山の日に川越で富士山に登ってみた〜富士塚②高階・南古谷・古谷地区〜
昨年制定されたものの今ひとつ馴染みの無い8月11日「山の日」。
せっかくなので、川越で山に関係するものはと探したのが「富士塚」
江戸時代に流行した民主信仰の一つ「富士講」で設えた富士山のミニチュア版です。
8月18日は中心街・霞ヶ関・大東地区を回りました。今回は、その後編になります。
‖ 藤間諏訪神社(石碑)
東武東上線の新河岸と上福岡の中間地点、線路沿いから100mほどの距離。
まさに鎮守の杜に囲まれた神社というという感じの神社です。
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神社誌によると創建は慶長17(1612)年と伝えられています。
それ以前から藤間大明神として崇められていたと古文書には残っているそうです。
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写真では分かりにくいのですが、左が末社である「浅間神社」です。
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塚らしきものは「忠魂碑」、日清、日露戦争で戦死した兵士が天皇の忠義を称えるもの)。
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奥にずらりと並ぶ境内社は、明治政府の命で当時各地に祀られていた5社を移転したもの。
神明社、熊野社、天神社、稲荷社、八坂社とありました。
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INFORMATION
【住所】川越市藤間346-1
【参考】http://www.komainu.org/saitama/kawagoesi/fujimasuwa/fujimasuwa.html
‖ 砂氷川神社
市指定天然記念物の「シラカシ」が遠くからも目立つ「砂氷川神社」
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神社創建の延享元(1744)年頃に植栽されたと見られ樹齢は270年程度と推定される。
樹高は約19m、幹周りは約4m。根元部分は神社の石垣を抱き込み一体化(案内板より)。
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砂氷川神社の詳細は分かりませんでした。
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砂氷川神社にはもう一つある市指定の天然記念物がイヌツゲ。
樹高は約5m、根元から三本立ちしている幹周りは約1m。
イヌツゲは成長が遅いので神社創建の延享元(1744)年頃に植栽されたと見られます。
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仙元神社と書かれた鳥居をくぐると「山吉講」と刻まれた石碑がありました。
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INFORMATION
【住所】川越市砂640
‖ 南田島氷川神社
田んぼが広がる中に浮島のようなこんもりとした森「南田島氷川神社」
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喜多院にあった氷川社を勧請して天和2(1682)年に創建したとされています。
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富士信仰を示す「仙元大菩薩」の碑がありました。
富士講では浅間(あさま・せんげん)と仙元(せんげん)という表現が出てきます。
この記事を書くにあたり調べた中では、仙元は開祖の各行が用いたそうです。
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足先におかめやひょっとこを付ける「南田島の足踊り」は、市指定文化財。
川越まつりでは「菅原道眞の山車」でお囃子を演じています。
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INFORMATION
【住所】川越市南田島280
【参考】http://www.tesshow.jp/saitama/kawagoe/shrine_stajima_hikawa.html
‖ 木野目稲荷神社(富士塚)
南古谷駅から5〜600メートルのところにあるのが木野目稲荷神社。
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木野目地区は九十川流域に位置。
かつては洪水に見舞われることも多く、五穀守護の神として勧請されたそうです。
この写真の左側にある4段ほどの石段を持った「富士塚」。
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右側の石碑に「愛宕神社」と「浅間神社」と刻まれています。
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入り口の鳥居の側に「御嶽塚」も設えられていました。
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木野目稲荷神社の建立年代は棟札より嘉永5(1852)年と判明。
本殿は川越氷川神社の本殿も手がけた島村俊表の作品。
江戸末期に川越で流行した江戸彫りが多用されています。
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INFORMATION
【住所】川越市木野目1162
【参考】http://www.tesshow.jp/saitama/kawagoe/shrine_kinome_inari.html
‖ 久下戸氷川神社(富士塚)
川越市の東南部にある久下戸。富士見市とさいたま市に接しています。
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創建年代などは不明ですが、大宮氷川神社を勧請したとされています。
この季節、朱色の鮮やかな社殿が木々の緑によく映えます。
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本殿の背後には大きな池が広がっています。
