ひだまりのように人が集いつながる場所に〜泊まれるリラクゼーションサロン『ゆきき』

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取材・記事 白井紀行

 

令和2年6月20日(土)「泊まれるリラクゼーションサロン『ゆきき』」がオープンしました。

蔵造りの街並みがある一番街を抜け、札の辻を東に折れた市役所通りの並びです。

 

「ゆきき」の開店を心待ちにしてきた皆さんからのたくさんの祝い花が飾られていました。

 

カワゴエ・マス・メディアからも観葉植物(バキラ)を贈らさせていただきました。

 

2Fの店内を内覧しました

オープニングセレモニーまで、少し時間があるので、先に2Fの店内を内覧します。

ちなみに1Fは別のテナントが入るのだそうです。

 

正面右手にある白い壁に挟まれた階段を登る。

 

踊り場で振り返って見ると、何やら謎の扉が!?

 

この扉は以前1Fがスナックだった頃に取り付けられていたもの。

ドーム型の屋根と長いカウンターが特徴でしたが、耐震補強工事で止む無く撤去することに。

 

そこで、アーティストの福島英人さん(右)が昨年12月30〜31日にライブペンティングを実施。

1Fの記憶をこの建物の象徴だったアール扉に残しました。

写真(左)は、代表の岸善昭(きしよしあき)さん

 

1Fのスナックの面影を残す「ラウンジ」

階段を上がったところはお客様を出迎えるラウンジ。

白を基調に壁に埋め込まれたダークブラウンの棚が落ち着いた印象を与えます。

 

そして、こちらのベンチ、見覚えありませんか?

なんと、1Fにあった銅板のカウンターをカットして利用しているのだそうです。

 

タイル状の板を並べて作り上げた天板も、1Fの壁に貼られていたのを剥がして磨き上げたもの。

 

トイレの照明もスナックの名残。貝殻風のデザインが素敵ですね。

 

1日1組限定のプライベートルーム「宿」

ラウンジから奥へ向かった先にあるのが宿泊スペース。

途中にはキッチンカウンターが設置され宿泊者は自由に使うことができます。

 

棚にサービスとして置かれてドリップバックは近くにあるお店からの選りすぐり。

目覚めてすぐに川越の珈琲店巡りが楽しむことができます。

 

冷蔵庫や電子レンジも完備。気のおけない友達とのお喋りのお供作りに。

 

部屋はスクエアな畳敷き。い草の香りが鼻をくすぐります。

天井を剥がして出てきたドーム型の屋根と梁はそのまま見せて、天井をより高く感じる効果も。

白い壁や天井は全て自分たちで塗り上げたのだそうです。

 

部屋の片隅にちょこんと置かれた昭和レトロなちゃぶ台と収納棚がホッとした空間を演出。

 

振り返ってみたところ。左手の扉は押入れになっていて布団が収められています。。

中は贅沢な鳥取産の杉の内張で、ふとんの湿気を吸い取り、杉のいい香りを与えます。

 

さらにその奥は「パウダールーム」

その奥は白くて丸い洗面台があるパウダールーム。海外メーカのおしゃれな壁紙が目を引きます。

 

さらにその先はシャワールームとなっています。

 

アメニティグッズも取り揃えられていて快適に過ごせそうですね。

 

その人に寄り添って施術を提案する「リラクゼーションルーム」

道路側に面した部屋は、岸さんが施術するリラクゼーションルーム。

 

施術の前にカウンセリングを行い、その方の悩みに合わせてコースを決めていきます。

話しや体を触った情報だけでなく、立っている仕草やカバンの色なども観察。

岸さんが気づいたことも盛り込んだオーダーメードの施術が「ゆきき」の特徴です。

施術を受けた方からは楽になっただけでなく楽しかったという意見もいただいているそうです。

 

オープニングセレモニーが始まりました

開始時間になりセレモニーに招待された関係者が着席。

新型コロナ禍のため密にならないようにするなど配慮がされています。

 

代表の岸善昭(きしよしあき)さん。事業内容の説明に入る前に2人の方が紹介されました。

 

一人目は銀座よしえクリニック都立大院院長の青木晃先生。

岸さんとは15年来のお付き合いがあり、セラピストとして師匠と仰ぐ方

この方との出会いが「睡眠」という「ゆきき」のコンセプトに繋がったのだそうです。

 

岸さんのもう一人の師匠が市野さおり先生(写真左)。

足の甲や指先からストーリーを読み、その人の思いを引き出すトウリーディングを学びました。

 

ゆききのコンセプトは泊まれるサロン

お二方の紹介が終わって、次は、本人の自己紹介。

臨床検査技師とは、医療機関でレントゲン以外の検査を行う仕事。

我々も病気や健康診断の時には尿や血液の検査でお世話になるし、昨今だとPCR検査もその一つ。

臨床検査技師では本人に直接情報を伝えられないので、セラピストを目指したのだそう。

 

「ゆきき」のコンセプトである「サロン」と「宿」との組み合わせ

これは、施術中に寝てしまう人もいて、そのまま泊まってもらえればとの思いから生まれました。

 

