まつりの雰囲気、届けたい。川越まつりLIVE配信~野田五町「八幡太郎義家の山車」~

 

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「山車が出かけて行っちゃうと、ここは静かになるんですよ。」

そう話すのは野田五町の岡島光孝さん。この町内では取りまとめ的な存在の方です。

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岡島光孝さんは地元で電気屋さんを営んでいる。

 

「八幡太郎義家の山車」を所有する、野田五町(田町、野田一丁目、野田二丁目、東田町、上野田町)は、東上線川越市駅から南側に位置します。

川越まつりの午前中、山車は町内の人達によって各町内を曳き回され、地元のみなさまにお披露目されます。その様子は、地元の人たちによる地元のおまつりという感じだそうです。

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野田神社の鳥居のすぐそばに八幡太郎義家山車建設碑がある。

 

何台もの山車が行き交い、屋台が並び多くの人出でにぎわう、いわゆる「交通規制がかかる街の中の川越まつり」の風景とは異なります。

 

「山車はお昼頃に会所に戻ってきて、みんなでご飯を食べた後、体制をととのえて、いざ出陣!といった感じで街に向かうんです。山車を曳く人、ついていく人はまつりの気分を味わうことができるんですが、山車が出て行ってしまうと、もうここは川越まつりじゃなくなっちゃう(笑)。」

 

冗談交じりにお話しする岡島さん。

 

「会所では、まかないを作ってくれたり受付やったりと、裏方を支えてくれる人たちがいるんです。でも、山車が帰ってくる夜まで、ただ座っているだけという感じになっちゃうんですよ。他の町内の山車がまわってくるわけでもないですからね。それじゃ、つまんないじゃないですか。こっちで留守番している人にも、にぎわっている街の様子が見えたり、お囃子の音を聞いてもらったりと、おまつりの気分を味わってもらいたいんです。」

 

取材に伺った当日、会所にもなる野田神社の社務所は一週間後に控えた川越まつりの準備のために、町内の人たちがひっきりなしに行き来し、にぎやかな笑い声があふれていました。

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そとは雨。でも楽しげな声が響く。

川越まつりの公式サイト「『川越まつり』のLIVE映像」で、山車WebカメラからのLIVE配信を知った岡島さんから、野田五町の山車でも同じことができないか?とカワゴエ・マス・メディアに相談があったのは昨年の秋でした。

 

「かわごえ産業フェスタに行けば会える」と関係者に言われて、会場(川越運動公園)にまで足を運んいただいたとのこと。

 

お話しをいただいてから、カワゴエ・マス・メディアの技術スタッフより、これまでの経緯やUSTREAMによる配信の仕組みを説明。さらに、山車に取り付ける機材を持ち込んで搭載や配線場所、カメラの位置の確認、オペレーション、実際にUSTREAMで配信をしてみてどんな様子になるかを確認いただきました。

当初は岡島さんと町内の方でLIVE配信をできないか?ということだったのですが、まずは一連の流れを見てみて仕組みを理解したいということで、我々にお任せいただきました。
今年の夏まつりの日に、山車の運行に関わる町内会の役員の方に録画した映像を見てもらい、そこで正式にGOをいただきました。

ただ、USTREAMやWebによる配信は専門的なところがあり、技術的な面ではイメージのすり合わせに少々苦労もありました。

岡島さんからは、一般のテレビ中継のようにズームができないか、複数のカメラを切り替えたりできないか、との要望がありました。

これらは技術的には可能ですが、実現するとなると機材面だけでなく、運行に支障が出たり障害や誤操作の要因にもなります。一度、配信を始めたら障害が無い限りは、機器には一切触らないことで安全性と安定性が保持できるという説明にご納得いただきました。

今回の実施をふまえて、来年も続けて取り組んでいきたいとおっしゃる岡島さん。

その取り付けの様子の一部は10/10の記事でご紹介したとおりです。 おまつり当日は、会所に置かれる42インチのテレビにつなぎ、LIVE配信を行う予定です。nodagocho10

ところで、野田五町の「八幡太郎義家の山車」といえば、東上線の川越市駅の西側にある長い踏切を渡る場面をご存じの方も多いと思います。

そのことについても少しお伺いしてみました。

 

「おまつりが近づくと、前もって(川越市駅の)駅長さんにあいさつに行きます。山車が踏切を渡るタイミングは駅側で提案してくれるんですよ。踏切が長く空く時間を運行ダイヤで確認していただいて、町内会側と調整の上いつ渡るのかを決定します。当日は踏切手間で待機し、駅側からの合図をもらったら、一気にわたります。」

 

踏切横断の際は、人が山車に乗ったままではいけないということで、鳶の方もお囃子の方も皆が下におります。上の人形と上段四方幕部分もすべて下げます。

横断する際に電車の架線にひっかからないよう、踏切には高さ制限が設けられています。その高さ制限がゆえに「八幡太郎の山車」は他の山車に比べて高さが少し低い山車なのだそう。

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ここで待機し、踏切を渡る合図を待つ。

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踏切が空くと慎重に山車を曳き始める。

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山車のすぐ上には架線がある。高さ制限があり山車も少し低め。

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川越市止まりの電車が引き上げる引き込み線踏切から撮影

 

今回の川越まつりLIVE映像配信、午前中は野田五町の皆様が山車をお迎えする様子を、お昼すぎには踏切を渡るシーンを山車目線でお楽しみください。熱気あふれる街の中へと徐々に進んでいくワクワク感もお伝えできればと思います。

また札の辻の観光協会の建物横にとりつけられたWebカメラで、一番街付近を行き交う山車の様子も配信予定です。

街の中に山車が出で行ってしまうと、いつもは静かになってしまうという野田五町の会所ですが、少しでもおまつりの雰囲気を楽しんでもらえると嬉しいです。

いよいよ明日に迫った川越まつり、みなさん今年もおおいに楽しみましょう。

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軒端揃えの幕張りを終えた夜の一番街。静かにまつりを待つ。

記事・写真(一部) 本間寿子・白井紀行

写真提供(敬称略・紹介順) 矢島賢司/渡邉政幸/関隆志

※写真の無断転載は禁じます。


INFORMATION

野田五町 八幡太郎義家の山車(LIVE配信)

【場所】川越市野田町1-11-9

【情報】http://www.kawagoematsuri.jp/index.html (川越まつり公式ページ)

川越まつりLIVEちゃんねる

 八幡太郎義家の山車に搭載したWebカメラから臨場感溢れるUSTREAMで生中継

【日時】平成28年10月15日(土)、16(日)10:00〜22:00

【HP】http://tokusetsu.koedo.info

【UST】http://www.ustream.tv/channel/kawagoe2013

※モバイル回線を利用しているため映像が途切れることがあります。

 

川越まつりナビ

ソニックが川越まつりをもっと楽しむためのスマホアプリをリリースしました。

山車の位置情報やトイレ、子供連れでもゆっくりできるお店情報などが判ります。

【HP】http://www.kawagoematsuri.jp/navi/index.html

【位置】http://kawagoe.kitel.co.jp/ (川越まつりナビ:Web版)