道草して本当に食べてみた〜田んぼの生きもの調査(植物編)〜
水路を挟んで田んぼの畦道に生える青々とした野草。
自然が一杯あっていいなと見ていた景色が、この日を境に大きく変わることになりました。
5月17日(日)、かわごえ里山イニシアチブの主催で行われた「田んぼの生きもの調査」。
この日調査するのは田んぼの畦に生える野草で「里山ハーブ」ともいいます。
里山ハーブを採取し、調理の仕方を学び、実際に食べることができる催しです。
講師は食楽風土(クラフード)の林鷹央氏。
【林鷹央氏FB】https://www.facebook.com/takao.hayashi.7
【食楽風土FB】https://www.facebook.com/crafood
そして、同じく食楽風土(クラフード)の徳永亜由美氏です。
徳永氏は雑誌「のんびる」にて、里山ハーブ料理を連載中!
【徳永亜由美FB】https://www.facebook.com/tokunaga.ayumi.7
【雑誌のんびる】https://www.facebook.com/nombiru
‖ かわわシェア田んぼ
かわごえ里山イニシアチブのプロジェクトのひとつ「かわわシェア田んぼ」
非農家のみんなで小規模の田んぼをシェアして無農薬のお米を自給するという試みです。
今回の調査対象はこの「かわわシェア田んぼ」と「小畦川堤防・河川敷」です。
それでは、田んぼ周辺を散策しながら野草調査に出かけましょう♪
なお、食べられる野草は○を、調理した野草は◎を名前の前に付けました。
野草の説明は記者がメモしたものを元に付け加えており、誤りは全て当サイトの責任です。
【お断り】
記事内では食べられる野草を紹介しますが、全て講師の指導のもと採取しています。
野草は見分けの付き難いものが多く、中には死に至る毒性を持つものもあります。
特に調理をする際には素人が判断せず、専門家や十分な経験を持つ人の指示に従って下さい。
記事を読んで野草を食べて生じた結果について、当サイトは一切その責を負いません。
そして、芽を全て摘み取ったり根こそぎ持ち去らないよう気を付けましょう。
生態系の破壊や貴重な植物の絶滅に繋がる恐れがあります。
また、田畑は農家さんの仕事場であり大切に管理しているものです。
作業の邪魔や迷惑になる行為は絶対にせず、マナーを守って里山ハーブを楽しみましょう。
‖ アカバナユウゲショウ
林氏が直ぐに足を止めて示したのがピンクの花びらを持つ「アカバナユウゲショウ」。
月見草の仲間で南米から北米南部から来た外来種です。
‖ マメグンバイナズナ
ナズナ(ペンペン草)の仲間でこれは、北アメリカ原産の外来種
‖ シロツメクサ(クローバー)◎
誰もが子供の頃に4つ葉を探したり、花を冠にして遊んだ思い出のある野草。
この花が食べられるとは知りませんでした。
「ツメクサ」という名前は、昔、この花を梱包材(つまり詰め草)として使ったことに由来。
オランダからの外来種です。
「シロツメクサ」が生えていると、そこに農薬が使われていないという目安になるそうです。
‖ ヨモギ◎
「ヨモギ」は食べられる野草としても非常にポピュラーだと思います。
少しもんで鼻に近づけると、記憶していた以上にスーッとした爽やかな香り。
野草ハーブは見て、触って、嗅いで、食べてみて楽しむのがコツのようです。
調理用に柔らかい新芽を摘み取ります
‖ アメリカフウロソウ◎
気を付けないと見過ごしてような小さな花を持つ「アメリカフウロソウ」。
胃腸に効くといわれる「ゲンノショウコ」の仲間で、乾燥させてお茶にして飲みます。
‖ トキワハゼ
「トキハワゼ」は湿った場所に生え一年中見られます。
名前の由来は熟すると下部が割けて種子を散布する(爆(は)ぜる)から。
‖ イノコズチ◎
茎の節が猪の子供の膝のように見えるのでこれを槌に見立ててこの名がついています。
様々な種類の野草が生える畦道で、講師や慣れた人は瞬時にお目当てを見つけてしまう。
こうやって写真を取って記録すると名前を覚えて行くそうです。
‖ スギナ(またはスギノコ)◎
土筆(つくし)とスギナは同じ地下茎から生えます。
胞子茎がツクシでスギナが栄養茎。
(厳密には違いますが)平たく言うとつくしが花で、スギナが葉っぱに相当します。
土筆はおひたしや天ぷらにして食べたことがありますが、スギナも食べられるんですね!
ここで、講師の徳永氏から「こちらの畦道のは採らないで」と注意が入りました。
パッと見ると畦道はスギナが青々と密集していて採りやすそうです。
でもよく観察すると、他の野草がほとんど生えてないし、奥の畦道は枯れ草になっている。
この辺りには除草剤が撒かれていて、酸性土壌に強いスギナ以外が育たないのです。
冒頭の写真を思い出して下さい。
左の畦道はスギナだけで、右の畦道にはクローバーがありました。
農薬が使われているかいないかは、野草が身を持って教えてくれるのです。
また、野草を取る時には、犬の散歩コース(トイレ)になってないかも気をつけて(^^;)。
‖ ゴギョウ○
春の七草は、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。
名前だけは知ってましたが、実際に目にしたのは初めてかもしれません。
‖ ハルジオン○
この花も土手や野原で良く目にしますね。
今は花が咲いてしまいましたが、蕾が下を向いている時期だと食べられます。
これと似たヒメジオンという花もありますが、あまり美味しくないとか(^^:)
ハルジオンは茎が空洞で葉が菱形で茎に巻き付いているといった見分け方も習いました。
‖ ツユクサ◎
青い花が咲いていれば直ぐに分かるツユクサ。
これも良く見かける野草ですが葉っぱだけだとなかなか探せませんね。
‖ ノビル◎
まるで葱のように見えるのが「ノビル」
徳永さんが里山ハーブ料理を連載している「のんびる」は、この名前から来ています。
無理矢理でなく根が生えている方向を意識しながら抜いてみました。
小さな玉ねぎのような根や葉を食べることができます。
ワイルドガーリック(野蒜)とも呼ばれ、味はエシャロットに近い感じだそうです。
さて一休み♪
ここまで見て来た野草をおさらいします。
アカバナユウゲショウ、マメグンバイナズナ、シロツメクサ、ヨモギ
アメリカフウロソウ、トキワハゼ、イノコズチ、スギナ、ゴギョウ
ハルジオン、ツユクサ、ノビルの全部で12種類。
通り過ぎるだけの田んぼの畦道には、こんなにも多くの野草が生えているんです。
それを調査しているだけであっという間に1時間が経ちました。
記事も長くなって来たので続きは来週です!
INFORMATION
川越里山イニシアチブ
【HP】http://blogs.yahoo.co.jp/jmasudas
【FB】https://www.facebook.com/kawagoesatoyama
【案内】https://www.facebook.com/events/460169957492042/
【地図】当日調査した、「かわわシェア田んぼ」