川越にまた新たな歴史が刻まれる瞬間〜祝・新河岸駅橋上化整備事業完成記念式典〜
供用開始前(平成29年11月25日)
東上鉄道(現在東武東上線)が開業した大正3(1914)年に高階駅として開設。
その2年後に「新河岸駅」と改名。103年の歴史を刻んできた駅が生まれ変われます。
駅舎が建て変えられるとともに東口が開設され、12月3日から供用が始まりました。
その1週間前の1月25日(土)の既存駅舎の様子です。
新駅舎の使用開始のポスターがあちこちに貼られていました。
新河岸駅ホームから東西を繋ぐ自由通路の西口側を望む。
3本の線路を跨いでその先に新しい西口が設けられます。
こちらが新たに設けられた西口への自由通路。線路を2本跨ぐ長さです。
駅ホームから新駅舎への階段。
エレベータも新たに設けられていました。
川越方面側には上り方向のエスカレータが設けられています。
既存駅舎を歩いてみる
こちらが長年、住民の皆さんが利用してきた既存駅舎への階段。
この通路を利用できるのもあと1週間あまり。
新河岸駅の1日の乗車人数は約1万1千人。
階段を降りて家路に着くときのホッとした気持ちが染み付いているようです。
新駅舎に移転することを知らせる掲示がされていました。
改札を出て目の前に広がる駅前商店街は、降り立つたびにどこか懐かしい風情。
右に折れて川越方面に歩いていけば、
新駅舎の西口が全貌を現します。
少し離れて西口を見てみたところ。写真なのに建築パースを見ているよう。
地下道のタイル絵
既存駅舎は西口のみだったので、東側に出るには踏切を渡るしかありませんでした。
あるいは、池袋の地下道をくぐることになります。
新河岸駅の地下道には素敵な壁画とタイル絵が描かれています。
東側の壁には、大正2(1913)年頃の新河岸側の船着場を描いたタイル絵。
地下道を東から西を見たところ。
西側の壁には昔の川越街道の様子。
江戸と川越を結ぶ交通ルートである水路と陸路の歴史が鉄路の下に刻まれていました。
地下道をくぐって出てきた東側。
川越方面に向かうと新たに開設される東口に到着。
東口は12月2日から利用できるようになりますが、駅前広場は引き続き整備中。
来年の3月まで工事が行われ、タクシーやバス乗り場、ロータリーなどが設けられます。
川越市の掲示板にも12月2日の記念行事を知らせるチラシが貼られていました。
記念式典当日
すっきりと晴れた12月2日。新河岸駅に新設された西口広場で記念式典が行われました。
当日配布された資料によるとこの整備事業が推進されたのは昭和42(1967)年。
50年の歳月を経ての完成に地元の方の喜びも一入ではないでしょうか。
新駅舎は、舟運問屋の格子デザインを取り入れ、和のティストを随所に盛り込んだもの。
地元の方々を始め大勢の人々が見守る中、
完成を祝うテープカットが行われました。
新駅舎のバリアフリー化の体験。
式典に参加した人たちによる自由通路の渡り初め。
真新しい階段に足を踏み入れます。
自由通路の昇降から西口広場を見たところ。
新しい建物の特有の匂いを感じながら、ゾロゾロと東口へ。
改札内はまだ工事中。改札機があるべきところはまだ土台だけしかありません。
自由通路から川越方面を望む。
改札口を出た正面の壁には「新河岸早船引札」の壁画があります。
こちらは自由通路の昇降から東口を望んだところ。
ロータリーの一部が完成していることがわかります。
スタンプラリー
記念行事のひとつとして新河岸駅周辺を巡るスタンプラリーが開催されました。
スタンプラリーの用紙を求めて並ぶ参列者でごった返す本部。
1,000枚用意したのが秒殺でなくなりました。
スタンプは全部で5箇所。
新河岸駅駅前通りを歩いて、駅前入り口「254セブンイレブン駐車場」
高階小学校北門入り口
地下道西口出入り口
新河岸駅東口自由通路階段入り口
自由通路を渡って再び西口広場の本部前へ。
記念乗車券をゲットです!
記念演舞
西口広場では、新河岸太鼓会によるオープニング太鼓で記念演舞がスタート。
続いて、五ツ又・藤間保存会による祝い神輿3基。
御神輿はロータリーを回ったあと、駅前通りを盛り上げました。
その後、居囃子、中学校演舞、ブラスバンド、盆踊り、川越舟歌で完成記念を祝いました。
12月3日(供用開始)
12月3日(日)、自由通路に続いて駅舎の供用も始まりました。
既存駅舎への階段は昨日の終電の後に閉鎖されました。
真新しい橋上駅舎。写真左側の赤・緑・青のカラフルな枠はトイレ。
柔らかな甘い香りは壁面に植えられた花々。
改札機は新品ではなく、どうやら既存駅舎から移設させたもののようです。
だから昨日は土台しか無かったんですね。
新河岸駅の案内。点字も刻印されておりバリアフリー化されています。
西口への自由通路。写真で見ると結構距離があるように感じます。
こちらは東口への通路。券売機もこちら側にあります。
自由通路から昨日まで利用されてきた既存駅舎を眺める。
閉鎖された既存駅舎へ
既存駅舎の方へ回ってみました。券売機はシャッターが下ろされています。
昨日、閉鎖したばかりなのに随分と時が経ったような様相。
閉鎖された駅舎に一瞬茫然となる乗客もいて、駐輪場の係りの人が案内していました。
「記念の写真を沢山撮っといてくれや」。
これまで人々の暮らしの風景だった駅がその役割を終え、新しい駅へとバトンタッチする。
また、川越に新たな歩みを始めた瞬間です。
取材・記事・編集 白井紀行(旧駅舎共用前後)&kawa(記念式典写真)
INFORMATION
新河岸駅橋上駅舎完成記念行事
【開催】平成29年12月2日(土)10:00〜15:00