荒井由佳さん~「川越女子オシゴトの縁結びパーティ」主催~
取材・記事:本間寿子
世界中からトラベラーが集まるゲストハウス「サクラホテル」のシェフ、川越市駅前にある丹徳庭園では宿泊コンサルタント、そして霞ヶ関の角栄商店街に新しくできたカフェ38℃の運営メンバーとして、三つのフィールドで活躍中の荒井由佳さん。
由佳さん曰く、もともと活動的だったということですが、まだまだやりたいことはたくさんあります、意欲と好奇心は尽きることはありません。
そんな由佳さんが以前からあたためていたイベント「川越女子オシゴトの 縁結びパーティ」が11月1日金曜日に川越プリンスホテルで開催されます。
主催者の由佳さんは一体どんな人?そしてどんな思いでこのイベントを立ち上げたのでしょうか?インタビューしました。
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©カワゴエ・マス・メディア
カナダ出身の川越っ子
由佳さんは、カナダで日本食レストランを経営していたご両親の元に生まれました。まだ小さいときに帰国したため海外生活の記憶はあまりないものの、誰に教えられるでもなく、アルファベットをなぞり、お父様がファンだったビートルズをくちずさむ、そんな女の子でした。
大学時代は、憧れていた海外生活を体験すべく、カナダとオーストラリアに留学。特にオーストラリアは、自身の活発な性格にあっていたのか、充実と興奮(!?)の日々を送ります。
卒業後は、得意な英語を生かすために都内の高級ホテルに就職。フロント係としてお客様の高い要求に応えながら、コミュニケーションを磨き、その後現在勤めているインバウンド系ゲストハウスの「サクラホテル」へと転職します。
「だいたい9割ほどは海外のお客様なのですが、みなさんとってもフレンドリーで、私たち従業員と同じ目線で接してくれます。気軽に挨拶してくださったり、情報交換したり。あ~、私がやりたいのはこっちなのかなと思いました。海外の方とお話していると、相手のワクワク感が伝わってきて、自分もまるでプチ旅行したような気分にもなります」
ゲストハウスでシェフに
あるとき、ゲストハウス併設のカフェのシェフが立て続けに辞めてしまい、料理にもかかわるようになりました。料理人だった父親の影響もあり、もともと料理を作ることが好きだったという由佳さんが、自分の色やアイディアが出せる調理師という仕事に面白さを見出せたのは当然の事だったようです。
人をもてなすという意味では、お客様にフォーマルに接するというよりは、「この料理おいしいでしょ?いっぱい食べてよ!」といった、気取らずにおおらかなコミュニケーションが向いているようですという彼女の言葉に、思わず深くうなずいてしまいました。
多くの海外のトラベラーを、得意の英語と料理で、もてなしている由佳さんですが、実は多忙な仕事の合間を縫って45か国もの国を旅しています。
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©カワゴエ・マス・メディア
「私の海外の旅のポリシーとして、同じ国はリピートしないというのがあります。どうせお金と時間を使うのだったら、行ったことのないところに行って、見たことのない風景を見て、食べたことのないものを食べたいんです。毎回手探り状態でチャレンジするのが面白く、それが旅の醍醐味になっています」
しかし、旅から帰ってきていつも思うのが「やっぱり我が家が一番」ということ。そして海外に行けば行くほど、島国であるからこそ、独自の文化や歴史を持つ日本という国に生まれてきたありがたさが身に染みると言います。
「川越は地元の人の支えもあり、古い街並みがそのまま残っています。それが観光地としてもちゃんと成り立っているのは、素敵なことだと思います」
