第15回かわごえ環境フォーラム午後の部「川越市環境行動計画策定記念講演会」

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午後は「川越市環境行動計画策定記念」の講演会です。

当日会場で配布された資料です

川越市は「第三次川越環境基本計画」は平成28年3月に改訂版を策定。

これと連動するのがかわごえ環境ネットが2月に策定した「川越市環境行動計画」。

「この2つを車の両輪に、川越の望ましい環境像の実現をみなさんとともに目指したい」

と挨拶の言葉を述べる川合市長。

この計画を環境活動を行う時の道しるべにして活用ほしい

‖ 第一部 第三次環境基本計画と環境行動計画

第三次川越環境基本計画について

川越市環境部環境政策課 箕輪課長が登壇し「第三次川越環境基本計画」を紹介

「川越市環境行動基本計画」は、環境に関する施策を総合的かつ計画的に推進されることを目的に平成10年に第一次が策定。平成19年に第ニ次が策定され10年の計画期間の満了を受け、平成28年に「緑の基本計画」も一冊にまとめた「第三次川越環境基本計画」が策定されました。

詳しくは、

http://www.city.kawagoe.saitama.jp/shisei/seisakushisaku/hoshinkeikaku/kankyo/kankyokihonkeikaku/H28kankyomidoriplan.html

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「みんなでつくる、自然・歴史・文化の調和したひとと環境にやさしいまち」

「第一次川越環境行動基本計画」から川越市が「望ましい環境像」として掲げているテーマです。

「望ましい環境像」を実現するために5つの目標を設定。

「低炭素」「循環」「自然共生」「安全・安心」「地域づくり・人づくり」がキーワード。

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その重点施策に沿ったこれまでの取り組みの例を紹介

緑の基本計画と防災、歴史・文化に関する施策が盛り込まれているのが川越ならでは。

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「市民、事業者、民間団体との協働」。

「第三次川越環境基本計画」と「川越市環境行動計画」の2つの計画。

これを推進体制としてかわごえ環境ネットと共同し、将来の望ましい環境像を実現したい。

と結びました。

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川越市環境行動計画について

かわごえ環境ネットの小瀬理事長が登壇し、環境行動計画についての紹介です。

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「かわごえ環境ネット」は、平成12(2000年)8月設立、18年目を迎える団体。

第三次環境基本計画を推進・実現するために市民・事業者・民間団体と市を繋ぐ位置づけ。

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エコプロダクツ川越への出展、川越まつり会場のクリーン活動、自然観察会など。

市民・事業者・団体と協働して行う活動は幅広く多岐に渡っています。

「かわごえ環境フォーラム」の開催もそのひとつ

「川越市環境行動計画」は、望ましい環境蔵の実現に向けた市民・事業者・民間団体の行動計画。

川越市とかわごえ環境ネットが協働で作成したもので3部構成となっています。

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第1部「望ましい環境像が実現したときの川越のようす」

「生活」「自然」「まち」「市民活動」という4つのキーワードでイメージを描きます。

行動計画にはその具体的な行動が記載されています

第2部「環境に配慮した行動(チェックシート)」

第三次川越市環境基本計画の11の大施策に合わせて40項目を作成。

これを5点、3点、1点、0点、該当せずの4段階+1で評価する200点満点のチェックシート。

自分が環境に配慮した行動(取り組み)をしているかどうかをセルフチェックできます。

第三次川越市環境基本計画の11の大施策が色分けされています

小瀬理事長が40項目が順番に読み上げ、会場の全員でチェックしていきます。

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全てのチェックが終わったところで20点ごとに人数を集計。()が人数

0〜20(0)/〜40(0)/〜60(3)/〜80(13)/〜100(15)/〜120(11)/〜140(6)/〜160点(1)

これから様々なイベントで集計を取って傾向をつかんでいくそうです。

結果を参考により高い点数になるよう行動してほしい。

第3部 協働で取り組むプロジェクト

市民・事業者・民間団体・市が協働して取り組むべき10項目がまとめられています。

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かわごえ環境ネットが計画を推進するために行っている活動。

