田んぼが育てる生き物を調べよう〜かわごえ里山イニシアチブ〜
5月21日にみんなで田植を行ってから、はや1ヶ月。6月25日の田んぼ。
こちらの田んぼは入間川から水を引いてます。
その前の週には、総出で用水路の藻の除去や田んぼの草取りを行いました。
水不足も心配されますが、稲はすくすくと育っています。
そして、もっと目を近づけるとそこには多種多様な生き物が棲息しています。
そんな、生物の多様性を調べる恒例の「生き物調査」が開催されました。
主催は、有機稲作農法を実践する「かわごえ里山イニシアチブ」です。
調査は未だですが、子ども達は待ちきれずに網を手に用水路を探します。
かわごえ里山イニシアチブ代表の増田さんの挨拶。
有機稲作農法に協力して頂いている「高梨農園」の高梨さん。
無農薬は良いと云っても、それには草取りなどの手間ひまが掛かる。
薬剤を使うのも、止むを得ないところも理解していただければとのこと。
本日の講師、食楽風土(クラフード)の林鷹央先生。
子ども達に「生き物調査では、走り回らないように」と注意点を伝えます。
走り回ると畦が崩れたり、生き物を踏みつぶしたりすることがあるから。
また、NGワードは「虫などを見て気持ち悪い」ということ。
無類の生物好きの先生ならではの思いが込められてています。
調査に使うシートは林先生らが製作したもの。
Aグループはタガメ、アオガエル、サンショウウオなどで見つけると5点。
Bグループはメダカ、ホウネンエビ、トノサマガエルなどで見つけると3点。
Cグループはアメンボ、カゲロウ、シジミなどで見つけると1点
ザリガニやウシガエルなどの外来種は−2点。
匹数でなく種類で加算(減算)で行って点数を付けるゲーム形式になっています。
こちらは昨年、行った調査の結果で、川越は30点くらい。
他では20点未満なので、川越は生物多様性に富んでいるといえるそうです。
さっき用水路を探っていた子ども達がカエルを手にやってきました。
捕まえたのはトウキョウダルマガエル。東京近郊では珍しくなって来ています。
いよいよ生き物調査開始です。
まずは、畦に立って15分ほど十分に観察をします。
畦から手の届く範囲でも驚くほどの種類の生物たちが暮らしています。
さて、何か見つかったでしょうか?
恐る恐る田んぼに足を踏み入れる子どもたち。
泥に足がずぶりと入り、ヌルリとまとわりつく感覚はここでしか味わえません。
全員で一列になって、じっくりと観察をしながら歩みを進めます。
何か気になるものが見つかったのかな?
転ばないようにお父さんにしっかりと手を握って生き物探し。
何か収穫があったようです。
15分ほどの調査時間はあっと云う間に終わりました。
直前に尻餅をついてしまって、お尻に泥がべったりと付いてしまいました。¥
さあ、調査の結果を調べましょう。
手に手に獲物を持って集積テーブルへ。
ずいぶんと沢山のダルマガエルを捕まえたね!
獲物は跳んだりして逃げてしまうものはバケツの中に。
それ以外は、虫かごからパットに移して生き物を確認します。
水が苦手な生き物もいるので休めるような葉っぱを入れておきます。
林先生が解説を加えながら、生き物の種類と名前を特定していきます。
それを、スコアシートで集計して点数を計算。
自由時間に用水路なんかで穫って来た生きもの達も加えています。
スコアシートの結果をもとに模造紙に分かり易く転記。
さて、こちらの田んぼの結果発表は!?
結果は24点。ちょっと低めなのは外来種が2種混じったのが原因のようです。
特にザリガニは、用水路に幾らでもいて、網で大量に掬えます。
生物多様性の観点や稲作の面(畦に穴を開ける)では、駆除していきたい生き物。
調査が終わったら、全ての生き物を田んぼや用水路に帰してあげます。
※生物調査では、ザリガニなどの外来種を除き、持って変えることはできません。
また、来年もこのカエル達に会えるよう、豊かな自然を育んでいきたいですね。
【注意】田んぼは農家さんの仕事場であり生活の糧です。
断りなく田んぼに足を踏み入れることは絶対に止めましょう。
また、絶滅危惧種や生態系の維持のため持ち帰らないようにして下さい。
ザリガニは駆除の対象なので持ち帰りできます。
ただし、育てきれなくなって再び田んぼや川に放すのも絶対に止めましょう!
取材・記事 白井紀行
!INFORMATION
田んぼ生き物調査(動物編)
【開催】平成28年6月25日(日)10:00〜12:00
【HP】https://www.facebook.com/events/138390299910773/
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