風鈴をSNSに乗せて街の美化を考えよう〜川越一番街商店街のゴミ回収イベント〜
取材・記事 白井紀行
8月29日(土)お昼前の川越、天気は快晴。蔵造りの町並みが続く一番街。
暑さとコロナ禍で外出を控えているせいか人影はまばら。
観光客は食べ歩きグルメを楽しみ、自販機で冷たい飲み物を買い求めています。
食べ終えたり、喉を潤した後に手に残るのは、串や包み紙、空のペットボトルや空き缶。
ところが、一番街にはゴミ箱を見かけることがありません。
自販機の周りにも空き容器を回収するリサイクルボックスが見当たりません。
目立つのはポイ捨て禁止の張り紙ばかり。
これはこれで、美観を損ねている気が…(^^;)
あるいは、マナー違反を訴える張り紙。
川越だけでなく「ゴミ箱不足」と「ポイ捨て」は日本全国の観光地で大きな課題です。
これは、単にゴミ箱を置けば解決するものではありません。
ゴミが溢れて美観を損ねないよう見回り、回収するには人手が必要でお金もかかります。
街の美化を考える第一歩になればと、この日、ゴミ回収のイベントが開催されました。
イベントのルール
イベントの拠点となったのは、旧埼玉りそな銀行横にあるポケットパーク。
当時は、疫病退散風鈴と称した風鈴棚が設けられていました。(現在は撤去)
各店にはゴミ袋が配布されます。
参加店舗とルールが記載されたカードが添付されています。
店頭や店内にはルールを説明をパウチしたカードも貼られます。
お店で買い物をするとお客さんにはゴミ袋が手渡されます。
飲食を終えたら渡されたゴミ袋に入れて旧埼玉りそな銀行のポケットパークへ。
スマホで風鈴の写真を撮ってインスタグラムやTwitterにハッシュタグをつけて投稿。
そうすると、冷たいドリンクがプレゼント(先着100名)されます。
配布しているのは、日本たばこ産業(JT川越支店)のボランティアスタッフ。
結果はこのように集計。配布されたゴミ袋以外のゴミもカウントしていました。
イベント参加店舗
今回のイベントに参加したのは9店舗。北から南へと順に紹介します。
一番街商店街の北端、札の辻の一角にある狭山茶専門店 「長峰園川越札の辻店」
カウンターの前にルール説明のカードとゴミ袋のサンプルが貼り付けられていました。
ハムソーセージ工房「ミオ・カザロ川越蔵の街店」
天明3(1783)年創業の老舗和菓子店「亀屋 元町店」(本店も一番街にあり)
川越のシンボル「時の鐘」を望む鐘つき通り
時の鐘の隣にある明治8(1875)年創業の「福呂屋」
いも恋でお馴染みの「菓匠右門 時の鐘店」
こちらでは、販売した商品の袋やカップを自主的に回収しています。
創作漬物「河村屋 川越店」
ねこまんま焼おにぎりで人気の「中市本店」
亀屋の新ブランド「kashichi」。和菓子の手作り体験ができます。
「菓匠右門 一番街店」。いも恋の店頭販売のほか、芋おこわなどの食事メニューもあります。
一参加9店舗を巡って、再び、ポケットパークへ。
涼やかな音色を奏でる色とりどりの風鈴が目につくのか盛んに写真を撮る姿が見られました、
用意した100本はたちまち配布が終わり、JTのスタッフが何度も買いに走っていました。
お客さんから渡されたゴミは分別して回収。
この日は暑かったせいかペットボトルやドリンクの空き容器が多いようです。
時の鐘がゴーンと鳴り蔵の街に午後3時を知らせます。
それからさらに1時間、ポケットパークには西日が差し始めます。
16時となりイベントは終了。片付けに入りました。
11時から16時の5時間あまりで回収されたゴミ。
ゴミ袋を入れ替えているので、並べてみるとこれ位の量となりました。
このイベントが無ければ、これらのゴミは何処へ行っていたのでしょう?
写真はJT川越支店からお借りしました
こちらは集計結果。SNS投稿は合計で109人、回収のみは34人だったそうです。
ゴミの無い蔵造りの街並みを散策するのはとても楽しいものです。
それが、維持されているのは、商店街の人が毎日掃除しているおかげです。
理想はゴミの持ち帰りですが、ゴミを抱えて電車に乗りたくない気持ちも理解できます。
すぐに何か施策があるわけではありませんが、手をこまねいてばかりもいられません。
何か動きがありましたら、続報をお知らせできればと思います。
Information
ゴミ回収イベント(川越一番街商店街)
【開催】2020年8月29日(土)11:00〜16:00
【住所】川越市幸町4-1(旧埼玉りそな銀行川越支店の住所です)