今一番面白いと思っているのは物や料理の見せ方、売り方。

もちろん料理のおいしさは追求していますが、どういうふうに盛り付けたらきれいなのか、おいしそうにみえるのか?ということを常に意識しているそうです。

「見た目もおいしさのひとつだと思っています。2階に上がらなければならない、建物が揺れるといったお店のマイナス面があります。だから、何か付加価値をつけないとお客様に足を運んでもらえないと感じています。」

 

お願いしてポーズをとってもらいました。お疲れさまでした!

お店を始めてからも日々悩むことはたくさんあり、課題をひとつひとつ改善していきたいと言います。

「アイドルじゃないんですけど(笑)、お客さまに育てていただいているなぁと思います。お客様に食べたいものがあったらおしえてくださいと伝えています。お店でこういう料理を作ってほしいという声があったら、すぐ作ってお出ししたり、それを見た人から違うリクエストをいただいて作ったり、そこで会話がうまれたら楽しいですよね。みんなで作る食堂になったらいいなと思います。」

ちょっとリラックスしたいなというときは、食堂キッチナさんで楽しい「いたわりご飯」はいかがでしょうか?

 


IFNORMATION

食堂 キッチナ

【場所】川越市新富町2-32-4 2F

【営業】 11:30-16:00 / 18:00-21:00

【定休】 毎週 月,火曜日
    ※オープンより3ヶ月は不定休になります。
    詳しくは Twitter をご覧下さい。

【Twitter】https://twitter.com/kitchena_to

【Instagram】https://www.instagram.com/kitchena_to/

【Facebook】https://www.facebook.com/ai.aoki.545(青木さん個人のページです)

【HP】http://kitchena.mimoza.jp/
    お問い合わせはこちらのサイトからお願いします。

川越市新富町2-32-4