住民が育て上げて行く我が街自慢の山車〜川越新富町一丁目の山車の組み立て〜

そろそろと引き出される新富町一丁目の山車。

10月17日(土)、18日(日)の川越まつりに向けて9月26日(土)に組み立てが行われました。

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作業前のミーティング。

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本日の工程が文明堂の丸井さんから説明されます。

山車組み立てだけでなく、家光の人形の着付け、祭礼用品の仕分け、新提灯の取り付けなども行われます。

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囃子台の上にある唐破風の屋根が山車蔵から運びだされます。

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山車の上や山車蔵に納められていた沢山の部品が小江戸蔵里の広場に並べられて行きます。

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下鉾を囲む下勾欄は、今年新調されていて、漆塗りと擬宝珠(ぎぼし)の金箔が美しい。

山車は毎年、少しずつ手を加えられて、変化しながら後世に伝えられて行きます。

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山車の上に載っていた部品がクレーンや人手で次々と下ろされて行きます。

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全ての部品を下ろし終わる頃。

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人の背丈より少し大きい車輪のような物が運ばれて来ました。

これは、「蛇の目」といい川越の山車の特徴の一つである360度の廻り舞台の中心部品。

外辺部にはベアリングの役割をする滑車(ローラ)が取り付けられています。

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舞台をスムーズに回転させるため、下枠にある円形のレールと心棒にグリスをたっぷりと塗っています。

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「蛇の目」を下枠に嵌める。

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廻り舞台の上枠がトラックで運ばれてきました。

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これを全員で協力して下枠に載せます。

こちらにも下部に円形のレールが取り付けられているのが分かります。

「蛇の目」の滑車(ローラ)は、この上下のレールに挟み込まれて回転する構造となっています。

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舞台がスムーズに回転するかを右回り、左回りと実際に回してみます。

もし、回転で問題があれば、また、ここまでバラさなければならないので入念にチェックされます。

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上枠に床板を嵌め込んで行きます。

部品に上下や番号は振られていますが、図面は一切使わずに組み立てられます。

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廻り舞台の上枠に化粧板の取り付け

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隅飾りをほぞに嵌め込む。

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川越の山車のもう一つの特徴が二重鉾から迫り上がる御神像(人形)。

その御神像を支えエレベータのように上下させるための心棒が立てられます。

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上鉾の下部の組み立て。左右の枠の上部には滑車があります。

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蝶がヒラヒラと飛んで来て肩へ。まるで、山車の組み立てを見守るかのようにしばらく止まっていました。

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左右の枠を繋ぐように柱を通します。

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上鉾の迫り上がる部分は4つの枠を組み合わせます。

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下鉾の組み立て、カンカンと木を叩く音が辺りに響きます。

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囃子台の屋根を支える柱が立てられました。

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後ろの柱には彫刻が施された脇障子が取り付けられます。

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囃子台の上部を飾る彫刻が次々と運ばれて取り付けられていきます。

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四隅に取り付ける升と彫刻ですが、当たってしまってカッチリと入りません。

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彫刻を慎重にノミで削ります。なかなか難しい作業らしく何度も微調整をされていました。

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やっと、上の柱を取り付けることができました。

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天井板が渡されます。

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山車を組み上がると、外から囃子台の天井は見え難いのですが、金箔が施されているのが分かります。

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屋根を支える棟木が渡されました。

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さらに破風の部分にも彫刻が取り付けられます。

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ここで一旦、山車を山車蔵へ戻します。

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クレーンで下鉾の斗組(三味線胴)が下ろされて取り付けられます。

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徐々に組み上がってくるとともに、興味深そうに立ち止まる人も増えてきました。

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屋根の曲線に合わせた垂木の下にも彫刻が取り付けられます。

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また、山車蔵に戻して屋根を乗せます。

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唐破風の屋根が乗るとぐんと山車らしくなります。

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上鉾にも斗組(三味線胴)が取り付けられます。

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斗組の上には朱色に塗られた上勾欄。

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続いて中勾欄が下鉾の斗組の上へ。

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唐破風の屋根の上にも葵の御門と金色の龍の飾り付け。

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徳川三代将軍「家光」公の名前が金文字で書かれた扁額が掛けられます。

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これで、山車はぐっと引き締まりました。

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囃子台の勾欄の取り付け

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下勾欄羽目板彫刻を取り付けて行きます。

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完成までもう一息です。

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新調したばかりの下勾欄が運び込まれてきました。

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漆塗りの下勾欄が山車に付けられると、感慨深い面持ちを見せる新富町一丁目のみなさん。

まるで、我が子の成長を見守るようなまなざしです。

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さらに格調高くなった山車。

これから後世に渡って何十年、何百年という単位で住民みんなが育て上げられて行くのでしょう。

新富町一丁目の山車を見る時は、このように、毎年、少しずつ変化を遂げる姿にも注目して下さい。

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曵き縄が運び込まれてきます。

ちなみに新富町一丁目では提灯も新調されているので、夜はどんな姿になるかも楽しみです。

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轅(ながえ)に曵き縄が巻き付けられていきます。

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囃子台では、水引幕や太鼓を支える枠が取り付けられます。

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上鉾や人形を上下するのに操作する縄を滑車に通す。

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上鉾がスムーズに迫り上がることを確認。

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いよいよ、作業も大詰め。最後の工程に入りました。

新富町一丁目と書かれた赤い四方幕を上鉾へ。

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下鉾には絢爛な幕が巻かれます。

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ついに完成です!

その姿をお披露目するかのように何度も何度も囃子台を回転させます。

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本日の山車の組み立てはこれで予定していた工程が完了。

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山車はゆっくりと山車蔵へ納められて行きます。

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ようやく一日の作業が終わり安堵の表情が浮かびます。

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怪我もなく無事に終わったこと、そして、川越まつりに向けての言葉を会長より頂き、本日は解散です。

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いよいよ、10月17日(土)、18日(日)は、「川越まつり」

毎年、変化を遂げる「新富町一丁目」の山車をぜひ見に来て下さい。

WRITER NORI


INFORMATION

川越まつり

【日付】平成27年10月17日(土)、18日(日)

【時間】10:00〜22:00(交通規制)

【場所】川越市中心街 → 交通規制図参照

【HP】http://www.kawagoematsuri.jp/

新富町一丁目山車蔵(小江戸蔵里)では、山車を外から見ることが出来ます。

川越市新富町1-10-1

 

(お断り)記事中の山車の各部名称は下記のHPを参考にしていますが、誤った名称や記述についての全ての責任はカワゴエ・マス・メディアにあります。ただし、閲覧者が本記事の利用または引用によって問題や不利益等が生じたとしても、その責任については一切負いませんので予めご了承下さい。