街並み、歴史、文化の他にも「川越」という知名度の高さにも誇らしさを感じ、ここで育ったことへの恩返しに何か自分でできることはないか?という思いを強くします。
川越へのツアーを提案
サクラホテルでイベント担当をしていたある時、東京観光ボランティアグループ「NPO法人 東京シティガイドクラブ」と組んだ新しいツアーの企画が持ち上がりました。基本的に都内のツアーがほとんどでしたが、由佳さんは迷わず川越へのツアーを提案。川越は、ガイドさんたちも前から気になっていたということで、第一回目の川越ツアーが決定しました。
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写真提供:荒井由佳さん
「そのツアーにたまたま顔をだしてくれたのが、小江戸川越観光親善大使をつとめる阿里耶さんでした。初対面にもかかわらず、お互いインバウンドで川越をもりあげていこうという話で一気に仲良くなりました」
川越ツアー自体も月一定期として開催するようになり、都内をめぐるツアーよりも少々移動距離があるものの、参加者からの評判も上々とのこと。なにより、まるでタイムスリップしたような蔵の街に降り立ったときの、みなさんの目の輝きと反応が違うそう。
「景観は素晴らしい。でも正直、外国人目線で歩いてみると、もうちょっとこうだったらと思うこともあります。例えば商品の値段表記や説明、公共施設の案内表記など。川越には海外の観光客を最高に満足させるポテンシャルがあるのに、伝えきれていない部分があるのではと思います。そんなときガイドとして、遊びに来てくれた友人やゲストに、そのスキマの部分を伝えられるのは嬉しいことです」
街の中で、そして街の外で
蔵の街の古い街並みの他にも、市街地には歴史と趣ある建物が点在している川越ですが、2018年5月に一般公開された丹徳庭園もそのひとつ。明治時代につくられた200坪の枯山水庭園を一般公開しており、抹茶体験・和三盆づくりや川越の老舗によるオリジナルランチも楽しめる、古くて新しい川越の観光スポットです。
こちらは、阿里耶さんとのご縁からつながりました。丹徳庭園さんは、まさにこれから民泊事業を立ち上げようとしていた時期で、由佳さんの存在は渡りに船という感じで話が進んでいきました。こちらでは、情報掲載先のサイト選定や食事面でのサポートを担っています。
3つ目の仕事、霞ヶ関角栄商店街のカフェ38℃の運営にかかわるようになったのは、市が主催するまちづくりキャンプの参加がきっかけでした。
「まちづくりキャンプは、以前から知っていました。でも、自分が参加していいものか?と悩んでいました。そのうち昔からの知り合いからも声がかかり、迷ったらやる!と決めて締め切り直前に申し込みました。やらなくて後悔するのは嫌なんです」
実は由佳さんにとって霞ヶ関は幼いころの思い出もある場所。まちづくりキャンプ参加後、同じグループだったメンバーと事業を立ち上げることになりました。しかし、実際立ち上げた当初は観光地とは全く違う、地元の人が日常生活を送っている地域にお店を開くことは全く新しいチャレンジだったと言います。
「観光地でのヒット商品を考えるのとは逆に、地元の方の毎日に溶け込み、頻繁に通って頂ける場所や、喜んでもらえるモノを考えるのはよい経験になっています」
▼オープンの様子はこちらからご覧ください。
街の風景にゆったりと浸りながら始めるエリアリノベーション〜カフェ&ギャラリー38℃〜
三足のわらじを履くことになった由佳さんですが、その3つの仕事がすべて重なってしまうことも多々あり、叫びながらも(!?)必死に仕事をこなすことも多いそう。
これが充実しているということなのかもしれませんが、一体そのエネルギーと情熱はどこから来ているのでしょうか?
