楽しくないなんて言わせないぞ!~関貴久子(せききくこ)さん(「川越水かけまつり」主宰)~

関貴久子
関貴久子

©KAWAGOE〼MEDIA

夏の終わりの恒例イベントになりつつあるのが「川越市産業観光館 小江戸蔵里(以降 蔵里)」で行われる「川越水かけまつり」ではないでしょうか?

昨年に引き続き2回目の今年は8月30日(日)に行われます。

「今までの事は水に流そう。クーラーより蔵で水かけ。『大人よ遊べ。』」というなんともニクい副題がついているとおり、水鉄砲や水風船、バケツ、ひしゃく等も使ってみーんなで水かけをして楽しんじゃおうというイベント。 イベントそのものだけでなく、当日の準備の段階からすでに「水かけまつり」なのです。

昨年は雨の予報だったのが奇跡的にカンカン照りになった太陽の下、多くのボランティア、イベント参加者で大いににぎわいました。

また今年もやるよ!ってことで、イベントの主宰である関貴久子(せききくこ)さんにお話を伺いました。

そもそも関さんって普段は何をやっている方なのだろう?とお聞きすると「お寺で墓守をしています。永代供養の説明や受付、お墓の掃除などが仕事なんですよ」とのこと。

墓守!? そんな関さんがどうして「水かけまつり」を開催することになったのでしょうか?

関貴久子

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ナンツカ会(川越の南大塚地区のFacebookグループ)でいろんなことして楽しんでいたんです。藤乃さんの大福を全種類みんなで食べよう!とか(笑) それが面白そうっていうことで、石川真さん(川越の人気ブログ「川越style」を書いている方、以降 真さん)が参加してくれました。冬にはみんなで実家で餅つきをやったんです。

その後、真さんから『蔵里の酒井さんがお正月に蔵里で餅つきをしたいので道具を一式探している』と聞いて、道具を持って行って餅つきをしたんです。もち米以外、まきや大根などの食材は全部友達が持ってきてくれたんです。」

 

― 餅つきの様子はFacebookで拝見しました! 楽しそうでしたね。
       でも、それがどうして「水かけまつり」につながるのですか?

 

「そのときに、酒井さんから『夏にも何かやりませんか? たとえば完熟したトマトをぶつけあうトマト祭りとか?』というお話をいただきました。面白そうだなって思いましたが、トマトかぁ、もったいないなぁと・・・でも、蔵里でやるなら水がある。「水かけまつり」はどうかな?と、そんな感じで考え付きました。」

 

関貴久子

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― なるほど!人が人を繋いで、っていう感じだったのですね。
       第一回の昨年は準備にはどれくらいから取り掛かりはじめましたか?

 

「5月末くらいです。子供たち向けに竹で水鉄砲を作るワークショップを開くのにまず竹を用意しなければならなかったんです。竹やぶなんてないし、どうしようと思っていたところ、これも探してくれた人がいて福原(地区)に竹やぶを持っているという方に、分けていただきました。」

 

― 「水かけまつり」の当日はどうでしたか? 何人くらい集まったのですか?

 

「楽しすぎました!(笑) 40人くらい集まったと思います。子供たちに大人気でした。」

 

水かけまつり

「昨年の水かけまつりのもよう」 ©川越水かけまつり実行委員会

 

 ― 苦労したこと、大変だったこと、発見したことはありますか?

 

「そうですね・・・水ふうせんの口を結ぶのが大変でしたね(笑) あとは結構時間って長いと思いました。 ふつうの水かけは1分なんです。無差別級というのがあって、それは用意した水が全部なくなるまで水を掛け合うルールなのですが3分もかかりました。それと見ている方に水がかからないように気を配ってました。誰からもどこからもクレームなかったです。 もしかしたら誰かが対応してくれたのかもしれませんが!(笑)」

 

 たくさんのボランティアの方が参加してましたね。
  その方たちにはどのように声をかけていったのですか?
  私はお手伝いを呼びかけるFacebookページを見て面白そうだと思って参加しました。

 

「一見するとくだらない事、でもそれを真剣に楽しんでくれる方を、と思って、まず企画段階から声をかけたのは『スケキヨ会』の方たちです。」

 

― ス、スケキヨ会?