月刊誌の発行、チェックシートの実施、重点プロジェクトに関する事業の実施などがあります。

「望ましい環境像の実現に向け全市で取り組んでいきましょう」と呼びかけて結びました。

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‖ 基調講演「川越の魅力を知る-雑木林からの発信」

司会の飯島希(ほまれ)さんによる登壇者「原村政樹」氏の略歴紹介。

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1957年 3月生まれ。上智大学卒業後フリーの助監督としてグループ現代、ドキュメンタリージャパンなどで映像の仕事を始める。1988年桜映画社入社。以後、短編映画番組やテレビのドキュメンタリーの監督製作。2004年「海女のリャンさん」で映画館上映や自主上映の長編記録映画の製作を開始。2013年NHK新日本風土記「川越」製作。各界から高い評価を受けた作品2015年「無音の叫び声」の制作を機にフリーに。

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原村さんは40年前から川越市今福「(仮称)川越森林公園」から徒歩5分ほどの処に在住。

ここでは、平地林と農地が一体となった循環型農業が江戸時代から320年以上継承されている。

その四季の様子を記録したドキュメンタリー映画「武蔵野」を今年秋の公開を目指し製作中。

講演に先立って、これまで撮り溜めたものを7分間にまとめた告知映像が流されました。

まずは、この動画をご覧ください。

「川越森林公園で落葉掃きをしている姿を見かけて何をしているのかわからなかったが漠然と美しいところだという思いがあった。NHKで「川越」を撮影した後、一番街を始め各所を御礼に回った時に、ここで320年に渡り江戸の循環農法が知られていないということに気づいた」

それが、「武蔵野」を撮るきっかけなのだそうです。

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ここからは1時間の講演の中から記者が特に印象に残った箇所を抜き出したものです。

毎日のようにカメラを担いで森に通っていると季節と共に新緑や紅葉が変化していき、今まで見えてなかった美しさと魅力に気づかされた。この辺りは草原(馬草場)だったのを川越藩主松平信綱が開発した農業のための森という歴史がある。単に素晴らしい自然で終わらせるのでなく、300年以上地域の人が継承してきた農業文化に思いを馳せて考えていかなければ。

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苦労して落葉を集めて堆肥にしなくても近代的な農法に移行することもできる。けれども『せっかく先祖が残してくれたものだから、自分の子供や孫に渡さなければいけないものだから絶やさないようにしなければ』。農家の方はそういう思いでずっとこの農法を継承し続けているんです。

このような都市近郊でこれだけの平地の雑木林が残されているのは世界の奇跡であり、そういう素晴らしい農業文化があるのが川越の誇りである。

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平地林を「ヤマ」とよび、「ヤマ」があるから作物が作れる、水も養分も来る。「ヤマ」があるから生きていける。雑木林の土には天文学的な種類の微生物がいる。それが一生懸命働いて植物が育ち、空気ができ、動物は食料を得る。生きもの根底を支えるのは微生物。命の循環を絶えず意識して生きていかなければならない。

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農家は百年一日。さつま芋は江戸時代から全く変えない農法を守り続けている。落葉で堆肥を作るのは大変だが先祖が残してきたもの思いを受け止めながら継承していこうとしている。現在は、経済成長や大量消費など目先のことばかり注目されるが農業の基本は変わらない。

「先端のIT企業で働いていたが僅か数年で陳腐化してゴミになってしまう。しかし、ここは320年変わらない。そこに価値観が見えてくる」そういってボランティア活動に励むエンジニアがいる。

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何十代も前からの祖先から受け継いできた雑木林を守っていく農業をやりたいという人がいる。それを応援する市民が増えて行くこと必要。アメリカにはCSA(コミュニティサポーティッドアグリカルチャー)。疲弊した農村に対して援農でなく一緒に農業をやって支えていくというのが1,500箇所近くある。

学校の教育では、道徳でなく農家と一緒に土をいじって育てていく農業体験の授業すれば、それが心を豊かにし、未来を担う子どもたちの人格、よい心をもった若者を育てていくことにつながる。

「水」と「空気」と「食べ物」という我々が生きていくために不可欠なものを生産しているのは一次産業の農家である。ただ経済成長すれば良いのか、アメリカ大統領のトランプのように国益だと国益だと騒ぐ殺伐な社会でなく、みんなで幸せになれるのは農業である。

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こんな身近に有機農業など先端的なことを普通の農家の人たちが哲学者のような感性で日々作物を作っている感動。森林公園を歩くだけでなく、農家の人と話し、懐に飛び込むことで良い人間関係ができればそれだけで財産。いずれ一緒に農業をやろうということもできるだろうし、子どもに農業体験をさせることもできる。

「ヤマ」で、江戸時代から伝統的な農業を続けた人に出会って欲しいと結びました。

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‖ 対談(原村政樹氏×飯島希氏)

