21基の赤い鳥居は異空間へと導く扉の入り口!?〜篠田塚稲荷神社〜
川越の中心街から見て西側に位置する石原町。
住宅街の中に出し抜けに目に飛び込んできたずらりと並ぶ赤い鳥居。
「篠田塚」という名前にも興味をそそられて立ち寄ってみました。
異空間へと誘うかのように続く大小様々の21基の鳥居をくぐり抜ける。
鳥居をくぐり抜けると狛犬ならぬ狛狐がお出迎え。
お賽銭を投げ入れ、鈴を鳴らして、二拝二拍手一拝のお参り。
中の様子を見ると日常的に人が出入りしている雰囲気が感じられます。
無数に並ぶ狐の置物。そして、鳥居の下にご神体の鏡が置かれています。
拝殿の後ろに回ると小高く土が盛られており、これが「篠田塚」なのでしょう。
塚の頂上に本殿(内宮)がありました。
左右の動物はおそらく狐で、真ん中に壷のようなものが描かれています。
壷の左右からは煙のようなものが立ち上っています。
直ぐ横に石碑があり「篠田塚稲荷神社の由来」が記されていました。
※石碑の写真から文章を起こしていますので、もし、間違っていたらご指摘下さい。
当社は今を去る凡そ八百年前川越の大官篠田三郎行家この地に居住し館の屋敷内に稲荷神を奉安して大願成就七福即生七難即滅の御誓祠とせられた。爾霊光あらたかなること無限にして霊験六顕著である。古来世人崇敬して篠田塚稲荷神とあがめ奉り霊験を祈願して参拝する者たえず。昭和34年9月伊勢湾台風の余波より腐朽せる宮を大破したので直に信者相はかり此処に石造の内宮を再建し永久に御加護を乞い奉る。
昭和35年4月 祭主 室岡太孝 発願主 室岡 勝
文中の「七福即生七難即滅世」とは、七つの大難は即消滅し、七つの福が生まれるということ。
七つの福はいわゆる七福神のルーツで、800年も前から信仰されていたんですね。
石碑の背後には社が3つ。うち2つは真っ赤に塗られています。
向かって右側の社は扉が開放されていて駒狐が鎮座。
向かって左側には大小2つのお社。大きい方は扉が閉じられています。
境内にはもう長い間使われていない様子の手押しポンプ。
その下のバケツとともに錆が目立ちます。
右にある井戸は底が埋められておりその役目を終えています。
境内では紫陽花が色づき始め、鳥居の赤とのコントラストが美しい。
住宅地の中に突如と言う感じで現れる赤い鳥居の列。
「塚」とあったのでもしや古墳と思い立ち寄ってみましたがそうでもなさそう。
ネットで調べてみましたが石碑以上の詳しい情報は得られませんでした。
いつもの中心街へと入るルートをちょっと離れて見つけた「篠田塚稲荷神社」
ひとつ曲がり角を変えれば、未だ未だ知らない川越の姿が発掘出来るのかもしれません。
WRITER NORI
INFORMATION
篠田塚稲荷神社
【住所】川越市石原町2-42