雨振る中、河越館跡で歴史路漫に想いを馳せる〜河越流鏑馬〜

雨に濡れる上戸の常楽寺は、四季折々の自然の移ろいを味わえるお寺。

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その隣りにある国指定史跡河越館跡は、鎌倉時代に活躍した中世武士の武士・河越氏の居館跡。

平安から戦国時代までの400年に渡ってこの地は利用されてきました。

といっても、何か当時を思い起こさせる建築物はなく普段は広大な草原が広がります。

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この日(11月14日)は、河越流鏑馬が開催されるとあって多くの人出。

出店も並んで、雨天にも関わらず賑やかな様相を見せていました。

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流鏑馬で活躍する和駒は、サラブレッドに比べると小型の馬ですが、持久力が高いそうです。

主催の武道振興會のホームページに各馬の紹介がありました。

http://www.samuraibushidosociety.com/yabusame/horse.html

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‖ 民俗芸能

常楽寺の横にある広場に運ばれて来たのは大きな獅子頭。

12時から「上戸芸能保存会」と「鯨井の万作保存会」による民俗芸能が行われます。

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50Kgの重さがある獅子頭は、夏に鯨井八坂神社の天王様として村中を駆け巡ります。

参考「残したい川越の風景〜鯨井八坂神社の天王様(夏祭り)〜

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晩秋の雨の中で目の覚めるようなオレンジの法被が美しい。

「万作踊り」「下妻手踊り」「馬喰踊り」が披露されました。

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獅子に頭を噛んでもらうと、病気、魔を払って、一年がより良く過ごせます。

厄よけに自分も噛んでもらいました♪

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‖ 出陣式

法螺貝が響く中、鯨井の万作保存会の先導で、常楽寺で安全祈願を終えた流鏑馬隊が入場。

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こちらでも踊りが披露されました。

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鏑矢を空に放ち邪気を祓う「天地人三才之儀」。

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その後、巫女達による扇舞の儀で馬場が清められます。

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続いて、馬場を駆け抜ける素馳(すばせ)が行われます。

これは、いわばウォーミングアップみたいなもので、実際に矢は放ちません。

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‖ 流鏑馬本番

的が掛けられていよいよ本番。

的は進行方向に向かって左手に3つ設置されます(この写真は二の的です)。

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一巡目、あっと云う間に目の前を馬が疾走していきます。

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見事命中! 的に矢が当たると観客から歓声と拍手が上がります。

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「次は当てるよ!」

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二巡目は宣告通り、次々と矢が命中して行きます。

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いよいよ、最後の三巡目。

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こうして今年の河越流鏑馬も無事に終わりました。

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最後の挨拶のあと、「エイエイオー」と雄叫びが上がりました。

(レンズが雨に濡れてうまくピントが合ってませんでしたm(_ _)m)

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翌日の会場の様子。この馬場を和駒が駆け抜けました。

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流鏑馬は平安時代に馬に乗った実戦的弓術の一つとして始まったそうです。

中世武士であった河越氏も武術の鍛錬として、流鏑馬を行ったのでしょうか?

そんな歴史路漫に想いを馳せる一日でした。

取材・記事 白井紀行


 

INFORMATION

河越流鏑馬

【日時】平成27年11月14日 12:00〜15:30

【場所】国指定史跡河越館跡(川越市上戸192ー1

【HP】http://www.samuraibushidosociety.com/yabusame/index.html(倭式騎馬會)

川越市上戸378