アートを楽しみながら優雅な時間を～Gallery and Cafe 二軒堂

川越の観光名所が立ち並ぶ蔵の街から少しだけ北に行ったところにあるのが、70年ほど前まで芸者さんたちが暮らしていた弁天横丁。かつては芸者置き屋や、元芸者らが営む小料理屋があったことから「芸者横丁」とも呼ばれたこともあるそうです。

弁天横丁の東端の築100年以上の長屋、「麻利（あさり）弁天長屋」の一区画を借りて自らリフォームし、宮崎県出身で所沢市在住の工藤芳聖（よしひこ）さん・幾未（いくみ）さん親子が『Gallery & Cafe 二軒堂』を2019年5月にオープンしました。

営業再開が待ち遠しい！～まずは土日のガラクタ市開催

川越市のまん延防止措置適用を受けて休業していましたが、6月10日のNHK Eテレの番組で紹介されてから、常連のお客様をはじめ、飲食での営業再開を待ちわびる声をたくさんいただいたそうです。

そこで、カフェ・バーはまだ休業中でしたが、6月12～13日と19～20日の2週にわたって週末のみのガラクタ市を開催しました。

店内は、価値ある古いものがいっぱい。なんとこれは全部工藤さんのご自宅に眠っていたものだったのだとか。もちろん捨てるのはもったいないですし、どなたかに活用してほしいと考えたそうです。

店内入ってすぐのところの、いつもは店主の工藤さん親子が制作している作品を置いているショーケースに、アンティークグラスがきれいに並べられ、訪れる人たちの目を引いていました。

以下、ガラクタ市開催中の店内の写真をいくつかご紹介します。

店内入口正面にあるショーケース

店内には、工藤さんが描いた絵本や、銀座で個展を開いたときのパズルの作品集、パズルのポストカードも。

棚に並べられていたものの中で人気No.1は、昔のプラモデル。

6月19-20日の週末には、刺繡糸やビーズなどの手芸用品も販売されていた

待ちに待ったカフェ・バーの営業再開

いよいよ、二軒堂さんは6月26日・27日の週末から、飲食の営業を再開します。その翌週からは、木・金・土・日の週4日は営業したいと工藤さん。営業時間や、お酒の提供時間などは短縮要請などがあればそれに従って開店します、ということです。

久しぶりの飲食営業ということで、NHK Eテレの番組で紹介されたこともあり、再会を待ちわびた常連さんたちや新規のお客さんで賑わいそうですね。

川越のアート文化を豊かにするお店

同時に、2階のギャラリーも多くのゲストに見ていただきたいとのことで、取材したときは作品を整理している最中でしたが、写真を撮らせていただくことができましたので、一部公開いたします。

工藤さんが制作したパズルがきれいにディスプレイされた2階

お父さんの芳聖さんはパズルや絵本、フィギュアを、長男の幾未さんは彫金をそれぞれ制作しています。

芳聖さんは今から12年ほど前に、自分の創作意欲を生かせる木のパズル作りを始めたんだとか。芳聖さんの作るパズルは、ひとつの正解に向かって並べるのではなく、自由に色々な並べ方にすることで色が変わっていき趣があります。2012年には東京・銀座で初めての個展を開催しました。

幾未さんは、元々家には既製品の家具などは少なく、物を見ると自分でも作れるのではと子供のころから考えていました。アクセサリーが好きでその延長で彫金の制作を始めたそうですが、最近は彫金に限らず、革作品にも取り組んでいます。

ショーケースの中には、芳聖さん・幾未さん親子の作品がディスプレイされている

一番街からほど近いこの場所から、いろいろな作品を発信し、川越のアート文化を豊かにしていきたいという工藤さん親子。アートを楽しみながらカフェ・バーでゆっくり過ごせるような、人が集まる場所にしたいけれど、このご時世なので営業を再開しても密にならないように営業していく、とのことです。

店内全体がアート！？

お店の中は、オーナーのこだわりがいっぱい。芳聖さんは元々展示イベント関係のディスプレイなどの制作のお仕事をされてきました。イベントの大工仕事は一般建築にはない自由な発想でアート作品を作るような楽しさがあったんだとか。店内もアート作品のような、ひときわ目を引く造りになっていますので、一部ご紹介します。