今年の作物と天候の吉凶を占う年占〜市指定文化財 筒がゆの神事〜

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身を切るような寒さ。まだ、夜も明けない1月15日の午前5時半過ぎ。 焚き火の炎を目印にたどり着いたのが、石田にある「藤宮神社」 毎年、1月15日に行われる「筒がゆの神事」に参列してきました。 筒がゆの神事とは? 毎年1月15日の早朝に行われる。一年の作柄と天候を占う正月の行事である。大釜に小豆1合、米1升、水1斗を入れて煮、その中に18本の短いヨシヅツを束ねたものを入れる。先端に団子を挟んだカユカキボウでかき回してヨシヅツを取り出し、それぞれのヨシヅツに入っている米粒の数を調べる。それらは大麦、小麦、大豆、小豆、大角豆(ささげ)、早稲、中手、晩稲、あわ、ひえ、木綿、芋、菜、大根、そばの出来不出来と雨、風、日の程度を占う。ヨシヅツを取り出した後の小豆粥は食べると虫歯にならないと言われ、参加者にふるまわれる。(案内板より) 夜明け前の冷え込みが身に沁みます。 神事に用いられる大釜には、既に一升の米が1斗の水に浸してあります。 小豆を一合をザーッと釜にあける。 6時11分、薪(まき)に点火。 たちまち火が大きくなり小豆粥が煮られ始めます。 その間、祝詞をあげる宮司。 釜番は炊き上がりを静かに待つ。 粥は煮過ぎると粘り気でヨシヅツに入らない。 だからといって、水気が多くてサラサラと過ぎるとヨシヅツから流れてしまう。 その加減はかなり難しいようです。 参列者に甘酒が振る舞われました。 米粒が舌に残る甘酒は、冷え切った体を優しく温めます。 宮司さんが幣(ぬき)を振り大釜を清めます。 再び、宮司さんは本殿で祝詞を続けます。 小豆粥の頃合いを確認。 6時45分、空も白々と明るくなってきました。 小豆粥もちょうど良い頃合いに煮られたようです。 18本のヨシヅツを束ねたものと、先端に団子を挟んだカユカキボウが置かれています。 蓋が取られ蒸気がもうもうと上がる大釜に二礼二拍手一礼。 幣(ぬき)を大釜の上で振る。 カユカキボウでヨシヅツを挟み、 小豆粥の中に投入し、2回かき回すように浸します。 ヨシヅツが取り出されました。 中に入った米粒の数を数えるために本殿へ。 ヨシヅツを一本一本縦半分に割り、米粒の数を数えます。 まもなく夜明け。寒さが一番厳しくなる時間。 焚き火の前で手を擦り暖を取る。 小豆粥は塩が加えられて参列者に振る舞われます。 記者も一杯いただきました。 これを食べると一年、虫歯にかからないそう。 本殿では数え終わった米粒の数を表に手書きで写していきます。 7時35分、太陽が顔を出しました。 境内が朝日に包まれます。 占いの結果は参列者にも配られる。 右から大麦、小麦、大豆、小豆、大角豆(ささげ)、米(早稲、中手、晩稲)、あわ、ひえ、木綿、芋、菜、大根、そばといった15種類の作物と、雨、風、日の天候となります。 今年は小豆、六角豆(ささげ)、大根はあまり良くないよう。 お米は豊作で、特に晩稲(おくて)が一番良い。 天候は、まずまずながら水管理をしっかりしていれば良いでしょうとのこと。 今年もかわごえ里山イニシアチブや川越Farmer…