 

「はい、これまたくだらないことに真剣に挑戦しようってことで集まった会なんですよ(笑)」

 

「スケキヨ会」名前の由来等はお聞きしましたが、ここでは割愛いたします(笑)
でも楽しそうな会なので活動内容をちょっぴりご紹介。

いろんなものでスケキヨの文字を書いてみたんです!ということでお写真をお借りしました。
よく見るとどこかで見たようなマークも・・

スケキヨ会

©関貴久子

 

「水かけまつりもそうですが、楽しいことをやるのは趣味なんです。ひたすら楽しみたいんです。 『大人よ遊べ!』とうたっているように、水かけまつりは大人が遊ぶイベントなんです。大人だって子供がやっているような遊び、やってみたいと思うのです。それにイベントというと子供向けだったり親子で参加だったり、大人だけのものがないんです。」

 

― 大人の遊びになると、お酒飲んだり食事にいったり、スポーツやギャンブルしたりっていうのが一般的かしら?
  それに大人向けイベントは、どうしても何かを作るワークショップだったり、講座だったりとお勉強チックなものが多いですもんね。

 

「もう純粋に遊びたい。それだけです(笑) 子供も同じ遊ぶメンバーとして対等に扱います。容赦しないぞ!って感じです。大人の本気を見てみろ!な勢いです。」

 

関貴久子

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― 先ほどの「スケキヨ会」もそうでしたが、「大人が楽しく、遊ぶ」っていうこの考えが一貫していますね。

 

「水かけまつりの打ち合わせをしていたら、なんだか『子供のためのイベント』っていう感じになってきちゃったんです。そこで打ち合わせに参加してた人が『きくちゃん、それでいいの?』と言ってくれて、そこで軌道修正できました。でも打ち合わせしているといわゆる『大人の意見』っていうのが出てきたんです。」

 

― 大人の意見とは?

 

「これは危ない、とか、滑ったらどうするんだ、とか。とにかくまずは危ない事を回避しようみたいな感じです。でもそんな事言ったら全部危険になっちゃいますよね(笑) 遊びにはある程度危ないとか怪我してしまうとか、そういうことがあると思うんです。」

 

― それって、そもそも遊ぶための公園なのに、危ないからいろんな遊びが禁止されているみたいな感じですかね?!
        枠を決めてそこからはみ出さないというよりは、枠をとっぱらってこそ、楽しんだり体感することもあると・・・

 

「ケガをしたらその時に考えればいいんじゃないかな?って思うんです。もしかしたら私がまだ親の立場にいないからこそ言えることなのかもしれませんが、ちょっとのケガだったら笑って水に流そうっていうおおらかさがあってもいいのではないかな?でもそういう意見を出してくださった方も後で私の言いたいことを理解してくださいました。」

 

― 強い信念をもってリーダーシップを発揮しているように見える関さんですが、みんなをまとめるコツみたいなものがあるのでしょうか?

 

「私は上に立って指示するより、企画側にいたい。本当は誰かの手伝いをしていたいんです。だから楽しいことを提案してあとは段取りを決めるだけなんです。各担当リーダーは決めるんですが、いつの間にかどんどん動き出しちゃう。私が知らないところで根回ししてくれていたり(笑) それだけじゃなくて当日お手伝に参加した方もその場で考えてすぐより楽しいことをやり始める。最初はただ水ふうせんを黙々と作っていたのに、いつのまにか水ふうせんの中にクローバーを入れたり、ふなっしーの絵をかいてたり、もっと素敵になってるんです。想像もしなかったことがどんどん始まり出す、それを見ているのが楽しいし、嬉しいです。みんなでワイワイしながら作り上げていく人たちに支えられているんだなと実感します。」

関貴久子

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― 楽しそうだから参加するというのもありますが、みんな参加してそれぞれ楽しんじゃっていますよね?

