米作りはみんなで力を合わせて行う地道な仕事の積み重ねなんです
今から約2ヶ月前の6月18日(土)、水不足が問題となり始めた頃。
福田地区の田んぼは入間川から水を引いていているので影響は直接的。
‖ 地域の方と協力して溝さらい
川から田んぼを結ぶ用水路に水草が大量に発生し水の流れを阻害。
有機稲作に取り組むかわごえ里山イニシアチブも協力し地区の溝さらいを行いました。
こんな感じで用水路の底には水草がびっしり。
それをこんな風に引き上げたり、ゴミや泥の除去を行います。
田んぼはこういった地域の協力が無くしては成り立たない事業です。
入間川から水が来ているので溝さらいをすると色々な生き物が見つかります。
これは「ヤゴ」ですね。
泥まみれですが、おそらく「モロコ」
稲の根を食い荒らしたり、畦を壊したりと田んぼでは嫌われているザリガニ。
生物多様性の面でも生息は好ましくなく駆除の対象です。
これは「フナ」。生き物が幾らでも見つかるところに環境の豊かさを感じます。
子ども達にも自然を学ぶ良い機会になりますね。
巷ではポケモンGOが話題ですが、こうしたリアルな生き物に触れて欲しいものです。
水草を除去しつつ、生き物観察。
やはり、ザリガニの多さが目につきます。
溝さらいのために水を抜いているので、大きな魚が苦しそう。
捕まえてもう少し水の多いところで離しました。
引き上げた水草の中にも沢山の生物がいたので、目につく限りは用水路に戻しました。
生き物たちとの共生といっても、実際にはなかなか難しい。
溝さらいの方も順調に進んでいます。
シジミもいるんだよと見せてくれました。
2時間ほどで今日の予定していた作業は終了です。
堰が開けられ、みるみる水位が上がってきました。
かわごえ里山イニシアチブが借りている田んぼにも水がやってきました。
一緒にナマズも泳いできました。
‖ 草取り
前回の溝さらいから3週間後の7月9日(土)。
梅雨空の下、夏に向かう季節に合わせて稲も随分と生育してきました。
近くの田んぼでは、カルガモ達がのんびりと羽を休めたり稲の間を泳いでいました。
稲の生長とともに出てくるのが雑草。
民間稲作研究所の指導の下は受けていても肝となる水管理はなかなかうまく行きません。
特に入間川の水頼りのこの田んぼでは渇水対策が課題です。
こうして生えてしまったら除草剤を撒くか、人が抜くしかありません。
泥の中に根を張っているので土の上の雑草よりは力はいりません。
ただ、泥の中に足を入れているので移動が大変です。
主な雑草は、先ほど抜いていた「コナギ」とこの「ホタルイ」
他に稗も生えているのですが同じ稲科のため区別は難しい。
抜いた雑草は畦か泥の中に混ぜ込んで肥料にしてしまいます。
稲の間に生えているのをひたすら取り続けるしかありません。
多少、小雨がぱらついてますが、かんかん照りで無い分、作業は進め易いです。
後で知ったのですが、この「コナギ」は食べられるのだそうです。
そのため、調理して食べてみようと云う話しにもなっています。
そうすれば、除草ではなく収穫になってモチベーションもあがるのでは?
とにかく大量に生えてくるので食べれるとなったら興味がわきます。
ふと、田んぼをみると稲の色が少し違うことに気付きました。
手前が薄播きマット苗で奥がポット苗で手植えをしたエリアです。
田んぼは来るたびに何か新しい発見があります。
溝さらいと草取りというのは、田植えや収穫と違って地道な作業です。
特に草取りは数時間でもヘトヘトになりました。
農薬を使っていない有機稲作のお米の方が良いと思うのは誰しも同じ。
ただ、それを実現するには手間暇が掛かることは避けられません。
日頃何気なく食べて行くお米ができるまでには沢山の人の労力が関わっている。
そんなことが伝わればと思い記事にしました。
取材・記事 白井紀行
INFORMATION
かわごえ里山イニシアチブ
【告知】「田んぼの生き物調査(植物編)と野草料理を食べよう」が7月30日に開催されます。
まだ、若干の空きがあるので、下記(FB、チラシの連絡先)にお問い合わせください。
【FB】https://www.facebook.com/events/562338577301848/
【参考】これまでの記事を読むとより分かり易いと思います。