新連載!一艘の舟から始まる川物語(その1)〜早春の進水式〜

国道254線を北へ向かい、川越市を離れれば次の町は川島町。

3月27日に行われた和舟の進水式の取材に出かけました。

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安藤川に浮かぶのは、3月20日に完成したばかりの和舟。

木の地肌が美しい。

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船首を川下に向けていよいよ進水。

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川面を滑るように静かに下っていきます。

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ほどなくしてみんなが待ちわびる船着き場に到着。

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‖ 進水式

川島町の飯島町長の挨拶。

川とともに歩んで来た町の記憶を残すことと子供たちの思い出作り。

舟を新造したのはその2つの理由から。

今後、季節ごとに舟を使ったイベントも予定しているそうです

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川島町農政課の職員による本日のイベントの案内

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川島町網打連合会会長の挨拶と続きます。

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同会は入間川や越辺川で網打ち・舟乗り体験イベントを開催する団体。

他にも、魚類調査、外来魚の駆除、河川清掃などを行っています。

川越と川島の境となる落合橋付近でも網打ちをします。

入間川でも鮎が捕れるそうで、それを聞かされときはとても驚きでした。

 

‖ いよいよ出航!

ライフジャケットを身につけ舟に乗り込む子供たちはとても嬉しそう。

ちょっとした揺れにも歓声があがります。

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やがて舟は岸を離れ

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ゆっくりと川上へと進んで行きました。

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竹竿一本で舟を巧みに操る船頭の加藤さんも網打連合会の一人。

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背筋をピンと伸ばした鯔背な出で立ち。

沢山の人を舟に乗せて何往復しても全く疲れた様子もなくむしろ楽しげ。

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‖ 加藤さんとの出会い

普段は鳶職人である加藤さんと知り合ったのは4年前、市制90周年の川越まつりで。

この年に私たちの事業のひとつ「山車ナビプロジェクト」が始まりました。

これは、山車にWebカメラを取り付けてのライブ中継と位置情報を知らせる実証実験。

そのときに、川越市の山車を曳いていた鳶の一人が加藤さんでした。

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そして、この舟は茨城県の舟大工 峰岸さんとともに一枚板の状態から造ったもの。

1月の下旬から毎週のように車で3時間かけて訪ね、製作を手伝ってきました

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そんな思い入れのある舟を操るのですから自然と笑顔がこぼれます。

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‖ 吉澤さんとの出会い

舟を見つめるもう一人の姿がありました。

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川越の伊佐沼の近く、鴨田にある自宅の工場で包丁鍛冶を始めたばかりの吉澤さん。

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独特な形状をした舟釘の製作で、この和船に関わっています。

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吉澤さんは、高知で鍛冶の修行をしてきましたが、舟釘は初めて。

釘がどのように使われているかなどを話し合う二人。

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最後の組のお客を乗せてこの日の進水式はお開き。

およそ60名の参加があったそうです。

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‖  川物語が始まる

舟を川上に移動させるためエンジンを取り付けた状態で記者も乗船。

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春の心地よい風に頬に受けながらあっという間の短い舟旅でした。

あぁ、このまま、舟でどこまでも進んで行けたら。

かつて舟運が川越から浅草へと下ったルートを辿ることができたら。

そんなことを考えていました。

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新連載!と銘打ったように、舟と川を中心に物語を綴っていきます。

舟釘の製作をした吉澤さんへのインタビューと茨城県での舟作りの模様は掲載予定。

しかし、そのあとは未だ決まっていません。

舟や川を介してどんな人と繋がり、どんな展開が待っているか?

また、川島町網打連合会の取り組みについても触れられたらと考えています。

これから始まる川物語にご期待ください!

取材・記事 白井紀行


INFORMATION

川島キャスティングネット(川島網打連合会青年部)

【HP】http://kawajimacastingnet.jimdo.com/

シリーズ連載(第一章)

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