ひと~『川越子ども応援パントリー』代表・時野閏さん
今回カワゴエ・マス・メディアのインタビューに答えてくださった時野閏(ときの・じゅん)さんは、川越の最明寺(小ヶ谷)・本応寺(石原町)を拠点にフードパントリー事業、学習教室・子どもの居場所「てらこや」、髙階ユースプレイスでの子ども若者支援を行っています。

フードパントリーの活動を行っている時野閏さん。時には音楽で子どもたちを楽しませている
川越子ども応援パントリーは、2020年3月、感染症拡大のさなかに産声を上げました。「コロナ休校で食費が増えて家計が苦しい」「子どもの世話もハンパじゃない」そんな声にこたえて、休校開始からひと月以内に3回の緊急パントリー(商品配布)を実施。以後4月より毎月1回、2か所のお寺で毎月1回(最明寺:奇数月、本応寺:偶数月)フードパントリーを行っています。

コロナ禍のなか緊急で行われたパントリーの様子(2020年)
時野さんの活動は大きく分けて2つ
時野さんは冒頭でご紹介したフードパントリーのほか『子ども若者支援』の活動も行っています。パントリー利用家庭対象から始まった活動は、家庭に事情を抱えた子や、学校が嫌い・学校になじめないなど、なんらかの生きづらさを抱える子どもたちまで広がっているそうです。
『子ども若者支援』の活動はお寺からはじまりました。「てらこや」は学力面をプッシュしながら、人として学びあう学習教室。大人も子どももここに集う者皆にとってかけがえのない居場所となっています。(最明寺教室:毎週月曜日 本応寺教室:毎週木曜日 高階ユースプレイス:毎週火曜日)

お寺の中で勉強する子どもたち(最明寺のてらこやの様子)
また子どもたちが安心できる居場所を創るため、「てらこや」だけではなくクリスマス会など季節の行事でみんなが楽しめるイベントを定期的にお寺で開催しています。ささやかかもしれないけれど、親子で楽しいひとときを過ごしてもらえたらと、いつもと違う空間づくりを行っています。

昨年12月に行われたクリスマス会の様子
『フードパントリー』の活動を通して
フードパントリーは経済的に困っている家庭に食料を配るだけでない役割もあります。
「子どもの貧困」には複雑な事情が絡んでいることが多いもの。実際には一人親家庭だけではなく、両親が揃っている家庭であっても、収入がとても少ない、両親のどちらかが疾患や障害を抱えているなど様々な問題があり、そういった家庭の支援も行っているそうです。

お寺の外でカフェを開いた時の様子
毎回フードパントリーには20人くらいの方がボランティアでスタッフとして参加されており、2024年10月からは2カ所のお寺に加えて川越新河岸メモリードホールでの活動も始めました。この地区から2つのお寺に自転車で通うのはとても大変ということもあり、利用者さんの負担軽減を考えて拠点を増やしたそうで、そうすれば必要な人たちにもっと支援の手が届く場合もあるといいます。

パントリー利用者が無料で休憩できる「純喫茶メモリード」オープン!(2024年10月)
お寺は、昔は地域のハブ的な役割を果たしていましたが、現代ではほとんどご法事だけを行う場所になってしまいました。川越の2カ所のお寺と市民団体が組んでここまでの活動を行っていることは珍しいことです。

2024年10月から活動の拠点として加わった新河岸メモリードホール
『子ども若者支援』とはどんな活動?
家庭でお手伝いをする機会が減り、子どもたちの生きる力が落ちているのではと危惧した時野さんは、そういった力をつけるための活動を昨年からはじめました。子どもたちを自立した大人にしたいという目的もあります。
2024年5月から始めたのが『サタデークラブ』。パンク修理や網戸・家具の修理などを行うことで、物事の成り立ちを学ぶこともできます。
たとえば、パンク修理ひとつとっても、タイヤ自体を修理するわけではなく実はチューブを修理するということがわかります。ではチューブをはずすためにはどうしたらよいか?を子どもたちはそこで学びます。

パンク修理を行っている様子
『サタデークラブ』は不登校、引きこもりの子どもたちだけではなく、バイトをしても長く続かないような社会に出る年齢の子どもたちも加えていきたいと時野さん。長い時間をかけても子どもたちが羽ばたいていけるように活動を行い、見守っています。
高階ユースプレイスでは、子どもたちと料理を作って食べる活動も2024年7月から週に一度はじめました。食べることは生きること。料理というのは重要な活動で、段取り、技術(煮る・焼く)、手先の器用さ、要領などの要素がいくつもあり、それが生活のいろいろなところで役立つだけではなく、食育にもなります。

高階ユースプレイスで料理をする参加者の皆さん
ひとりでも多くの子に届きますように…
「子どもの貧困」の最大の問題は経済的な事情が子どもたちの未来に暗い影を落としていることだ、という時野さん。学習の機会、様々な体験、進学のチャンス、学用品や普段の持ち物、部活の遠征費などあらゆるところで保護者の経済的な事情が子どもの中の格差を生み出していることを危惧しています。
時野さんはフードパントリーや子ども若者支援の活動を通じて、子どもたちに寄り添い、学び舎生活を応援し、共に未来を切り開いていきたいと考えています。もしかしたら食料支援を受けて浮いたお金で子どもたちに必要なことに使ってもらえるかもしれないのです。

昨年の夏休みに大洗水族館へ遠足に行った時の様子
子どもたちのために支援をお願いします
時野さんたちの活動は、すべてボランティアで行っています。しかし、フードパントリーや子どもの居場所を運営するには、設備費や運搬代など資金が必要です。ぜひ子どもたちのために、活動資金の寄付をお願いします。
<振込先>
銀行名:武蔵野銀行
支店名:新河岸支店
口座番号:普通 1102771
口座名義:川越子ども応援パントリー
<食品などパントリーで配布する品の寄付>
事務局:nakukodo@yahoo.co.jp
※記事中の写真は、すべて川越子ども応援パントリーのFacebookおよびHPよりお借りしております。
Information
川越子ども応援パントリー
代表 時野閏(ときの じゅん)
活動発信中!!
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