100円玉で引き出せ商店街のポテンシャル!〜かすみがせき100円商店街〜

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取材・記事 白井紀行

 

東武東上線霞ヶ関南口から徒歩5分ほどにある「かすみ北通り」。

この生活道路沿いには「かすみ商店街」と「角栄商店街」が軒を連ねる目抜き通り。

昔懐かしい昭和レトロな光景が今も残ります。

 

ノスタルージーな雰囲気に浸れる街。

といえば聞こえは良いですが、現実的にはシャッターを下ろした店も目につく。

観光地でなく街全体も高齢化が進むのは否めない。

だけど、この街にはまだまだポテンシャルを秘めているはず。

商店街の賑わいある姿を見せれば、人は集まりこの街も変わっていくのでは。

その思いから約1年がかりで企画・構想をまとめた「100円商店街」

 

目玉となる100円の商品を置くことで、足を止めてお店の中に入ってもらう。

通り過ぎるだけだったお店に興味を持ってもらい、店主と会話を交わす。

「街バル」「街ゼミ」とともに商店街活性化の3種の神器として注目されています。

 

3人の呼びかけに集まった地域住民、商店街の店主、霞ヶ関を愛する人たち。

街ゼミやFacebook(かすみがせきを元気にする会) を介したゆるやかな繋がり。

第1回は36店舗(地元商店21店+外部出展15店)が参加しました。

 

いつもなら準備の様子からお伝えするのですが、何せ店舗が多い!

というわけで、ここはダイジェストで♪

 

10時になり「ミスター霞ヶ関」のスマイリーのぶさんが開始を告げます。

 

前編

かすみがせき100円商店街はチラシの裏表に参加店舗と概要を記載。

これに沿って、本部を設置したTAIRAYAにある①から順番に時計回りで巡りましょう。

前編は真ん中の銀行を境に角栄商店街とかすみ商店街に分かれたエリア。

100円のコインで記してあるところは実店舗になります。

注)なお、取材では5〜6往復しているので写真は時系列ではありません。

▼こちらからPDFがダウンロードできます。

http://www.toyo.ac.jp/uploaded/life/361557_519080_misc.pdf

 

①(チラシでは②)まほろば

100円で10分ほどのヘッドマッサージを提供するのは坂戸のまほろば。

頭蓋骨のつなぎ目が歪んでいるのを治すことでリラックス効果と体調を整えます。

常に人気で記者も取材の合間を縫ってマッサージしていただきました♪

 

②(チラシでは①)らしく rashiku

霞ヶ関を拠点に市内を中心に家の片付けのコーディネートをされている「らしく」

商店街にある桜英数個別塾で、9月から片づけの講座もされているそう。

 

この日は100円で日用品などが当たるハロウインお楽しみくじ引き。

一等は骨董の時計だったのですがなぜか最後まで当たらず。

「きっとまだ離れたくないんだな」と大事そうに持ち帰っていました。

 

③Peaceful Heart

冠婚葬祭をサポートする「くらしの友 埼玉営業所」

籠とテーブルに一杯あったシルクフラワーのミニブーケは人気ですぐに完売。

 

④地域支援包括支援センター「みなみかぜ」

商店街を抜けてもう少し先(川越市吉田)ある「みなみかぜ」

高齢者介護の相談会。

以前、カワゴエ・マス・メディアでも取材させていただきました。

▶︎ https://koedo.info/161207minamikze/

 

介護の森

ケアプランの作成やサービス事業者の紹介など居宅介護支援を行う介護の森。

こちらでは紙おむつやパットの販売。

 

そして、隣では抹茶体験を100円で提供。素敵な着物姿でおもてなし。

商店街を何往復もした後にこちらで一息。美味しい抹茶が喉を潤しました。

 

柏屋・和菓子

100円の特製大福を店頭に並べていたのは和菓子の柏屋。

当初100個用意して、さらに追加、250個がこの日売れたのだそうです。

 

⑤彩わらじ

自分にあった着物の着こなしを提案する着付け教室「彩わらじ」

アイルランドの楽器演奏やカラフルな水引で作った着物に似合う小物販売。

 

オーナーのMihoさんは、Jotty’sという女性ユニットとしても活動。

100円ジュークボックスと称して、尾崎豊などの昭和歌謡を歌っていました。

手作り雑貨 Olive

東京国際大学正門の並びに店を構えるのが「手作り雑貨 Olive」

この日は100円で、手作り雑貨やはぎれセットを販売し、売り切りました。

 

中にはずらりとハンドメイドの雑貨がディスプレイされた空間。

色々な作家さんの作品を預かって販売するレンタルボックス形式。

オープンして2年とのことですが、これまで立ち寄る機会がありませんでした。

「100円商店街」というイベントが入店する敷居を低くしてくれます。

 

ベッカライ0044

川越パンマルシェでもお馴染みのベッカライ0044。

人気No.1の「くるみ&レーズンパン」を100円で販売するや直ぐに売り切れ。

そんなに人気ならといつでも買いに行けるのが地元の強みですね。

 