一日のうち3〜4分の1を占める睡眠。その質は生活習慣が大きく関わってきます。

睡眠コンサルでは、宿に泊まってもらい、朝起きた時や寝ている状態の脳波などを計測。

深い眠りが分かるので、それを良い方向に持って行けるよう改善に繋げていきます。

その人に合わせて1週間に1回、あるいは、3日連続、1ヶ月の間で何回か来てもらう。

施術だけでなく、運動も兼ねて観光地である川越を散策してもらえればと提案しています。

 

事業の説明の途中で、開店を祝ってCOEDOビールで乾杯も行われました。

音頭を取るのは川越市三久保町にあるゲストハウス「ちゃぶだい」の田中明裕さん。

ゆききの宿の運営管理は「ちゃぶだい」に依頼しています。

「ゆきき」の物語は街の記録に

続いて、映画監督の一ノ瀬晃さんが制作した「ゆきき」のドキュメンタリー映像が流されました。

一ノ瀬監督はプロジェクトを始めた頃から岸さんを追いかけていて、今も継続中です。

また、その間に、元町一丁目を舞台にした短編映画「おわりはじまり」を制作。

これは、第3回キテミルかわごえショートフィルム大賞で大賞を受賞しました。

リノベーション前の建物の様子なども収められているので、ぜひご覧ください。→ クリック

 

岸さんを追いかける「川越TEBENTO映画プロジェクト」。

自由な映像創作の機会のもとで作りたいという言葉屋と映像屋と演技屋による手弁当企画です。

詳しくはこちら → http://totlot.jp/city-people/271

 

岸さんが埼玉県霞ヶ関で営業していたTotal Body Therapy KiKi。

「ゆきき」を始めるにあたって4月に閉店後、元町の百丈という蕎麦屋で働き始めます。

 

この建物との出会いとなったきっかけは、川越市が主催した「第2回まちづくりキャンプ」。

遊休物件をリノベーションし新たな価値を生み出す事業をプランニングし実践する取り組み。

このときは、「KawagoeまちやどYU」としてスタートする予定でした。

2Fは住居として使われており、1Fがテイラーサイトウだった頃の燕尾服が残されていました。

 

ところが、実際に調べてみると壁はない、基礎も浮いているなど問題が発覚。

これらを改修すれば、事業収支的に厳しいため「KawagoeまちやどYU」は諦めることに。

しかし、百丈で1年間アルバイトするなど街に溶け込む岸さんの姿を見てきたオーナーが申し出。

オーナーさんが修繕費を負担し、岸さんに一棟を貸し出すことで再び動き始めました。

 

リノベーション中の2Fの様子。

ここがラウンジ、ここが宿、ここをリラクゼーションルームにする。

「ぐっすりと眠ってもらう」という店のコンセプトが徐々に形になる過程が示されます。

 

リノベーションを手がける「80%」や、元町1丁目の人たちなど様々な協力で進む工事。

資金調達のためにクラウドファンディングにも挑戦して、目標金額を達成。

このまま、オープンへと順調に向かうと思った矢先に新型コロナウィルスの世界的蔓延。

 

岸さんはこのコロナ禍をスタートする前のいいハードルだったと受け止めています。

この2年間余りの間、起きた数々のハプニングを乗り越えてきたからこその言葉でしょう。

「ゆきき」の物語は、これからもまだまだ続きます。

 

いろんな人が繋がってゆききする場所に

映像とともにこれまでを振り返った岸さん。最後にこれからの抱負を語りました。

とても幸せな日になりました。皆さんがいて私がいます。

これから恩返しではないですけど自分の人生、命をかけてここでやっていくつもりです。

困ったことや助けてほしいこと嬉しいことがあれば全て私に話してください。

私一人ではできないですけど、私には、すごく素敵なたくさんの仲間がいます。

自分に出来ないところや弱い所は、仲間に頼りながら、みんなのいい所をつなぐ場所にしていきたい。

いろんな人が「ゆきき」する場所の拠点となっていくよう全力でやってきます。

と結びました。

いつも太陽のような笑顔の岸さん。

まるで春の穏やかな陽だまりのように自然と人を惹きつけます。

記者も以前、イベントで行われたセラピー体験で癒されました。

病気でなくとも、どこか体に悩みがあるなら、ぜひ、相談に行って見てください♪


Information

泊まれるリラクゼーションサロン ゆきき

【住所】川越市元町1-8-8

【電話】049-211-5654

【Mail】info8@yu-kiki.com

【営業】サロン11:00 – 19:00(施術開始11:15 最終受付19:00)19:00以降は予約のみ

【定休】なし

【HP】https://yu-kiki.com/

【FB】https://www.facebook.com/yukikicom/

【IG】https://www.instagram.com/yukikicom/

【TW】https://twitter.com/_yukikicom

【YT】https://www.youtube.com/channel/UC9WAZV0TLaZ-iiAgRHHTxGg

【参考】https://motion-gallery.net/projects/yukiki

    クラウドファンディングの記事を読むとより詳しく経緯が分かります。

 

Reference

カワゴエ・マス・メディアが運営している「ラジオぽてと」にも出演いただいています。

その時の動画を見ていただくとより詳しく分かります。

 

 

カワゴエ・マス・メディアと連携している川越.TVさんの動画も合わせてご覧ください♪