障害者の自立と地域交流の拠点を目指して〜多機能型事業所「まごころファーム川越」〜

「まごころファーム川越」は、障害者の「自立」を支援することを目指す企業。

  • 自分で働いて稼げるようになる「経済的な自立」
  • 親元を離れてグループホームで暮らす「家族からの自立」
  • 親御さんがいなくなっても将来問題なく生活ができる「社会的な自立」

障害者がこの3つの自立を実現できるようスタッフがサポートする施設です。

 

11月1日にオープンするとのことで専務理事の倉本智史様にお話を伺いました。

京都弁で柔らかで優しい口調の倉本さん。

発達障害の息子さんを小さい頃から見ていて、手先は器用だし、普通の作業はできる。

ほんのちょっとの支援をしてあげれば障害者も自立することができる。

その思いから川越市と連携して事業に取り組んでいます。

 

先日、障害者雇用の水増しが問題になりましたが、彼らをどういう風にサポートして良いか分からないのも企業の採用が進まない理由の一つ。

「まごころファーム川越」では、聖学院大学の福祉学部との連携して指導をいただいたり、ピアサポートといって、障害者がつまずいたときにどうリカバリー(解決)していくかを、同じように障害をお持ちで、今は、社会に適用されている方々とミーティングするなどして、いろんなことを学んでいきながら一般就労へとつながればと考えているそうです。

 

収益の柱はシイタケの菌床栽培

「まごころファーム川越」の収益の柱はシイタケの菌床栽培。

生協(CO・OP)で全量を買い取って販売することで生産と収益を確保。

障害者にできる作業をピックアップして働いてもらい報酬を支払う事業計画です。

菌床製造用の100坪の作業場には、これから設備を搬入設置していきます。

 

年内には菌床ができ、年明けくらいからシイタケを育てる予定です。

作業所は菌床の製造まででシイタケは外の菌培養用ビニルハウスで育てます。

 

倉本さんに作業所に貼ってあるパネルで製造工程を説明していただきました。

 

菌床の製造工程

木のクズと栄養剤と水と混ぜて菌床を作ります。

 

それを撹拌して袋へ詰め込みます。

 

高音高圧釜に入れて殺菌します。

 

クリーンルームで無菌状態となった菌床に種菌を植えます。

 

ここからはビニルハウスで、湿度・温度を一定にして菌を培養します。

 

菌が全体に回ると菌床が白くなり、発生できる準備ができると黒くなる。

菌床ができるまで100日ほどかかるそうです。

 

ここで袋を取り除くとそれが刺激となりシイタケが発生。

収穫した後、菌床を水につけるとまた生えてきて3回くらいは収穫できるとか。

 

事業所内の様子

事業所の中も案内していただきました。

右が事務所で、正面のガラスのドアが就労者の入り口となります。

 

こちらはシャワールーム。

 

就労者が着替えるロッカールーム。まごころファーム川越には、最低賃金が保障されるA型が20名、A型として働けるようノウハウを身につけてもらうB型が10名、働くためにトレーニングやサポートが必要な生活介護者が10名が通う予定です。

現在、施設を利用したい障害者の方(親御さん)の相談や見学を受付けています。

 

事務所と菌床栽培作業所の間にある作業場。

 

ここでは、食品や介護現場の消毒に使う次亜塩素酸製造装置の組み立てを行います。

 

障害者とともに集う地域のコミュニティの場として

「まごころファーム川越」には、障害者ともに地域との交流ができるコミュニティの場としてカフェ・スペースが設けられています。

障害者の方が配膳を行う、絵画・音楽・陶芸といったワークショップを障害者の方と一緒に学ぶ、マルシェなど地域のイベントスペースとして利用してもらうなど、ボランティア、地元、一般といった色んな方に来てもらい、障害者と接する中で彼らの理解を深めることを目指します。

 

厨房も整備されており、コーヒーや料理の提供が可能。

喫茶店を経営したいけどなかなか実現できない人に来て頂ければとのこと。

発達障害や自閉症の人は、労働力はあって普通の作業はできる。

だけど、コミュニケーションがうまく取れないので就職しても弾かれてしまう。

そうすると生活できないので、社会保障に頼らざるを得ない。

ほんの少し支援することで保障される側から、自立できる側になってもらう。

そのために、障害者、家族、行政、スタッフとが共に悩み、学び、チャレンジする場。

障害者と地元の人が集い、ふれあい、理解を深める場。

そして、新たな地域交流を生み出す場となる「まごころファーム川越」。

 

新河岸川の桜堤、対岸の上福岡河岸記念館、少し歩けば蓮光寺と散策にも最適です。

11月1日にオープンしたら、コーヒーを飲むだけでも来てみて下さい。

 

スタッフ&ボランティアを募集中

「まごころファーム川越」では、11月1日のオープンに向けて施設を利用したい障害者の相談や見学および、スタッフやボランティアを募集しているそうです。ご興味のある方、詳細は電話、メール、または来所してお尋ねください。

  • 厨房スタッフ
    カフェスペースにコーヒーや料理を提供していただける方
  • 障害者支援スタッフ
    障害者施設で働きたい方、働いていた経験者のある方
  • 事務員
    明るくて優しい方。
  • ボランティア
    生活介護の対象者に絵画・音楽・陶芸などを週に1〜2回教えていただける方

また、イベントなどカフェスペースの活用についても連絡いただければとのことです。


INFORMATION

多機能型事業所 まごころファーム川越

【住所】川越市古市場366-1

【電話】049-265-7906

【HP】https://magokorofarm-kawagoe.jimdofree.com/