からあげ専門店ももから

100円で「おからいりふんわりチキンボール」を出していたのが「ももから」

店主にお話を伺うと「いつもよりお客さんが沢山買いに来てくれた」とホクホク顔。

チキンボールは売り切れで、唐揚げを買って食べましたがとてもジューシー。

 

ASOKA  Intel&インドアジアンレストラン

東京国際大学があるせいか、霞ヶ関駅周辺は国際色豊かなお店が多い。

インド・ネパール料理、ベトナム料理、韓国料理、中国食材が点在しています。

その中でもASOKAは駅前の霞ヶ関ビルにも店を構える一大勢力。

 

パワーストーン、天然石、ジュエリー・ビーズなどの宝飾品。

ヒマラヤ岩塩、香辛料(スパイス)の販売やレストランの経営などを手がけます。

 

100円商品は、テーブルソルト、スカーフ各種、シシカバブー、ナンなど。

インドビールは500円を100円という大盤振る舞い。珍しさもあって売れていました。

気を良くしたのかインドのお菓子もずらり。

異国料理大好きな記者。5種類全部買って、その独特な風味を楽しみました。

 

Le Cottage(ルコタージュ)

毎月第一日曜日は「朝活」と題してのコーヒーを飲みながらのフリートーク。

「Facebookかすみがせきを元気にする会」の集いの場となっているカフェ。

 

店主が得意なケーキを今回は100円商店街のためにミニケーキでアレンジ。

ちょっと小腹が空いたところにぴったりでした。

 

⑥キムラヤ

クレアモールの丸広百貨店の傍に店を構える老舗文具店「キムラヤ」

街ゼミで霞ヶ関を担当した縁で、こういったイベントには必ず出店されます。

この日は、街ゼミでもお馴染みの文房具の辻説法とスーパーボールすくい。

 

⑦末広堂

その隣で、文具・洋服・雑貨などを販売していたのが末広堂。

思っていた以上に売れたと話していました。

お休み処を設けていたので、100円商店街の溜まり場として機能していました。

 

オーロール

「ここのパンを食べて育った」と話す地元住民も多いオーロール。

店内には菓子パンや自家製サンドイッチがずらりと並びます。

 

本日のサービス品というポップも鮮やかにサーターアンダギーなどが店頭に。

こちらも人気であっというまに売り切れてしまいました。

なにせ、初めての試み。

各店舗さんも、どれ位お客さんが来てくれるのか読みきれなかったようです。

感覚的には、想定の2〜3倍でも捌(さば)けた位の人の入りでした。

 

くすりユニオン

ドラッグストアが台頭するなか、商店街で頑張り続ける薬局屋さん。

食器洗い洗剤・キッチンタオル・ティッシュ(200組)を100円で販売。

 

わかくさ・文房具

チラシでは「当日のお楽しみ」としていた文房具のお店「わかくさ」

 

コンパス、千代紙、梱包ひも、ルーペ、お見舞い袋などを100円で販売。

名前があったらラッキーと350円の印鑑も100円で並べていました。

 

吉野屋豆腐店

水槽に真っ白な豆腐が沈む昔ながらの豆腐屋さん。

この日は、ざるどうふ(Mサイズ)を100円で。

 

シャロン

ベッカライ0044、オーロール、そしてシャロンとパン屋さんが多いこの通り。

お子さんは大好きな焼きそばパンが残っていて大喜び。

おじさんの笑顔に昔から変わらない商店街の交流の一コマ。

 

⑧かわごえ里山イニシアチブ

JAいるまの的場店前のスペース。本部のあるTAIRAYAの真向かい。

カワゴエ・マス・メディアで年間を通じて取材しているかわごえ里山イニシアチブ。

この日は、環境保全型栽培のお米や今が旬のマコモダケ、各種野菜の販売。

 

そして、昔ながらの足踏み脱穀機を使った脱穀体験。

子どもはもちろんですが、年配の方でも初めてと楽しそうに参加していました。

といったところで、チラシの片面を一通り巡りました。

続いてはチラシを裏返しての後編です。

 

後編

後編は角栄商店街の西端から、同じようにぐるりと時計回りで。

⑤から右は表面とダブるので、そちらは前編をご覧ください。

 

①ヤマダ販売所

かすみがせきを元気にする会のメンバーの似顔絵で物議を醸すヤマダリツコさん。

八咫烏や写真の端に見切れている落花生猫など張子作品を沢山。

翌日の蔵里での出店もあったのですが、なんと瓜坊が完売。

真ん中の八咫烏も目が可愛いと売れていきました。右下のコサージュが100円。

 

②Nandina工房

霞ヶ関と鶴ヶ島でグールデコ、ワイヤーアート、フラワー講座を開くNandina工房。

手作り雑貨Oliveの委託販売、桜個別英数塾でのワークショップが縁で参加。

 

キラキラアクセサリーを100円で。昼頃には完売でした。

 

③東 佑樹

ウェスタ川越のにぎわいマルシェやLe Cottageをはじめ市内各所の絵の展示など。

的場在住で、こういったイベントにも積極的に参加している芸術家の東さん。

 

