定番だけど時々ディープ〜川越コンシェルジュの街並実地研修ツアー〜
この4月にウェスタ川越で開講した「川越コンシェルジュ」を受講しています。
どんなものかをパンフレットの文面から紹介します。
川越を歴史や文化(食・祭り)によって“おもてなし”することを目指し、
専門家の講義とグループ活動を通して楽しく学びます。
平たく言うと、川越の歴史と文化を学び、川越案内ができる人を増やすのが目的。
4月25日(土)〜来年2月20日(土)の毎月1回計12回開催されます。
連続受講の申込(60名)は締め切りましたが、定員に空きがあれば受講できます。
詳しくは、このパンフレットもしくは、ウェスタ川越にお問い合わせ下さい。
‖ 第2回目 川越の町並み実地研修
さて前置きが長くなりました。
今日は5月23日(土)で、第2回目の講座「川越の町並み実地研修」。
教材は市内観光のパンフレット。
熱中症にならないために水分補給を忘れずに! お供はもちろん「川越の水」。
本日の受講者は約60名だったので、これを20人ずつの3つのチームに分けます。
私たちのチームは赤いブレザーでお馴染みのシルバー人材センター大出さんのガイドです。
‖ 小江戸蔵里を出発!
蔵里についても昔はこの広場のこの辺りに井戸や煙突があったとの案内がありました。
それでは、蔵造りの街並へ向かいましょう。
クレアモール商店街から続く小江戸蔵里の道路を北上すれば大正路漫夢通りへ繋がります。
熊野神社を通り過ぎて
洋風の外観が目を引く大野屋洋品店。
1Fのデザインは平成9年に商店街が主催した公開コンペで選ばれました。
大野屋洋品店を背中にして歩くのは、蓮馨寺の参道である立門前通り。
振り返れば、蓮馨寺を真っ正面に見ることができます。
‖ 旧川越織物市場
川越織物市場は明治43年に当時盛んだった織物の集積場として開設。
しかし、自動織機の発達により集積が不要となって10年でその幕を下ろしました。
その後は、女工さんの寮や住居として使われていました。
平成17年に市の指定文化財に指定、今後、再生・活用計画が勧められています。
同じ敷地内にある「栄養食配給所」
かつては近所にあった織物関係の工場に給食を供給していたそうです。
織物市場は普段は入ることができませんが、毎月1回位のペースで開放日があります。
それに合わせたイベントも開催し、今後の活用方法を検証しています。
‖ 大正路漫夢通り
川越といえば蔵造りの街並が代名詞ですが、この通りにも歴史ある建物が並びます。
常に行列が絶えないのが鰻料理の小川菊(おがぎく)
木造3階建てというのも見所で、最近、大掛かりな耐震工事が行われました。
‖ 川越商工会議所
大正路漫夢通りの北端にそびえるのはパルテノン神殿のような「川越商工会議所」
真っすぐでごつごつとした柱は男性の体をモデルにしているそうです。
‖ 川越一番街商店街
一行はいよいよ、蔵造りの街並が広がる一番街へ。
鍛冶町広場の前にある旧山吉ビル。
少し丸みを帯びたイタリア式の柱は女性の体をモデルにしているそうです。
かつては、ここが「丸広(まるひろ)百貨店・川越店」でした。
ガイドの案内でさらに北上して行きます。
‖ 埼玉りそな銀行
一番街のちょうと昼間に位置するのが埼玉りそな銀行。
大正時代に建てられた堂々たる建物を写真に納める姿を良く見かけます。
ここでガイドさんが「柱がゼブラ模様になっているんですよ」建物の特徴を紹介。
何度となく通り写真も撮ってきたはずなのに、全く意識していませんでした(^^;)。
‖ 陶舗やまわ
陶舗やまわを筆頭に蔵造りの建物が連なるこの辺りは、絶好の撮影スポット。
フカゼンの蔵の屋根の両端にある小屋根に注目!
これは、卯建(うだつ)といって家事の際の延焼と装飾を兼ねています。
ウダツがあることが財力を表し、そこからウダツが上がらないという語源にもなっています。
‖ 時の鐘と薬師神社
フカゼンの前の横断歩道を渡ると、川越のシンボル「時の鐘」が目に入ります。
今は、機械が1日4回自動で鐘が搗かれますが、かつては鐘撞守が搗いていました。
時間はスイス製の懐中時計で計り、時の鐘のすぐ傍のだんご屋「田中屋」さんにあるとか。
ぜひ、見てみたいものです。
時の鐘の下を通り抜けるとそこにあるのは薬師神社。
ここに祀ってあるのは薬師如来なので本来なら神社でなくお寺のはず。
実際、元は薬師堂だったのが、明治の神仏分離の際に神社と改称しました。
でも、薬師如来はそのまま残したということで現在の形になったのです。
特に目の病気にご利益があり、「め」の文字を象った絵馬が納められています。
なんと敷石も「目」というこだわりです。
‖ 蔵造り資料館
続いて向かったのは、蔵造り資料館。
こちらは以前、このブログでもご紹介しました。
明治26年の川越大火の後に煙草卸商を営んでいた小山文造が建てたものです。
入り口から見世蔵、書籍を保管する一番蔵、二番蔵と奥に続きます。
蔵の中には火消しの衣装や煙草商を営んでいた頃の台帳などをみることができます。
100円という入場料で当時の佇まいを体験できる穴場スポットですね。
‖ 大沢家住宅
訪問した当時(5月23日)は工事中だった大沢家住宅。
こちらが以前撮影したもので、2階の土格子を見ることができます。
川越大火を免れたため川越最古の蔵造りとなっています。
‖ 札の辻
一番街の北端は札の辻。
幕府からのお知らせが書かれた高札を掲げる札所があったので札の辻と呼ばれます。
札の辻を西へ折れると菓子屋横丁が見えてきますが、一旦、通り過ぎます。
‖ 養寿院
そして、向かうは養寿院。
こちらは観光用のお寺では無いので、静かに見学させて頂きます。
静かで広々とした境内。
ここには、平安時代末期にこの地で実力を持っていた武将河越太郎重通の墓があります。
ふと目をやると頭部だけのお地蔵様が鎮座していました。
‖ 菓子屋横丁
ツアーのゴールは菓子屋横丁。
駄菓子屋、飴屋、漬物屋など20軒ほど立ち並ぶ観光客に人気の一角です。
川越観光に来たんだなと一目で分かる日本一長いふ菓子。
菓子屋横丁を進んで行くと「くの字」に曲がる所にある三坪広場。
その看板の下に書かれているのは全盛期にここにあった70軒あまりの店。
一緒にツアーに参加していた方に教えて頂きました。
さらに、石畳には飴のような色のガラスの埋め込みや、星座があることも知りました。
こうして見ると意識していないと見えてこないものが、まだまだ、沢山有りそうです。
川越散策が楽しみがまたひとつ増えました。
WRITER NORI