麻糸が紡ぎ始めた人とのご縁~三橋志乃さん(麻糸ニット作家「K+ito」)~
何かやりたい!と思っても「でも、私には才能もないし・・」
と二の足を踏んでいる方いらっしゃいますか?
私の友人でもある三橋志乃(みつはししの)さんも最近までそんな一人だったようです。
小学生の男の子がいてたまにはおいしいものをママ友達と楽しむ、そんな平凡な主婦でした。
しかし今や街を歩けば「こんなバッグが欲しいんだけど・・」
と声がかかるほど人気がある麻糸ニット作家さんになりつつあります。
ブランドネームは「K+ito」。息子さんの名前をもじってつけられました。
彼女が作り出すのは麻糸で編んだとってもシンプルで使い心地のよいバッグ。
そんな麻糸バックを作り始めたきっかけなどをしのさんにインタビューしました。
― 昨年の秋に小江戸蔵里(くらり※川越市産業観光館)で開催された「ままここ市」。
ここで初めて麻糸バッグを作っているのを知ったのだけど、前から麻糸や毛糸で編み物を?
本格的に麻糸でバッグを作り始めたのは昨年の秋くらい。
その『ままここ市』に初めて作品をだしました。
それまでは編み物はしたことはあったけどマフラーとかシンプルなものくらい。
それほど熱心には編んでいませんでした。
— 編み物はそれほど熱心ではなかったのに、なぜ麻糸でバッグを作ろうと?
バッグが欲しいなと思って売っているものを見に行っても、
ちょっとこの飾りはいらないな、なんて思ったりして気に入るものがあまりなかったの。
なら自分で作ってしまおうと・・。
毛糸だと使える季節が限られちゃうじゃない?
麻糸も最初は春夏くらいかなって思ったけど、作ってみると丈夫だし
― バッグは作ったのは初めて?
そう、そのとき初めてでした。
麻糸でバッグを作っている友人がいて教えてもらいました。
思ったより編むのが楽しくて次々とたくさんバッグを作っていたら、
その友達にそのバッグちょっと(ままここ市に)出してみようよということで声がかかりました。
― 今までどこに出品を?
その年の12月には友人たちとあつまって『CLOVER Plus』さんでの一週間の展示会に、
今年の3月の『もっこ館』でのハンドメイド市、
5月の『MilesAway』さん主催スマイルズカフェにも出品しました。
あとは『smile』さんといって、アパートの一室を借りてビーズ教室や予約制で
アロマやネイルなどをやっているスペースがあります。
そこにハンドメイド作家さんの作品が常設されているコーナーがあるんですが、
そこに作品を置かせてもらっていますよ。
― バッグを作るのにどんなことに気を付けてるの?
麻糸って最初はあのよく見るベージュ一色だと思ってました(笑)。
でもいろんな色があるのだと分ってこれは楽しい~ってテンションあがりました。
だから、どこに行ってもキョロキョロして配色がいいなと思うと試してみたくなる。
配色は結構こだわります。
バッグを作り始めては途中そのままにして、
また、違う配色も試してみようとこれも途中まで作ってっていう感じ。
それを一気にしあげます(笑)。
― 難しいところはどんなところ?
色の麻糸はお店で売っているところがあまりないので、ネット通販で買っています。
でも実際取り寄せて見て、糸の太さがちがったり、安っぽかったり、違~う!
と思うこともたびたびです。
あとは出品したときの作品のディスプレイ。
なんで私のは売れないんだろうって周りをみたら、
売れているところはちゃんときれいに飾り付けてある!
ただバッグを置いただけじゃダメなんだって思ってそれからは頑張って工夫しています。
バッグの形がシンプルゆえに麻糸素材そのものがもつ味わいと、配色が命なんですね。
そのバッグの見せ方の楽しさもますます増えていきそうです。
「こんなものを作ってほしい」とオーダーされるとそれもデザインの新しい気づきになるそうです。
でも、イベントや展示会に出品するのもとても楽しいというしのさん。
来ていただく方には積極的に話しかけたりはしません。
どうしていいのかわからないし・・(笑) それに商売しようとは思ってないんです。
でもね、まったく知らない方がわざわざブースに来てくれて、
バックを手に取りじっくり見て、そして買っていってくれる。
そんなときに『いいの?ありがとう!』って心底感謝がわいてきます。
作品をとおしてそこで縁が出来る、つながっていくような喜びがあります。
― これからどんなことをやってみたいですか? どんなふうに活動していきたいのかしら?
ポーチのような小物や、バッグにつけるチャーム(小さなアクセサリー)も作っていきたいですね。
フェルト細工も作り始めました。
あとは、麻糸を染色することからもやってみたいです。
でも、今はなにより『いっしょにやりませんか? 作品をだしませんか?』
と声をかけていただけるよう、日々楽しく丁寧に作品をつくっていくことかな?
やりたいことにひたすら向き合っていくと、そこに新しい気づきがたくさん見つかるようです。
そしてそこから新たな展開が開け、人とのご縁も広がっていくのでしょうね。
お話を聞いていてそんなことをしみじみ感じました。
次の出店は蔵里で秋に開催予定の「KAWAGOE Knit Park(川越ニットパーク)」とのことです。
もしかしたらどこかのお誘いで急に出品することもあるかも!
お話を聞いていく途中で実はこんな話も出てびっくり!
6年前に川越に引っ越してきてからは普通の生活をしている主婦でした。
合わない仕事をして疲れ果ててしばらく家に引きこもっていた時期もありました。
そのとき、ああ私にはなにもないんだ!!ってとてもむなしかった。
でも少し元気になってきた頃、自分が住んでいる川越の人とかかわっていこうって決めたんです。
そんなときに見たFacebookで、夏まつりの『ラジオぽてと※』のお手伝い募集を知りました。
いざお手伝いに行くとほとんど放置状態(笑)。
あの投稿した人は誰だかわからないし、1日目はいたたまれなくなって、
途中抜けてシャワーを浴びてきちゃいました。
2日目は行くのをためらいましたが、結局行ってまた放置でした(笑)
でもそのときは『ああ、なるほど』って思って妙に達観できて落ち着いてましたよ。
※「ラジオぽてと」http://radipote.com とは、市民ボランティアが運営するイベント型ラジオ。
ラジオといっても、現在は、インターネット放送(USTREAM)で放送しています。
春まつり、夏まつり、川越産業フェスタに参加して川越情報をお届けしています。
実はこのお手伝い募集の投稿をしたのは私でした!! その節は大変失礼いたしました・・
あきらめずに、行ってよかったって思いましたよ!
あの夏まつりが終わった後、かかわったいろんな方から着物で歩く会に誘ってもらったり、
飲み会に誘ってもらったりして、世界が広がって友達も増えましたから。
その一歩の勇気、そしてあきらめない気持ち持ち続けたいですね。
しのさん、どうもありがとうございました!
WRITER HISAKO HOMMA
INFORMATION
K+ito
【FB】https://www.facebook.com/pages/Kito/994994530519720
【撮影場所】
MIMI Diner
https://www.facebook.com/pages/Mimidiner-BC/1416509125269014
Mie Coco
https://www.facebook.com/miecoco.katz