地域で受け継がれる新春の祝い行事〜南大塚の餅つき踊り〜

厳しい寒さとなった1月8日(日) 南大塚にある西福寺で県指定無形文化財「南大塚餅つき踊り」が行われました。 餅つき踊りは、一つの臼を数人で囲み踊りながら餅をつく郷土芸能。 かつては北足立から入間地方にかけての米作地帯に広く行われていました。 現在では、大宮、桶川、東松山、そして川越などでのみ伝承されているのだそうです。 南大塚自治会や南大塚餅つき踊り保存会の方々の挨拶 蒸されたばかりのもち米が臼に投入されました。 餅つき踊りは、ナラシ・ネリ・ツブシ・6テコ・3テコ・アゲツキ。 この六つの所作が唄と合わせて連続して行われます。 最初は、餅を馴染ませる「ナラシ」。 続いて、杵を横に動かしてもち米を潰す「ネリ」 ハア、ヤレ押せそれ押せの合いの手が入る。 時折、餅を返したら 「ネリ」の所作が再び行われる。 6人が杵を振り下ろして杵を振リ降ろす「ツブシ」 いよいよ「3テコ」「6テコ」の工程へ。 まずは、中学一年生の3人による餅搗き「3テコ」。 「3テコ」は3人による曲つき。 唄に合わせて杵を股の間に通したり、杵の縁を叩いたりと様々な技があります。 2人ないし3人づつが組になって交互に搗く「6テコ」 そして、「3テコ」へと3拍子のリズムで搗き手は次々と入れ替わっていきます。 しばらく、その妙技をご覧ください。 最後の工程は最後は3人で並んで搗く「アゲツキ」 同時に杵を振り下ろす所作を数回繰り返します。 1回目の餅が搗きあがりました。 最初の餅は、鏡餅として隣りの「菅原神社」に奉納されます。 こちらが西福寺の隣のある菅原神社。 この日は拝殿の扉が開けられ本殿を拝見することができます。 2回目のもち米が臼に投入されました。 もち米を馴染ませる「ナラシ」 杵を横に動かす「ネリ」 6人が一斉に杵を振り下ろす「ツブシ」 軽快な3拍子とともに「3テコ」 「6テコ」と唄とともに搗き手も掛け声を出しながら餅を搗きます。 餅を高く上げて臼に叩きつけるように投げ入れる。 「アゲツキ」を行って2回目のお餅も搗きあがりました。 2回目のお餅も搗きあがりました。 3回目の餅搗きの「3テコ」では、親子三代による競演も披露。 2回目、3回目に搗かれたお餅は一口大に分けられ見学者に振る舞われます。 記者も列にならび、搗きたてのきな粉餅をいただきました。 ‖…

まだ間に合う!Facebookで幸運を射止めちゃう!2017〜小江戸川越七福神めぐり〜

2017年がスタートしました。 本年もカワゴエ・マス・メディアをよろしくお願いします。 さて、1月といえば、川越の名所も一緒に回れちゃう「小江戸川越七福神めぐり」 東武東上線川越駅を出てすぐの観光案内所で入手した「川越専科」 バーンと見開きで「小江戸川越七福神めぐり」の特集でした。   JR・東武東上線川越駅 出発はJR・東武川越駅東口から。今日(1月2日)は、ポカポカと暖かい陽気です。   ペデストリアンデッキを降りて最初のお寺「妙善寺」へと向かいます。 マインの横を抜けて、そのまま道なりに進む。 ここを左に折れると最初のお寺「妙善寺」です。 第1番…

FunRunの部で走ってきました〜小江戸川越ハーフマラソン〜

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小江戸川越ハーフマラソン、すっかり晩秋の風物詩です。 となりました。これまでは取材側でしたが、今回は、思い立ってランナーとして参加しました。 といっても、マラソンの経験はないのでFunRunでの登録です。   ‖…

川越で会津を味わう「手打ちそば百丈」〜川越そば商組合スタンプラリー参加その⑤〜

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川越市役所前の交差点。 向かい合うような位置にある木造3階建てのレトロな建物。 緑青の色も美しい銅板ぶきの看板建築の店舗。 湯宮釣具店として1930年に建築され、国の登録有形文化財となっています。 そんな貴重な建物で美味しい蕎麦が頂けるのが「手打ちそば百丈」です。 会津山都町産の「会津のかおり」という蕎麦粉を使った蕎麦。 看板の謳い文句にに期待が高まります。 会津といえば赤ベコ。愛らしい造形についちょんと頭を触りたくなりますね。 蕎麦そのものを味わいたかったのでもりそばを注文。 会津の郷土料理という「こづゆ」を付けて♪ 里芋、人参、椎茸、しらたきなど具たくさん。 「こづゆ椀」という小さく浅い会津塗の朱色の専用の器で提供されます。 食べやすい大きさに切られた里芋。薄目に仕立てた上品な味付け。 蕎麦はざるに盛られているので深さがあって見た目よりも量があります。 では、頂きましょう。 喉越し良く、ふくよかな甘みを感じる蕎麦。 蕎麦湯で蕎麦つゆも残さずお腹の中へ。 いよいよ、スタンプラリーも残すところあと2軒。 参加していることを伝えると、そば茶をいただきました! 聞くところによると既に十数人がコンプリートしたそう。 皆さんすごいなぁ…