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富士塚は鳥居をくぐって左手のところ。
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頂(いただき)には浅間神社の石碑。
寛保2(1742)年には、この富士講山の頂上まで洪水が押し寄せたとのこと。
後世に伝えるため記念碑が建てられています。
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INFOMATION
【住所】川越市久下戸2785
【参考】http://www.tesshow.jp/saitama/kawagoe/shrine_kgedo_hikawa.html
https://www.facebook.com/kugedo884hozonkai/ (久下戸囃子保存会)
‖ 小中居神明神社(富士塚)
稲穂が実る田んぼを突っ切るような農道の先にあるのが「小中居神明神社」。
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上の写真は神社の背後から。こちらが正面の参道になります。
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創建は不明ですが村の開発とほぼ同じころといわれています。
伊勢の神宮へ参詣した村人が神札を持ち帰り小祠を建立したものが始まるとされています。
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小中居神明神社の鳥居の側にある小山。
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ちょっとした高さのある「富士塚」となっています。
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頂(いただき)には、浅間神社の社が建てられています。
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INFORMATION
【住所】川越市小中居664
【参考】http://www.tesshow.jp/saitama/kawagoe/shrine_konakai_sinmei.html
‖ 大中居氷川神社(富士塚)
JR南古谷から北西方向、ウニクス南古谷を過ぎてすぐにある「大中居氷川神社」
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創建などは不明ですが、喜多院にあった氷川社を勧請したとされています。
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鳥居の右手にある「富士塚」。
木々にすっかり覆われていますが、私たちが描く富士山の姿に一番近い形をしています。
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頂(いただき)には、浅間神社の碑が建っていました。
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すぐそばには八坂神社もあってちょっと不思議な光景でした。
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INFORMATION
【住所】川越市大中居671
【参考】http://www.tesshow.jp/saitama/kawagoe/shrine_onakai_hikawa.html
‖ 古谷神社(古谷古墳)
富士塚巡りもいよいよ最後、伊佐沼の東南400メートルほどのところにある古谷神社。
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古墳という説もあるようですが、発掘されたことはないそうです。
ただ、この周辺では埴輪や土器などが出土しているとのこと。
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古谷神社(案内板より)
新編武蔵風土記稿(天保元(1830)年江戸幕府編纂)に伊佐沼は長さ17町(1850m)、幅3町(330m)とあり、県道川越上尾線から国道16号までが伊佐沼だったことが記されています。
赤城山の沼の霊を祀った群馬県勢多郡宮城村三夜沢鎮座の赤城神社をこの塚上に勧請(文和年中1351年)した時はここの西側は伊佐沼でした。当時の人たちはたびたび起こる洪水がこの伊佐沼周辺では荒れ狂わないようお願いするために赤城神社をお祀りしたのではないでしょうか
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こちらが本殿。彫刻は施されておらず質素な造りとなっています。
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本殿横の社務所には立派な神輿が納められていました。
ネットで探した限りでは例大祭に関する情報は見当たらず。気になるところです。
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さて、最後は「富士塚」ではなく参道の階段脇にある塚山の中に浅間神社の碑があります。
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塚山の山頂付近に3つ並んだ石碑。一番左が「浅間神社」です。
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INFORMATION
【住所】川越市古谷上3564
【参考】http://www.tesshow.jp/saitama/kawagoe/shrine_fruya_fruya.html
以上、2回に分けて川越で富士山に関する神社を18箇所ご紹介しました。
取材で随分と川越を回ったような気になっていましたが、初めて訪れるところも多々。
テーマを決めて巡ってみると、また違った川越の姿が見えてくるのかもしれません。
取材・記事 白井紀行
INFORMATION
川越市の富士塚
【参考】http://fujisan60679.web.fc2.com/saitama.html