宝物探し!ちょっとのぞいて見てください。

と題して、古いレコードやカバン、人形などの骨董市を行なっていました。

 

④APKA

Activation Plan of  KASUMIGASEKI by Artist「芸術家たちによる霞ヶ関活性化計画」

Le Cottageでこの100円商店街のプロジェクトに賛同して結成。

ポストカードなど彼らの作品の展示・販売のほか、

 

ハロウィンにちなんだ絵をモチーフにしたボディペイントを行なっていました。

 

堀内商店

金物、家庭雑貨、日用品を取り扱う堀内商店。

 

朝は台所用スポンジのつかみ取りを100円。

それが終わったら様々な日用雑貨を100円で並べていました。

 

桜英数個別塾

学習塾を経営し、この100円商店街の実行委員会の一人でもある榎並さん。

仕事を生かしたイベント「謎解きまち歩き『河童の隠れんぼ』」を企画。

 

ガチで難しく、某大学教授が謎解きに頭を悩ませていました。

 

パソコンマックス

記者の仕事にも関係しているので興味のあったパソコンマックス。

コンピュータの故障や使い方に困った時に相談に乗っていただけるそうです。

外から見るとパソコンがいっぱい置いてあるからなんのお店が分からない。

まずは、覗いてもらって知ってもらえたらと100円商店街に参加したそうです。

 

きものや嵯が野

この写真を撮る直前までワッと人が沢山群がっていました。

100円で和小物や手ぬぐい、ハンカチなどを販売。

 

角栄青果

昔ながらの八百屋さん。きゅうり・さつま芋他色々な野菜と果物を100円で。

 

こんなりっぱなリンゴや柿が100円と主婦には嬉しい価格でした。

 

カドヤ青果店

少し離れてもう一軒の八百屋さん。

角栄商店街には八百屋さんが4軒あることに改めて気づかされました。

こういう発見をするのも100円商店街の楽しさですね。

 

牛蒡、人参、玉ねぎ、ジャガイモを100円で。

今晩のメニューが即決まりそうなラインナップです(笑)

 

⑩Miso Denn

朝から張り切ってこんにゃくを茹でていた二人。

 

甘い味噌がたっぷりついた味噌田楽。こちらも小腹を満たすのにぴったり。

100本のつもりが200本分をオーダ。それでも終わる頃にはほぼ完売でした。

 

大橋自然食

店内や店頭に体に良い野菜や加工食品が数多く並ぶ「大橋自然食」。

 

この日はパンプキンの種を煎って竹炭で包んだ「パンプキンシード」を100円で。

サクサクと香ばしくおやつやおつまみにぴったりの味でした。

 

 

⑪ 東洋大学(総合情報学部・小瀬ゼミ)

2012年より霞ヶ関北地区の地域活性化プロジェクトに取り組んでいる東洋大学。

100円商店街では、手作りのミサンガや一発芸など学生の特技を生かして参加。

▶︎http://www.toyo.ac.jp/site/isa/361557.html

 

研究の一環として、店舗出展者、外部出展者、来場者にアンケート。

少し内容を伺いましたが、概ねみなさん好評だったようです。

私見ですが、傍目から見ていても、成功を肌で感じていました。

 

かっぱカフェ(かほくお手伝いサービス)

地域に住む高齢者のお手伝いとコミュニティスペースを提供するかっぱカフェ。

手作り雑貨や古本を販売。

店内ではコーヒーを飲みながらホッと一息と憩いの場所となっていました。

 

⑫交流ぷらすかい

100円商店街の西端で昭和レトロライブを行なっていた交流ぷらすかい。

ユーミンやイルカなど懐かしい歌をリクエストに答えて歌います。

 

歌声に自然に足を止めて聞き入る。なんともゆるやかな時間が流れてきました。

近くで出店していた人も曲に耳を傾けて楽しんだようです。

 

川越で初めて開催された100円商店街。

中心街で開催される何千人が押し寄せるイベントとは、また違った趣がありました。

「いつもより明らかに活気を感じた」

「初めてお店に来てくれた人がいて、色々と話した」

など、店舗出展者からもとても好評だったようです。

なんども来ていたのに見過ごしていたお店、なかなか立ち寄らなかったお店。

そこに100円の商品があることで中に入って、店主と言葉を交わせる。

一度入ってしまえば、また来てみようという気持ちになり足を運ぶようになる。

人が来て賑わえば街は元気になりどんどんと活性化していく。

そんな街のポテンシャルを引き出していく大きな一歩を感じた1日でした。

 

おまけ

Le Cottageで素敵な動画を作られていたいのでシェアします♪

カワゴエ・マス・メディアも写真撮影で協力させていただきました!

 


INFORMATION

かすみがせき100円商店街

【開催】平成30年10月27日(土)10:00〜15:00

【場所】かすみ商店街〜角栄商店街

【主催】かすみがせき昭和レトロすとりーと実行委員会

川越市霞ヶ関北2-2-1