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©カワゴエ・マス・メディア
思わぬ出来事
「仕事も慣れてくると、毎日だんだんと平坦になってくる。そう感じ始めるともっと人生を豊かにするチャレンジはないのかと探してしまいます。実は、数年前に大病をしたんです。そのときに病床で思ったのが、また元気になれたらもう一日も後悔したくない、今日が最後の日だと思って毎日全力で生きようと決めました。一回死んだと思ってフルスイングで生きてやれ!って思ってます(笑)。現在は全快しました!でも、あの時の気持ちを忘れまいと、今でも時々当時を思い出すようにしています」
大病によって、今までの人生を振り返り、そしてこれからの生き方を見つめなおす、そんなきっかけになったという由佳さん。
「でも、明日がどうなるのか、なんて、本当は誰だってわからないですよね。だから、みんなも振り切って生きてみようよ!と言いたくなることもあります(笑)」
パワーアップした行動力でどんどん川越で活動の幅を広げていくと、様々な分野で頑張っている女性たちとの出会いが増えていきました。そこで、ある思いが募っていきます。
「私が阿里耶さんと出会って、インバウンドで頑張ろうとタッグを組んだように、川越で活動したり、お仕事している女性同士が繋がったら、もっと面白いことになるんじゃないかな?と思っているんです。女性の発想の柔軟さ、打ち解ける早さはすごいです。一人だと無理だと思うことでも、誰かの力を借りて実現できることもあります。子育てしているけどこれから何かしたいと思っている方も、夢を語るだけでもそれがまわりまわってご縁がつながることだってあります。誰かに話を聞いてもらうだけでも気が楽になることもありますよね」
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写真提供:ヴェソラウスキー 阿里耶さん
川越で働く女性をつなぎたい
川越の街に何か恩返しがしたいという思い、そして女性たちが繋がりあってお互い支えあい、やりたいことが実現できる手助けができれば、ということで由佳さんが企画をしたのが「川越女子オシゴトの縁結びパーティ」です。
「川越で全力でお仕事を頑張る女性はもちろん、学生さん、何かを始めたい子育てママさんまで。とにかくキーワードは『川越で頑張りたい女性』です。同業種も異業種も横と縦で繋がり、足りない部分は補い合い、同じ目的を持つ者同士は協力し合い、女性ならではの発想や行動力で仕事の幅を広げよう!川越にウーマンパワーを炸裂させ人生をより楽しもう!という願いを込めて開催させて頂く予定です」
ただのパーティでなく、繋がりたい人が明確になるよう「事前リサーチで作成する『川越女子 縁結び名刺帳』の作成や、仕事の悩みやもっと成功するには?といったことをシェアし合う同業種・異業種の交流タイムも設けられています。
ミニプレゼンタイムもあり、賛同者&協力者が見つかる可能性もありそうです。
限定50名様に願いを込めた「縁結びのお守り」がいただける企画もあり、女性ならでは気配りを感じます。
会場となるプリンスホテルさん側の担当者も女性で、会の主旨に賛同いただき、一致団結で企画を進めているそうです。
なんと、パーティの前には 川越プリンスホテル様とコラボレーション企画「川越プリンスツアー」を企画。普段は見られない婚礼の会場や素敵な客室を特別に公開予定!
まもなく定員に達するとのことですので、参加希望者はお早めに!
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実は他にも保護犬の譲渡や保護にもかかわりたい、自閉症のアーティストさんの作品展示や即売会開催したいんです!と語ってくれました。こちらはご縁があってタイミングがマッチすれば、これまた”全力”で取り組みたいとのことです。
お話をお聞きしていると、うわー、なんてキラキラパワフルオーラが出ているんだ!まぶしすぎる~とのけぞってしまいました。でも不思議と、何か自分にも新しい可能性があるのではないか?そんな前向きな気持ちになりました。由佳さんありがとうございました。
INFORMATION
川越女子オシゴトの 縁結びパーティat川越プリンスホテル
川越でオシゴトの輪を広げたい!
何かを始めたい女性達限定の異業種・同業種交流パーティ
【日時】2019年11月1日(金)19:30〜21:30
【場所】川越プリンスホテル(2F貸切レストランオーク)(川越市新富町1-22)
【料金】 3,700円(税込)和食むさし野よりビュッフェ形式の和食とデザート・飲み放題付き
【定員】先着50名様
当日の流れ
- 川越女子「オシゴトの縁結び名刺帳」配布
事前にヒアリングした内容をもとに名刺帳として配布、全員と名刺交換せずとも繋がれる様に
- 同業種間交流タイム
同業種同士で集まり、テーマごとにブレインストーミング
- 異業種間交流タイム
縦と横、様々な業種や年代と繋がることで更なる人脈と活動の幅を広げる機会を提供
- 聞きたい!気になるあの人の「川越で女性が頑張るという事」
川越で活躍する先輩の気になるオハナシ
- 発表!「私の川越計画」
参加者のうち数名によるミニプレゼンタイム
- 参加者全員プレゼント「縁結びアイテム」
あの「縁結びのお守り」を参加者にプレゼント!
- 総括 全員集合写真。
くわしくはこちらをごらんください ▼
https://www.facebook.com/events/356390988574327/
◆Special Thanks◆
インタビュー協力:川越古民家恵比寿屋様
一部写真協力:ヴェソラウスキー 阿里耶様、荒井由佳様