大正浪漫夢通りに着物レンタル屋さんがオープン♪~川越着物レンタルの柚屋~

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川越まつりが行われているなか、お邪魔してきました、レンタル着物の柚屋さん。 9月16日、大正浪漫夢通りにオープンしました! うなぎの小川菊さんの向かいにある、化粧品の加賀屋さんの2階にあります。 入り口はわかりやすいですね。この写真では暗くて見えにくいですが奥に階段があるので、こちらをあがって2階に行きます。 店内に入ると、ずらっと草履がならべてあります。 素敵な着物も飾られています。 帯も様々用意されています。 まずは自分の好きな着物と帯を選びます。 いよいよ着付け開始です。二人がかりで、てきぱきと進んでいきます。 しっかり帯締めもしたら完成!着付けから仕上がりまで約15分ほどでした。 結びあげられた帯はこんな感じです。この季節にふさわしく菊が咲き乱れています。きれいでしょ? 着物を着るとちょっとあらたまった気分になります。 着付けをしていただきながら、たくさんお話をうかがってきました! Q:お店を川越で出そうと思ったきっかけは? A:地元が近く川越に来ることも多く、川越で働けたらと思ったのがきっかけです。 Q:浴衣、着物はどのくらい置いていますか? A:浴衣は約50着、着物は約100着用意しています。男性ものは少ないですが、約30着程用意しています。子供のものも用意あります。七五三のもの数着あります。 Q:着物を揃えるにあたり、何かこだわりはありますか? A:台湾からのお客様が多いので、台湾の方が好むような明るい色を取り揃えています。そして、日本人の好むような古風なもの。汚れてしまっても洗えるものを選んでいます。 Q:料金について A:着物、帯、襦袢、バッグ、草履レンタル込で通常は2800円ですが、帯やプランによって料金は変わってきます。ちなみに、へアセットはプラス1000円で5パターンの中からお選びいただけます。 Q:営業時間は? A:18時までなので、17時半までに戻って来ていただけたらと思います。ただし、特別なイベントがあるときは、延長しています。たとえば、川越まつりでは21時までに、11月に行われるライトアップときには20時くらいまで営業するといった感じです。 Q:茶道体験について A:毎日やっています。もちろん体験中も着付けはしています。なかには、体験だけに来店する方もいます。 ハロウィン用にはこんなおちゃめな柄の帯も用意してありました。 驚きだったのは、半分は着物、半分は洋服というコラボ!! 話を聞いただけでは全く想像つきませんでしたが、こんな着方もできるんですね。 一番嬉しいなと思ったのは、お店に戻る時間です。 レンタル着物のお店のほとんどが17時に閉店するので、16時半までに戻らなければならない店舗が多いんです。しかし柚屋さんの閉店は18時なので、17時半まで着物を楽しむことができます。 おまつりやイベントのあるときには営業時間が延長されるそうなので、観光で来る方にも嬉しいのではないでしょうか?午後から着ても、ゆっくり着て川越散策を楽しむことができるんです。 オーナーさんやスタッフのかたもとても優しく、和やかなムードで会話も楽しみながら着付けをしていただきました!次はイベントのときに利用してみたいと思いました。そしてぜひ茶道体験もしてみたいなと思います。 取材・記事・写真 忽滑谷香梨 編集…

広場は笑顔いっぱい大賑わい〜小江戸蔵里キャラクター祭り Reply〜

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抜けるような秋晴れの空、今日は、小江戸蔵里キャラクター祭りの日。 朝から蔵里は賑わっていました。 川越を拠点に活動する「ミカジョー」さんと「狭山ぶーちゃ(狭山市)」 「栗鼠(リス)くるみ(川口市)」と「モチロボ(千葉船橋市)」 キャラクター達と戯れるのんびりとした時間が流れます。 キャラクター達が集合して撮影大会。まもなく開会式です。   ‖…

これからが見頃の季節の風物詩〜小江戸川越菊まつり(喜多院)〜

徳川ゆかりのお寺、川越大師 喜多院。 お正月の初詣を皮切りに春夏秋冬折に触れて訪れる場所です。 春は桜、夏は蛍鑑賞、そして、秋は小江戸川越菊まつりが開催されます。 毎年、11月1日〜23日の会期で開催されています。 訪問した11月3日も多くの人が訪れていました。 会場は…

安比奈親水公園&(ひさびさの!)蔵巡りVol.6〜安比奈新田地区〜

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うっそうとした森が広がりどこの避暑地かと思うような景色。 中を進むと朽ちた車。 鉄塔も設営されてからずいぶんと経っていて、行く手を拒むよう。 子供の頃の探検心がくすぐられます。 さらに付近を散策すると、突如と現れるアーチ橋。 橋の下をくぐり森の中の砂利道を進む。     ‖…