 

「私はやりたい事は自分でやってます。だから皆さんもやりたい事をやればいいよ!って思います。 いちいちお伺いをたてる必要はないです。私は自分が遊ぶ為にやっているので、手伝ってもらって自分が何にもしないのは嫌なので、もっと面白いこと考えてやっていこうと思ってます。」

関貴久子

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― 2回目となる今年の水かけまつりはどんなことを考えてますか?

 

「今年は最初に鏡割りをやって、それからオープン戦としてチーム対抗のスイカ割りを考えています。 あとは『水路バー』。蔵里の水路にイスとテーブルを置くだけなんですけどね!
鏡割りの時には会場に来て下さった方にも水風船を渡して、一斉に投げ上げたらどうかなって考えてます。」

 

関貴久子

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― 想像するだけでなんだかワクワクしてきますね。

 

「この水風船を投げるのは、水かけに参加したいな、でもできないっていう方がいると思うのでそういう人にも参加してもらいたいという意図があるんです。私自身引っ込み思案で、気になるけど見ているだけでも十分っていうタイプなんですよ。だからなんとなくそういう人の気持ちもわかるんです。」

 

楽しいと思うことをしよう!というのは誰でも思うところですが、まずは楽しいと思える位置から参加もできるっていうのは嬉しいですね。

関さんのお話しを聞いていて、起きるかもしれないリスクや不都合なことを真っ先に考えて、楽しいこと、やりたいことを制限したりあきらめたりする、そのうちに本当は何がやりたかったのかわからなくなる、なんてこと結構あるんじゃないかな?と思いました。

大人になっていつの間にか、失敗しないように、責められないように、知らず知らず枠を作って小さく窮屈なところにいるなぁ、と私も私自身に感じることがあります。
もし失敗(ケガなど)したとしても、今度はそうしないように気を付けようとか学べたり気づけたりすることがあるのでは?むしろその経験って貴重なのかもしれないと思いました。

記事を書いていたら関さんのお話にはとにかく(笑)をたくさんいれたくなる、それだけ関さんからはあふれる笑顔がこぼれていました。

関さんお忙しい中お時間いただいてありがとうございました!

関貴久子

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8月30日の日曜日は最後の夏の思い出をつくりに蔵里に集合です!

夏の楽しかった思い出はそのままに、イマイチだった思い出は、ざばーっと水に流してしまいましょう!

 

 

当日のボランティアも募集中です。

フェイスブック小江戸川越「★夏の想い出を一緒に作ってくれる仲間募集のお知らせ★」

川越水かけまつり

お話を伺っていると、なんと12月にも蔵里で面白い企画を考えているとのこと!

「12月6日に『真っ蔵イベント(仮)』っていうのをやろうと思っています。私自身特に思うところがあって企画した暗闇でやるイベントです。視覚以外を使って楽しむんです!見方が変わりますよ。人を見た目だけで判断しなくなります。誰でも参加ウエルカムです♪ボランティアスタッフも募集する予定です。」

こちらも楽しみです!

 

インタビュアー・記事・写真:本間 寿子

https://www.facebook.com/hisako.honma


 

INFORMATION

第2回川越水かけまつり(小雨決行・荒天中止)

【日時】8月30日(日)11:00~16:00

【場所】川越市産業観光館 小江戸蔵里

【イベントタイム】 ①13:00~13:01(子どもメイン)
          ②14:00~14:01(女性メイン)
          ③15:00~15:01(無差別級)

【お願い】本イベント参加は水に濡れます。タオル等のご用意をお願いします。

【主催】川越水かけまつり実行委員会

【共催】株式会社まちづくり川越

【問合せ】049-228-0855

【FB】https://www.facebook.com/kawagoemizukake

    ※表示が第一回となっていますが、昨年のページをそのまま使用しているためです。
       昨年の様子も掲載しています。

    ※「真っ蔵イベント(仮)」へのお問合せ、ボランティア希望もこのページよりメッセージください。

川越市新富町1-10-1