水ぬるむ5月の青空の下、みんなで田植え〜かわごえ里山イニシアチブ〜

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気持ちのよい青空の下、代掻きも終わって水の張られた田んぼ。

5月21日(土)に「かわごえ里山イニシアチブ」の田植えが行われました。

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畦道には先週作成した目印付きのロープが張られています。

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反対側からみたところ。

こちらは田んぼの中ほど(今日、手で田植えをする範囲)までのロープ。

この2本が組になって縦方向の位置決めをします。

棒に結びつけられているのは、横方向の位置決めするロープ。

こちらは、苗を一列植えるごとに縦方向に移動させていきます。

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田んぼにはすでにポット苗の苗が浮かんでいました。

昨日から準備を行っていたそうです。

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網を片手に用水路を覗き込む子ども達。

最近はこういう光景も見られず、ゲームの影響なのかなと思っていました。

でも、色々と学ぶうちにもう一つの理由に農薬もあると気づきました。

そもそも、田んぼに魚や虫がいなければこういう遊びもできないんですね。

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‖ 開会式

本日の参加者は40名弱。

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代表の増田氏より田植えの工程や午後のスケジュールをお知らせ。

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稲作指導を始めさまざまなサポートをしていただいている高梨氏。

いつも「耕福米耕作ブログ」で丁寧に米作りの様子を綴っておられます。

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くるりと向けた背中に「耕」「福」「米」の文字が光ります。

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こういった用水路や土管の埋め込みも高梨さんの手によるもの。

指導を受けている民間稲作研究所の稲作のポイントは7cmという水位の維持。

この水位で雑草が生えるのを抑制するのですが、入間川はもう水が流れていません。

雨が降らなければ、用水路への水が途切れます。そうなると、草取りとの戦いです。

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民間稲作研究所の稲葉氏。

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田んぼにトロトロ層(粒子の細かい泥の層)が出来ていてとても良い状態とのこと。

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そして、水面にはアオミドロ(微生物の一種)も田んぼを覆っています。

これにより、田んぼの水面で光が遮られ抑草効果も期待されます。

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右手にしているのがポット苗で育てた一本苗、左手がマット苗。

ポット苗は根元から茎が分けつしており葉っぱも4.5枚でています。

一方、マット苗はひょろひょろとしていて既に倒れています。

いずれも同じ時期に種籾を撒いたにも関わらず大きな違いがあります。

これ位しっかりしていないとアオミドロが風で移動した時に倒れてしまうのです。

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‖ 田植えの始まりです

それでは、田植えを始めましょう。

足を踏み入れるとそのままズブリと15cm位沈んでしまいます。

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高梨さんから田植えの要領の説明。

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苗をこんな風に筆をもつようにつまみます。

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苗はちょんと置く感じで植えます。

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こちらがポットから引き抜いた苗です。

茎が分けつしたところが土の下に来ないように注意します。

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お手本を頭に入れて、一列目を植えます。

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一列が全て植わわったら、両端で声を掛け合いながらロープを移動。

簡単そうに見えて、以外と2人の息が合わないとなかなかうまくいきません。

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一列を植えたら、ロープを移動、後は、ひたすらこれの繰り返し。

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初めて手にする苗。

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お父さんを見習って植えることができました。

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一生懸命に手伝う子ども達。

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手にしている苗がこの子の一膳分かな?

ちなみに苗一つで140粒のお米ができ、大人の茶碗一杯分で3000粒強になります。

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大体、一列につき一人当たり4〜5本の苗を担当。

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一列を植え終わったらみんなは後退、ロープを移動。

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後退すると必然的に足を抜いた穴ができるので、手で均(なら)します

ぬかるみに足を取られてしまうので、見た目以上に体力を消耗。

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‖ 遊ぶ子供たち

同じことの繰り返しなので、やっぱり子供は飽きてしまいますね。

泥ボールの投げ合いを始めちゃいました(^^;)

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苗箱を運ぶお手伝いを始めたかと思ったら…。

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そのまま、田んぼを泳ぎ始めてしまいました。

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田んぼでの背泳ぎ!これには、大人たちもびっくりです(笑)

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‖ ゴールが見えてきました

無心に苗を植えて、気づいたらもうここまで来ていました。

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ちょっと、苗が足らず今日はここまで。22日も続きをするそうです。

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田んぼ温泉に浸かる子ども達。

とはいえ、水温はまだちょっと低くすぐに上がっていきました。

でも、きめ細かい泥の田んぼは飛び込んだら気持ちいいでしょうねぇ。

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田植えを終えたばかりの田んぼ。曲がっているのはご愛嬌♪

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こうして本日の田植えの作業は終わりです。

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ふと道路をみると、鶴ヶ島市の脚折雨乞い(今年は8月7日)のデザイントラック。

田んぼに水を求めていた人々の願いが今も連綿と受け継がれています。

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‖ 午後の事業

午後は場所を北部ふれあいセンターへ場所を移しての座学です。

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有機稲作農業のポイントである苗作り、水管理、有機肥料の作り方などの講義。

雑草や害虫との戦いを生物の特性をうまく利用するやり方がレクチャされました。

かわごえ里山イニシアチブの活動の柱は「生物多様性」

有機稲作をしている田んぼには不思議とコウノトリが飛来するそうです。

今は、オオサギ、アオサギ、アマサギの姿は確認されています。

そのうち、川越でもコウノトリを見かけられるかもしれません。

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‖ もう一つの取り組み

今年は、東洋大学総合情報課が農業のIT化に取り組みます。

カメラを設置しての定点観測や水位の管理ができればとのこと。

こちらの方も適宜、ご紹介できればと思います。

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取材・記事 白井紀行


INFORMATION

高梨農園

【住所】川越市福田439

【blog】http://blog.goo.ne.jp/koufuku_mai

 

NPO法人 民間稲作研究所

【HP】http://inasaku.org/ 

 

かわごえ里山イニシアチブ

【問合】070-5599-2623(増田/かわごえ里山イニシアチブ代表)

【Mail】kawagoesatoyama@gmail

【FB】https://www.facebook.com/kawagoesatoyama/

 

前回の様子、合わせてご覧下さい。