「食べ物は、「太陽」「風」「雨」「土」から作っていて、その成長を手助けしているのが人間で私たちはそれに生かされていると感じますがいかがでしょうか?」という飯島さんの質問で対談が始まりました。

「農家の人も作るとはいうが食べ物は作ることはできない。丈夫に美味しく育つのを手助けしているという当たり前に気づかない。自分の力で生きているのでなく生かされている。それは食べ物に限らず人間関係も同じではないか?」と原村氏。

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農業にこだわった映画を製作することで農業をすることはみんなが幸せになるためということを学んだ。これは私に取って大きな宝です。農業は労働はきついかもしれないが、自分で考え、計画して、人に命令されずに生きていけるんです。

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自分の人生を自分で作っていることに魅力を感じる。一方で我々は資本主義、それに染まっている原村監督だったからこそ、農家の方の変わらない価値に魅了されたのでは?

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高校時代の高度成長に違和感を感じたので資本主義には染まらず、その代わりに本来の人間の姿はなんなのかずっと気になっていた。撮影に走り回っている時の体の疲れと脚本や編集で頭だけを使っている時の疲れは抜けない。頭を使って稼ぐというのが偉いという風潮があるが、体を使うことの心地よさを教育でも伝えて欲しい。

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「武蔵野」を見て生きるって何だろうということをもう一回振り返って欲しいのですが、監督は「武蔵野」の撮影を通して農家の方から何を引き出し、映画を見る方に伝えていこうとしているのでしょうか?

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引き出そうとするのではなく、何回も通って時間をかけていき時間を共にすることで、あるとき、「そういえば…」と農家の方が伝えたいことが話しが自然と出てくる。ドキュメンタリーは取材対象と信頼関係ができて、その人に惚れ込まないとできない。そこから色んな話が出てくるんです。

撮影は終わってますが農家の方に改めて話を伺っているのだそう

この「武蔵野」は、製作にあたって市民プロデューサという形で支援金を募っています。

これまで多くの映画を撮影した監督にその理由を尋ねます。

撮影現場が歩いて5分の距離にある。何かあればすぐ駆けつけられるというフットワークの良さもあるので、自主映画ということもあり経験もあったのではじめは一人でやるつもりだった。それが仲間が応援してくれて呼びかけてくれた。武蔵野で江戸時代の農法が継承されていることを伝えるために市民運動のようにやっていきたい。

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飯島さんは「川越は中心街の都市物と農家と郊外が街を形作っている。都市と郊外がつながる仕組みや魅力を見出すにはどうしたらと方法はないかと」尋ねます。

川越まつりを例に取り、「周辺の農村には伝統芸能が残っており、お囃子の人たちが山車の上に乗っている。こういった面でも街と村が繋がっている。これとおなじようにこの地区の農業を永続させるには周りの市民と一緒に農業をやっていく必要がある。例えば、環境ネットで行ってみる。仕事でないから全部はできなくても出来る範囲で一歩踏み出せばと思う」と原村監督。

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「農薬を使う農家を悪く言ってほしくない。有機農業をやっているのは、0.5%に過ぎない。無農薬というのは簡単だけどやるのは大変。自分の価値だけで考えない、100の農家には100のやり方がある。本を読むだけでなく一緒に農作業をやってほしい。農家と会話して信頼関係を結ぶことでつながれば、より魅力ある川越が生まれるのでは?」そう訴えて対談は終了しました。

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より詳しく知りたい人はということで紹介された本。

内山 節著「森にかよう道―知床から屋久島まで (新潮選書)」

犬井正著 「里山と人の履歴(新思索社)」

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環境は我々が生きていく中で様々な形で関わってくるとても身近な問題。

何も大上段に構えなくとも、ポイ捨てをしない。レジ袋をもらわない。水を大切にする。

だれでもできる小さな第一歩から環境に取り組んでみてはいかがでしょうか?

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取材・記事 白井紀行


INFORMATION

第15回かわごえ環境フォーラム「川越市環境行動計画策定記念講演会」

【日時】平成29年2月25日(土)13:30〜16:30

【場所】ウェスタ川越(1F多目的ホールC・D)

【HP】http://kawagoekankyo.net/news/003035.html

INFORMATION

ドキュメンタリー映画「武蔵野」製作委員会

平成29年10月の公開に向けて、市民プロデューサ募集中!

【HP】http://www.cinema-musashino.com/index.html

【FB】https://www.facebook.com/musashinoagriative/

【TW】https://twitter.com/musasinonomori  @musasinonomori

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