あなたの音楽力を次世代に「川越市人材発掘 公開オーディション(後半)」

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前半の熱い戦いの模様を読んで、後半を待ちわびた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

前半戦の記事を読み過ごしてしまった方に、少しご説明を。

1月15日、川越西文化会館(メルト)ホールで、「川越市人材発掘 公開オーディション」が行われました。これは、小学生を対象に音楽を楽しむ環境を作り出す為に、市内小学校へアウトリーチ(体験付きコンサート)をする、川越ゆかりのアーティストを発掘することを目的としたオーディションとなります。

https://www.city.kawagoe.saitama.jp/event/main/rekishi/bunkakikin.html

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オーディションは、第1次・第2次の審査を勝ち抜いたアーティスト11組で行われました。

前半戦では6組のアーティストのパフォーマンスをお伝えしました。

 

では、後半戦の模様をどうぞ!

 

 

Rythmission(リズミッション)

ラッキーナンバーの7番目に登場したのは、リズミッション

シロフォン・グロッケン・マリンバ・ビブラフォン・ドラム等々各グループの中で最多の楽器編成だったのではないでしょうか。

このずらりと並んだ楽器達

これだけある楽器を使い、運動会に使われる曲としても有名な『剣の舞』で、1曲目から観客の心をわしづかみにしました。

横に並んだシロフォン・グロッケン・マリンバを、1つの連なる鍵盤のように演奏していきます。

また、これだけある楽器を、それぞれ『ミッキーマウスマーチ』『となりのトトロ』『もののけ姫』など、その楽器の音色にとても合い、かつ誰にでも馴染みが深い曲にのせて紹介をしていきます。

きっと会場の皆さんは、シロフォン・グロッケン・マリンバの音の違いを、このパフォーマンスにより学ぶことができたのではないでしょうか。

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次に、観客参加型のボディパーカッションで会場が一体となり、

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会場が盛り上がった後は、最後にIt’s a small worldという曲でこれでもかという楽器の種類の演奏を披露してくれました。

テーブルの上の楽器の数が分かりますでしょうか。

どうやって使うのかな?

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司会進行についても、審査員の先生方からも「ナイスMC!」とお褒めの言葉がある、見事な流れでした。全員がニコニコと楽しそうに演奏し、音楽の楽しさが会場全体に伝わる内容でした。

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ちんどんバンド☆ざくろ

8番目は、その名の通りちんどんとクラリネット・アコーディオン・スーザフォンで構成されたちんどんバンド☆ざくろです。

色も鮮やかに着物で登場です

楽器の紹介の間も、『東京ブギウギ』の懐かしいメロディが流れ続け、舞台に表れてから最後まで観客の手拍子がずっと続いていました。

 ちなみに、ちんどん屋さんにかかせないこの写真にある「ちんどん太鼓」は、いったい幾つの楽器で構成されているか分かりますか?

正解は、『9こ』です!!

ちんどん・ゴロス・シンバル・平太鼓・締太鼓・クラクション・チャンチキ・ウッドブロック・グロッケン・カスタネットです。

 

このアコーディオンも、右手に52鍵、左手は120個のボタンがついており、なんと重さは11kgだそうです!

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重さを感じさせず、最後は『チキ・チキ・バン・バン』を楽器の音色に歌を乗せ、会場に響かせてくれました。

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最後まで観客からの手拍子が続いたちんどんバンド☆ざくろでしたが、審査員からは「どんな曲も全てちんどん風になってしまう」という辛口コメントも。

しかし、クラシックの曲も持ち曲であるそうです。今回は聞けませんでしたが、いつか聞いてみたいですね。

 

Dolce vita(ドルチェ ヴィータ

9番目に登場したのは、ドルチェ ヴィータです。

ヴァイオリンとギターの2人組の構成です。

 川越のシンボルである時の鐘から連想した『カンタービレ』、菓子屋横丁を思わせる『金平糖の精の踊り』など、川越に結びつけた楽曲を披露してくれました。

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また、『早春賦』、『夏の思い出の』『小さい秋見つけた』『雪やこんこ』『さくらさくら』など、学校の授業で習う童謡を次々とメドレーで繰り出していきました。

次々と、

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淡々に次々と、

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ひたすらに淡々と次々と、

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演奏を披露していました。

 客席にいながら、一年の四季を感じることが出来ました。

 審査員からは「シュール」と評されたパフォーマンス。

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ロマンティックなディナーの場でも聞きたい演奏でした。

 

小江戸ブラスファイブ

10番目は、トランペット・ホルン・トロンボーン・テューバと各グループの中で最多の金管楽器構成となる小江戸ブラスファイブです。

川越市民にとっては、名前だけで親しみがわきますね。

ジブリの名曲に乗せてそれぞれの楽器の特徴を紹介していきます。

更に、こんな分かりやすい道具を用いて、楽器による管の長さや太さでの音の違いを解説してくれました。

 トランペットの管は、伸ばすとこれくらいの長さになります。

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コンパクトにまとまっているようで、意外に長いホルン

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実は、長そうに見えるトロンボーンは、ホルンよりも管が短いのです。

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そして、最長のテューバの管の長さは、舞台の端から端まで!吹くのも大変です。

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 衣装もカラフルな5色で構成されています。

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グループ名だけでなく、曲や楽器の紹介も親しみやすい表現だった小江戸ブラスファイブでした。

 

K-sliding(ケースライディング)

このオーディションのトリを飾ったのは、トロンボーンで構成されたグループ、ケースライディングです。

 トロンボーンは、他の楽器と違って楽器についているスライドを調整し、音階を奏でます。

 その、スライドさせる、という原理を使ったスライドという楽器を、会場にいる子供達も体験することが出来ました。

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会場にスライドの何とも言えない音色が響き渡ります。映像でお伝えできなく残念です。

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会場はスライドの愉快な音であふれていましたが、次の演奏では、このトロンボーンの美しいハーモニーがよく分かる『神よ、なんと彼女を 美しく見せ給うことか』を披露。

題名の通り、トロンボーンの美しい音色が会場を包みます。

最後は、オリジナル編曲である荘厳な『聖者の行進』でオーディションの最後を締めてくれました。

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『聖者の行進』は明るい曲のように思っていましたが、実はもともとはお葬式の時の曲だったそうです。これがあの『聖者の行進』!?と思うような、新たな『聖者の行進』を聞いた素晴らしい編曲でした。

 

‖ 果たしてオーディションの結果は?

今回のオーディションの結果は川越市のホームページなどに公表される予定です。

川越に、こんなにも素敵なアーティストがいることに嬉しさを感じました。実際にアウトリーチを行うのは、まだ先になりますが、今回、アーティスト達の工夫を凝らしたパフォーマンスに触れ、「あの楽器を演奏してみたいな」「この曲素敵だな」と思った子供達もきっといたことでしょう。

そして、この記事で気になった曲名なども、是非検索して聞いてみてください。

このオーディションに合格したグループは、来年度から各学校を訪問します。

 

お知らせ

また、昨年度合格した「SPICY4(スパイシーフォー)」も平成29年2月11日(土)に、今回オーディションが行われた川越西文化会館(メルト)でスペシャルライブを行います。

取材・記事 kawa


INFORMATION

川越市人材発掘公開オーディション

【日時】平成29年1月15日(日)10:00〜15:30

【場所】川越西文化会館(メルト)ホール(川越市鯨井1556-1)

【主催】川越市(文化芸術振興課)

【HP】https://www.city.kawagoe.saitama.jp/event/main/rekishi/bunkakikin.html

川越市人材発掘公開オーディション